受賞理由

《各受賞者の受賞理由・略歴》
⼤阪⽂化祭賞最優秀賞
舞扇会
主催
1件
⼭村流六世宗家
⼭村友五郎
「三代⽬⼭村友五郎・四代⽬⼭村若
(ぶせんかい
さんだいめ
しゅさい
やまむらりゅう ろくせいそうけ
やまむらともごろう よだいめ
やまむらわか
襲名披露舞扇会」の成果
やまむらともごろう
しゅうめいひろう ぶせんかい の
せいか)
(第1部⾨:伝統芸能・邦舞・邦楽)
⼭村流六世宗家が流祖の名跡⼭村友五郎を 120 年ぶりに復活して三代⽬を襲名し、⻑男
侑の四代⽬若襲名と合わせて披露する記念の舞踊公演「舞扇会」を平成 26 年 9 ⽉に 3 ⽇
間計6公演、国⽴⽂楽劇場で開催した。流儀の⼀⾨ばかりか花柳壽輔や井上⼋千代ら⽇本
舞踊界を代表する各流家元も招いて、“邦舞の祭典”ともいえる花も実もある舞台を展開し
たことは、上⽅舞のよさを⼀般に広く再認識させるとともに、とかく沈滞ぎみな⼤阪の伝
統⽂化を活性化し、将来に向けて明るい道筋を切り拓く上で、意義深いものであった。よ
ってこの「舞扇会」の成果に平成 26 年度⼤阪⽂化祭賞最優秀賞を贈る。
三代⽬友五郎は昭和 39 年⼤阪市出⾝。⼭村流に江⼾時代より伝わる座敷舞と歌舞伎舞
踊の⼆つの流れを⼤切にして、伝統ある上⽅舞の継承に⼒を注いできた。平成 22 年には
芸術選奨⽂部科学⼤⾂賞受賞。⼀⾨の指導育成に加えて、東京の舞踊家と「五耀会」公演
を定期的に開催。上⽅歌舞伎や⽂楽、宝塚歌劇の振付、舞踊指導など多彩で意欲的な活動
は全国的にも注⽬される。いままさに旬の⼈である友五郎の今回の受賞は⼤阪に根づいた
伝統⽂化の他ジャンルにも多⼤な波及効果が期待される。
【略歴】本名 ⼭村武 昭和 39 年 4 ⽉⼤阪に⽣まれる。祖⺟・四
世宗家若や⺟・⽷のもとで幼少より修業。早逝した⺟に五世宗家
を追贈し平成 4 年 1 ⽉、六世宗家⼭村若を襲名した。同 18 年に
は「⼭村流創流⼆百年舞扇会」を開催。同 26 年 7 ⽉ 10 ⽇、三代
⽬⼭村友五郎を襲名。披露⽬の舞踊公演「舞扇会」を同年 9 ⽉ 26
⽇から 3 ⽇間にわたり⼤阪で開く。主な活動は毎年、⼭村流舞踊
会として「舞扇会」を主宰するほか、⼀⾨の育成指導、歌舞伎、
⽂楽、宝塚歌劇などの振付、舞踊指導にあたっている。国⽴⽂楽
劇場養成科講師、宝塚歌劇団⽇本舞踊講師、⼤阪芸術⼤学舞台芸
術学科⾮常勤講師。
[受賞]平成 3 年 ⼤阪⽂化祭奨励賞受賞、平成 13 年 ⽂化庁芸術
祭新⼈賞受賞、平成 15 年 舞踊批評家協会新⼈賞受賞、平成 18
年 芸術選奨⽂部科学⼤⾂新⼈賞受賞、平成 19 年 ⽂化庁芸術祭優
秀賞受賞、平成 20 年 ⽇本舞踊協会 花柳壽應賞新⼈賞受賞、平成
21 年 ⼤阪⽂化祭賞受賞、平成 22 年 芸術選奨⽂部科学⼤⾂賞受
賞、ベスト・ファーザー賞 in 関⻄、平成 26 年 ⽇本伝統⽂化振
興財団賞受賞
⼤阪⽂化祭賞優秀賞
2件
維新派
「透視図」の成果
(いしんは「とうしず」の せいか)
(第2部⾨:現代演劇・⼤衆芸能)
昭和 45 年の旗揚げ以来、役者、スタッフが公演毎に⾃らの⼿で野外に⼤規模な特設舞台
