当社の不正行為関与者等に対する対応に関するお知らせ

平成27年2月17日
各 位
会
社
名
代表者名
株式会社京王ズホールディングス
代表取締役社長
長野
成晃
(コード:3731 東証マザーズ)
問い合せ先
人 事 法 務 部
法 務 広 報 課
( TEL: 022-722-0333)
当社の不正行為関与者等に対する対応に関するお知らせ
当社は、平成 27 年1月 30 日付の「当社の今後の対応方針の決定に関するお知らせ」に
おいてお知らせしましたとおり、当社から当社の元社長に対する不正な支出等(以下「本
件不正行為」といいます。)に関し、実効的な財産回収の手段と然るべき責任追及の在り方
等について社内および外部有識者らとの間で協議を重ねておりました。
そして、当社は、平成 27 年2月 16 日付開催の取締役会において、本件不正行為に関与
した人物に対する対応方針等を決定いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。
なお、当社が平成 27 年1月 13 日付「社内調査委員会からの調査報告書(最終報告書)
の受領に関するお知らせ」において公表しました最終報告書において使用している仮名の
表記に依拠して関係者を摘示しております。
記
(当社の今後の対応方針について)
1.A元社長に対する責任追及の決定およびその内容
(1) 損害賠償請求訴訟の提起
当社は、本件不正行為等は専らA元社長の資金需要等を満たすために行われた
ものであり、A元社長こそが本件不正行為等の首謀者というほかないことに鑑み、
本件不正行為等によって利得したものを全て吐き出させるだけでなく、本件不正
行為等によって当社が被った損害を填補すべき責任があると考えております。
そのため、本件不正行為等に関する責任の所在を明確にするとともにこれを果
たさせるべく、A元社長に対し、本件不正行為等によって当社が被った損害のう
ち、A元社長が関与した範囲の限度で、損害賠償請求訴訟を提起することといた
しました。
この損害賠償請求訴訟の提起は、訴訟の準備が整い次第、速やかに行うことを
予定しております。
なお、当社は、前回の不正な資金流出(詳細は当社の平成 24 年1月 24 日付「証
券取引等監視委員会による課徴金納付命令の勧告について」をご参照ください。
)
に関し、平成 24 年3月 19 日付で金融庁から課徴金 4,373 万円の納付命令決定を
受けたため、平成 24 年 10 月 31 日付で、A元社長に対してはこの課徴金相当額全
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額、C元取締役に対してはこの課徴金相当額のうち同人の関与が認められる範囲
での損害賠償請求訴訟(以下「本件訴訟①」といいます。)を提起しておりました。
そして、本件訴訟①について、平成 27 年1月 14 日、当社の請求を全部認容す
る判決(以下「本件判決①」といいます。)が言い渡されましたが、この判決に対
してA元社長が控訴をしたため、現在、控訴審に係争中となります。
当社としては、今後も本件訴訟①について、A元社長に責任がある旨の判断は
正当であることを積極的に主張してまいります。
(2) 破産手続開始の申立て
当社は、前記1.(1)において述べたほか、A元社長に対する財産調査が難航
していることおよびA元社長の財産が散逸している可能性が高いことに鑑み、その
財産状況の詳細を明らかにするとともに今後の実効的な債権回収に繋げるべく、平
成 27 年2月 17 日頃をもって、仙台地方裁判所に対し、A元社長を対象とする破産
手続開始の申立てを行うことにいたしました。
(3) 告訴の申立て
当社は、更に、A元社長をして本件不正行為等に係る社会的責任を果たさせる
とともに、刑事司法機関による捜査によって当社からA元社長のもとに流出した
資金の経路・全体像を解明し、もってA元社長をして本件不正行為等に係る社会
的責任を果たさせるべく、告訴を行うことにいたしました。
今後、関係各署に事前の相談を重ねたうえで速やかに告訴の受理および捜査の開
始がなされるよう積極的な働き掛けをしてまいります。
2.D元監査役に対する責任追及の決定およびその内容
(1) 損害賠償請求訴訟の提起
当社は、D元監査役が本件不正行為等で問題となった巧妙かつ反復的に多くの金
融機関口座間の資金移動等を行った中心人物であり、本件不正行為等の実行犯的役
割を担っていたことに鑑み、本件不正行為等によって当社が被った損害を填補すべ
き責任があると考えております。
そのため、本件不正行為等に関する責任の所在を明確にするとともにこれを果た
させるべく、D元監査役に対し、本件不正行為等によって当社が被った損害のうち、
D元監査役が関与した範囲の限度で、損害賠償請求訴訟を提起することにいたしま
した。
この損害賠償請求訴訟の提起は、訴訟の準備が整い次第、速やかに行うことを予
定しております。
なお、当社は、前回の不正な資金流出に関し、平成 24 年3月 19 日付で金融庁
から課徴金 4,373 万円の納付命令決定を受けたため、平成 24 年 10 月 31 日付で、
E元監査役に対し、この課徴金相当額の損害およびA元社長に対してなされた前
回の不正な資金流出のうちE元監査役が関与したと認められる資金流出の部分に
ついて損害賠償請求訴訟(以下「本件訴訟②」といいます。)
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そして、本件訴訟②については、平成 27 年1月 28 日、この課徴金相当額の損害
および前回の不正な資金流出のうち大部分の資金流出にかかる損害の賠償責任が
認められました。
本件訴訟②については、当社およびE元監査役が控訴をしていないため、以上の
内容で確定いたしました。
(2) 破産手続開始の申立て
当社は、前記2.
