モノづくり product innovation 手作り電気自動車〈岡本電装〉が手掛けた手作り電気自動車の第１号は、スズキアルトがベース。自動車電装部品に精通している同社だけに、モーター、DCコントローラー、変速機、電装品などの換装についてはスムーズに進めることができたという。航続距離はフル充電で60～70km。加速性能も申し分なく、キビキビとした走りを実現している。「平地はもとより、坂道においても一般のガソリン車と遜色ない走行性能を発揮できるよう独自の改良を重ねました」と岡本社長コンバージョン E V 事業で切り開く新たな未来昭和50年、自動車電装部品の修理業からスタートし、現在は自動車整備全般を手掛ける〈岡本電装〉。同社は、平成24年に中古のガソリン車を電気自動車に生まれ変わらせるコンバージョンEV事業に参入。同年６月に手作り電気自動車として県内初の仙台ナンバーを取得した。「電気自動車がメーカーから続々と発売されている現在、それらの整備を行うための知識やノウハウを蓄えていくことは我々の急務。コンバージョンEV事業への参入は、その一環でした」こう語るのは、同社代表取締役の岡本啓三郎さん。製作にあたっては、新潟県長岡市でEV改造ビジネスを推進する〈EVhonda株式会社〉の技術協力を受け、社員全員で取り組んだ。製作開始からナンバー取得までの期間はおよそ半年。車検の取得に手間取るなど苦労も多かったが、得られたものも大きいと振り返る。「初めは社員も戸惑っていましたが、今はEV製作の奥深さに楽しさを感じているようです。これまで７台のEV製作を手掛けてきましたが、お客さまとのやりとりリチウムバッテリーは24Vの大容量タイを通じて、接客力も向上しました」プで、もちろんACコンセントからの充電が可能。メーターまわりには充電のタイ最近では旧車のEV化といった注文も入ミングがわかるように電流・電圧計を配る。新事業への参入は、同社にとって新したほか、メインキーとは別にブレーカたなマーケットの開拓にも結びついた。ーのスイッチが設けられている有限会社岡本電装代表取締役岡本啓三郎さん手作り電気自動車第１号の完成後、私自身はEVアドバイザーの資格を取得し、その流れの中で多くの方々との出会いが生まれました。今、そうした仲間たちと研究を進めているのが、車の走る力そのものを利用してバッテリーをチャージしていく仕組みづくりです。現在は、そのための装置を試作し、試験を重ねている最中。早期に実用化を成し遂げ、コンバートEVをさらに広めていけるきっかけになればと考えています。有限会社岡本電装　仙台市青葉区上愛子字車57-13　TEL 022-392-4134　営業時間／9:00～18：00（第3日曜日16:00～は社員研修）　定休日／火曜　http://oka-den.main.jp/ 22