SMV03-OU76KE-01(M090630) 人事給与 V03L10 給与基本 導入マニュアル)解説書 まえがき ◆本マニュアルの目的 本システムは、企業運営に不可欠な給与業務の省力化・合理化を目的とし、同時に使い易さをも追求した 高度なパッケージソフトウェアです。 本マニュアルは、本システムをお買い上げいただいてから、実際に業務処理を行うまでの導入作業を 説明しています。 なお、本マニュアルは、次の製品を対象としています。 ■ ■ GLOVIA smart 人事給与 BP 給与基本 V03L10 GLOVIA smart 人事給与 BP 給与項目拡張 V03L10 このマニュアルは、「基本システム+項目拡張オプション」の解説書です。項目拡張オプション をご使用でないお客様は、基本システム用の解説書をご利用ください。 ◆本マニュアルの一覧 本システムは以下のマニュアルを提供しています。 マニュアル名 導入マニュアル)解説書 (本書) 導入マニュアル)登録票 運用マニュアル インパクトプリンタ 設定ガイド 給与情報一括入力ガイド 支給実績ファイル 作成機能ガイド 社会保険届書作成ガイド NENKIN−DC/人事 システム連携ガイド GLOVIA smart SOA連携 ガイド 記載内容 本システムをご購入いただいてから実施に業務を行う までのセットアップ作業を説明しています。 本システムをご使用いただく上で必要な入力原票集で す。導入マニュアル)解説書と一緒にお使いください。 本システムを使って業務を進める上での手順や注意点 を説明しています。 本システムで使用する専用帳表をインパクトプリンタ に印刷するために必要な、プリンタとシステムの設定を説 明しています。 本システムへ連絡票データを一括入力する機能につい て説明しています。 本システムで算出した計算結果をテキストファイル形 式データに出力する機能について説明しています。 社会保険事務所への届出をFDで行う際の手順につい て説明しています。 企業型確定拠出年金システム「NENKIN-DC/人事」への 連携データ作成手順を説明しています。 GLOVIA smart SOA連携機能を使用する場合の、運用手順 等について説明しています。 使用タイミング 本システム導入時 本システム導入時 本システム運用時 本システム運用時 インパクトプリンタ 使用時 一括入力機能使用時 実績ファイル 出力機能使用時 FD作成時 連携データ作成時 SOA連携機能 使用時 ◆本マニュアルの読者 本マニュアルは、給与システムの導入を担当される方を対象としています。本マニュアルを参照すること によって、給与システムの導入時に登録すべき内容を理解できます。 ◆本マニュアルの構成 本マニュアルは、次の構成になっています。 ◆第1 章 システムを使いはじめる前に この章では、本システムであらかじめ知っておいていただきたいことについて説明します。 All Rights Reserved, Copyright © FUJITSU KYUSHU SYSTEMS LIMITED 2009- ◆第2 章 導入作業とはどんなものでしょう この章では、導入作業の全体の流れを説明します。 ◆第3 章 導入作業の前に この章では、基本システムを導入するために最低限必要なことについて説明します。 ◆第4 章 登録票を記入しましょう この章では、給与情報システムにおいて提供された登録票の記入順序、及び記入概要について紹介 します。 ◆第5 章 登録を始める前に この章では、本システムの操作方法について説明します。 ◆第6 章 さあ、データを登録しましょう この章では、実際にデータを登録する方法について紹介します。 ◆第7 章 さあ、併行運用を行いましょう この章では、併行運用の方法について説明します。 ◆表記上の約束 本マニュアルでは、説明上、次に示すマニュアル名称、略称および記号を使用しています。 マニュアル名称 ● マニュアル中で、自身を参照する場合は、『本マニュアル』と記述します。 略称 ソフトウェアの略称について ●GLOVIA smart 人事給与 BP 給与基本を「基本システム」と表記しています。 ●GLOVIA smart 人事給与 BP 給与項目拡張を「項目拡張オプション」又は、「拡張オプション」 と表記しています。 ●GLOVIA smart 人事給与 BP 人事基本を「人事システム」と表記しています。 ● Microsoft® Excel® を「Excel」と表記しています。 オペレーティングシステムの略称について ● 次に示すオペレーティングシステムを総称して「Windows 2000」と記述しています。 ― Microsoft(R) Windows(R) 2000 Professional operating system ― Microsoft(R) Windows(R) 2000 Server operating system ― Microsoft(R) Windows(R) 2000 Advanced Server operating system ● 次に示すオペレーティングシステムを総称して「Windows Server 2003」と記述しています。 ― Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Standard Edition ― Microsoft(R) Windows Server(R) 2003, Enterprise Edition ● 次に示すオペレーティングシステムを総称して「Windows Server 2008」と記述しています。 ― Microsoft(R) Windows Server(R) 2008, Standard Edition ― Microsoft(R) Windows Server(R) 2008, Enterprise Edition ● 次に示すオペレーティングシステムを総称して 「Windows XP」 と記述しています。 ― Microsoft(R) Windows(R) XP Professional operating system ― Microsoft(R) Windows(R) XP Home Edition operating system ● 次に示すオペレーティングシステムを総称して 「Windows Vista」 と記述しています。 ― Microsoft(R) Windows Vista(R) Ultimate ― Microsoft(R) Windows Vista(R) Enterprise ― Microsoft(R) Windows Vista(R) Business ― Microsoft(R) Windows Vista(R) Home Premium ― Microsoft(R) Windows Vista(R) Home Basic All Rights Reserved, Copyright © FUJITSU KYUSHU SYSTEMS LIMITED 2009- ● Windows 2000、Windows Server 2003、Windows Server 2008、Windows XP、およびWindows Vistaを総 称して、「Windows」と表記しています。 記号 本マニュアルでは、次に示す記号を使用しています。 記 号 用 途 特に注意が必要とすること、又は、必ず行 わなければならないことを記述します。 本文の理解を深めるために、参考になる内 容を記述しています。 本文の詳細説明が記述されている、別の章 ・節を示します。 知っておくと便利なことを記述します。 【 】 画 面 上 に 表 示 さ れ る も の( ウ ィ ン ド ウ 、 メ ニ ュ ー 、コ マ ン ド 、ボ タ ン )の 名 称 や 、 キーボードのキーなどを示します。 「 参照してほしいマニュアルの記述を示 します。 」 画面上の入力項目やその値を示しま す。 ◆輸出管理規制について 本ドキュメントを輸出または提供する場合は、外国為替および外国貿易法および米国輸出管理関連法規等 の規制をご確認の上、必要な手続きをおとり下さい。 ◆改版履歴 2009 年 4 月 初版 ◆登録商標 GLOVIAは日本およびその他の国における富士通株式会社の登録商標または商標です。 Business Professionalは、株式会社 富士通九州システムズの日本国内における登録商標です。 Microsoft、Windows、Windows NT およびWindows Server またはその他のマイクロソフト製品の名称およ び製品名は、米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標または登録商標です。 その他の会社名および製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。 Microsoft Corporation のガイドラインに従って画面写真を使用しています。 その他、会社名、製品名、名称等の固有名詞は各社の登録商標または商標です。 本資料に記載されているシステム名、製品名称等には、必ずしも商標表示を付記していません。 お願い ● 本書を無断で他に転載しないようお願いします。 ● 本書は予告なしに変更されることがあります。 All Rights Reserved, Copyright © FUJITSU KYUSHU SYSTEMS LIMITED 2009- 目 第1章 1.1 1.2 1.3 第2章 2.1 第3章 3.1 第4章 4.1 第5章 5.1 第6章 次 システムを使いはじめる前に 本システムではこんなことができます …………………………………………… 項目拡張オプションについて ……………………………………………………… 組織図を使った運用について ……………………………………………………… 導入作業とはどんなものでしょう 導入作業の手順を確認しましょう ………………………………………………… 導入作業の前に …………………………………………………………… 登録票を記入しましょう 登録票はこの順序で記入します …………………………………………………… 登録を始める前に 7.1 7.2 7.3 29 30 32 34 35 36 …………………………………………………………… さあ、データを登録しましょう 6.1 データの登録を行うには …………………………………………………………… 6.1.1 人事システムデータの取込み ……………………………………………… 6.1.2 給与システムへのデータ登録 ……………………………………………… 6.2 詳細な設定を行うには ……………………………………………………………… 第7章 7 10 22 31 導入の準備作業について 基本操作を覚えましょう 6 さあ、併行運用を行いましょう 併行運用とは? ……………………………………………………………………… 併行運用の前に ……………………………………………………………………… 併行運用をしましょう ……………………………………………………………… 37 52 53 53 54 56 57 58 59 63 第1章 システムを使い始める前に 本章では、本システムであらかじめ知っておいていただきたいことについて説明します。 1.1 1.2 1.3 本システムではこんなことができます 項目拡張オプションについて 組織図を使った運用について 6 1.1 本システムではこんなことができます ■ 月例給与 (1)システムの概要について 月例給与計算業務のシステムであり、月々に発生する勤怠データなどの入力から月例給与の帳表作成ま でを行います。 (2)運用の特徴について z 毎月発生する勤怠情報と毎月変動する手当・控除の金額を【勤怠/変動情報入力】から入力します。 月ごとの変動のない固定的金額は社員情報に格納しておきます。 z 1カ月分の給与情報から支給額、税額、控除額および差引支給額などを計算します。 z 給与支給額、賃金台帳、給与処理状況(勤怠/変動未入力者、未計算者、マイナス支給者)を画面 で照会することができます。 z 計算結果を元に帳表を作成します。 z 【アルバイト者給与情報入力】は一般の月例給与計算者とは別に給与計算を行うときに使用します。 入力した項目のみで支給額を算出します。 ■ 賞与計算 (1)システムの概要について 賞与計算業務のシステムであり、賞与決定額の入力から賞与計算の帳表作成までを行います。 (2)運用の特徴について z z z z 賞与決定額と賞与時の手当および控除額を【賞与決定額入力】から入力します。 賞与情報から支給額、税額、控除額および差引支給額を計算します。 所得税(賞与税)は、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表に基づき算出します。 賞与支給額、賃金台帳、賞与処理状況(賞与決定額未入力者、未計算者、マイナス支給者)の画面 で照会することができます。 z 計算結果を元に帳表を作成します。 z 賞与支払届について、FDによる届出用ファイルを作成します。 ■ 臨時手当 (1)システムの概要について 年3回までの不定期の支給を行うシステムであり、臨時手当の入力から臨時計算の帳表作成までを行い ます。 (2)運用の特徴について z z z z 臨時手当とその他の手当および控除額を【臨時決定額入力】から入力します。 臨時手当情報から支給額、税額、控除額および差引支給額を計算します。 所得税は、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表に基づき算出します。 臨時支給額、賃金台帳、臨時処理状況(臨時手当未入力者、未計算者、マイナス支給者)を画面で 照会することができます。 z 計算結果を元に帳表を作成します。 z 賞与支払届について、FDによる届出用ファイルを作成します。 7 ■ 年末調整 (1)システムの概要について 年間の給与総支給額から年税額を算出し、既に徴収した源泉徴収額との過不足額を求めるシステムであ り、源泉徴収票など年末調整関連帳表の作成までを行います。 (2)運用の特徴について z 月例給与、賞与計算、臨時計算で既に算出済の総支給額などを【年末調整記入票】に印刷します。 z 【年末調整記入票】をもとに支給額への修正額(調整額)と生命保険料などの申告分(システムで 控除していない分)を【年末調整情報入力】にて入力します。 z 年調累計データ(月例、賞与、臨時分の年間給与支給額)と記入票からの入力データにより、当年 支払うべき年税額を算出します。 z 年税額と源泉徴収額から過不足額を求めます。 z 源泉徴収票、年末調整票、賃金台帳、還付金明細書、年末調整処理状況(年調情報未入力者、年税 額不足者、退職者)を画面で照会することができます。 ■ 社会保険 (1)システムの概要について 健康保険料、厚生年金保険料、厚生年金基金の社会保険料について、標準報酬月額を算出し、算定基礎届と月 額変更届を作成します。また、保険料改定時には算出した修正平均額、標準報酬月額に従い、新保険料を社員情 報に登録します。 (2)運用の特徴について 1) 定時決定の運用 z 報酬、報酬月額、標準報酬月額を算出します。また、算定基礎届を印刷します。 z 新保険料登録処理にて新保険料を算出し、月例給与システムにて10月(または9月)の給与より新保険 料で控除します。 2) 随時改定の運用 z 改定対象者を判定し、報酬、報酬月額、標準報酬月額を算出します。また、月額変更届を印刷します。 z 新保険料登録処理にて新保険料を算出し、月例給与システムにて給与改定5ヶ月目(または4ヶ月目)よ り新保険料で控除します。 3) 標準報酬月額保険料額表が改定された場合 z 新しい料額表の金額を入力後に、社会保険料一括登録処理で新しい保険料額表から新保険料を求めます。 4) 算定基礎届・月額変更届について、FDによる届出用ファイルを作成します。 (3)他システムとの関連について z 社会保険料等の算出に必要な算定対象月の給与支給額、勤怠情報を月例給与システムから受け取り ます。また、社会保険システムにより算出された保険料、報酬月額、修正平均額、等級、改定年月 を新保険料適用月に社員情報に更新します。 z 月例給与システムでは、社員情報の健康保険標準報酬月額(または修正平均額)により健保・厚年 保険料月額表を毎月検索しており、健康保険料と介護保険料については変動者の保険料を書き換え ます。 z 月例給与システムにて保険料を控除します。 z 給与改定システムにより算出された昇給差額を、社会保険システムに通常給外の報酬として自動的 に渡します。 8 ■ 給与改定 (1)システムの概要について 給与改定の運用は、給与の昇給、降給等の変動があり、その改定の決定時期と実施月に差がある場合に、 その差額を算出するものです。新賃金体系で給与の支払を開始する月の月例給与計算を行う前に処理しま す。新給与情報と旧給与情報から昇(降)給差額を算出し、昇給差額明細表等を作成します。 (2)運用の特徴について z 新給与、新単価を【給与改定情報入力】から入力します。 z 昇(降)給実施月の月例給与計算処理を実施する前に、給与改定計算処理により改定月と実施月の 昇給差額を算出します。 z 昇給差額を、支給明細書イメージで画面から照会できます。また、処理状況も画面から照会できま す(給改処理対象外、昇給差額マイナス支給者)。 z 昇給差額明細表や計算基礎単価通知書など、各種帳表を印刷します。 (3)他システムとの関連について z 差額算出に必要な差額算出対象月の給与情報や勤怠情報を月例給与システムから受け取ります。ま た、実施月の月例給与に昇給差額を渡します。 z 【給与改定情報入力】より入力した新給与情報は、社員情報に即座に登録されます。 z 給与改定システムにより算出された昇給差額を、社会保険システムに通常給外の報酬として自動的 に渡します。 ■ その他 (1)システムの概要について 運用条件やコード/名称情報、社員情報、機密保護情報、保険情報等が登録できます。 (2)特徴について 1) 2) 3) 4) 5) 6) 運用条件 z 初期値が設定してありますので、御社の給与規定に合わせて変更を行います。 コード/名称情報 z 給与で使用する項目名称を管理します。 z 所属名、銀行名、自治体名、健康保険記号および厚生年金記号、役職名を管理します。 社員情報 z 社員の基本情報や賃金情報等を登録します。 z 社員が休職、復職、出向、退職した場合も状態を管理できます【雇用形態の設定】。 機密保護情報 z 機密保護設定を行うことで、本システムにおける利用者の限定、また利用者ごとに操作レベル(情 報登録、照会等)の設定ができます。 保険情報 z 生命保険や損害保険において、社員/契約毎の個別明細管理を行うことができます。 システム管理 z 何らかの事情(電源ダウン等)によりシステムが異常終了した場合には、操作履歴照会により実行 されたプログラム名およびエラー内容を表示し、内容によってはシステムリカバリ処理にて対応し ます。 9 1.2 項目拡張オプションについて 本システムは、基本システムと項目拡張オプションの2システムから構成されています。ここでは 拡張オプションの説明を中心に、基本システムとの関連性や相違点を説明します。 1.2.1 基本システムと拡張オプション 基本システムでは、月例給与計算を行う上で必要となる基本的な項目を提供しています。基本システム が提供する項目の種類は、下記「基本システムの項目」一覧をご参照ください。 拡張オプションは、基本システムだけでは項目数が不足する場合にご利用いただくシステムです。拡張 オプションを利用すると、基本システムの項目に加算して更に多くの項目を使うことができます。拡張オ プションで提供する項目は、下記「拡張オプションの項目と機能」を参照してください。 ■ 基本システムの項目 支給項目 控除項目 基準内賃金1∼7 通勤手当 深夜残業 健康保険 出勤日数(所定) 介護保険 出勤日数(休日) 厚生年金保険 年次有給休暇 厚生年金基金 代休休暇 雇用保険 休暇 時間外労働手当 普・早残業 社会保険料 固定手当1∼5 勤怠・その他の項目 生理休暇 休日残業 所得税 特別休暇 他1残業 住民税 その他休暇 他2残業 固定控除1∼8 事故欠勤 生命保険1∼5 損害保険料(短期) 皆勤手当 損害保険料(長期) 交替手当A∼C 住宅財形1∼2 事故欠勤控除 貸付金 病気欠勤控除 通勤費控除 他欠勤控除 前回整理金 その他1控除 今回整理金 その他2控除 変動控除1∼6 日直手当 前月調整金 遅・早回数 遅・早時間 その他1控除 その他2控除 普・早残業 深夜残業 休日残業 他1残業 他2残業 宿日直回数 宿日直手当 財形貯蓄1∼6 時間外労働時間 勤怠控除 遅刻・早退控除 病気欠勤 その他欠勤 遅刻早退・その他 精皆勤手当 精勤手当 欠勤 代休手当 宿直手当 変動手当1∼5 前月調整金 日直回数 宿直回数 交替回数A∼C 10 ■ 拡張オプションの項目と機能 拡張オプションを使用すると、下表の項目を基本システム項目に追加して使用することができます。 拡張オプション項目を基本システムの画面/帳表に出力する際は、基本システム項目値に拡張オプショ ン項目値を集計(加算)して出力します。そのため、拡張項目それぞれについて、どの基本項目に集計す るかを【支給・控除項目集計先設定】処理で事前に指定します。集計先として指定可能な項目についても、 下表に記載します。 支給項目 拡張項目 控除項目 集計先項目 拡張項目 集計先項目 勤怠・その他の項目 拡張項目 固定手当6∼25 固定手当1∼5 固定控除9∼25 固定控除1∼8 時間1∼10 変動手当6∼10 変動手当1∼5 変動控除7∼10 変動控除1∼6 回数1∼10 時間手当1∼10 回数手当1∼10 普早残業手当 深夜残業手当 休日残業手当 他1残業手当 他2残業手当 代休手当 精勤手当 皆勤手当 交替手当A∼C 遅刻早退控除 事故欠勤控除 病気欠勤控除 他欠控除 他控除1∼2 月例給与時の拡張オプション項目の仕組み 以下に基本システム項目と拡張オプション項目の月例給与計算時の仕組みと違いを説明します。拡張オ プション項目は基本システム項目同様に独立して入力/計算/出力を行えますが、計算結果の出力や所得 税の対象有無など、計算後の一部処理が基本システム項目と異なります。 処理内容 社員情報の設定 基本システム項目 拡張オプション項目 基本システム項目/拡張オプション項目ともに、個別に社員情報への固定手当/控 除や単価の登録が行えます。 登録方法としては、【社員情報登録/修正】【社員情報修正(項目別)】【社員情報一 括入力】の3通りがあります。 単価の自動算出が行えます。 単価の自動算出は行えません。 ↓ ↓ 勤怠情報の入力 基本システム項目/拡張オプション項目ともに、【勤怠/変動情報入力】または【勤 怠/変動情報一括入力】からの、個別に時間/回数の勤怠情報や変動手当/控除の 入力が行えます。 ↓ ↓ 11 処理内容 基本システム項目 拡張オプション項目 基本システム項目/拡張オプション項目ともに、個別に支給/控除額の計算を行い ます。計算結果も個別に管理できます。 項目毎に課税対象の有無等の設定が行 えません。 項目毎に以下の設定が行えます。 月例給与の計算 ・課税対象の有無 ・雇用保険対象の有無 ・社会保険対象の有無 ・社会保険の現物対象有無 ・社会保険の固定的賃金対象有無 ・給与改定の昇給差額算出方法 ↓ 計算結果の確認 左記設定は、【支給・控除項目集計先設 定】で集計先に指定した基本システム項 目の設定内容に従います。 ↓ すべての画面/帳表で、項目ごとの計算 結果の確認が行えます。 拡張項目個々の計算結果や集計結果は、 以下の帳表で確認してください。 ・給与支給額一覧表 ・給与控除額一覧表 ・勤怠一覧表 ・給与支給額集計表 ・給与控除額集計表 ・勤怠集計表 その他の画面/帳表では、拡張項目の計 算結果は【支給・控除項目集計先設定】 で集計先に指定した基本システム項目 に加算して出力されます。 給与支給明細書について 基本システムのみを使用する場合は、給与支給明細書は項目ごとにその出力位置がすべて決まっていま す。しかし拡張オプションを使用すると、給与支給明細書のレイアウトを自由に設定することができます。 明細書上から使用しない基本項目を削除し、拡張オプション項目単独の値を出力することもできます。給 与支給額照会画面も給与支給明細書と同じレイアウトに変更されます。 <基本システムのみの場合> <拡張オプションを使用してレイアウトを変更した場合> 拡張オプションは使用可能な項目数が不足する場合だけでなく、給与支給明細書のレイアウトを自 由に変更した場合にもお使いいただけます。 12 1.2.2 拡張オプションの留意点 拡張オプションで提供する項目は、基本システム項目とは扱いが異なります。 最も大きな相違点は、基本項目は項目ごとの計算結果を項目単独に出力するのに対し、拡張項目は【支 給・控除項目集計先設定】で集計先に指定した基本項目に、計算結果を加算して出力する点です。 以下に、拡張項目を単独出力可能な月例給与の処理と、基本項目に加算して表示する処理を示します。 拡張項目単独の計算結果が確認できる処理 給与支給額一覧表 給与控除額一覧表 勤怠一覧表 給与支給額集計表 給与控除額集計表 勤怠集計表 単価一覧表 給与支給実績ファイル作成 給与支給明細書 ※ ※ 給与支給額照会 ※ 給与支給明細書と給与支給額照会は、【給与支給明細書レイアウト設定】で拡張オプション項目を出 力対象に選択した場合に確認できます。 月例給与以外では、年末調整時の賃金台帳(拡張)で勤怠の拡張項目値を単独で確認できます。 (手 当/控除は集計値を出力します) また、社員情報の賃金/単価情報一覧表では、社員情報登録した拡張項目値を単独で確認できます。 基本項目のみを出力する処理 給与台帳 給与集計表 個人別勤怠状況書 その他の拡張オプション使用時の留意点を説明します。 (1)課税対象の有無 拡張項目には、所得税の課税対象とするかどうかの設定がありません。拡張項目が課税対象かどうかは、 【支給・控除項目集計先設定】で集計先に指定した基本項目に従います。 【 例:固定手当10の集計先項目に固定手当1が設定されていた場合 】 ⇒ 固定手当1が課税対象の場合 : 固定手当10も課税対象 ⇒ 固定手当1が課税非対象の場合 : 固定手当10も課税非対象 同様に、以下の内容についても項目は、集計先項目の設定値に従います。 ● 雇用保険対象の有無 ● 社会保険対象の有無 ● 社会保険の現物対象有無 ● 社会保険の固定的賃金対象有無 ● 給与改定の昇給差額算出方法 (2)手当控除の設定 拡張項目の回数手当1∼10/時間手当1∼10には、支給対象者の設定がありません。【支給・控除 項目集計先設定】で指定した集計先項目の設定内容には従わず、社員情報に単価が設定済みの社員で【勤 怠/変動情報入力】または【勤怠/変動情報一括入力】から回数/時間を設定した社員に対して支給され ます。 【 例:時間手当5の集計先項目に他1残業手当が設定されていた場合 】 ⇒ 他1残業手当の支給対象者が月給者の場合 : 月給者以外にも時間手当5は支払われます ⇒ 他1残業手当の支給対象者が役職コード”60”の場合 : 役職コード”60”以外の社員にも時間手当5は支払われます 13 (3)単価の自動算出 基本システムの単価項目は、給与計算時に単価をシステムで算出することができますが、拡張項目の回 数単価1∼10/時間単価1∼10は自動算出できません。社員情報に直接単価を登録してください。 なお、単価算出時の基礎となる基準内賃金等の金額は、拡張項目値を加算する前の基本項目単独の金額 を用います。 【例】 <条件> ・固定手当20の集計先項目 : 固定手当2 ・時間手当2の集計先項目 : 普通早出残業手当 ・普通早出残業単価に以下の単価式が設定されている 基礎項目 固定手当2 基礎単価 (基礎項目+10,000)×0.12÷2 算出単価 基礎単価×1.35 ・各単価/金額と時間は以下の通りとします 固定手当2 8,000円 固定手当20 5,000円 普通早出残業時間 45H 時間2単価 800円 単価算出時の基礎項目は、拡張項目 時間2時間 15H 値を加算前の基本項目単独値を使用 <各手当算出結果> 基礎単価 普通早出残業単価 普通早出残業手当(単独値) 時間2手当(単独値) 普通早出残業手当(集計後) 固定手当2 1,080 1,458 65,610 12,000 77,610 13,000 : : : : : : (8,000+10,000)×0.12÷2 1,080×1.35 手当算出の最後に、基本項 1,458×45 目値と拡張項目値を加算 800×15 65,610+12,000 8,000+5,000 (4)勤怠控除を支給項目から直接減額する場合 本システムでは、遅刻早退控除等の勤怠控除額を基本システムの支給項目から直接減額して支給するこ とができます。このときの勤怠控除額は、拡張項目値を加算する前の基本項目単独の金額を用います。 【例】 <条件> ・事故欠勤控除を固定手当4から直接減額するように設定 ・固定手当14の集計先項目 : 固定手当4 ・回数手当3の集計先項目 : 事故欠勤控除 ・各金額は以下の通りとします 固定手当4 20,000円 固定手当14 9,500円 事故欠勤回数 1回 事故欠勤単価 5,600円 回数3回数 2回 回数3単価 1,400円 <各手当算出結果> 事故欠勤控除(単独値) 固定手当4(単独値) 回数3手当(単独値) 事故欠勤控除(集計後) 固定手当4(集計後) 控除する事故欠勤額は、拡張項目 値加算前の基本項目単独値を使用 5,600 : 5,600×1 14,400 : 20,000−5,600 2,800 : 1,400×2 2,800 23,900 : 14,400+9,500 14 基本項目値は直接減額設定がさ れているため、ここでは拡張項 目値(回数3手当)のみを出力 (5)特殊手当/特殊控除について 本システムでは、基礎となる項目と計算式から求めた金額を、特殊手当/特殊控除として支給/控除で きます。このとき基礎となる基準内賃金等の金額は、拡張項目値を加算する前の基本項目単独の金額を用 います。 【例】 <条件> ・固定手当35の集計先項目 : 固定手当5 ・変動手当10の集計先項目 : 変動手当1 ・特殊手当Aには以下の設定がされており、支給先として固定手当5を設定 基礎項目 変動手当1 支給式 基礎項目×1/2+3,400 ・各金額は以下の通りとします 固定手当5 4,600円 固定手当35 1,800円 変動手当1 7,000円 変動手当10 14,500円 特殊手当算出時の基礎項目は、拡張項 目値を加算前の基本項目単独値を使用 <各手当算出結果> 特殊手当A 6,900 : 7,000×1/2+3,400 手当/控除算出の最後に、基 固定手当5 8,700 : 6,900+1,800 本項目値と拡張項目値を加算 変動手当1 21,500 : 7,000+14,500 同様に、段階別支給設定の支給先項目が同時に拡張項目の集計先として設定されている場合も、計算 後の段階別支給額に拡張項目値を加算します。 1.2.3 項目拡張オプションの使い方 それでは拡張オプションを使用した月例給与の計算を、具体的な例を示しながら以下に説明します。 ■ 支給/控除項目とそれぞれの条件 まず、これから説明する例で使用する項目を、以下の一覧に表示します。 <支給項目とその条件> 項目名 支給条件 本給 勤続年数によって支給額を決定 職能給 各職務に従事する社員の能力によって支給額を決定 家族手当 扶養家族がある社員に支給 配偶者:20,000円 配偶者以外:一人当たり5,000円 単身赴任手当 単身赴任者に一律50,000円を支給 住宅費補助 賃貸住宅住居者に支給 未婚者:一律20,000円 既婚者:一律30,000円 特殊手当 特殊勤務者に支給 資格手当 会社認定資格保有者に1資格に付き5,000円を支給 地区手当 都内事務所勤務者に一律20,000円を支給 赴任手当 勤続手当 正月手当 出産手当 異動により住居の引越しが発生した社員に50,000円を支 給 勤続10年ごとに100,000円を支給 12/31∼1/3出勤者に1日につき5,000円を支給 出産日以前42日から出産日後56日の間で、本人が出勤で 15 本システムで使用する項目 基準内賃金1 基準内賃金2 固定手当1 固定手当2 固定手当3 固定手当4 固定手当5 固定手当6 住宅費補助に加算 変動手当1 変動手当2 変動手当3 変動手当4 項目名 支給条件 本システムで使用する項目 きずに給与を受けられなかった日に支給 1日あたり8,000円 特別手当 会社が指定した事象が発生した場合に支給 変動手当5 出産祝い金 本人または配偶者の出産時支給 変動手当6 1回(1人)につき20,000円 出産手当に加算 普通残業手当 普通残業に対し支給 普早残業手当 普通早出残業単価(注1)×普通早出残業時間で算出 普通早出残業単価=(本給+職能給+資格手当)÷160 ×1.1 (単価算出時の端数は、円未満四捨五入する) 深夜残業手当 深夜残業に対し支給 深夜残業手当 深夜残業単価(注1)×深夜残業時間で算出 深夜残業単価=(本給+職能給+資格手当)÷160×1.2 (単価算出時の端数は、円未満四捨五入する) 休日残業手当 休日残業に対し支給 休日残業手当 休日残業単価(注1)×休日残業時間で算出 休日残業単価=(本給+職能給+資格手当)÷160×1.3 (単価算出時の端数は、円未満四捨五入する) 遅刻・早退控除 遅刻・早退の回数に従い、本給から控除 (注2) 遅刻早退控除 遅刻・早退単価×遅刻・早退回数で算出 早朝出勤手当 当番による早朝出勤に対し支給 時間手当1 1時間につき2,500円 普通残業手当に加算 通勤手当 定期券相当額を支給 通勤手当 (注1)【単価式設定】を行うと、システムが自動的に単価を算出します。 (注2)本給からの直接控除は、【勤怠控除直接減額設定】処理で設定できます。 <控除項目とその条件> 項目名 支給条件 社宅寮費 社宅または寮への入居者から控除 社宅:20,000円 寮 :8,000円 親睦会費 毎月500円を全社員から控除 旅行積立 毎月2,000円を全社員から控除 組合費 組合活動費を組合員から控除 ※ 所得税や各種社会保険料、財形/貸付金等の控除項目は省略しています。 本システムで使用する項目 固定控除1 固定控除2 固定控除3 変動控除1 ■ 条件設定を行いましょう 本システム導入時に行う各条件設定の中より、拡張オプション使用時に関係する設定について説明しま す。 (1)運用条件の登録 システムを運用するために必要な設定を、 【運用条件登録】処理から行います。 【運用条件登録】には拡 張オプションに関する設定はありませんが、一部関連する設定があるためご注意ください。 【運用条件登録】には項目ごとの所得税や社会保険の対象有無の設定がありますが、設定対象項目は基 本項目のみです。拡張項目は、【支給・控除集計先項目設定】で指定するそれぞれの集計先項目の設定内 容に従います。 16 (2)給与支給明細書の用紙種類選択 前述の通り、拡張オプションを使用すると給与支給明細書のレイアウトを任意に設定できます。本機能 を使用するには、【各種帳表の用紙種類選択】処理から、給与支給明細書の用紙を“単票4”、“単票5”、 “ヒサゴ3”、“ヒサゴ4”のいずれかに設定する必要があります。 単票4、ヒサゴ3・・・金額がゼロの項目の項目名を明細書上に出力します。 単票5、ヒサゴ4・・・金額がゼロの項目の項目を明細書上に出力しません。 (3)項目名登録 【項目名一覧登録】より、支給/控除の各項目を会社で使用している名称に合わせて変更します。拡張 項目も項目名の変更が行えます。 <使用する拡張オプション項目> 標準項目名 変更後の項目名 固定手当6(拡張) 地区手当 変動手当6(拡張) 出産祝い金 時間手当1(拡張) 早朝出勤手当 通常はここで項目名の変更を行 いますが、本マニュアルは標準項 目名のままで記載します。 (4)拡張オプション項目の集計先項目設定 前述の通り、一部の画面/帳表上での拡張項目値は、基本項目値に加算して出力されます。ここでは拡 張項目ごとにその集計(加算)先を設定します。 <使用する拡張オプション項目> 標準項目名 集計先項目 固定手当6(拡張) 固定手当3 変動手当6(拡張) 変動手当4 時間手当1(拡張) 普通残業手当 端数整理方法 − − 円未満切り上げ 集計先の設定は【支給・控除集計先項目設定】処理から行います。時間手当/回数手当の場合は、同時 に“端数整理方法”も設定してください。 設定終了後は、【印刷】−【支給・控除項目集計先設定一覧表印刷】を実施し、設定内容を確認してく ださい。 17 拡張項目ごとに集計先 として指定可能な基本 項目がリストボックス に一覧表示されます。 (5)給与支給明細書のレイアウト設定 上記手順(2)で単票4、単票5、ヒサゴ3、ヒサゴ4のいずれかを選択した場合は、ここで給与支給 明細書のレイアウト設定を行います。 項目名部を選択すると、そ れぞれの欄に出力可能な 項目のみを抽出した、項目 一覧画面が起動します。 給与支給明細書のレイアウトは、大きく支給額欄/控除額欄/勤怠・他欄にわかれています。それぞれ の欄の出力枠数と、拡張オプション使用時に給与支給明細書上に出力できる項目数を以下に表示します。 項目欄 出力枠数 対象項目数 基本項目数 基本集計項目数 拡張項目数 支給額欄 32 117項目 ・・・ 41項目 31項目 45項目 控除額欄 33 84項目 ・・・ 44項目 19項目 21項目 勤怠・他欄 37 54項目 ・・・ 34項目 0項目 20項目 出力枠数を越える数の項目を使用する会社は、集計後の基本項目を出力するように設定してください。 集計前の項目単独の値を出力する場合は、給与支給明細書のカスタマイズが必要となります。 給与支給明細書レイアウト設定を行うと、給与支給額照会画面も給与支給明細書と同じレイアウト に変更されます。 18 ■ 社員情報を登録しましょう 社員情報登録時には、拡張項目も同時に登録します。 社員情報登録処理からは、以下の拡張項目が登録できます。使用する項目のみ登録してください。 ● ● 賃金情報―固定手当・控除設定(拡張) 単価情報―支給項目単価設定(拡張) : : 固定手当6∼25、固定控除9∼25 時間単価1∼10、回数単価1∼10 【社員情報登録】または【社員情報一括入力】より、拡張項目を含めた社員情報を登録します。 ここでは例として、以下の3名の社員を登録します。 社員番号 100001 100002 100003 社員氏名 上滝 恵 山口 三郎 大島 哲也 給与区分 0:月給者 0:月給者 0:月給者 夫・妻あり 2:妻あり 2:妻あり 1:独身者 扶養者総人数 2名(妻と子) 3名(子供3名) 0名 本給 (基準内賃金1) 180,000 210,000 150,000 職能給(基準内賃金2) 125,000 140,000 108,000 家族手当 (固定手当1) 25,000 15,000 0 単身赴任手当(固定手当2) 0 50,000 0 住宅費補助 (固定手当3) 30,000 0 20,000 資格手当 (固定手当4) 15,000 10,000 5,000 地区手当 (固定手当5) 20,000 0 20,000 早朝出勤単価 2,500 2,500 2,500 遅刻・早退控除単価 2,400 2,700 2,300 通勤手当 14,800 7,200 11,500 社宅寮費(固定控除1) 0 8,000 0 親睦会費(固定控除2) 500 500 500 旅行積立(固定控除3) 2,000 2,000 2,000 <賃金情報画面> <固定手当・控除設定(拡張)画面> 拡張ボタン選択で、固定手当・控除設定(拡張)画面を 起動します。