を造り、関⻄野外劇の雄の冠を頂いてきた維新派。近年は海外や他府県での公演が続いた
が、10 年ぶりに本拠地・⼤阪に帰ってきた。
今回、舞台を組んだのは明治期の⼤阪開港の地、現在「⽔都⼤阪」のシンボル空間になっ
ている中之島 GATE。病室から⼤阪の街を思う少年と沖縄⽣まれの祖⺟を持つ少⼥2⼈を
主⼈公に、都市の記憶を維新派独⾃の変拍⼦にのせた⼤阪弁のせりふの中に描いた。⾼層
ビル群を遠景に、約 40 ⼈の役者が維新派独⾃の⾔語スタイルとリズム、動作、野外劇場
ならではの⾃由さで、外部のノイズさえも作品の⼀つに取り込み、維新派ならではのテイ
ストを盛り込んだスケールの⼤きな美しい舞台を作り上げた。野外劇にこだわった唯⼀無
⼆の存在、独創的で完成度の⾼い作品の成果に加えて、維新派の公演ではおなじみの屋台
村の賑わいづくりも、⾼い⽀持を集めた。
【略歴】関⻄を拠点とし、主宰・脚本・演出を
つとめる松本雄吉を中⼼に、さまざまな場所で
公演を⾏う。
「移⺠」や「漂流」をキーワードに
して、昭和 45 年の創設以来、⼀貫してオリジ
ナル作品を上演している。特に、野外に⾃らの
⼿で巨⼤劇場を建設するという⼿法は国内外か
ら注⽬を集めている。代表作に、野球グラウン
ドを全⾯使⽤した『さかしま』
(平成 13 年)や、
びわ湖上に舞台を作った『呼吸機械』(平成 20
年)、また『MAREBITO』(平成 25 年)では、
瀬⼾内海の島々を借景に岡⼭の離島、⽝島で地
球や⼈類の歴史と未来を描いた。平成 12 年以
降は、ヨーロッパやアジアなど、海外の公演も
多く⾏っている。平成 27 年は奈良県曽爾村で
の野外公演を予定。
[受賞]平成 14 年 第 2 回朝⽇舞台芸術賞受賞
いずみホール
「いずみホール・オペラ2014
(いずみほーる
「いずみほーる・おぺら 2014 かげき
歌劇
フィガロの結婚」の成果
ふぃがろのけっこん」の
せいか)
(第3部⾨:洋舞・洋楽)
結婚式を控えたスザンナ(⽯橋栄美)とフィガロ(⻄尾岳史)のコミックなコンビ
が秀逸で、愛の死を嘆きながらケルビーノ(向野由美⼦)にゾッコンのアルマヴィー
ヴァ伯爵夫⼈(澤畑恵美)と、初夜権の復活を狙う伯爵(⿊⽥博)が⼥性陣の反撃で罰
せられるプロットは今も説得⼒がある。脇にも歌唱⼒のあるキャスト(福原寿美枝、折
江忠通、清原邦仁、四⽅典⼦、晴雅彦)を集めた。河原忠之の指揮はザ・カレッジ・オ
ペラハウス管弦楽団を駆りたて、ダ・ポンテ喜劇のテンヤワンヤをモーツアルトの⾳
楽に乗せておもしろおかしく聴かせる。粟國淳の演出はオケの後⽅に仮設した奥⾏き
の浅い舞台を横⻑に使い、現代服の登場⼈物をグループに分けてバランスよく配し、
⼊り組んだ⼈間関係を視覚的に整理して、ホールの特性を⽣かした活気のある舞台作
りに成功した。コンサートホールでのオペラ上演の可能性を追求する企画の成果は顕
著で優秀賞にふさわしい。
【略歴】いずみホールは平成 2 年の開館以
来、⾳楽ディレクターに礒⼭雅(⾳楽学
者:国⽴⾳楽⼤学招聘教授)を迎え、⾳楽
による社会貢献と関⻄・⼤阪からの⾳楽⽂
化発信をめざし、年間約 30 の主催公演を
