14-D-0957 2015 年 2 月 27 日 株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。 積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人 【据置】 長期発行体格付 格付の見通し 債券格付 (証券コード:8973) AA− 安定的 AA− ■格付事由 (1) 本投資法人は、住居を投資対象とする不動産投資法人(J-REIT)。資産運用会社である積水ハウス・SI ア セットマネジメントの出資者は、積水ハウスが 75%、スプリング・インベストメントが 25%となってい る。10 年 3 月から現在のスポンサー体制へと移行し、メインスポンサーである積水ハウスの強みを生か した、高品質な住居を基軸としたポートフォリオの構築を進めている。14 年に積水ハウスとの協働体制 のもと、「住居特化型リート」への転換を図るべく、本投資法人の商号を現商号に変更し、住居のみを投 資対象とする方針に変更した。 (2) 現在の資産規模は、106 物件、取得金額総額約 1,860 億円。14 年には 2 度の公募増資を実施し、積水ハウ スおよび積和不動産グループが開発した住居物件を中心に、14 年 2 月以降の 1 年間で 13 物件・約 373 億 円の新規物件を取得した一方で、商業施設を 1 物件売却したことにより住居比率は徐々に上昇している。 本投資法人の住居の平均築年数は 14/9 期末で 7.9 年と新しく、住居系 J-REIT の中でも上位にランクする 築年数である。また、住居の稼働状況については、保有物件の中長期的なパフォーマンスの維持・向上を 図るべく積和不動産グループへの PM の集約化をするなどしてきた結果、14/9 期末で 96.3%と高い水準 である。このように、積水ハウスグループの総合力を活用しながら、物件の入れ替え(高品質な住居の取 得および商業施設の売却)やポートフォリオの質的向上をしつつ資産規模の拡大を進め、安定的な住居賃 貸事業が継続されてきた。ただ、商業施設については原則として売却を検討することとしており、住宅特 化型リートとして今後商業施設をどのように運用しポートフォリオを構築していくのか、その推移につい て注目している。以上を踏まえ、格付を据え置き、見通しを安定的とした。 (3) 現在のポートフォリオ構成は、住居が約 91.1%、商業施設が約 8.9%となっている。東京圏主要都市部へ の投資を中心とするが、積水ハウスグループの全国ネットワークを活用しつつ東京圏への一極集中リスク を軽減するために全国主要都市に対しても 20%程度投資をする方針である。足元における住居の取得価 格比率は東京圏主要都市部で約 69.0%、東京圏その他都市部で約 3.1%、全国主要都市で約 27.9%となっ ている。稼働状況については、14/9 期末におけるポートフォリオ全体で 97.1%、住居で 96.3%、商業施 設で 99.9%と高い水準である。商業施設については、リーシングが進展し稼働率が上昇した物件もある が、今後の賃料改定を含めた運営状況については引き続き留意が必要であると判断している。 (4) 財務面については、積水ハウスの親密金融機関を中心とするバンクフォーメーションを構築し、借入コス トの削減、平均借入残存年数の長期化、返済期限の分散化などが進んでいる。LTV については 50%台前 半を上限の目処として、公募増資の実施により引き続き上限以下の水準でコントロールをしている。また、 ポートフォリオ全体の含み損益比率は、鑑定評価額の上昇等により 14/9 期末時点で+3.6%と改善傾向が 続いている。用途別では、住居で+5.4%、商業施設で-12.6%と商業施設の含み損が依然として大きい。 (担当)杉山 1/3 http://www.jcr.co.jp 成夫・秋山 高範 【新規に取得した主要物件の概要】 (1) プライムメゾン恵比寿 本物件は、JR 山手線・埼京線・湘南新宿ライン「恵比寿」駅から徒歩約 4 分、東京メトロ日比谷線「恵 比寿」駅から徒歩約 7 分に位置する賃貸住宅。14 年 10 月に実施した公募増資により取得した物件である。 本物件は、スポンサーにより開発された築浅物件であり総戸数 98(他に店舗 2 区画)を有する。主なタ イプはシングル・コンパクトタイプであり、単身者層や DINKS 層を主なターゲットとしている。対象物件が 所在する恵比寿エリアは、隣接する「代官山」・「広尾」 ・「白金台」とともに、都内でも人気が高い高級住宅 地である。また、都心の主要エリア(「新宿」・「渋谷」・「品川」・「銀座」など)への交通アクセスも優れ、 幅広い層からの底堅い居住ニーズが期待できる。 取得日:15 年 1 月 15 日 取得価格:3,585 百万円(ポートフォリオ比:約 1.9%) ■格付対象 発行体:積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人 【据置】 対象 長期発行体格付 対象 第 1 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付) 第 2 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付) 第 3 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付) 第 4 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付) 第 5 回無担保投資法人債(特定投資 法人債間限定同順位特約付) 格付 見通し AA- 安定的 発行額 発行日 償還期日 利率 格付 40 億円 2013 年 2 月 28 日 2018 年 2 月 28 日 0.630% AA- 20 億円 2013 年 2 月 28 日 2020 年 2 月 28 日 1.000% AA- 25 億円 2014 年 2 月 28 日 2019 年 2 月 28 日 0.374% AA- 30 億円 2014 年 2 月 28 日 2024 年 2 月 28 日 1.069% AA- 30 億円 2014 年 8 月 29 日 2024 年 8 月 30 日 0.871% AA- 2/3 http://www.jcr.co.jp 格付提供方針に基づくその他開示事項 1. 信用格付を付与した年月日:2015 年 2 月 24 日 2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:藤本 主任格付アナリスト:杉山 成夫 幸一 3. 評価の前提・等級基準: 評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類 と記号の定義」 (2014 年 1 月 6 日)として掲載している。 4. 信用格付の付与にかかる方法の概要: 本件信用格付の付与にかかる方法(格付方法)の概要は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp)のストラク チャード・ファイナンス「格付の方法」のページに、 「J-REIT」(2014 年 6 月 2 日)の信用格付の方法として掲載し ている。 5. 格付関係者: (発行体・債務者等) 積水ハウス・SI レジデンシャル投資法人 6. 本件信用格付の前提・意義・限界: 本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。 本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性 の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外 の事項は含まれない。 本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入 手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。 7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者: ・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表 ・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明 8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要: JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、 独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、 当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。 9. JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし ■留意事項 本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、 的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、また は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、 金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因 のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であ って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも のでもありません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として 発行体より手数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データ を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。 ■NRSRO 登録状況 JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。 ■本件に関するお問い合わせ先 情報サービス部 TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026 3/3 http://www.jcr.co.jp
© Copyright 2025 ExpyDoc