拡張項目を登録した場合は、本画面で必ず 【確認】【適用】を選択してください。 確認ボタン選択で、賃金情 報設定画面に戻ります。 普通残業単価/深夜残業単価/休日残業単価については、【単価式設定】の設定内容によりシステム が自動算出するため、ここでの登録は必要ありません。 19 ■ 月例給与の計算を行いましょう では、拡張オプションを使用した月例給与の計算を行います。ここでは月例給与計算の流れの中で、拡 張オプションに関係する処理について説明します。 (1)勤怠情報/変動手当情報の入力 【勤怠/変動情報入力】または【勤怠/変動情報一括入力】より、勤怠情報/変動手当情報の入力を行 います。 社員情報登録した3名について、以下の情報を入力します。 社員番号 100001 100002 100003 社員氏名 上滝 恵 山口 三郎 大島 哲也 普・早残業時間 48.5 23.6 52.3 深夜残業時間 12.4 2.1 18.2 休日残業時間 16.0 19.4 25.5 遅刻・早退回数 0 0 1 早朝出勤時間(時間1:拡張) 2.1 2.0 2.5 赴任手当(変動手当1) 0 0 ※3 50,000 勤続手当(変動手当2) 0 ※2 100,000 0 出産祝い金(変動手当6:拡張) ※1 20,000 0 0 組合費(変動控除1) 4,500 0 4,500 ※1・・・配偶者が今月第1子を出産 ※2・・・勤続20年 ※3・・・今月異動による引越しが発生 <勤怠入力画面> <変動手当/控除入力画面> 拡張オプション項目 拡張オプション項目 (2)給与計算の実施 【給与計算処理】または【給与再計算(全社員対象)】を行います。拡張項目もここで同時に計算を行 います。 (3)給与計算の確認 照会画面や各種帳表を使って、計算結果の確認を行います。以下の処理では、拡張項目単独での計算結 果の確認ができます。 給与支給額一覧表 給与支給額集計表 単価一覧表 給与控除額一覧表 勤怠一覧表 給与控除額集計表 勤怠集計表 給与支給実績ファイル作成 20 給与支給明細書と給与支給額照会画面は、【給与支給明細書レイアウト設定】で拡張項目を出力対象 に選択した場合に、拡張項目の計算結果を確認できます。 <給与支給額照会 : 拡張項目を単独で照会できます> 社員番号 社員氏名 基準内賃金1 100003 大島 哲也 147,700 = 150,000 – 2,300 本給 遅・早控除 108,000 11,500 20,000 5,000 20,000 基準内賃金2 非課税通勤費 固定手当3 固定手当5 固定手当6 (拡張) 普通残業手当 94,558 = 1,808 × 52.3 (150,000+108,000+5,000)÷ 160×1.1 円未満四捨五入 35,909 = 1,973 × 18.2 (150,000+108,000+5,000)÷ 160×1.2 円未満四捨五入 54,494 = 2,137 × 25.5 (150,000+108,000+5,000)÷ 160×1.3 円未満四捨五入 6,250 = 2,500 × 2.5 深夜残業手当 休日残業手当 時間手当1 (拡張) 遅刻早退控除 変動手当1 固定控除2 固定控除3 変動控除1 <給与台帳 : 0 ※本給から直接減額のため 50,000 500 2,000 4,500 拡張項目は、指定した基本項目に集計して出力します> 社員番号 社員氏名 基準内賃金1 基準内賃金2 住宅費補助 固定手当5 非課税通勤費 残業手当 遅刻早退控除 変動手当1 固定控除2 固定控除3 変動控除1 21 100003 大島 哲也 147,700 108,000 40,000 = 20,000 + 20,000 住宅費補助 地区手当 5,000 11,500 191,211 = 94,558 + 35,909 普通残 深夜残 + 54,494 + 6,250 休日残 早朝出勤手当 0 ※本給から直接減額のため 50,000 500 2,000 4,500 1.3 組織図を使った運用について 本システムでは、組織図を使った運用を行います。組織図に従い、データ入力/帳表印刷/画面照 会等の処理を行います。また、組織図を適切に活用することで、さまざまな単位での帳表印刷や画面 照会を行うことが可能になります。 ■ 組織図と組織図レベル 通常、企業ではさまざまなセクション、すなわち所属が存在し、それらの所属は次のような会社組織を 形成し、日々の企業活動が行われています。 組織図と組織図レベルの構成例を以下に示します。 レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5 システム 全社 東京 本社 営業 本部 第一 営業部 システム 営業課 ∼ レベル10 システム 販売課 第二 営業部 販売 推進課 販売 促進課 総務 本部 総務部 総務課 経理課 人事課 大阪 支店 関西 営業部 営業部 関西 販売課 大阪 販売課 本システムでは、このような会社組織の構造にしたがった“組織図”を作成します。また、会社組織は 枝分かれしながら、部・課というようにだんだん細かく分かれていき、細かくなるにつれて組織図上の階 層も深くなります。この階層を“組織図レベル”と呼びます。本システムは、この組織図レベルを指定す ることで、任意の所属単位での帳表印刷を行います。 組織図を管理する上で、ある所属から見た場合に、その所属と従属関係をもち、その所属より組織図上 深い階層にある所属(上の例では“営業本部”から見た“第一営業部”など)を次のように呼びます。 “下位レベルの所属”または“下位所属” 逆に、その所属より組織図上浅い階層にある所属(上の例では“営業本部”から見た“東京本社”)を 次のように呼びます。 “上位レベルの所属”または“上位所属” 22 ■ システム全社について <システム全社とは> 組織図は、レベル01∼レベル10までの10階層の組織を管理します。レベル01の階層は常に1所 属のみで、会社組織全体を意味しています。このレベル01の所属を“システム全社”と呼びます。 <システム全社の設定> システム全社の所属コードは“Z000”固定になっています。運用上このシステム全社の所属コード を意識する必要はありません。 ■ 組織図作成前の確認事項 組織図に登録する所属は、事前に【所属コード登録】する必要があります。また、社員は必ず所属に属 する必要があります。社員情報登録時は、所属コードの入力を行ってください。 ■ 基本組織図と補助組織図 本システムでは、複数の組織図を管理します。それぞれの組織図を区別するための区分として“組織図 番号”があり、組織図番号が“00”のものを“基本組織図”と呼びます。基本組織図以外の組織図は“補 助組織図”と呼びます。 (1)基本組織図 基本組織図とは、会社の実際の組織体系に基づいた組織図です。社員が属する所属は、すべて登録しま す。本システムでは利用者が特に指定しない限り、この基本組織図を用いて帳表印刷/画面照会の処 理を行います。 本システムで組織図を使った運用をする場合、基本組織図は必ず登録する必要があります。 (2)補助組織図 補助組織図とは、業務運用に合わせて利用者が任意に登録する組織図です。集計用の所属として、実在 しない(基本組織図上に存在しない)所属を登録することもできます。ただし、この集計用の所属は、事 前に所属コード登録する必要があります。 組織図番号“01”∼“99”まで、99件の補助組織図が設定できます。 給与支給明細書等の個人への配付や事業所単位に所轄税務署が異なる場合は、会社組織体系とは異なっ た組織図が必要とされます。そういった場合に補助組織図を使用します。 <本店と支店がある場合> “本店”“支店”などの単位を所属として見ます。 <各地に事業所がある場合> 所轄税務署単位に各事業所をそれぞれ所属として組織図に登録します。 ただし、所属を細分化しすぎると、所属ごとの帳表を印刷する場合に帳表のページ数が増えること になります。必要以上の細分化は行わないようにしましょう。 運用の際、基本組織図/補助組織図の選択が可能な処理一覧を下記表に示します。下記以外の処理 は、基本組織図を参照します。 参照可能な組織図 基本組織図と補助組織図 処理 ・帳表印刷処理 ・データ出力処理 23 基本組織図と、それを組み替えた補助組織図の設定例を以下に示します。 <基本組織図> システム全社 管理本部 東京管理部 第一営業部 工場管理部 大阪管理部 仙台管理部 福岡管理部 営業本部 東京営業部 大阪営業部 製造本部 東京製造部 工場製造部 仙台製造部 福岡製造部 <補助組織図> 基本組織図を、所轄税務署単位に合わせて事業所毎に組み替えます。 システム全社 東京事業所 東京管理部 東京営業部 東京製造部 大阪事業所 大阪管理部 大阪営業部 仙台事業所 仙台管理部 仙台製造部 福岡事業所 福岡管理部 福岡製造部 レベル2は補助組織図に使用する集計用の所属 ■ 画面照会/帳表印刷と組織図レベル 画面照会では、組織図番号“00”の基本組織図を使用します。 帳表印刷では、印刷対象の所属を“組織図番号” “組織図レベル”“所属コード”の組み合わせで指定し ます。“組織図番号”にはそのとき使用する組織図を設定し、“所属コード範囲”は処理対象所属の範囲を コードで設定します。“所属コード範囲”を指定せずに(全件指定されたものとみなします)“組織図レベ ル”だけを指定することもできます。 “組織図レベル”は改ページ単位になります。例えば1枚の帳表に複数の社員を印刷する帳表の場合、 組織図レベル=01(システム全社)を指定した場合は全社員が改ページすることなく出力します。01 レベル以外を指定した場合は、指定したレベルで所属コードが替わるたびに改ページします。 24 レベル1 レベル2 レベル3 レベル4 レベル5 ① Z000 システム全社 ② 10000 東京本社 社長 ③ 10100 営業本部 営業本部長 ④ 10110 第一営業部 部長 ⑤ 10111 システム営業課 課長 社員A ⑥ 10112 システム販売課 課長 社員B ⑧ 10121 販売推進課 課長 社員C ⑨ 10122 販売促進課 課長 社員D ⑫ 10211 総務課 課長 社員E ⑬ 10212 経理課 課長 社員F ⑭ 10213 人事課 課長 社員G ⑱ 20111 関西販売課 課長 社員H ⑲ 20112 大阪販売課 課長 社員I ⑦ 10120 第二営業部 部長 ⑩ 10200 総務本部 ⑮ 20000 大阪支店 支店長 ⑪ 10210 総務部 部長 ⑯ 20100 関西営業部 ⑰ 20110 営業部 部長 上記構成の会社における、給与支給明細書と給与財形貸付金一覧表の出力例を示します。なお、所属コ ードの前の丸付き数字は、出力順を意味します。組織図を使ってシステムを運用する場合、この出力順に 添って処理が進められます。 <例1:給与支給明細書> 組織図番号 組織図レベル 所属 役職 社員番号 印刷順 00 03 ∼ ∼ ∼ 所属・役職・社員番号順 上記抽出条件で印刷した給与支給明細書は、次の順序で印刷します。 1 2 3 4 社 長 営 業 本 部 長 第 一 営 業 部 部 長 シス テム 営 業 課 課 長 5 6 社 員 A シス テム 販 売 課 課 長 7 8 9 社 員 B 第 二 営 業 部 部 長 販 売 推 進 課 課 長 10 11 社 員 C 販 売 促 進 課 課 長 12 13 14 社 員 D 総 務 部 部 長 総 務 課 課 長 15 16 社 員 E 経 理 課 課 長 17 18 社 員 F 人 事 課 課 長 19 20 21 22 社 員 G 大 阪 支 店 支 店 長 営 業 部 部 長 関 西 販 売 課 課 長 23 24 25 社 員 H 大 阪 販 売 課 課 長 社 員 I 給与支給明細書のように個人毎に印刷する帳表は、同一組織図内ではどのレベルを指定しても同じ 出力順です。 25 <例2:給与支給明細書> 組織図番号 組織図レベル 所属 役職 社員番号 印刷順 00 04 10120 ∼ 10210 ∼ ∼ 所属・役職・社員番号順 所属範囲を指定する場合、 開始所属と終了所属は同 じレベルの所属を指定し てください。 上記抽出条件で印刷した給与支給明細書は、次の順序で印刷します。 1 2 第 二 営 業 部 部 長 販 売 推 進 課 課 長 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 社 員 C 販 売 促 進 課 課 長 社 員 D 総 務 部 部 長 総 務 課 課 長 社 員 E 経 理 課 課 長 社 員 F 人 事 課 課 長 社 員 G 所属コード範囲を指定した場合、出力対象所属は指定した所属とその所属の下位所属になります。 今 回 の 出 力 例 の 場 合 、 10120 と そ の 下 位 所 属 の 10121/10122 、 10210 と そ の 下 位 所 属 の 10211/10212/10213の7所属の社員を出力します。 <例3:給与財形貸付金一覧表> 組織図番号 組織図レベル 所属 役職 社員番号 00 04 ∼ ∼ ∼ 上記抽出条件で印刷した給与財形貸付金一覧表は、次の順序で印刷します。 頁 1 2 3 4 5 6 7 8 9 所属コード 10000 10000 10100 10100 10110 10110 10120 10120 10210 所属名称 東京本社 東京本社 営業本部 営業本部 第一営業部 第一営業部 第二営業部 第二営業部 総務部 10 11 12 13 14 15 10200 20000 20000 20110 20110 総務部 大阪支店 大阪支店 営業部 営業部 出力対象社員 社長 東京本社合計(1名) 営業本部長 営業本部合計(1名) 第一営業部部長、システム営業課課長、社員A、システム販売課課長、社員B 営業本部合計(5名) 第二営業部部長、販売推進課課長、社員C、販売促進課課長、社員D 営業本部合計(5名) 総務部部長、総務課課長、社員E、経理課課長、社員F、人事課課長、 社員G 総務部合計(7名) 支店長 大阪支店合計(1名) 営業部部長、関西販売課課長、社員H、大阪販売課課長、社員I 関西営業部合計(5名) 総合計(25名) 26 1.10200:総務本部や20100:関西営業部のように社員の存在しない所属は出力対象外です。 2.所属/役職/社員の範囲指定を行わずに組織図番号と組織図レベルのみを指定して印刷した場 合、合計ページには会社全体の合計を印刷します。 ■ 組織図を使った運用を行わない場合 本システム導入時は、“組織図運用を行う”に設定されています。組織図運用を行わないお客様は、以 下の手順で設定を変更してください。 1.スタートボタン−【プログラム】−【GLOVIA smart 給与 BP 基本】−【セットアップ】− 【動作環境】を起動します。 2.基本情報タブを選択し、 “組織図運用”を“行わない”に設定してください。 組織図を使った運用を行わないお客様は、所属コードを以下のように事業所/部/課の3つのコードを 組み合わせ、5桁の英数字で構成してください。 事業所 部 課 ↓ ↓ ↓ 1 任意の1桁 の英数字 2 3 任意の2桁の英数字 4 5 任意の2桁の英数字 本システムでは“所属順”を選択して画面照会/帳表印刷を行うと、所属コードを昇順(小さい順)に 並べて出力します。所属コードを決定する際は、その出力順を充分に考慮してください。 本稼動後に組織図の使用有無を変更する場合は、それぞれ以下の点にご注意ください。 組織図使用 ⇒ 未使用 所属コード体系の見直しが必要です。 事業所コード(1桁目)+部コード(2,3桁目) +課コード(4,5桁目)の5桁で構成した所属コ ードを登録してください。 所属コードを変更した場合は、社員情報の所属コ ードも変更する必要があります。 組織図未使用 ⇒ 使用 【組織図登録】を実施してください。 1.本システムと人事システムでは所属コードと名称を共有しています。人事システムを既に導入済 の場合は、本システムから所属コード/名称を登録する必要はありません。 2.組織図運用を行わないと設定している場合、【組織図登録】処理を選択すると、“組織図運用を行 っていないため当処理は起動できません”とのメッセージが出力されます。 27 所属コード 10000 10100 10101 10102 10200 10211 10212 10213 20000 20100 20111 20112 事業所名 東京本社 東京本社 東京本社 東京本社 東京本社 東京本社 東京本社 東京本社 関西支店 関西支店 関西支店 関西支店 部名 本社 営業部 営業部 営業部 総務部 総務部 総務部 総務部 関西支部 営業部 営業部 営業部 課名 システム営業 システム販売 総務課 経理課 人事課 システム営業 システム販売 所属社員 社長 営業部長 課長、社員A 課長、社員B 総務部長 課長、社員C 課長、社員D 課長、社員E 支店長 関西営業部長 課長、社員F 課長、社員G 上記構成の会社における、給与財形貸付金一覧表の出力例を示します。 所属 役職 社員番号 ∼ ∼ ∼ 上記抽出条件で印刷した給与財形貸付金一覧表は、次の順序で印刷します。 頁 1 2 3 4 5 所属コード 100 100 101 101 102 所属名称 本社 本社 東京本社営業部 東京本社営業部 東京本社総務部 6 7 8 9 10 11 12 13 102 1 200 200 201 201 2 東京本社総務部 東京本社 関西支部 関西支部 関西支店営業部 関西支店営業部 関西支店 出力対象社員 社長 本社合計(1名) 営業本部長、システム営業課長、社員A、システム販売課長、社員B 東京本社営業部合計(5名) 総務部部長、総務課長、社員C、経理課長、社員D、人事課長、 社員E 東京本社総務部合計(7名) 東京本社合計(13名) 関西支部支店長 関西支部合計(1名) 関西営業部長、システム営業課長、社員F、システム販売課長、社員G 関西支店営業部合計(5名) 関西支店合計(6名) 総合計(19名) 給与財形貸付金一覧表は部コード単位に改頁します。更に事業所コード、部コードごとに集計しま す。 28 第2章 導入作業とはどんなもので しょう 導入作業の全体の流れを説明します。 2.1 導入作業の手順を確認しましょう 29 2.1 導入作業の手順を確認しましょう 本システムを運用する前に導入作業を行う必要があります。 導入作業とは、利用者が導入を決定してから実際に日常業務の中で運用を開始するまでの作業全体のこ とです。 ■ 導入作業の流れを説明します 本マニュアルでは、導入作業を大きく6つの処理ステップに分けて説明していきます。本章では、導入 作業の全体の概要を把握してください。 目的 z z z ① 導入作業の前に(第3章) 御社で使用されている項目や名称、計算式等の分析を行います。 分析結果をシステムに反映する際に使用する登録票を印刷します。 コード設計における注意事項を理解します。 ↓ 目的 z ② 登録票を記入しましょう(第4章) 給与規定を本システムに反映させるために、制度情報や社員情報の登録票を 記入します。 ↓ 目的 z ③ 登録を始める前に(第5章) 実際の登録に先駆けて、メニューや入力画面の見方や操作法について理解し ます。 ↓ 目的 z z ④ さあ、データを登録しましょう(第6章) 実際にデータをシステムに登録します。 ②で記入した内容は、ここでシステムに登録します。 ↓ 目的 z ⑤ さあ、併行運用を行いましょう(第7章) 併行運用とは、今までの運用と本システムでの運用を併行して行い、出力帳 表の結果を照合することです。不明な点がある場合は、まだ本稼動できませ ん。併行運用の期間で、運用手順や操作方法も理解します。 30 第3章 導入作業の前に 本章では、基本システムを導入するために最低限必要なことについて説明します。 3.1 導入の準備作業について 31 3.1 導入の準備作業について ■ 御社の項目を分析しましょう 御社で使用している項目の数や名称、あるいはそれらの計算式を調べ、本システムの項目とどのように 対応させるかを検討する作業です。 この作業は項目名を変更する場合や、御社の給与規定を本システムに設定する場合に必要です。 御社の給与業務で現在使っている項目(支給、控除、勤怠、集計)を洗い出し、分析します。その分析 結果と本システムの項目とを対応づけます。 z 御社の項目の洗い出しと分析 z 本システムの項目との対応づけ (基本項目と拡張項目の違いを理解し、どちらに対応づけるかを検討してください) 洗い出した御社の項目について、表に示したポイントに留意して分析を行ってください。 対象項目 分析のポイント 支給項目 1. 支給(控除)形態 控除項目 2. 対象者 勤怠項目等 3. 計算方法 4. 関連帳表 項目分析の例を示します。 ■ 「導入マニュアル)登録票」を印刷しましょう 「導入マニュアル)登録票」は、本システムの導入をスムーズに行える様にする為のものです。会社運 用条件やコード情報、名称情報、社員情報の登録票が提供されています。これから調査する内容を記入す る為に、まず「導入マニュアル)登録票」を印刷してください。 1. スタートメニューの本システムメニューより【オンラインマニュアル】を選択します。 2. 「導入マニュアル)登録票」をクリック選択して、マニュアルを画面に表示します。 3. 【ファイル(F)】メニューから【印刷(P)】を選択し、全ページ印刷します。 32 ■ コードの決め方 コンピュータはコードによって、人やものを管理します。 つまり、社員一人一人は社員番号で、部や課の名前は所属コード、部長や課長などの役職出力順は、役 職コードで判別しています。 (1)すべてのコードに共通の規則 コードには大きく数字だけしか登録できないものと、英数字文字も登録できるものに分かれます。その 他、一般的に以下の点に注意してコードを決定してください。 z カタカナは使用できません z コードの頭や中にスペースを入れてはいけません 例:' 345'、'12 45' z 小文字は使用できません 例:'abcde' z 0のみのコードは使用できません 例:'00000' z スペースのみのコードは使用できません 例:' ' また、各コードや区分には以下のコードを使用しないようにしてください。 z * z z z , z # (2)主要なコードについて 本システムを運用する際には、いくつかのコード情報が必要ですが、特に以下のコードについて本シス テムで出力する帳表の集計単位、あるいは出力順の制御に汎用的に使用します。 z 社員番号 z 所属コード z 役職コード 下の表にコードの種類と使用方法を示します。 コードの種類と使用方法 コード名 社員番号 桁数 6 使用方法 社員ごとに固有の番号(登録後変更不可)です。 帳表の出力順制御に使用します。 <備考> ・帳表は社員番号の昇順に出力します。 所属コード 5 会社の組織体系を設定します。 帳表の集計単位、出力順制御に利用します。 役職コード 2 社員ごとの役職を設定します。 (注) 支給/控除の対象者判定、帳表の出力順制御に使用します。 <備考> ・役職が高いほど大きな値を設定します。 ・帳表は役職コードの降順に出力します。 注)対象者判定、出力順制御を行わない場合は、設定する必要はありません。 なお、本システムで作成する振込フロッピーは全銀協フォーマットに準拠しているため、振込フロッピ ーを使用する場合は、所属コードは必ず数字でなければなりません。所属コードが5桁に満たない場合は、 コードの先頭にゼロを詰めて5桁にしてください。 例:所属コードの場合 '123'→'00123' 33 第4章 登録票を記入しましょう この章では給与情報システムにおいて提供された登録票の記入順序、及び記入概要について紹介します。 4.1 登録票はこの順序で記入します 34 4.1 登録票はこの順序で記入します 登録票は、以下の順序で記入してください。 1 システム条件 帳表用紙や項目の集計先等のシステム条件を決定し、登録票に記入します。 ↓ 2 制度情報 社会保険料率や非課税限度額などを登録票に記入します。 ↓ 3 社員情報 社員やアルバイト者に関する情報を登録票に記入します。 ■ システム条件の登録票を記入しましょう 制度情報の登録票を記入します。印刷した導入マニュアル)登録票の「1章 システム条件」の登録票 を使用します。以下の3情報について、登録票の質問を読みながら記入してください。 登録票名称 使い方 1 帳表用紙種類選択 給与支給明細書等、各種帳表の出力用紙を選択用の登録票です。 2 支給・控除項目集計先設定 拡張項目の集計先の登録および修正用の登録票です。項目拡張 オプション使用時のみ記入します。 3 給与支給明細書レイアウト 給与支給(還付金)明細書への出力項目の登録および修正用の 設定 登録票です。項目拡張オプション使用時のみ記入します。 ■ 制度情報の登録票を記入しましょう 次に、制度情報の登録票を記入します。印刷した導入マニュアル)登録票の「2章 制度情報」の登録 票を使用します。以下の10情報について記入してください。 関連システム 制 度 情 報 月例給与 ・給与雇用保険料率設定 ・宿日直非課税限度額設定 ・通勤費非課税限度額設定 賞与計算 ・賞与健康保険料率設定 ・賞与雇用保険料率設定 ・賞与厚年保険料率設定 臨時手当 ・臨時健康保険料率設定 ・臨時雇用保険料率設定 ・臨時厚年保険料率設定 社会保険 ・健保・厚年保険料月額表設定 ■ 社員情報の登録票を記入しましょう 社員に関する情報の登録票を記入します。記入要領は導入マニュアル)登録票の「3章 社員情報」の 項目説明を参照してください。記入にあたって、導入マニュアル)登録票の「9章 登録票」を、必要枚 数コピーして用意します。 本システムの人事システムと給与システムでは、社員情報を共有しています。人事システムを既に導 入済、または人事システムと同時に導入中の場合は、人事システムで登録された社員情報の一部を 本システムに取り込むことができます。「運用マニュアル 9章 人事給与システムについて」を参 照し、人事システムで管理されていない情報(給与システム独自の情報)を登録してください。 