4 消費課税

4 消費課税
Chapter
(1)消費税率10%への引上げ時期の変更等(案)
● 消費税率10%への引上げ時期について、
平成27年10月1日から、平成29年4月1日に変更します。
●「景気判断条項」
を削除します。
( 税制抜本改革法附則第18条第3項)
※ 消費税率の引上げ時期の変更に伴い、住宅ローン減税等の適用期限の延長(8ページ)等を実施します。
(2)国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し(案)
● 国内外の事業者間における競争条件の公平性を確保する観点から、
国外事業者が国境を越えて
行う電子書籍・音楽・広告の配信などの電子商取引に消費税を課税します。
(平成27年10月から施行)
● サービス提供者が国外事業者である場合の課税方式について、
●
事業者向けの取引については、
「リバースチャージ方式」
(サービスの受け手に納税義務を課す方式)
を導入し、
●
消費者向けの取引については、国外事業者が申告納税を行う方式とします。
※ 事業者向けの取引とは、サービスの性質や取引条件等から、サービスの受け手が通常事業者に限られる取引(広告配信等)
を、消費者向けの
取引とは、
それ以外の取引(電子書籍や音楽の配信等)
を指します。
リバースチャージ対象取引を
※ 課税売上割合が95%以上の事業者や簡易課税事業者等については、事業者の事務負担に配慮する観点から、
申告対象から除外します。
※ 日本に事務所等を有しない国外の納税義務者は、国内に書類送達等の宛先となる居住者「納税管理人」
を置くこととなります。
※ 事業者が、国外事業者から消費者向けサービスの提供を受けた場合において、当該国外事業者が国税庁長官の登録を受けているときには、
仕入税額控除が認められることとなります。
事業者向け取引に係る課税方式(リバースチャージ方式)
国内
消費者向け取引に係る課税方式(国外事業者申告納税方式)
国外
国内
消費者
国内事業者
〈 納税義務者 〉
申告
納税
国外
国外事業者
仕入税額
控除
申告
納税
「事業者向け」のサービス
について、国 内 事 業 者が
申告納税を行う。
国外事業者
〈 納税義務者 〉
事業者免税点制度を適用
「 消 費 者 向け」のサービスに
ついて、国外事業者が日本の
税務署に申告納税を行う。
税務署
税務署
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(3)外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充(案)
消費税免税店の拡大及び利便性向上を図る観点から、平成27年4月より、
● 商店街やショッピングモール内などにおける各店舗の免税手続を、
「 免税手続カウンター」でまとめて行
うことができるようになります。
※ この場合、免税販売の購入下限額(一般物品:1万円、消耗品:5千円)
について、各店舗における購入金額の合計額で判定できるようになります。
● 免税店を経営する事業者が、
臨時店舗を設置しようとするクルーズ船寄港地の港湾施設について、
あらかじめ税務署長の承認を受けた場合には、出店の前日までに臨時店舗を設置する旨等を税務
署長に届け出ることにより、臨時店舗での免税販売を行うことができるようになります。
《 通常の免税店 》
《 手続委託型免税店 》
商店街等
免税店X
・免税手続(書類作成、包装)
・免税で販売
免税手続の委託
購入下限額
一般物品:1万円 消耗品:5千円
免税手続カウンター
【免税店として許可】
選択制
免税店A
免税店B
免税店C
免税店D
・免税手続
(書類作成、包装)
・消費税相当額の返金
免税店Y
・免税手続(書類作成、包装)
・免税で販売
購入下限額
一般物品:1万円 消耗品:5千円
購入下限額
一般物品:1万円
消耗品:5千円
※合算して判定可
課税で販売
(4)たばこ税の見直し(案)
旧3級品の紙巻たばこに係る国及び地方のたばこ税の特例税率については、平成28年4月1日から
平成31年4月1日までの間、段階的に税率を引き上げることによって廃止します。
※ 「旧3級品の紙巻たばこ」
とは、
「わかば」、
「エコー」、
「しんせい」、
「ゴールデンバット」、
「ウルマ」及び「バイオレット」の6銘柄をいいます。
●たばこ1箱当たりのたばこ税額
(円/箱)
280
260
一般の紙巻たばこ
244.88円/箱
244.88円/箱
240
220
+58.64円/箱
200
186.24円/箱
180
税額差
128.64円/箱
+20円/箱
120
0
27.4.1
+20円/箱
136.24円/箱
140
100
+30円/箱
156.24円/箱
160
116.24円/箱
旧3級品の紙巻たばこ
28.4.1
29.4.1
30.4.1
31.4.1
(備考) 上記のたばこ税額は、国税であるたばこ税及びたばこ特別税、地方税である道府県たばこ税及び市町村たばこ税の合計税額です。
また、旧3級品の紙巻たばこの小売定価は、
たばこ事業法により、
メーカーの申請に基づき財務大臣が認可することとされています。
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(5)車体課税の見直し(案)
■自動車重量税の見直し(案)
エコカー減税について、燃費基準の移行を円滑に進めるとともに、足下の自動車の消費を喚起す
ることにも配慮し、2年間の経過的な措置として、平成32年度燃費基準への単純な置き換えを行う
とともに、現行の平成27年度燃費基準によるエコカー減税対象車の一部を、引き続き減税対象と
する等の措置を講じます。
< 乗用車 >
《 現 行 》
《 見直し案 》
初回車検
2回目車検
免税
免税
初回車検
電気自動車等(※)
電気自動車等(※)
H27年度燃費基準
+20%達成
2回目車検
H32年度燃費基準
+20%達成
免税
H27年度燃費基準
+10%達成
75%軽減
H32年度燃費基準
+10%達成
75%軽減
H27年度燃費基準
達成
50%軽減
H32年度燃費基準
達成
50%軽減
H27年度燃費基準
+5%達成
25%軽減
免税
※ 電気自動車等:電気自動車、燃料電池自動車、天然ガス自動車、
プラグインハイブリッド自動車、
クリーンディーゼル乗用車
(注1)車検証の交付等の時点において、H27年度燃費基準+5%を達成している車については本則税率を適用します。また、経過的にH27年度
燃費基準達成車(新車)に対し、本則税率を適用します。
に限ります。
(注2)
ガソリン自動車・ハイブリッド自動車は、いずれもH17年排出ガス基準75%低減達成車(☆☆☆☆)
(注3)バス・
トラックについても、乗用車に準じて見直しを行います。
参 考
地方税における車体課税関係の見直し(案)
■自動車取得税の見直し(案)
自動車重量税と同様、燃費基準の移行を円滑に進めるとともに、足下の自動車の消費を喚起す
ることにも配慮し、
2年間の経過的な措置として、平成32年度燃費基準への単純な置き換えを行う
とともに、現行の平成27年度燃費基準によるエコカー減税対象車の一部を、引き続き減税対象と
する等の措置を講じます。
■軽自動車税の見直し(案)
●
平成27年度に新規取得した一定の環境性能を有する軽四輪等について、
その燃費性能に応じた
グリーン化特例(軽課)
を導入します。
(例)軽四輪の自家用乗用車の場合
・電気自動車等:概ね75%軽減、平成32年度燃費基準+20%達成車:概ね50%軽減、
平成32年度燃費基準達成車:概ね25%軽減。
※ この特例については、自動車税・軽自動車税における環境性能割の導入の際に自動車税のグリーン化特例(軽課)
とあわせて見直します。
●
二輪車に係る税率の引上げ時期を平成27年4月1日から平成28年4月1日に1年延期します。
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