情報バリアフリー事業助成金 ~チャレンジド向け通信・放送役務提供・開発推進助成金~ 平成27年3月3日 独立行政法人 情報通信研究機構 産業振興部門 情報バリアフリー推進室 1 制度の目的・概要 本制度は「身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事 業の推進に関する法律」(障害者利用円滑化法)第2条第4項第1号に規定する事業 に対し助成を行うものです。 一 通信・放送役務を提供し、又は開発する業務 助成対象は、身体上の障害のため通信・放送役務を利用するのに支障のある人 がこれを円滑に利用できるよう、通信・放送役務の提供又は開発を行う民間企業 等であり、本役務提供等に必要な経費の一部を助成するものです。 助成案件の選定に当たっては、申請事業内容を機構内に設置した外部有識者か ら構成される「評価委員会」において審査し、その結果を基に機構が交付先、交 付額を決定します。 ✔ 評価委員会では、申請者から申請概要の説明及び質疑応答に対応して頂く場合があります。 ✔ 採択された事業については、次年度の国際福祉機器展へ出展、成果を発表して頂きます。 総 補助金 務 省 助成金交付 評価委員会 申請 情報通信研究機構 事業者( 申請者) 公募 1 2 支援の要件と内容 本制度では、対象となる「役務の提供」又は「役務提供のために必要な開発」に直接 必要な経費が助成対象になります。 また、申請者が自らサービスを提供することが条件(開発だけでは助成対象外)です。 (1) 助成対象の選定基準 ① 助成対象事業を的確に遂行するに足る能力を有すること。 ② 助成対象事業の内容が次の各要件に合致すること。 有益性:提供又は開発される通信・放送役務が、身体障害者(以下「チャレンジド」 という。)の利便の増進に著しく寄与するものであること。 波及性:提供又は開発される通信・放送役務に関するチャレンジドのニーズが高く、 事業実施の効果が全国的に広く及ぶものであること。 ③ 助成対象事業に係る資金調達が自己のみによっては困難であること。 ④ 助成対象事業を的確に遂行するのに必要な経費のうち、自己負担分の調達に 関して十分な能力を有すること。 ⑤ 助成対象事業に係る経理その他の事務について的確な管理体制及び処理能力 を有すること。 ※助成金交付要綱第4項より抜粋 2 (2) 助成金交付の対象となる経費 ① 助成金交付の対象となる経費(助成対象経費) 助成対象期間内(助成金の交付決定の日から当該年度3月末日まで)に契約 かつ支出された、助成対象事業を行うために直接必要な経費のうち、 機構が認 めたものです。 ② 助成対象経費の費目 費 目 助成対象経費の範囲 Ⅰ 機械装置等購入費 助成対象事業に必要な機械装置(電子計算機を含む。)及び工具器具備品 (耐用年数1年以内のものを除く。)の購入、製造、改造、借用、修繕又は裾 付けに必要な経費。 Ⅱ 外注費・委託費 助成対象事業に必要な機械装置の設計、試作品の試験若しくは評価又はソフ トウェアの制作等の外注又は委託に必要な経費。 Ⅲ 労務費 助成対象事業に直接従事する職員等に対する人件費。各々の人件費は基本給 のほか、賞与、家族手当、住宅手当及び法定福利費を含むが退職金は除く。 Ⅳ その他 の経費 ⅰ 消耗品費 助成事業を行うために直接必要な材料及び消耗品費。試作品の製造に必要な 経費を含む。 ⅱ 諸経費 助成事業を行うために直接必要な旅費、文献購入、コンピュータ使用料、運 送費、賃貸料その他事業に必要な経費として機構が認めた経費。 ③ 助成金の限度額 助成対象経費の2分の1を上限に機構の予算の範囲内で助成 3 (3) 助成対象の事業について <対象となる事業> ① この助成金は「誰もが等しく通信サービスや放送番組を利用できる環境を整備」す るための機器の開発やサービスの提供を行う事業を公募するものです。 ⇒情報バリアフリー環境の実現 が目的です ② すなわち、聴覚障害や視覚障害をはじめ、様々な身体障がいがある方でも、健常 者と同じように通信サービスやテレビ放送番組を楽しむことが出来るような工夫(開 発等)に取り組もうとされる方に対し、助成を行うものです。 ③ そのため、既存のサービスを障がいのある方でも利用できるようにするため、機能 の追加、プログラムの変更、インターフェイスの改良など、新たな機器やサービスの 開発以外でも助成の対象になります。 ※ 助成の対象になるかどうかなどの疑問がありましたら、相談はいつでも受けていますので、機構まで連 絡下さい。 <期待される効果> ① 障がいのある方でも、より容易に通信サービスを利用してコミュニケーション出来 る。また、テレビ放送番組の内容をより深く理解し、楽しむことが出来る。 ② 既存のサービスを改善する場合、付加価値の増大により健常者の利用拡大も期 待出来る。 4 (4)申請に当たっての注意事項 有識者による評価委員会では、申請事業に対し、以下のような点について、 説明を求められることがあります。 ✔ 通信・放送役務を利用していることは最低限必要 ○ 障がいのある方や支援する方のニーズに合致しているか? ・ ・ ・ ・ 対象とする障がいやその程度などは明確か どのようにニーズの把握を行っているか その解決策として、申請してきた事業は最適か (情報通信分野は技術革新が速いが)それへの対応は考えられているか ※バージョンアップなどフォローアップ体制 ・ 市場に既に同様の製品、サービスは存在していないか ※存在する場合、それとの違いは何か ○ 製品、サービスの提供方法、展開、普及計画は考えられているか? ・ 製品等の展開方法は ・ 提供される製品等を利用するために、更なる支出が必要になっていないか ※通信費(特に常時接続環境など高額な費用)や消耗品代等の発生の有無 ・ サービスの提供主体は ・ 提供価格や販売数は ・ 申請事業の企業化(収支見込等)計画は 5 3 申請から交付までのスケジュール (平成27年度) 公 募 期 間 平成27年2月2日(月)~4月10日(金) 助成金交付決定 平成27年6月下旬頃 助成対象期間 交付決定の日~平成28年3月末日 実 績 報 告 書 平成28年3月末までに機構に提出 助成金の交付 平成28年4月下旬 ○公募のお知らせは、NICTホームページ(http://www.nict.go.jp/)のプレスリリース に掲載しています。 ※平成27年度の公募については2月2日に公表(報道発表)しています。 ○申請方法や助成実績等の詳しい情報は、本助成金のホームページ (http://www2.nict.go.jp/ict_promotion/barrier-free/104/index.html)でご覧いただけます。 6 4 助成実績等 (1)助成事業の例 分 類 サービス ◎インターネット上の録音図書、ニュース、道案内等の音声読上サービス ・視覚障害のある方のために ◎ラジオや無線呼出を利用した情報配信サービス ◎パソコン画面・音声共有リモート・サポート・サービス ◎学習型赤外線リモコン利用支援サービス ・視覚障害、肢体不自由のある方のために ◎インターネットを利用したイメージ配信サービス ◎意思伝達支援サービス ◎電話リレーサービス ◎緊急情報を電子メールで知らせるメッセージサービス ◎字幕配信サービス ・聴覚障害のある方のために ◎テレビ電話を用いた総合情報サービス ◎遠隔要約筆記支援サービス(リモートノートテイカー) ◎FAX~携帯電話間の通信サービス ◎ウェブアクセシビリティの向上 ・ウェブを利用したサービス ◎インターネットを用いた総合生活支援サービス ・高齢者・障害者のために ◎生活支援システム (2)助成件数等の推移 年 度 22年度 23年度 24年度 25年度 26年度 累 計 応募件数 20件 14件 10件 11件 10件 259件 助成件数 助成額 8件 5,393万円 7件 6,360万円 7件 6,234万円 7件 6,176万円 7件 5,499万円* 115件 9億4,099万円 (*) 平成26年度は交付決定した助成件数及び助成額(実績額は平成27年4月以降に確定) 7 (参考) 情報バリアフリーのための情報提供サイト このサイトでは、情報通信 分野のバリアフリー情報を提 供するポータルサイトとして 次のような情報を提供してい ます。 ・NPOや民間事業者による支援サービス の紹介、技術開発等の現状 ・NICTによる取組(助成金制度、助成事 業の紹介、成果発表会の模様) ・ウェブアクセシビリティの解説、取組事例 ・行政の取組(施策、法令、統計データ) http://barrierfree.nict.go.jp/ 8 身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律(平成五年五月二十六日法律第五十四号) 抜粋 (目的) 第一条 この法律は、社会経済の情報化の進展に伴い身体障害者の電気通信の利用の機会を確保することの必要性が増大していることにかんがみ、 通信・放送身体障害者利用円滑化事業を推進するための措置を講ずることにより、通信・放送役務の利用に関する身体障害者の利便の増進を図り、 もって情報化の均衡ある発展に資することを目的とする。 (定義) 第二条 この法律において「通信・放送役務」とは、電気通信役務(電気通信事業法 (昭和五十九年法律第八十六号)第二条第三号 に規定する電気 通信役務をいう。)及び放送(放送法 (昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第一号 に規定する放送をいう。)の役務をいう。 2 この法律において「解説番組」とは、テレビジョン放送(放送法第二条第十八号 に規定するテレビジョン放送をいう。以下同じ。)において送られる静 止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組をいう。 3 この法律において「字幕番組」とは、テレビジョン放送において送られる音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見 ることができる放送番組をいう。 4 この法律において「通信・放送身体障害者利用円滑化事業」とは、次に掲げる業務を行う事業であって、身体上の障害のため通信・放送役務を利用 するのに支障のある者が当該通信・放送役務を円滑に利用できるようにするためのもので、身体障害者の利便の増進に著しく寄与するものをいう。 一 通信・放送役務を提供し、又は開発する業務 二 通信・放送役務を提供するための電気通信設備に付随する工作物を設置する業務 三 解説番組、字幕番組その他の放送番組を制作する業務 (機構による通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進) 第四条 独立行政法人情報通信研究機構(以下「機構」という。)は、この法律の目的を達成するため、次の業務を行う。 一 通信・放送身体障害者利用円滑化事業の実施に必要な資金に充てるための助成金を交付すること。 二 通信・放送身体障害者利用円滑化事業に関し、情報の収集、調査及び研究を行い、その成果を提供し、並びに照会及び相談に応ずること。 三 前二号の業務に附帯する業務を行うこと。 お問い合わせ先 独立行政法人 情報通信研究機構 産業振興部門 情報バリアフリー推進室 〒184-8795 東京都小金井市貫井北町4-2-1 TEL 042-327-6022 FAX 042-327-5706 Email [email protected] 9
© Copyright 2024 ExpyDoc