開催している。「いずみホール・オペラ」
シリーズは重要な柱の⼀つで、クラシック
⾳楽専⽤ホールの特性を⽣かした「⾳楽そ
のものが主役」のオペラ上演を追求してい
る。関⻄の歌⼿の紹介にも重点を置いてき
た。シリーズのプロデュースはこれまでに
湯浅卓雄、釜洞祐⼦、岩⽥達宗、河原忠之
が歴任し、上演スタイルは演奏会形式から
セミ・ステージ形式へと変化を遂げている。
[受賞]平成 17 年「カルメル会修道⼥の
対話」⾳楽クリティック・クラブ賞受賞、
平成 22 年「オルフェオとエウリディーチ
ェ」 第 9 回三菱UFJ信託⾳楽賞 奨励
賞受賞
⼤阪⽂化祭賞奨励賞
4件
第24回上⽅歌舞伎会出演者⼀同
「第24回
上⽅歌舞伎会」の成果
(だいにじゅうよんかい
かみがたかぶきかい
「だいにじゅうよんかい
しゅつえんしゃいちどう
かみがたかぶきかい」の せいか)
(第1部⾨:伝統芸能・邦舞・邦楽)
上⽅の若⼿歌舞伎俳優の育成を⽬的とする夏恒例の公演。昨年は『信州川中島合戦』よ
り「輝⻁配膳」と『義経千本桜』の「椎の⽊」から「鮓屋」までを上演し、例年を上回る
成果を上げた。それぞれが全⾝全霊で難役や⼤役に挑み、緊張感漂う⼈間ドラマを展開。
義太夫狂⾔の台詞回しに進歩を感じさせつつ、観客を作品世界に引き込む舞台を作り上げ
た。出演陣と指導陣の熱意や奮闘を称え、今後のさらなる成⻑への期待も込めて奨励賞を
贈る。
【略歴】昭和 55 年より開催された若⼿俳優によ
る勉強会「若鮎の会」を前⾝とし、上⽅歌舞伎の
伝統の継承及び若⼿俳優の技芸向上を⽬的として、
平成 2 年より毎年 7〜8⽉に国⽴⽂楽劇場が主催
している公演。平成 26 年までに計 24 回の開催を
数える。幹部俳優の熱⼼な指導のもと、普段の公
演では演じることの無い⼤役に挑戦している。
林家花丸
「林家花丸独演会〜⼈と⼈、情と情」の成果
(はやしやはなまる「はやしやはなまる
どくえんかい
〜ひと と
ひと、じょう
と じょう」の
せいか)
(第2部⾨:現代演劇・⼤衆芸能)
50 歳の節⽬を前に、初めて「独演会」と銘打った会。その並々ならぬ意気込みが存分に
発揮された。⼈情をテーマにした2席のうち「厩⽕事」は、揺れ動く⼥⼼を巧みに演じ、
サゲの⼯夫も秀逸。師匠染丸の⼗⼋番「幸助餅」は、相撲道楽で⾝を崩す幸助の復活劇を
ドラマチックに描き、感極まって涙する客も。師匠譲りの本格派として確かな⼒量を感じ
させた。繁昌亭⼤賞、⽂化庁芸術祭優秀賞に続く受賞。この勢いで今後の活躍を期待した
い。
【略歴】昭和 40 年⽣まれ、兵庫県尼崎市出⾝。
桃⼭学院⼤学社会学部卒。
平成 3 年4代⽬林家染丸に⼊⾨。独⾃の感性で
滑稽噺や⼈情噺に新たな⼯夫を加え、落語ファ
ンのみならず幅広く観客に⽀持されている。
[受賞]平成 11 年 新進落語家競演会新⼈賞
受賞、第 36 回なにわ芸術祭落語部⾨⼤阪府知
事賞、同⼤阪市⻑賞受賞、平成 22 年 繁昌亭
爆笑賞受賞、平成 26 年 繁昌亭⼤賞受賞、
⽂化庁芸術祭 ⼤衆芸能部⾨ 芸術祭優秀賞受賞
安積瑠璃⼦
「⼤阪バレエ・カンパニー公演『海賊』」における主役メドーラの成果
