宿泊業 中小企業事例 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 温泉の排熱を利用する設備等の導入による省エネルギー事業 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 株式会社八幡屋 平成24年度エネルギー使用合理化事業者支援事業 ◎総事業額:約1億570万円 ◎補助金額:約3,170万円 取組の概要 ●取組の背景と目的 旅館業は施設産業であり、営業経費に占めるエネルギーコストの割合が大きいため、平成7年に現在の施設を建設した際 に、夏場の電力使用量のピークカットをするため、館内のパブリックスペースの空調用にガス式ヒートポンプを導入した。 また電力のベースダウンのため、重油焚きの自家発電設備を導入して、一時は館内で使 用する電力の70%~80%を賄っていたが、その後重油価格の値上げによりランニング コストが上がり、自家発電設備の投資回収もできたことから、一般電力に切り替えた。 そこでホテル内でほぼ24時間稼働している温浴設備に対して、排湯熱利用ヒートポ ンプ設備による温泉昇温システム、残留塩素濃度によるろ過循環設備省エネシステムを 導入することと、高効率空冷ヒートポンプエアコンの導入により、客室空調の省エネを 図ることを目的とした。 ▲排熱利用昇温システム ●導入設備の概要 ◎排湯熱利用ヒートポンプ(定格能力:120kW 消費電力:31kW)1台 ◎ろ過 設 備 省エネシステム(ポンプ 容 量: 5.5kW)他7台 (5.5kW×2台、3.7kW×2台、2.2kW×3 台、1.5kW×1台の合計8台) ◎高効率空冷ヒートポンプエアコン(冷房能力: 73kW 暖房能力:81.5kW) ▲ろ過循環省エネシステム ▲高効率空冷ヒートポンプエアコン (室外機) 運用状況と省エネルギーの効果 エネルギー使用量 (原油換算kℓ/年) 導入前 1,707 導入後 1,605 削減率 6.0% 〈計画値〉 ◎投資回収年数:16.2年 温泉昇温熱源として、従来の温水器から高効率の排湯熱熱利用水熱源ヒートポン プを設置することで省エネを実現。既存ろ過装置に残留塩素濃度監視装置を設置し て、その値から入浴者数の変動を計算し、ろ過ポンプをインバータ制御している。 客室の空調については、冷温水発生機による中央熱源空調から、個別制御可能な高 効率空冷HPエアコンによる空調に更新することで、電力使用量を大幅に削減し た。 一方で、温泉ボーリングを行ったところ新たな源泉が発見され、利用できる湯量 が増加したことから、排湯熱利用水熱源ヒートポンプを平成26年2月からさらに 有効活用できるようになった。 また全館でLED照明を導入して省エネを図っている。 事業者概要 株式会社八幡屋 ■住所:福島県石川郡石川町大字母畑字 樋田75の1 ■電話:0247-26-3131 ■資本金:5,000万円 ■従業員数:約130名 ■URL:http://www.yahataya.co.jp/ ■事業内容:旅館業 19 この地、この場所で寛ぐことで、最高の「幸せ」を感じてい ただくこと。それが私たちが最も大切にしていることです。八 幡太郎義家が母衣と旗を奉納したことからの名が付いたと言わ れる母畑温泉。この由緒ある地において100余年育んできた もの、それは礼をつくすおもてなしの心から生まれる「お客様 の幸せ」です。すべてはお客様の「幸」のために。その「お客 様第一主義」を、私たちは今に伝え、大切に守り育てていま す。この変わることのない「八幡屋の精神」を、次代に語り継 ぐことを使命に、私たちはいま、地域を代表する観光拠点とし て大きく成長していきます。
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