(1)において述べたほか、その過程においてD元監査役自身
の口座を利用していた可能性が高いことに鑑み、隠匿財産の発見とともに本件不正
行為等によって当社から流出した資金の経路および所在を明確にするべく、平成
27 年2月 17 日頃をもって、仙台地方裁判所に対し、D元監査役を対象とする破産
手続開始の申立てを行うことにいたしました。
(3) 告訴の申立て
当社は、更に、D元監査役をして本件不正行為等に係る社会的責任を果たさせ
るとともに、刑事司法機関による捜査によって当社からA元社長のもとに流出し
た資金の経路・全体像を解明し、もってD元監査役をして本件不正行為等に係る
社会的責任を果たさせるべく、告訴を行うことにいたしました。
今後、関係各署に事前の相談を重ねたうえで速やかに告訴の受理および捜査の開
始がなされるよう積極的な働き掛けをしてまいります。
3.B元社長に対する責任追及の決定およびその内容
(1) 損害賠償請求訴訟の提起
当社は、本件不正行為等の首謀者はA元社長であると考えておりますが、同人が
当社の役員等の地位を失ったあともなお本件不正行為等を敢行できたのは、当時代
表取締役の地位にあったB元社長がA元社長の意向に従って行動していたからに
他ならないと判断しております。
そのため、当社は、責任の所在を明確にするとともにこれを果たさせるべく、B
元社長に対し、本件不正行為等によって当社が被った損害のうち同人が関与した範
囲の限度で、損害賠償請求訴訟を提起することにいたしました。
この損害賠償請求訴訟の提起は、訴訟の準備が整い次第、速やかに行うことを予
定しております。
(2) 告訴の申立て
当社は、前記3.
(1)で述べたほか、当社全体を統括して法令等を遵守した業
務執行をすべき最高責任者が自ら本件不正行為等の大部分に関与していたことの
重大さに鑑み、A元社長およびD元監査役とともに刑事罰による制裁をもってそ
の責任を果たさせるべく告訴を行うことにいたしました。
今後、関係各署に事前の相談を重ねたうえで速やかに告訴の受理および捜査の開
始がなされるよう積極的な働き掛けをしてまいります。
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4.その他の者に対する対応方針等
(1) C元取締役に対する対応方針等
C元取締役は、本件不正行為等のうち、本件訴訟①のために要した弁護士費用相
当額の資金流出について主体的に関与していたことが認められます。
もっとも、(ⅰ)C元取締役は、当初、本件判決①において認められた責任を自認
して賠償する意欲を示していたものの、途中より、半ばA元社長に巻き込まれる形
で従前の態度を翻して責任を争うに至ったこと、(ⅱ)①の事情等に照らすと、本件
不正行為等によって流出した弁護士費用相当額を同人が利得したとは断じ難いこ
と、(ⅲ)本件不正行為等によって当社が被った損害のうち同人が負担すべき賠償額
は約 11百万円と比較的に少額にとどまることに鑑み、当社としては、同人を対象
とする告訴は行わないことにいたしました。
ただし、前述した事実関係は、C元取締役が関与した資金流出の限度でA元社長
と連帯して賠償責任を負うことを否定するものではないため、任意の履行を促すべ
く、代理人を選任したうえで交渉してまいります。
なお、本件訴訟①について、平成 27 年1月 14 日、C元取締役に対する請求の全
部が認容されました。
そして、C元取締役がこの判決に対して控訴を申し立てなかったため、以上の
内容で確定いたしました。
(2) E前社長に対する対応方針等
E前社長は、本件不正行為等のうち、同人に対する報酬として取締役会決議を得
た金額のうち、その3分の2がA元社長に流出していた件に関して、飽くまでB元
