地域づくり情報局メールマガジン Vol.74 Vol. 74| 2015.2.17 今回は、道の駅に関するトピック情報です。 第 74 回 重点「道の駅」の選定について ~地方創生の核となる「道の駅」を重点的に応援します~ 「道の駅」は、平成 5 年の制度創設以来、現在では全国で 1040 箇所に広がり、地 元の名物や観光資源を活かして、多くの人々を迎え、地域の雇用創出や経済の活性化、 住民サービスの向上にも貢献しています。 国土交通省では、この「道の駅」を地方への好循環拡大のツールとして、また地方 創生を進めるための「小さな拠点」として位置づけ、関係機関と連携して特に優れた 取組を選定し、重点的に応援する取組を実施します。 今般、有識者のご意見もいただき、選定対象を国土交通省として決定しました。 ○ 全国モデル「道の駅」 ○ 重点「道の駅」 ○ 重点「道の駅」候補 選定数 選定数 選定数 全 6箇所 全 35箇所 全 49箇所 全国モデル「道の駅」は、地域活性化の拠点として、特に優れた機能を継続的に発 揮していると認められるものです。全国的なモデルとして成果を広く周知するととも に、さらなる機能発揮を重点支援の取組を実施します。 重点「道の駅」は、地域活性化の拠点となる優れた企画があり、今後の重点支援で 効果的な取組が期待できるものです。取組を広く周知するとともに、取組の実現に向 けて、関係機関が連携し、重点支援の取組を実施します。 重点「道の駅」候補は、地域活性化の拠点となる企画の具体化に向け、地域での意 欲的な取組が期待できるものです。関係機関が連携し、企画検討等の支援を実施しま す。 今回は、このうち、全国モデル「道の駅」の概要を、以下、簡単にご紹介いたしま す。 [群馬県川場村 道の駅「川場田園プラザ」] 「農業プラス観光」で自立する群馬県川場村の産業、情報、交流の核として人気の 道の駅で、農産物や観光名所など、豊富な地域資源へのアクセスポイントとして、 「道 の駅」を目的地とする新たなニーズを掘り起こし、人口約 3700 人の村で、利用者数 約 120 万人(リピーターが 7 割)を誘致しています。 1 地域づくり情報局メールマガジン Vol.74 駅での販売(約 10 億円)、雇用創出(80 名)に加え、ファーマーズマーケットの出 荷登録(420 名:村内農家の 93%)などを通じて経済・地域活性化の効果は、地域に 広く波及しています。 ファーマーズマーケット 家族で楽しめる田園プラザ [栃木県茂木町 道の駅「もてぎ」] 柚子、エゴマ等の特産品を加工する「もてぎ手づくり工房」を整備し、 「道の駅」を 核とした 6 次産業化を推進しており、農産物の生産指導から全量買取、33 種類のオリ ジナル商品を開発、販売までを実施しています。 また、地域ならではの地場産品の提供、真岡鉄道の SL やサーキットなど地域の魅 力へのアクセスポイントとして、地域センター機能とゲートウェイ機能を兼ねるにぎ わいの核として定着しています。 さらに、既往災害(昭和 61 年洪水)の教訓から、地域に根差した防災啓発のため に茂木町防災館を備え防災井戸を設置しています。 地域特産の柚子による加工品開発 茂木町防災館でのセミナー [千葉県南房総市 道の駅「とみうら」] 地域特産のビワを道の駅が中心となり、加工、オリジナル商品を開発し(ビワ関連 商品 50 種類)、従来の規格外品の活用や需要安定により生産農家の経営安定に貢献し ています。 また、ビワ狩りや体験企画、菜の花など、地域の観光資源をパッケージ化し、都市 2 地域づくり情報局メールマガジン Vol.74 部の旅行会社へ販売、観光バス 3000 台を誘致するとともに、地域の 100 事業者に効 果が波及しています。 さらに、人形浄瑠璃などの地域文化の発信や、地元産野菜・花卉のマルシェ、観光 案内人の常駐、非常用電源などの防災設備など、地域の拠点として多様な機能を発揮 しています。 地域特産のビワを加工 富浦人形劇 [山口県萩市 道の駅「萩しーまーと」] 隣接の魚港で水揚げされた海産物が直接店頭に並ぶ新鮮さを特長に、地元のニーズ にこたえる「道の駅」を展開しています。 売り場面積 1 ㎡あたりの売上高は、一般的なスーパーの約 2 倍で、約 100 名の雇用 を創出、さらに、値も付いてなかった魚を加工品として商品化する「萩の地魚もった いないプロジェクト」を推進し、漁業者の所得向上にも寄与しています。 賑わう鮮魚売場 萩の地魚もったいないプロジェクト開発商品 [愛媛県内子町 道の駅「内子フレッシュパークからり」] 地元農家の女性達が中心となり、販売額は約7億円、町の農産生産額の 15%を占め、 新たに 58 名の雇用を創出しています。 運営も生産者自らが手作りで、商品開発、品質管理、イベント企画運営までを実施 しており、特に、商品開発は、女性で構成される 複数のチームで独自商品を開発す るなど、女性主役の運営も特長で、出荷農家は、当初からほぼ倍増しています。 (176 3 地域づくり情報局メールマガジン Vol.74 人→394 人) さらに、販売管理システムやトレーサビリティを導入し、16 年間で利用者は 6 倍、 販売額は 8 倍に増加しています。 道の駅の企画・運営を支える生産者チーム 栽培履歴情報検索システムや販売状況等の配信 [岩手県遠野市 道の駅「遠野風の丘」] 東日本震災時に、自衛隊・救急隊の支援拠点として機能を発揮したことを受けて、 岩手県広域防災拠点配置計画の広域防災拠点に位置づけられ、ベースキャンプ、備蓄 等の高度な防災機能を分担、復興に向け、沿岸被災地の海産物の販売所を新設し、岩 手県内「道の駅」の共通販売商品を開発しています。 また、スタッフが常駐する観光案内所は、沿岸地域の復興情報、観光情報に加え、 ふるさと納税や移住促進にも活用されています。 震災時の中継拠点として活用 被災地企業の販路拡大等支援 今後、国土交通省では、各地の道の駅における取組内容や工夫等について、随時情 報提供していく予定です。 4
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