学生提案科目 「関大生の私にできること 〜被災地(大槌町)に向き合う〜」 被災地(岩手県大槌町)の「いま」に焦点をあてて、被災地の復興にいま必要なこと、 被災地・被災者がほんとうに求めていることを理解し、関大生ができることを見つけます。 この授業実践を「学生FDサミット2013夏」で発表する科目提案学生委員 学園祭で大槌町から仕入れた材料を使った商品を販売する様子 ◇ 解決すべき課題 ◇ (1)震災による人口流出(大槌町) (2)他地域からの訪問人口の減少(大槌町) (3)震災記憶の風化(大槌町) ◇ 大学の役割 ◇ 「被災地(大槌町)の『いま』に焦点をあてて、被災地の復興にいま必要なこと、被災地・被災者がほんとう に求めていることを理解し、関大生ができることを見つける」ことをねらいとした関西大学の学生(科目提案 委員会社会性チーム)による授業を企画・運営(2013-2014年度春学期開講、履修者60名前後)。この授業への ゲストレクチャラーとして、大槌町長と一般社団法人おらが大槌夢広場の代表理事を招いた。 この授業を履修した学生を中心として、9月に大槌町スタディ&グルメツアー、11月に関西大学学園祭での 大槌町物産コーナーの運営などが行われた。科目提案学生委員はこの授業実践を第9回三大学連携事業「震災に おける支援活動と防災・減災」ポスターセッション(2013年7月)、「学生FDサミット2013夏」(2013年8月) などで発表した。 ◇ 現場の声 ◇ ・履修生 授業でのグループワーク(場づくりラベル図解)の様子 ◇ 活動の概要 ◇ 目 的 連携メンバー および役割 被災地(大槌町)から学び、被災地(大槌町)のために関大生ができることを見つける 岩手県大槌町・・・町長講演 一般社団法人おらが大槌夢広場・・・講師派遣 関西大学社会学部教授 与謝野有紀・・・授業での講演者 関西大学社会的信頼システム創生センター(STEP)・・・大槌町長などの講演のセッティング 科目提案委員会社会性チーム・・・授業の企画運営 関西大学商学部 長谷川伸ゼミ・・・講師派遣とラベル図解指導 活動地域 岩手県上閉伊郡大槌町 / 関西大学千里山キャンパス 活動期間 2012年10月∼(継続中) 私は一度ボランティアで被災地に行ったことがあるのでこの科目を発見した時、とるしかない!と思った。本当に期待ど おりの授業で、とってよかった。たくさんの人がたくさんのことを実行しているので関大に入学してよかったとも思った。 班活動では真剣に話し合うことができたし、先輩の話もたくさん聞けて嬉しかった。毎回の講演ではいつも泣きそうにな りながらきちんとメモをとった。毎回の授業が本当に貴重であった。この授業のおかげでたくさんの人と出会い、たくさ んの事を得ることができた。実行委員のみなさんも長谷川先生も、本当にありがとうございました。 (政策創造学部1年次) この授業をとって本当によかった。この授業を履修した人全員の頭に「震災を風化させてはいけない」ことが少なくとも インプットされたのだから、それもまた風化させない取り組みの1つとなる!たくさんのレクチャーを聞かせてもらう機 会の中で、自分は「どうあるべきか」を何度も考えさせられた。「人との出会いの大切さ」「風化させないためには」で 図解を作って。結論づけて、より理解を深めることができた。しかし実際のところ今思い返すと、「私ができること」っ て何があるの?って思った。けど私が今までラベルなどに書き込んだ「被災地に行く」「有言実行」という言葉を信じて、 今できることからやっていこうと思う。(商学部2年次) 関大生の私にできることは、子どもたちに震災について伝えていくことである。2回生の頃、被災地へ行った時、実際に見 たもの、被災地の方から聞いた話を、教員となった時、子どもたちに伝えようと感じた。しかし、この授業を受け、ただ 見たものや、感じたことを伝えるだけではなく、そこから「震災が来たらどうするか」を子どもたちに考えてもらいたい。 「人を大切にすること」「命を大切にすること」をこの授業で学んだことを基に伝えるという強い思いが生まれた。 (文学部4年次) ◇ 研究者の紹介 ◇ ◇ 連携の経緯 ◇ (1)関西大学と岩手県大槌町が2012年7月に同町の自律的復興支援を目的として連携協定を締結 (2)科目提案委員会社会性チームが2012年秋に被災地(大槌町)を題材とする授業を企画立案 (3)2013年度春学期に「関大生の私にできること∼被災地(大槌町)に向き合う∼」開講 商学部 准教授 長谷川 伸 (はせがわ しん) 専門は国際技術移転論。長年ブラジルを研究対象としている。学生時代を仙台で過ごすなど東北に縁があり、3.11後は 被災地支援を行っている。一般社団法人参画文化研究会理事。日本防災士機構防災士。
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