登録票名称 使い方 1 社員情報登録連絡票 社員の登録および修正用の登録票です。1社員について1枚の 登録票を用意しています。 2 雇用形態設定連絡票 導入時においては「社員情報登録連絡票」で記入した社員につ き、休職または出向中の社員を記入します。 3 アルバイト者登録連絡票 アルバイト者の登録および修正用の登録票です。 35 第5章 登録を始める前に 本章では、本システムの操作方法について説明します。 操作する場合に覚えておきたい事柄ですので、必ず確認してください。 5.1 基本操作を覚えましょう 36 5.1 基本操作を覚えましょう ■ メニューの選びかた 本システムは、提供している全ての業務をメニューで示しており、全ての業務がマウスで選択するだけ で行えるようになっています。以下の手順でメニューを選択します。 (1) 給与業務メニューの選択 スタートメニューから本システム起動用の【給与業務メニュー】を実行すると、上記メニューが表示さ れます。給与業務メニューは、業務単位に構成されています。このため、たとえば月例給与計算業務を行 いたい場合には、【給与計算】を選択します。 (2) 処理メニューの選択 給与業務メニューから【給与計算】を選択すると、メニューが展開されます。これを“処理メニュー” と呼びます。処理メニューは各業務の運用手順に沿って構成されています。 ここで行いたい処理を選択します。例えば給与支給明細書を印刷する場合は、【給与支給】処理メニュ ーの【給与支給明細書】を選択します。 37 ■ 入力画面の見かた 処理を選択すると、本システムで提供している画面が表示されます。以降、これを“入力画面”と呼び ます。各メニューから表示される入力画面はそれぞれ異なりますが、基本的に以下の内容が表示されます。 z z z z z z z タイトルバー 現在行っている処理の名称を表示します。 メニューボタン(メニューバー) メニューボタンには【基本】【画面】【編集】等、複数の種類があります。メニューボタンを選択す ると、プルダウンメニューボタンが表示されます。メニュー/プルダウンメニューボタンの構成に ついては、「メニュー/プルダウンメニューボタンの構成・役割一覧」を参照してください。 プルダウンメニューボタン 処理の選択を行う場合に使います。プルダウンメニューボタンの役割については、「メニュー/プ ルダウンメニューボタンの構成・役割一覧」を参照してください。 メッセージコード/日本語メッセージ 日本語メッセージは、操作を促すメッセージを表示しています。入力操作をするときは、必ずメッ セージ内容を確認しましょう。 メッセージコードは、表示されているメッセージ内容に対応するコードを表示しています。 モード 現在、何の処理を行っているのかを表示します。たとえば、モードが上図のように“修正”の場合 は、修正処理を行っていることを表しています。【モード】ボタンを押すと処理モードが切り替わ ります。 選択ボタン 項目を選択する場合に使用するボタンです。選択可能な項目の先頭に“□”または“◎”ボタンで 表示されています。 プッシュボタン 全ての処理機能のうち、使用頻度の高いものや連続して使用するものを、ボタンとして画面の最下 に表示しています。処理画面により異なりますが、主として【確認】または【適用】、【再入力】、【取 消】等を表示しています。 【確認】または【適用】は、プッシュボタンのみに表示されます。 他のプッシュボタンについては、 プルダウンメニューボタンにも表示されます。【確認】と【適用】の違いについては、「プッシュボ タン等の役割一覧」を参照してください。 38 ■ キーボードで入力して、マウスで選択します 入力画面には、キーボードを使って入力する箇所と、マウスを使って選択する箇所があります。 コードや金額などを入力する場合はキーボードを使って入力します。 また、選択ボタン、プッシュボタン、プルダウンメニューボタン、メニューボタン、処理メニューなど は、マウスを使って操作します。 マウスで選択できるボタンとその役割は下表の通りです。また、キーボードでも操作できますので対応 するキーを示します。ただし、キーボードによっては操作できないキーがありますので、その場合はマウ スで操作してください。 メニュー/プルダウンメニューボタンの構成・役割一覧 メニュー/プルダウンメニュー 基 取 消 本 終 了 再入力 印 刷 画 前画面 面 次画面 左画面 右画面 項目一覧 エラー一覧 検索条件 詳細内容 項目ヘルプ 料率設定 プログラム履歴 照会 対象項目設定 編 集 照 会 保 守 印 刷 ヘル プ モード切替 自動表示開始 自動表示終了 前社員表示 次社員表示 複 写 給与処理状況 賞与処理状況 臨時処理状況 年調処理状況 社保処理状況 給改処理状況 所属コード登録 銀行コード登録 自治体コード登録 健保・厚年記号コード登録 役職コード登録 保険コード登録 所属コード一覧表 銀行コード一覧表 自治体コード一覧表 健保・厚年記号コード一覧表 役職コード一覧表 保険コード一覧表 トピック トピックの検索 対応キー F9 F1 F11 ――― F2 F3 F4 F5 F6 F7 ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― F12 ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― F8 ――― 39 プルダウンメニューボタンの役割 処理、または入力内容を取り消す 処理を終了する 入力内容を表示したまま、再入力を行う 印刷を行う 前画面データがある場合、前画面に移動する 次画面データがある場合、次画面に移動する 左画面データがある場合、左画面に移動する 右画面データがある場合、右画面に移動する 項目を一覧検索する エラー内容(詳細)を表示する 検索する場合の条件を変更する 項目についての詳細または補足情報を表示する 項目の入力説明を表示する 健康保険、厚生年金保険料の料率設定を行う 表示画面のプログラム名とバージョン・レベルを表示する 登録内容の照会を行う テキストデータの作成および取込みで対象とする 項目の設定を行う 処理モードを切り替える 社員の自動表示を開始する(範囲入力画面を起動) 社員の自動表示を終了する 前社員データがある場合、前社員を表示する 次社員データがある場合、次社員を表示する 同一内容の入力個所に、入力項目を複写する 給与処理状況照会を行う 賞与処理状況照会を行う 臨時処理状況照会を行う 年末調整処理状況照会を行う 社会保険処理状況照会を行う 給与改訂処理状況照会を行う 所属コード/名の登録を行う 銀行コード/名の登録を行う 自治体コード/名の登録を行う 健保厚年記号の登録を行う 役職コード/名の登録を行う 保険コード/名の登録を行う 所属コード/名の一覧表を印刷する 銀行コード/名の一覧表を印刷する 自治体コード/名の一覧表を印刷する 健保厚年記号の一覧表を印刷する 役職コード/名の一覧表を印刷する 保険コード/名の一覧表を印刷する 該当画面のヘルプウィンドゥを表示する トピックの検索ウィンドゥを表示する プッシュボタン等の役割一覧 メニュー/プル ダウンメニュー プッシュボタン 本書での略記 【確認】 【適用】 対応 キー Enter Enter 【実行】 【終了】 【前画面】 【次画面】 【左画面】 【右画面】 【前社員】 【次社員】 【取消】 【再入力】 【モード】 【行う】 【行わない】 【登録】 【削除】 【実行権変更】 【パスワード変更】 【パスワードを変 更】 【保護情報を表示】 【照会】 【対象項目設定】 ――― F1 F2 F3 F4 F5 ――― ――― F9 F11 F12 ――― ――― ――― ――― ――― ――― ――― 【料率設定】 【テストプリント】 【所属セキュリテ ィ】 ――― ――― ――― ――― ――― ――― プルダウンメニューボタンの役割 設定内容の確認を行う 設定内容をファイルに書き込み更新する、また設 定内容にしたがい処理を実行する 処理の実行を行う 処理を終了する 前画面データがある場合、前画面に移動する 次画面データがある場合、次画面に移動する 左画面データがある場合、左画面に移動する 右画面データがある場合、右画面に移動する 前社員データがある場合、前社員を表示する 次社員データがある場合、次社員を表示する 処理、または入力内容を取り消す 入力内容を表示したまま、再入力を行う 処理モードを切り替える 機密保護を行う 機密保護を行わない 利用者IDの登録を行う 利用者IDの削除を行う 利用者IDの実行権を変更する パスワードを変更する パスワードを変更する 保護情報を表示する 登録内容の照会する テキストデータの作成および取込みで対象とす る項目の設定を行う 健康保険、厚生年金保険料の料率設定を行う 専用帳表の試し打ちを行う 所属セキュリティ情報を登録/表示する 画面上の【確認】/【適用】ボタンは、ボタンまたは入力項目にカーソルを位置付けて【Enter】キ ーを押します。その他のプッシュボタンは、対応キーを押すか、ボタンにカーソルを位置付けて 【Enter】キーを押します。(プッシュボタンは、マウスでも選択できます) 40 ■ 入力画面の操作方法 ここでは、以下の操作方法について説明します。 ・操作の基本 ・メニュー/プルダウンメニューボタンの使い方 ・モード切替え ・画面スクロール ・社員番号の自動表示 ・印刷データの抽出 (1) 操作の基本 ここでは【項目名設定】を例にとって、実際の操作方法を練習してみましょう。 給与業務メニューの中から【システム管理】を選択します。すると、システム管理の処理メニューが表 示されます。その中からさらに【システム管理】を選択すると、下記の処理メニューが表示されます。 この中から、【項目名設定】を選択してください。 入力画面が表示され、“項目名グループNo.を入力して下さい。”とメッセージが表示されます。“2” と入力して、プッシュボタンの【確認】を選択してみます。 41 上図では、既に変更した項目名が表示されています。ここで、キーボードの【Tab】を押してみてくだ さい。 カーソルが動くのが確認できます。カーソルが動いて位置付いたところが、入力できる箇所です。メッ セージにしたがって入力します。 入力が終わったら、プッシュボタンの【確認】を選択します。 “内容を確認して下さい。”とメッセージが表示されます。ここでは、入力した内容の確認を行います。 入力した内容が正しければ、【適用】を選択します。【適用】を選択することで入力した内容がデータとし て保存されます。 入力間違いをした場合は、【取消】または【再入力】を選択します。 【取消】を選択すると、入力した内容を全て消去して、はじめから入力しなおすことができます。 【再入力】を選択すると、入力した内容を保持したまま、間違えたところだけを入力しなおすこと ができます。 この後はプルダウンメニューボタンから【終了】を選択することで、この画面の入力が終了します。(処 理によっては、【適用】で終了するものもあります。) 42 入力内容にエラーがある場合は、エラーメッセージが表示されます 【確認】を選択した場合、入力内容にエラーがあるときはエラー項目が反転し、エラーメッセージが表 示されます。エラーメッセージを確認して入力しなおし、再び【確認】を選択します。 コード項目の入力時には、 【項目一覧】が起動できます コード項目にカーソルがある時に、プルダウンメニューボタンで【項目一覧】を選択した場合、上記の 様に項目に応じた項目一覧が表示されます。一覧の中から該当するコードを選択すると、選択したコー ド・名称が項目一覧を呼び出した画面に通知されて表示されます。入力するコード等が分からない場合等 に使用してください。 43 操作や手順等で分からないことがある場合は、ヘルプ画面を表示します 入力画面を表示中にキーボードから【F8】を押した場合、入力画面に応じたヘルプ画面が表示されます。 以降、本書に掲載されている操作に関する記事には、これらの基本的な操作については特に記述して いません。 本マニュアルでは、操作方法は主にマウスによるボタンの選択で説明していますが、キーボード入力 でも行うことができます。ボタンに対応するキーは、「メニュー/プルダウンメニューボタンの構 成・役割一覧」および「プッシュボタン等の役割一覧」で確認してください。 44 (2) メニュー/プルダウンメニューボタンの使い方 マウスでメニューボタンを選択すると、プルダウンメニューに操作可能な処理名称が一覧表示されます。 一覧表示されたものの中からマウスで選択すると、選択した処理が実行されます。 以降、本書では次のように表します。 基本メニュー → 【基本】 基本メニューの終了操作 → 【基本】→【終了】 1.【基本】→【取消】、【基本】→【再入力】はプッシュボタンの【取消】、【再入力】と同じ機能で す。 2.プルダウンメニューの中の処理にはキーボードのファンクションキーに割り当てられているも のがあります。どの処理がどのファンクションキーに当てはまるかは、プルダウンメニューボ タンの中の処理名のかっこ内を参照してください。 (3) モード切替え 処理モードの切替え方法を説明します。入力画面が表示されたところで、モードを切替えます。