平成 27 年度 「油化学シンポジウム in 出雲」 ~ 健康・美容に貢献する油化学 ~ 主 催:(公社) 日本油化学会 関西支部 共催:(一財) 油脂工業会館 開催日:平成 27 年 7 月 11 日(土) 午後 1 時から 場 所:島根大学医学部臨床講義棟 1 階 小講堂 世話人:島根大学医学部環境生理学准教授 橋本道男 出雲市は、大国主大神を御神体として祭られている出雲大社が鎮座する街としてよく知られていますが、大国 主大神は「因幡の白兎」の神話にも語られていますように、医療行為を行った最初の神様でもあります。このよ うな背景を踏まえまして, 「健康・美容に貢献する油化学」をメインタイトルとして、油化学会会員、一般市民、 ならびに学生を対象とした内容の学術講演会を準備しました。5 名のご高名な研究者・臨床医の先生方に、最近 の話題やご研究内容を紹介・解説いただく予定であります。 講 演 1) ω-3 多価不飽和脂肪酸による糖尿病性腎障害の予防機序 島根大学医学部環境生理学 助教 片倉 賢紀 氏 糖尿病の主な合併症に腎機能障害がある。日本では慢性腎不全の原疾患として糖尿病性腎症の割合が多い。しかし、糖尿病性 腎症に対する適切な治療法はなく、予防することが重要である。ω-3 多価不飽和脂肪酸は、心血管疾患の予防、糖代謝機能改善 や抗炎症作用を持つため、糖尿病性腎障害を予防する可能性がある。本発表では、我々の研究内容を中心に最近の知見を交えな がら ω-3 多価不飽和脂肪酸による糖尿病性腎症の予防効果について考察する。 2) 毛包虫性ざ瘡 島根大学医学部附属病院皮膚科 助教 村田 将 氏 油脂に関連する皮膚疾患として、ヒトの脂腺に住み着き、時としてニキビ様の発疹を引き起こすニキビダニによる毛包虫性ざ 瘡について、講演させていただきます。 1930 年の論文報告後 85 年経ちますが、ニキビダニは脈々と親から子または恋人同士 の間で受け継がれています。古くから知られている疾患ながら、認知度は必ずしも高くなく長期間患う方も少なくありません。 注意する症状、感染経路、治療などを中心に解説させていただきます。合わせて他のダニ関連皮膚疾患も紹介致します。 3) パイナップル果実由来グルコシルセラミドの肌質改善作用 丸善製薬株式会社 総合研究所 大戸 信明 氏 セラミドは角質層において水分保持など皮膚のバリア機能に重要な役割を担っている。セラミドに糖が結合したグ ルコシルセラミドは、外用剤としての利用のみならず、皮膚機能の正常化を目的とした機能性食品の原料にもなっ ている。本発表では、グルコシルセラミド含有パイナップル果実抽出物の機能性について、乾燥肌モデル動物を用 いた実験やヒト介入試験による肌質改善作用など、最近の知見を交えながら紹介する。 4) 血中リノール酸濃度と血清脂質、動脈硬化の関係 ニコークリニック 院長 田中 裕幸 氏 リノール酸摂取を増やすと血清総コレステロールは低下、そのため植物油はヘルシーと考えられてきた。一方、リ ノール酸は LDL などのリポタンパクを構成する主な脂肪酸である。今回、閉経後女性の動脈硬化度(頸動脈エコー による内中膜複合体厚)と血清脂質、全脂質中脂肪酸分画の関係を調査、LDL コレステロールとリノール酸、リノ ール酸と頸動脈球部の動脈硬化度との関係に興味ある知見が得られたので紹介する。 5) 山陰地域の生物資源に由来するポリフェノール類による脂質代謝制御 島根大学生物資源科学部生命工学科 教授 横田 一成 氏 演者らは、これまでに山陰地域の生物資源であるトチノミに由来する高度重合性ポリフェノールであるプロアント シアニジンの構成成分の分析を行い、それらの特性を明らかにしている。また、それらの生活習慣病予防効果を探 究する観点から、糖質や脂質の消化吸収に対する抑制作用や抗肥満作用などを研究してきた。さらに、低分子性の フラボノイド類に関しても研究も行っている。これらによる脂質代謝制御に関する研究成果を紹介する。 参加要領; 参 加 費: 無 料 (定員 150名) 申込方法: 当日参加歓迎、配布資料準備の関係で事前のお申込を希望します 申 込 先: 〒693-8501 出雲市塩冶町89-1 島根大学医学部環境生理学 橋本道男 電話:0853-20-2113(事務担当:田邊洋子) FAX: 0853-20-2110 アクセス: JR出雲市駅から一畑バス「上塩冶車庫行」に乗車「島根大学病院」で下車 徒歩1分
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