基準値超過の想定される要因及びその対策(平成27年2月

基準値超過の想定される要因及びその対策
想定される要因
影響の程度・可能性
対策
(これまでの試験結果、専門家の意見等)
土壌からの吸収
・ これまでの試験で、土壌特性は一定程度影響しているものの、カ
・ カリ増肥による吸収抑制対策を実施。
リ施用により基準値を大幅に下回る玄米を生産できることを確認。
用水からの吸収
・ 太田川水系では用水中の溶存態放射性セシウム濃度が他の河
川よりわずかながら高い傾向にあるが、これまでの栽培試験で、水
・ 現在のところ用水の影響は確認されていないが、27
年産でも用水のモニタリングを継続して実施。
道水と有意な差はみられないことを確認。
土壌からの再飛散
・ セシウムは時間とともに土壌粒子に固定されるため、土壌粒子で
あれば稲に付着しても稲体内に移行するとは考えにくい。
・ 稲の葉に付着していた粒子は土壌粒子とは大きさや元素組成が
異なっており、土壌由来とは考えにくい。
・ 大気浮遊じん等のモニタリングを継続して実施(※)
(以下同様)。
・ 定期的な IP 分析により植物体への付着の有無を確認
(以下同様)。
・ 他地域で同様の超過事例はみられておらず、汚染源とは考えにく
い (以下の森林及び燃焼生成物でも同様)。
森林からの再飛散
・ 花粉は多量に稲に付着するとは考えにくく、落葉も分解され土壌
・ (土壌からの再飛散の項を参照)
に移行しており、汚染源とは考えにくい。
・ (土壌からの再飛散の項を参照)
燃焼生成物の飛散
・ (土壌からの再飛散の項を参照)
・ (土壌からの再飛散の項を参照)
その他の飛散
・ 土壌などの環境からの再飛散では説明が難しいことから、引き続
・ (土壌からの再飛散の項を参照)
(福島第一原発か
らの飛散等)
き様々な可能性を検討すべき。
・ 東京電力による飛散防止対策の徹底。
※ 平成 25 年8月 19 日のがれき撤去に伴う飛散によるものではな
いことはほぼ明らか(平成 26 年 11 月 26 日、原子力規制委員会)。
※ 福島県全体で大気浮遊じん 32 地点、降下物 57 地点。これに加え、平成 26 年 11 月からは、南相馬市独自で大気浮遊じんを5地点で測定。
(参考1)
南相馬市における米の生産環境について
1.26 年産米の全袋検査等の結果
 南相馬市における 26 年産米で基準値を超えた玄米はみられてい
ない 。
 旧太田村で生産された 25 年産米のみ基準値超過を検出 した。
旧市町村
検査結果(最高値)
原町区
H24 年産米
H25 年産米
H26 年産米
原町
-
-
28 Bq/kg
高平村
-
36 Bq/kg
-
太田村
55 Bq/kg
大甕村
鹿島区
180 Bq/kg
36 Bq/kg
-
83 Bq/kg
25 Bq/kg 未満
石神村
59 Bq/kg
79 Bq/kg
42Bq/kg
鹿島村
27 Bq/kg
25 Bq/kg 未満
25 Bq/kg 未満
八沢村
25 Bq/kg 未満
62 Bq/kg
44 Bq/kg
真野村
-
35 Bq/kg
25 Bq/kg 未満
上真野村
32 Bq/kg
33 Bq/kg
57 Bq/kg(※)
※ 生産ほ場は相馬市内
2.要因調査の結果
 太田川の放射性物質濃度は、他の水系に比べ若干高いが、玄米中
の放射性物質への影響は見られなかった 。
太田川の放射性物質濃度
セシウム137 濃度比
太田川用水による影響
1
0.99
1.00
0.8
0.6
0.4
0.2
0
中太田用水
※水道水を1とした場合のセシウム濃度の比
水道水
 カリ増肥により基準値を大幅に下回る玄米を生産できる ことが
確認された。
玄米中放射性セシウム濃度
(Bq/kg)
100
80
60
40
20
【施用量(/10a)】
A 区 カリ無
B 区 慣行施肥(カリを 8kg)
C 区 慣行施肥(カリを 8kg)+ゼオライト 1,000kg
D区
18
慣行施肥(カリを 8kg)+交換性カリ 25mg/100g 補正(カリ 7kg 相当)
6.2
1.7
3.4
B区
C区
D区
0
A区
 南相馬市各地で採取された 26 年産水稲の葉や稲穂には 放射性物
質の付着は見られていない 。
実物の画像
イメージングプレート
(付着は見られない)
 25 年産の稲の 付着物について分析したところ、土壌由来ではな
いこと等が示唆 された。
稲の葉に付着した粒子の電子顕微鏡写真
稲の葉に付着した粒子。
直径 0.5μm 程度の大きさ。
稲の葉に付着した粒子の元素組成を分析
したところ、土壌粒子の組成と異なって
いた。
3.ダストモニタリング等の結果
 福島県や農林水産省では、大気ダスト等の放射性物質を定期的に
測定。平成 26 年度からは測定地点を大幅に増やし、よりモニタ
リングを強化 した。
放射性物質のモニタリング地点数
(参考2)
降下物のモニタリング結果
40000
南相馬市 福浦
降下物中の放射性セシウム濃度(Bq/m2)
35000
南相馬市 原町
30000
南相馬市 馬場
25000
双葉町 郡山
20000
15000
10000
5000
0
大気中浮遊じんのモニタリング結果
1
1
南相馬市 泉沢(放射性セシウム・1ヶ月ごとに測定)
南相馬市 中太田(放射性セシウム・1週間ごとに測定)
0.8
0.9
0.8
南相馬市 馬場(放射性セシウム・1週間ごとに測定)
0.7
南相馬市 浮田(放射性セシウム・1週間ごとに測定)
0.6
双葉町 郡山(全β放射能・6時間ごとに測定)
0.7
0.6
0.5
0.5
0.4
0.4
0.3
0.3
0.2
0.2
計器故障により欠測
0.1
0
0.1
0
大気浮遊じん中の全β放射能(Bq/m3)
大気浮遊じん中の放射性セシウム濃度(Bq/m3)
0.9
大気浮遊じん及び降下物のモニタリング地点 地図
降50
降48
降49
降11
降12
降01, 02
ダ16
降47 降16
ダ17
降51
降22
降45
降52 降15
降17
ダ15
降46
ダ19
降20
降43
降23
降25
ダ14
ダ31
降21
降44
降10
ダ13
降41
ダ27
降03, 04
降18
降24
ダ32
ダ11 降05
降28
ダ26
ダ12
降40 ダ05
降53
ダ28
ダ29
降06
降42
福島第一原子
力発電所
降39
ダ04
ダ07
降54
ダ03
降19
降14
ダ30
降07
降29
ダ18 降37
ダ10
ダ25
ダ02
降38
降26
降27
ダ01
降36
ダ09
降34
ダ08
降35
ダ20
ダ23
降55
降08
ダ06
降33
降31
降32
降30
ダ21
マップ外の地点
降09(会津坂下町)
凡例
降13(猪苗代町)
降56(会津若松市)
降57(南会津町)
大気浮遊じんモニタリング地点
降下物モニタリング地点
ダ24
ダ22