例えば、 「役職を登録したが、ミスがあり名称を修正したい」といった場合、メニューで【役職コード登録】を選 択後、【モード】または【編集】→【モード切替】または【F12】を選択すると、モードは“修正”に 切り替わります。 この画面の場合、モードは入力画面表示直後が“追加”で、モード切替えを行う毎に“修正”、“削除” と切り替わって表示されます。 45 (4) 画面スクロール 【健保・厚年保険料月額表設定】のように、データが1画面内に収まらないくらい多いとき、システム ではページを分けて表示します。このとき他のページのデータを見たいときに、画面スクロール機能を使 います。 画面スクロールには、【前画面】、【次画面】、【左画面】、【右画面】の種類があります。 【F5】【右画面】→ 【F3】↓【次画面】 【F2】↑【前画面】 46 ←【左画面】【F4】 (5) 社員番号の自動表示 【社員情報修正処理】等においては、登録済の社員の社員番号を次々と自動的に表示させて、登録作業 を効率化することができます。この機能を、社員番号の“自動表示”機能と呼びます。 【自動表示開始】を選択すると、自動表示を行う社員範囲を指定する画面が起動されます。範囲入力を 行うと該当する社員が表示されますので、 【前社員】、【次社員】で表示したい社員まで進めます。内容を 入力後に【適用】(照会画面においては【確認】)を選択すると次の社員が自動的に表示されます。自動表 示を途中で止めたい場合は、【自動表示終了】を選択します。 なお当機能は、各種情報の入力処理や給与支給額の照会処理等で使用できます。 【自動表示開始】 → 【自動表示終了】↑ (表示順と範囲入力)↓ 【適用】 ← 【前社員】/【次社員】/【確認】・【適用】 47 (6) 印刷データの抽出 帳表を印刷する際、以下のような印刷データ抽出画面が表示されます。抽出範囲を入力したら、【確認】 ボタンを選択し、抽出件数を確認してください。 抽出件数が正しい場合は【適用】ボタンを選択します。カーソルが組織図番号に戻りますので、【基本】 −【終了】を選択すると印刷を開始します。 集計結果を印刷する帳表の場合、指定した“組織図レベル”に存在する所属単位に集計を行ないます。 組織図運用を行わない場合は、本画面の“組織図番号”“組織図レベル”は表示されません。 48 ■ EXCEL入力機能の使い方 本システムでは、EXCELを使った入力画面を用意しています。この入力機能は、システム導入時か ら本稼動後もお使いいただけます。 EXCEL入力処理は、ヘルプ画面を用意していません。ここで操作方法について説明します。 EXCEL入力処理を起動すると、以下の画面が表示されます。必ず【マクロを有効にする(E)】ボタ ンをクリックしてください。 下図のような画面が表示された場合は、EXCEL入力画面を閉じ、Excel の【ツール】−【マクロ】 −【セキュリティ(S)…】をクリックし、【セキュリティ】画面のセキュリティレベルを“中”に設 定後、再度EXCEL入力処理を起動してください。 次に、以下の画面が表示されます。通常は【はい】を選択しますが、前回本処理でデータ入力を行い、 その内容をシステムに登録せずに保存して終了している場合は【いいえ】を選択してください。前回保存 したデータを表示します。 49 一覧入力画面が表示されます。一覧入力処理では、本システムに登録済みのデータの取込み、一覧画面 上での明細の追加/修正/削除、システムへのデータ登録が行えます。データ入力の際は、項目名下段の 項目説明を参照してください。 ここで、EXCEL入力画面のボタンの用途を説明します。 【データ取込み】 画面上にデータを取込みます。取込み元は以下の3種類から選択できます。 登録済みデータ 本システムに登録済みのデータを取り込みます。システム本稼動後のメンテ ナンスにお使いいただけます。 EXCEL入力処理起動時のメッセージに【OK】を選択した場合と同じ動 作を行います。 製品添付データ 銀行コード/自治体コード一覧登録のみの機能です。 本システムでは、全国の銀行情報/自治体情報データを製品に添付して提供 しています。 システム導入時に取込みを行い、不要なデータを削除後システムに登録され ると、入力の手間が省けます。 外部データ 任意のCSVデータ(カンマ区切り)を処理画面に取り込むことができます。 CSVデータのレイアウトは、処理画面の明細のレイアウトと同じです。 画面に取り込む元データの選択後は、取込み方法を指定します。 シート上のデータ 現在画面上にあるデータを削除し、新たにデータを読み込みます。 を削除して取込み シート上のデータ 現在画面上にあるデータを残し、新たにデータを追加して読み込みます。そ に追加して取込み の際、読み込むデータは現在のデータの先頭に挿入します。 50 【登録】 EXCELシート上のデータを、システムに登録します。登録の際には、以下のチェックを行います。 ただし、未入力行が100行以上続いた場合は、それ以降の行はチェック対象外とします。 重複チェック EXCELシート上に、コードの重複したデータがないかを確認します。重 複データがあった場合は、コードのセルの背景が黄色に反転します。 その際、EXCELシート上のデータはコードの昇順に並べ替えられている ため、重複したデータは上下に並んでいます。 属性/桁数チェッ EXCELシート上にあるデータの属性/桁数チェックを行います。属性/ ク 桁数にエラーがあった場合は、エラー項目のセルの背景を黄色に反転します。 正しいデータに修正してください。 登録処理終了後は、更新件数/削除件数を表示します。 【終了】 EXCEL入力処理を終了します。終了方法を以下の3つから選択できます。 保存して終了 画面のデータを保存して終了します。 保存せずに終了 画面のデータを保存せずに終了します。 入力シートに戻る EXCEL入力処理画面に戻ります。続きの入力が行えます。 【行挿入】 現在カーソルがある行の上に、空の行を1行挿入します。行挿入は1行ずつ行います。挿入行数を指定 することはできません。 【行削除】 現在カーソルがある行を削除します。行削除は1行ずつ行います。削除行数を指定して一括で削除する ことはできません。 <データ登録時の注意点> 【登録】ボタンを選択すると、一旦システム上のデータを削除した上で画面のデータを登録します。つ まり、画面にデータが1行ある状態で【登録】ボタンを押下すると、システムに登録済みのデータも1件 になります。 EXCEL入力処理画面には、常にコード/名称情報の全データを持つようにしてください。 システム登録済みデータ コード 10 20 30 40 50 コード名称 名称1 名称2 名称3 名称4 名称5 削除 EXCELシート上のデータ データ取込み ⇒ コード 10 20 30 40 50 60 コード名称 AAA 名称2 名称3 名称4 名称5 名称6 登録後のシステムデータ 登録 ⇒ 名称変更 追加 51 コード 10 20 50 60 コード名称 AAA 名称2 名称5 名称6 第6章 さあ、データを登録しましょう この章では、実際にデータを登録する方法について紹介します。 6.1 6.2 データの登録を行うには 詳細な設定を行うには 52 6.1 データの登録を行うには 本システムのデータ登録手順は、人事システムの有無により異なります。以下の3パターンからお客様 の環境に合った登録手順を選択し、処理を進めてください。 人事システムと給与システム を同時に導入 人事システム稼動後の環境に 給与システムを導入 給与システムを単独導入 ↓ ↓ ↓ 手順1 人事システムの導入マニュアル 「2.3 人事/給与システムの同 時導入手順」に従い、処理を進め てください。 手順1 「6.1.1 人事システムデータの取 込み」の手順に従い、処理を進め てください。 手順1 「6.1.2 給与システムへのデータ 登録」の手順に従い、処理を進めて ください。 ↓ ↓ 手順2 「6.1.2 給与システムへのデー タ登録」の手順に従い、処理を進 めてください。 手順2 「6.1.2 給与システムへのデータ 登録」の手順に従い、処理を進め てください。 6.1.1 人事システムデータの取込み 本システムと人事システムでは、社員情報等の情報を共有しています。以下の手順を実施し、人事シス テムで登録済みの情報を、給与システムに反映します。 なお、以下の手順は、人事システム側で実施してください。 給与システムへ社員情報を反映しない社員(退職者等)に対し、区分を設定します。 手順1 ①【GLOVIA-BP人事メニュー】−【社員情報】−【社員情報登録】を起動します。 ②“給与情報”画面を開き、“給与管理区分”を変更します。 “管理する”・・・・社員情報を給与情報システムに反映する “管理しない”・・・社員情報を給与情報システムに反映しない ※本区分の初期値は“管理する”です。全社員を給与システムに反映する場合は、 ここでの設定は不要です。 ↓ 人事システムの社員情報を給与システムへ反映します。 手順2 ①【スタート】−【ファイル名を指定して実行】を起動します。 ②以下のコマンドを入力し、【OK】を選択します。 JJSCEXEC.EXE -r CJKK2000.SCP ※本処理は、ターミナルクライアントから実行します。 53 6.1.2 給与システムへのデータ登録 本システムのセットアップメニューに従い、データの登録を開始します。セットアップメニューは、5 つのサブメニューで分類されています。分類毎に以下の順にセットアップを行います。 給与規定、システム条件、項目名称の設定を行います。 運用条件 ①【運用条件登録】処理を起動します。 データ取込みを行いますか とのメッセージが表示されますので、【はい】を選択してくださ い。 質問に回答しながら【次へ】ボタンを選択し、最終ページまで回答したら、【登録】ボタンを 選択してください。シートに設定した内容を、本システムに取り込みます。 ②【各種帳表の用紙種類選択】処理を起動します。 4章で記入済みの帳表用紙種類選択登録票をもとに入力してください。 ③【項目名一覧登録】処理を起動します。 データ取込みを行いますか とのメッセージが表示されますので、 【はい】を選択してくださ い。 本システムでは システム提供名 に記載した項目名をあらかじめ設定しています。この項目 名と御社で使用されている項目名が異なる場合は、 お客様項目名 欄に御社の項目を入力して ください。 最終ページまで入力したら、【登録】ボタンを選択してください。シートに設定した内容を、本 システムに取り込みます。 <注意> 1.項目名は、全角日本語で入力してください。 2.項目名は、 桁数 欄に記載されている数字以内の桁数で入力してください。 ④【支給・控除項目集計先設定】処理を起動します。 4章で記入済みの支給・控除項目集計先設定登録票をもとに入力してください。 ⑤【給与支給明細書レイアウト設定】処理を起動します。 4章で記入済みの給与支給明細書レイアウト設定登録票をもとに入力してください。 ↓ 本システムで使用するコード/名称情報を登録します。 入力項目の詳細は、「導入マニュアル)登録票 6章 コード名称情報」を参照してください。 ①【所属コード一覧登録】から、所属コード/名称を登録してください。 人事システム使用時は既に登録済みのため、ここでの登録は不要です。 コード/名称 ②【銀行コード一覧登録】から、銀行コード/名称を登録してください。 本システムでは標準の銀行情報を提供しています。EXCELシート上の【データ取込み】ボ タンを選択し、 製品添付のデータを取り込む を選択してください。 ③【自治体コード一覧登録】から、自治体コード/名称を登録してください。 本システムでは標準の自治体情報を提供しています。EXCELシート上の【データ取込み】 ボタンを選択し、 製品添付のデータを取り込む を選択してください。 ④【健保・厚年記号コード一覧登録】から、健保・厚年記号コード/名称を登録してください。 人事システム使用時は既に登録済みのため、ここでの登録は不要です。 ⑤【役職コード一覧登録】から、役職コード/名称を登録してください。 人事システム使用時は既に登録済みのため、ここでの登録は不要です。 ↓ 組織図 御社の所属の体系を組織図に登録します。 登録の際には、御社の組織体系がわかる資料をお手元にご用意ください。 ①【組織図登録】を起動します。人事システムで登録済みの組織図を参照することもできます。 登録済みの組織図を参照する場合は、新規登録のみとなります。00:基本組織図や登録済みの 補助組織図にコピーしたい場合は、一旦、組織図を削除して下さい。 組織図運用を 行わない に設定している場合は、本処理は不要です。 ↓ 54 4章で記入済み登録票をもとに、以下の保険料率や非課税限度額の制度情報を登録します。 ①【給与雇用保険料率設定】 ②【通勤費非課税限度額設定】 ③【宿日直非課税限度額設定】 制度情報 ④【賞与健康保険料率設定】 ⑤【賞与厚年保険料率設定】 ⑥【賞与雇用保険料率設定】 ⑦【臨時健康保険料率設定】 ⑧【臨時厚年保険料率設定】 ⑨【臨時雇用保険料率設定】 ⑩【健保・厚年保険料月額表設定】 設定内容は【健保・厚年保険料月額表】処理から印刷して確認してください。 ↓ 4章で記入済みの登録票をもとに、以下の社員情報を登録します。 登録した社員情報は、【社員情報確認リスト】を印刷して内容を確認してください。 社員情報 ①【社員情報登録】または【社員情報一括入力】処理より、社員情報を登録してください。 人事システム使用時は、社員情報は既に登録されています。【社員情報登録】処理起動後、【モ ード】ボタンで処理モードを“修正”に変更し、人事システムと共有していない給与システム 独自の情報を登録してください。 ②【雇用形態の設定】から、退職者/出向者/休職者/復職者を登録してください。 なお、①で誤って登録した社員の抹消も、本処理で行えます。 ③【アルバイト者登録】 ↓ 完 了 55 6.2 詳細な設定を行うには 社員情報を登録すると、セットアップは終了ですが、本システムでは、更に細かな設定を希望されるお 客様向けに、その登録処理を用意しています。以下は、詳細設定を希望されるお客様のみ実施してくださ い。 < 運用条件の詳細設定を行うには > 【運用条件】メニューを起動します。以下に運用条件メニューにある処理を一覧表示します。※印のあ る処理から詳細設定が行えます。 関連システム 月例給与 年末調整 社会保険 運 用 条 件 ・不就業時の減額有無設定 ※ ・段階別支給設定 ※ ・時間の扱い設定 ・単価式設定 ※ ・有給休暇管理の有無設定 ・支給項目毎の端数整理設定 ・給与雇用保険料率設定 ・給与課税対象項目設定 ・給与雇用保険料対象項目設定 ・通勤費非課税限度額設定 ・保険管理の有無設定 ・特殊控除設定 ※ ・生命保険会社名設定 ・勤怠控除直接減額設定 ※ ・手当控除設定 ※ ・給与端数整理設定 ※ ・特殊手当設定 ※ ・賞与端数整理設定 ※ ・賞与社会保険料対象項目設定 ・賞与健康保険料率設定 ・賞与雇用保険料率設定 ・賞与厚年保険料率設定 ・賞与雇用保険料対象項目設定 ・臨時端数整理設定 ※ ・臨時社会保険料対象項目設定 ・臨時健康保険料率設定 ・臨時雇用保険料率設定 ・臨時厚年保険料率設定 ・臨時雇用保険料対象項目設定 ・年調過不足額精算方法設定 ・社会保険の扱い設定 ・社会保険現物対象項目設定 給与改定 確定拠出年金 ・社会保険対象項目設定 ・昇給差額精算方法設定 ・確定拠出年金条件設定 賞与計算 臨時手当 ・支払基礎日数設定 ※ ・社会保険固定的賃金対象項目設定 ・健保・厚年保険料月額表設定 ・昇給差額算出方法設定 ※ ※ 詳細設定を行うにはまず、印刷した導入マニュアル)登録票の「4章 運用条件」の登録票を記入しま す。その後、【運用条件】メニューの各処理から実際に登録してください。 ここで登録した内容は、【運用条件確認リスト】に印刷して確認することができます。 < 項目名の詳細設定を行うには > 本システムでは、同一項目の名称を使用する画面や帳表によって表現を変更したり、文字と文字の間隔 を変更することができます。 項目名の詳細設定を行うにはまず、印刷した導入マニュアル)登録票の「5.2 項目名変更連絡票」 を記入します。項目名変更連絡票の「利用者定義項目名」を変更してください。その後、【システム管理】 メニューの【項目名設定】処理から行います。同じ項目名称が複数存在する場合は、その全ての名称を変 更してください。 56 第7章 さあ、併行運用を行いましょ う 本章では、併行運用の方法について説明します。 7.1 7.2 7.3 併行運用とは? 併行運用の前に 併行運用をしましょう 57 7.1 併行運用とは? 本システムで業務を開始する準備は整いました。ここで、現行の給与業務をストップして本システムで 運用を開始するのではなく、まず併行運用を行いましょう。 ■ 併行運用の目的は? データの登録がすべて終了したら、併行運用を行います。 併行運用とは、実際の給与データを使って本システムをテスト運用することです(下図参照)。 現行の給与業務から本システムへの急な切り換えは、様々な弊害を発生させる可能性があります。それ を防ぐために、併行運用を充分に行い本稼働に備えましょう。 現行の給与業務の計算結果と本システムによる計算結果を比較し、誤りのないことを確認するとともに、 その操作に慣れてください。 58 7.2 併行運用の前に ■ 準備するものは何でしょう 併行運用を行うにあたって下記の表に示す帳表類を準備してください。データの照合に使います。 賞与計算や年末調整等については、実際の運用時に結果検証を行ってください。 照合する帳表類 システム 月例給与 本システムの帳表 給与支給明細書 給与金種表(注) 給与集計表 総合振込依頼書(注) 預入票(注) 注)使用している場合に必要です。 御社の帳票 社員ごとの給与支給の明細書 現金支給額を貨幣単位ごとに集計した帳表 集計は所属別 社員の給与支給明細書の内容を所属別に集計した帳表 金融機関(銀行・農協)への振込依頼書 金融機関(郵便局)への振込依頼書 ■ 健保・厚年保険料月額表を確認しましょう 介護保険の第2号被保険者(給与から保険料を徴収すべき人)は毎月変動する可能性があるため、月例 給与における【給与支給年月日入力】を実行する都度、健保・厚年保険料月額表を検索して保険料を求め ています。そして求めた健康保険料と介護保険料を社員毎のマスタに登録します。 導入時において、運用開始年月時点で有効な社会保険の標準報酬・保険料月額一覧表等を元に、社会保 険条件のメニューから【健保・厚年保険料月額表】を起動し、設定内容の確認を行ってください。 但し、検索には社員毎の健康保険の標準報酬月額(修正平均額が0以外の場合は修正平均額)を使用し ますので、設定していない場合には社会保険条件の設定を行い、当機能は使用しない様にしてくださ い。 ■ 非課税限度額や雇用保険料率を確認しましょう 通勤費や宿・日直手当の非課税限度額や雇用保険料率は、税制変更等によりシステムで初期提供してい る値から変更されている可能性もあります。再度、確認してください。 59 ■ ファイルのバックアップと復元をしましょう (1)ファイルのバックアップについて バックアップは非常に重要な処理です。もしコンピュータの故障や運用ミス等、何らかの理由でデー タが喪失してしまった様な場合にデータのバックアップが無いと、それまでの実績は全て無くなって しまいます。最悪の場合には1年間入力した内容を全て入力し直さなくてはならなくなります。また 月例給与等を手作業で行わなくてはならない等、重大な問題が発生します。業務の区切り(毎月の月 例給与が完了した、賞与計算結果の検証が完了した等)では、MO等の外部保存用媒体に必ずバック アップを行う様にしてください。その際は、可能な限りバックアップファイルを何世代か保持される 事をお勧めします。 (2)バックアップを行う人を決めましょう 実際の運用を行う際のバックアップ責任者を決めましょう。 バックアップ責任者の方には、バックアップの主旨を説明され、定期的に確実にバックアップを行う様 にしてください。 (3)バックアップをしましょう 併行運用を始める前に、セットアップしたデータのバックアップをしてみましょう。必ずバックアップ 管理者の方に実行してもらってください 本システムがセットアップされているサーバ(コンソール)から行います。 1) ログオンユーザの確認 【スタート】から【設定】−【コントロール パネル】を開き、【管理ツール】から【ターミナル サービス マネージャ】を開きます。 (Windows 2008の場合は、【管理ツール】−【ターミナルサー ビス】−【ターミナルサービス マネージャ】を開きます。) 60 ログオンユーザがいる場合、そのユーザ名もしくはセッション名を選択します。次に、【操作】 メニューから【メッセージの送信】をクリックし、ログオフ依頼のメッセージを送信します。 2) ターミナルサービスクライアント(リモートデスクトップ接続)からのログオンを抑止します。 Windowsの【スタート】から【コマンドプロンプト】をクリックし、コマンドプロンプト画面 で次のコマンドを入力し、【Enter】キーを押下します。 CHANGE LOGON /DISABLE 3) データのバックアップ スタートメニューから本システムのプログラムフォルダを開き、バックアップフォルダを表示 して、【全データのバックアップ】を選択します。 【全データのバックアップ】を実行すると、以下の画面が表示されます。【はい】を選択する とバックアップ先のフォルダにデータファイルがバックアップされます。【いいえ】を選択した 場合は、バックアップ先のフォルダを変更することができます。 バックアップを行う際は、いつ時点のバックアップデータか分かるような管理を行うことを推 奨します。 例えば、いつ時点のバックアップデータか分かるようなフォルダを作成して、そのフォルダにバ ックアップする運用を行うとよいでしょう。 4) ターミナルサービスクライアント(リモートデスクトップ接続)からのログオン抑止を解除します。 Windowsの【スタート】から【コマンドプロンプト】をクリックし、コマンドプロンプト画面 で次のコマンドを入力し、【Enter】キーを押下します。 CHANGE LOGON /ENABLE 61 本処理を実行しますと、バックアップが必要なファイルは全てバックアップ先フォルダに格納 されます。バックアップしたファイルは、必ずMO等の外部保存用媒体に保存しておいてく ださい。 バックアップは成功しましたか? この段階で、いざという際にバックアップしたファイルを戻すことができるかを確認する為に復元処 理を行いましょう。 データの復元処理は、本システムがセットアップされているサーバ(コンソール)のスタートメニュ ーから本システムのプログラムフォルダを開き、バックアップフォルダを表示して、【全データの復元】 より行います。 上記、バックアップ時の手順と同様に、データの復元前に必ず、ログオンユーザの確認を忘れずに行っ てください。 【全データの復元】は正常に終了しましたか? 正常に実行できた後に次のステップに進みましょう。 62 7.3 併行運用をしましょう 併行運用は、月例給与のシステムについて行います。本節では、併行運用の流れについて説明します。 ■ 月例給与システム 月例給与システムの併行運用の流れを、下図に示します。 給与を支給する日付を和暦で入力します。 1.給与支給年月日入力 ↓ 2.勤怠/変更情報一括入力 テキストファイル形式データ(CSV)により、社員ごとの出勤日 数や残業時間などの勤怠情報および変動手当・控除額を一括して本 システムへ受け入れます。 (アルバイト者の場合は対象外) なお、本機能および操作方法等については、「給与情報一括入 力ガイド」をご参照ください。 また、当処理は必要に応じてご使用ください。 ↓ 3.勤怠/変動情報入力 社員ごとの出勤日数や残業時間などの勤怠情報および変動手当・控 除額を入力します。 なお、勤怠/変更情報一括入力を使用した場合は、受け入れたデ ータに間違いがある場合に該当社員のデータを修正します。 ↓ 勤怠情報をもとに、本システムが各社員の支給/控除額、所得税額 等を算出します。 4.給与計算 ↓ 給与支給明細書等の帳表類を印刷します。 5.帳表印刷 ↓ 6.帳表類の照合 本システムで印刷した帳表と現行給与業務の帳表を照合し、チェッ クします。 5.については、チェックで誤りがあった場合は、勤怠報告書の入力内容、あるいは会社条件や社員情 報の設定内容を見直してみましょう。 設定した内容に間違いはありませんでしたか? 毎月のデータは間違いがあれば必ず再入力・再計算等 して修正しておく必要があります。月例給与計算の結果に間違いがなければ、本稼動を始めましょう。 なお、賞与計算、臨時手当計算、年末調整、社会保険及び給与改定については、実際の運用時において 必ず結果検証を行ってください。 63 ■ 運用時におけるヘルプ機能 各業務のメニューには、ヘルプ機能が用意されています。運用を行う際には必ず内容を確認してくださ い。 (1) メニュー毎のヘルプについて メニュー毎のヘルプでは、メニュー個々の処理について、その処理の概要や操作説明を確認できます。 【給与業務メニュー】−【ヘルプ】−【トピックの検索】を起動します。下記の様にメニューの構成と 同じ並びになっている目次が表示されます。 64 ここで、下記の様に【給与計算】−【給与計算】を選択すると、選択したメニューの処理一覧が表示さ れます。 処理一覧の中から見たい処理を選択すると、選択した処理の概要が表示されます。 65 (2)運用ヘルプについて 運用ヘルプでは、サブシステムについて、その全体の概要や処理の流れを確認できます。 給与計算の例で説明します。 【給与計算】−【処理開始】メニュー中の【給与運用手順】を選択すると、以下の様な運用手順や留意 点が参照できます。運用手順については、運用に先駆けて内容を確認して、全体の流れを把握しておく必 要があります。 社会保険システムの運用時においては、運用の方法と時期等により、ファイルのバックアップと復元 処理を特別なタイミングで行わなければならない事があります。社会保険の運用を行う際には、自 社の運用が特別なパターンに該当しないかどうか、【社会保険運用手順】により必ず確認してくだ さい。 66
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