(あづみるりこ「おおさかばれえ・かんぱにー
こうえん『かいぞく』
」に
おける しゅやく
めどーら のせいか)
(第3部⾨:洋舞・洋楽)
天性のものと思わせる華やかさに舞台ごとに磨きがかかるバレリーナ。特にこの『海賊』
の主役メドーラでは、ロシア、ワガノワ・バレエ・アカデミー留学でブラッシュアップさ
れたバレエの基礎のもと、⽇本⼈離れした⾼⾝⻑、⻑い⼿脚を活かし、ジャンプや回転等
⾼い技術も駆使し、伸びやかにスケールの⼤きな踊りで観客を魅了。コミカルな場⾯は歌
うように楽しげに表現。登場するだけで、舞台を輝かせる⼤型新⼈であることを強く感じ
た。
【略歴】平成 18 年 ⽇本バレエ協会関⻄
⽀部バレエ芸術劇場で主役に抜擢される。
ロシア国⽴ワガノワ名称ロシアバレエアカ
デミーに留学し、リュドミラ・V・コワリ
ョワに師事。帰国後、カンパニー公演、芸
術劇場などで主要な役を務める。
[受賞]平成 13 年 OsakaPrix 第 2 回ク
ラシックバレエコンクールジュニア 2 部 第 1
位、
平成 16 年 OsakaPrix 第5回クラシックバ
レエコンクールジュニア1部 第1位、
平成 17 年 第 15 回全国バレエコンクール
in Nagoya ジュニアC部⾨ 第1位
関⻄弦楽四重奏団
「関⻄弦楽四重奏団」演奏会の成果
(かんさいげんがくしじゅうそうだん「かんさいげんがくしじゅうそうだん」えんそうかいのせいか)
(第3部⾨:洋舞・洋楽)
⽇本のオーケストラの第⼀線で活躍する4⼈が、弦楽四重奏に恒常的に取り組んでいこ
うという決意を鮮明にした演奏会。バルトークでは4⼈の覇気をぶつけ合い、ブラームス
では作品に込められた叙情と精巧な構造を感性の鋭さと技術の確かさで丁寧に浮かび上が
らせた。作曲家にとって重要な作品ジャンルである弦楽四重奏だが、⽇本で常設の四重奏
団はそう多くない。互いに⾳楽性を認め合う4⼈が進むこれからに期待を込めて。
【略歴】関⻄弦楽四重奏団
Kansai String Quartet
ヴァイオリン:林 七奈(⼤阪交響楽団コンサートマスター)
⽥村 安祐美(京都市交響楽団)
ヴィオラ:⼩峰 航⼀(京都市交響楽団⾸席)
チェロ:上森 祥平
現在⽇本のオーケストラのコンサートマスターや⾸席奏者と
して、あるいは数々の室内楽コンサート等でも活躍する第⼀
線のプレイヤー達が弦楽四重奏へのひときわ強い情熱と強い
意志を持って平成 24 年に結成した新鋭の弦楽四重奏団。
気鋭の⾳楽家たちによる強い情熱の発露である関⻄弦楽四重
奏団が⾳楽界に新たな活⼒をもたらすものとして期待される。
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■この件に関するお問い合わせ先■
【⼤阪⽂化祭賞事務局】
公益財団法⼈関⻄・⼤阪 21 世紀協会 ⽂化事業部 樋⼝
TEL/06-7507-2002
FAX/06-7507-5945
e-mail/ [email protected]
〒530-6691 ⼤阪市北区中之島 6-2-27 中之島センタービル 29 階