7.グローバル時代にはどのような人材が求められるか(江川雅子)

講座番号 7 番
第 3 部(14:00~15:30)
講師 東京大学理事 江川 雅子さん
えがわ
まさこさん
1974~75 高校 3 年生の時に、AFS 交換留学生として米国カリフ
ォルニア州に 1 年間留学。
1976~80 東京大学(国際関係論を専攻)
1980~2001 ニューヨーク、東京で外資系金融機関に勤務。この
間にハーバード・ビジネス・スクールで 経営学修士(MBA)取
得。
2001~09 ハーバード・ビジネス・スクール、日本リサーチ・センタ
ー長。この間に一橋大学商学博士取得。
2009~ 東京大学理事
グローバル化とは
今日、世界中をつなぐネットワ-クが作り上げられ、交流が盛んになったことにより、
各国の経済や政治が連携して動いています。世界と地方が直結し、価値観が多様化し
ていく中、国内だけではなくはなく、世界を考えて動く必要性が出てきています。
シンガポールや、中国などの近隣諸国も経済や産業、教育などの様々な分野で驚く
ほどの成長を遂げています。世界中の国々にと競い合い、国際競争に打ち勝つための、
人材、教育とはどのようなものなのでしょうか。
留学の必要生
多様性を受け入れるには、その国の社会・文化・考え方をしっかり理解して、そこに溶
け込む、異文化力が大切です。異文化を理解しつつ、その中でも自分の意見をしっか
りと持ち、ポジティブに考える力を養う為、感受性豊かな時期に、知識とともに体験、経
験として異文化を学ぶ必要が有ると江川理事は考えています。
留学の必要生東京大学の更なる国際化
東京大学が育成しようとする人材像は「世界的視
野をもった市民的エリート」です。そのため、現在、
東京大学の学生が留学することができ、かつ、多く
の大学が秋入学である海外大学からの留学生や
研究者を受け入れることが出来るよう制度改革が進
んでいます。
2014 年の 10 月には海外からの留学生向けに秋
入学を実施し、現在は、東京大学は 4 月入学を維
持しつつ 4 ターム制を 2015 年 4 月に導入することを目指しています。
4 ターム制とは1年を 2 学期に分けているのを 4 つに区切った上、夏休みを海外の大
学に合わせて 6~8 月にずらすことです。これにより、夏休みに海外の大学のサマース
クールに参加したり、留学したりしやすくなります。また、海外から東京大学へ来たいと
考える留学生・研究者も入学がしやすくなります。
グローバル化が生み出す変化
東京大学の浜田総長によると「これまでは国内だけで十分な高等教育への需要があ
ったため、それに応えて国内の労働市場に向けて人材を育てていればよかった」といい
ます。
しかし、経済のグローバル化で国の垣根を越えた人材が必要とされはじめ、大学も内
向きすぎた人材養成の視点を変えるべき時に来ているといいます。
世界中が市場となる中、お互いの文化を理解し、未来を創造していく必要があります。
横並びが重視された従来の社会から、多様性を受け入れ、かつ、各自の考えをしっかり
持ち、それを伝えることが重要視される社会へと変化していくのではないのでしょうか。
当日は
グローバル化が進む中、必要となる力について東
京大学の国際化を進める江川理事の、豊富な国際
経験を元にお話頂きます。
また、グローバル人材教育へ向けた東京大学の
取り組みについてお話頂きます。
ご興味をお持ちの方はぜひお越し下さい。
講座担当 J3A 森 裕一郎
J3H 平松 利公
J3Ⅰ 今村 翔太(文責)