平成 26 年度「みえの現場・すごいやんかトーク」(菰野町)の概要

平成 26 年度「みえの現場・すごいやんかトーク」
(菰野町)の概要
1 月24日(土)に菰野町保健福祉センターけやき けやきホールで「みえの現場・
すごいやんかトーク」を開催しました。
当日は、絵本の読み聞かせ等の活動を通じ、子育ちに取り組む「『特定非営利活動法
人 ほがらか絵本畑』の皆さん」9名に、活動内容や課題、行政へ期待していること
などについて、ご意見などをお伺いしました。
【参加者からの発言】
代表から、団体の活動について紹介していただいた後、メンバーの皆さんから、こ
の団体での自身の主な活動の報告を含め、自己紹介していただきました。
(活動紹介)
○絵本の読み聞かせを通じて、子ども達がそのお話の世界の中で想像を広げて遊ぶこ
とにより想像力を養い、希望を思い描く力、未知の事に一歩を踏み出す力を持った
若者がどんどん日本中に増えて欲しいという思いで、この活動をしている。
○お寺で法話をする時に、絵本を読んでいるが、絵本には、子どもだけでなく、大人
にも、忘れてしまっていたような大事な事を自然と思い出させてくれるような力が
あると思っている。
○フットセラピストをしているが、アロマにしても絵本にしても、コミュニケーショ
ンのツールの一つだと思って、物語を前面に押し出すというよりも、その向こうに
いる子ども達、お母さんに安心感を与えてあげたいと思って活動をしている。
○小学校の教員をしている。この活動に共感して、自分も絵本や本の可能性を教育の
場でもっと生かして行きたいと思い、学校の図書室のリニューアルや、絵本を取り
入れた授業を行っている。
○社協の職員をしている。東日本大震災で被災した陸前高田市へ絵本で笑顔を届ける
プロジェクトとして、チャリティー読み遊びライブで、のべ 2 万冊の絵本を集め、
この絵本の読み聞かせでできたネットワークの人達で仕分けして、200 箱を送った。
○菰野町立菰野幼稚園、菰野東保育園の園長をしている。東日本大震災の時は、県内
の各地から保育士が集まって、陸前高田市を慰問した。4 回目となった昨年の8月
は、陸前高田市から7名の保育士が菰野町を来訪するなど、今も交流を続けている。
○紀北町の中学校の教員をしている。自分の家の庭先とか玄関先に本の箱を設置して、
そこに不用になった絵本を入れて、近所の子ども達が借りたりして、そこで小さな
コミュニティができるような「ほがらかミニ図書館」を作った。おそらく日本では
第 1 号になるのではないかと思っている。
○絵本を持ってアフリカの国を回った。いろんな所で子ども達がこの絵本によってど
んな笑顔が出るか。この絵本の力のすごさに改めて気づいて、帰国後、
「ほがらか絵
本畑」に入って、絵本の活動をしている。
Q.活動を通じて、こんな嬉しいこと、楽しいことがあった、また、感動したこと、
良かったことがあったということについて、エピソードも含めてお聞きしたい。
○檀家の子ども達と話をしようと思ってもなかなかできなかったが、絵本の読み聞か
せをしてやると、次からは「絵本のお坊ちゃん」といって子どもの方から近づいて
きてくれる。これも絵本に出会えたからだと思っている。
○絵本で見た動物や車と、現実の目の前で見ている動物や車とが子どもの中でつなが
るその時の子どもの顔がいい。そういう時に絵本の楽しさというのをすごく感じる。
○絵本の読み聞かせを通じて教育観が変わった。一般的に学校は、勉強や社会性の集
団の規律などを教えるところであるが、東日本大震災の被災地での活動に参加して、
学校は子どもを笑顔にして幸せにするところと思うようになった。
○小学校の図書館をリニューアルしたことで、子ども達が自ら行動するようになった。
その結果、町が、残りの小学校もリニューアルすることになった。頑張ったことが
広がって嬉しく思っている。
○陸前高田市の保育士との交流を通じて、子どもを預かるっていうことは、体を預か
るのではなく大事な命を預かること、地域の宝物を預かっていることなんだという
責任の重さを実感した。
○絵本の特徴は、人が介在するというのがとても大きい。その人が絵本のお話と共に、
いろんな世界を子ども達に与えていく。いろんな人達を通じて、絵本の持つ力を菰
野町、三重県から、日本や世界に広げていきたいと思っている。
Q.この活動等を通じて、今の子ども達や親子関係など、何か気づくことがあれば、
お聞きしたい。
○アフリカでは、日本語で絵本を読んだり、やり取りをしていたが、一冊の絵本が親
子をどれだけつなぐかを痛感した。この絵本を通じた活動が親子の関係をより良く
するというのがそこに現れていたと思う。
○子育て支援の仕事に携わっているが、自分の子には、ついつい口を出してしまう。
だから、虐待でも、特別な人が虐待する訳ではなく、行き詰ったらそうなってしま
うという気持ちはわかる気がする。こうしたこともこの仕事を通じて、お母さん達
に、「皆一緒なんやね」って伝えていきたいと思っている。
○子どもの小学校を見ていて、親が良かれと思ってしていることが、子どもを傷つけ
ていたり、苦しめていることもあると感じる。子どもが問題行動を起こす場合、そ
の裏には必ず大人の存在があるということにこの活動を通じて気付かされた。
【知事の発言】
○小学校の図書室を変えるということは、実際、大変なことだったと思うが、子ども
達の幸せの場所を作りたいという信念を持ってそれを行ったことはすごいこと。
○「ほがらかミニ図書館」は、日本初ということで、素晴らしい取組だと思う。
〇皆さんが、親子の関係など、可能性や信じるという行為の尊さ、素晴らしさをいろ
んな経験を通じて、感じているということがわかった。
○吉田松陰はとにかく信じることだという趣旨の言葉を残しているが、皆さんの活動
をお聴きして、これから、この地域や日本、世界を担っていく、そして本人自身が幸
せに思う、そんな子どもたちが巣立って行くと感じた。是非これからも頑張って頂き
たいし、我々もしっかり応援していきたいと思う。
「特定非営利活動法人 ほがらか絵本畑」は、おはなしの世界で安心して遊べる子ども達をひとり
でも多く増やすことをミッションとしている団体です。
(主な事業内容)
・楽しさを伝える事業(読み聞かせ)
:
「絵本のよみあそびライブ」を通じて、子どもたちの笑顔を
引き出し、おはなしの世界に誘う。
・思いを伝える事業(講演):講演を通じて、おはなしの世界で遊ぶことの大事さや、子どもの笑
顔のすごさを伝える。
・技術を伝える事業(セミナー)
:
「絵本を読む人」の各種セミナーを開催し、子どもに絵本を読む
ことの楽しさを実感できる技術やコツを伝える。
・被災地支援事業:東日本大震災の1ヶ月後から、陸前高田を中心に、ほぼ毎月、行き来し、市内
の保育園で絵本の読み聞かせを行っている。