社長の求めに応じてB元社長に貸付けた認識であるとのことであり、また、この認
識に沿う借用書も存在しております。しかしながら、結果的にA元社長への資金流
出を助長することとなった点については落ち度が認められるため、当社としては、
一定の責任があるものと考えております。
もっとも、E前社長については、(ⅰ)前述のように落ち度はあったものの、資金
流出への関与がB元社長に利用される形でなされたものであること、(ⅱ)本件不正
行為等の調査に対して能動的に積極的な協力を行い、事案の早期解明(期限までに
過年度決算の訂正を踏まえた第4四半期決算の発表を行うこと)に貢献したこと、
(ⅲ)既に当社の取締役を辞任することによって一定の責任を果たしたこと、さらに
は(ⅳ)当社の創業者であり、かつ当時支配株主でもあったA元社長が、役員の地位
を退任した後も来社を継続するなどして発揮していた、有形・無形の影響力を排除
するために尽力してきたこと、(ⅴ)結果的にA元社長の排除に至ったことで、本件
不正行為等によるこれ以上の被害の拡大を留めることにもなったことに鑑み、当社
としては、同人に対して積極的には刑事手続上および民事手続上の責任追及を行わ
ないことにいたしました。
(3) F前取締役に対する対応方針等
F前取締役は、本件不正行為等のうち、同人に対する報酬として取締役会決議を
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得た金額のうち、その3分の2がA元社長に流出していた件に関して、飽くまでB
元社長の求めに応じてB元社長に貸付けた認識であるとのことであり、また、この
認識に沿う借用書も存在しております。しかしながら、結果的にA元社長への資金
流出を助長することとなった点については落ち度が認められるため、当社として
は、一定の責任があるものと考えております。
もっとも、F前取締役については、(ⅰ)前述のように落ち度はあったものの、資
金流出への関与がB元社長に利用される形でなされたものであること、(ⅱ)本件不
正行為等の調査に対して能動的に積極的な協力を行い、事案の早期解明(期限まで
に過年度決算の訂正を踏まえた第4四半期決算の発表を行うこと)に貢献したこ
と、(ⅲ)既に当社の取締役を辞任することによって一定の責任を果たしたこと、さ
らには(ⅳ)当社の創業者であり、かつ当時支配株主でもあったA元社長が、役員の
地位を退任した後も来社を継続するなどして発揮していた、有形・無形の影響力を
排除するために尽力してきたこと、(ⅴ)結果的にA元社長の排除に至ったことで、
本件不正行為等によるこれ以上の被害の拡大を留めることにもなったことに鑑み、
当社としては、F前取締役に対して積極的には刑事手続上および民事手続上の責任
追及を行わないことにいたしました。
(4) G副統轄に対する対応方針等
G副統轄に対しては、降格および配置転換の人事処分を行うことにいたしまし
た。
この人事処分は、平成 27 年3月1日付に実施することを予定しております。
なお、
「調査報告書(最終報告書)」にあるとおり、G副統轄は、A元社長に対す
る不正な資金流出に加担したことについて一定の責任はありますが、(ⅰ)従業員の
立場にあったG副統轄はこれに従わざるをえない状況に置かれていたこと、(ⅱ)
同人はこの不正な資金流出に関して一切利得をしてないこと、(ⅲ) 本件不正行為
等の調査に対して能動的に積極的な協力を行い、事案の早期解明(期限までに過年
度決算の訂正を踏まえた第4四半期決算の発表を行うこと)に貢献したことを踏ま
え、積極的には民事訴訟の提起および刑事責任の追及を行わないことにしました。
以上
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