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要旨
「
『FCP展示会・商談会シート』に係る規格等の原案の調査検討」では、
「FCP展
示会・商談会シート」のJAS規格化を検討するため、実際のビジネスにおける規格化
の有効性を示す客観的なデータの収集・分析を行う実態調査を実施するとともに、規格
素案の検討・作成を行い、論点や課題点を明らかにすることとした。また、本調査の実
施に当たっては、食品事業者、関連事業者、消費者、学識経験者等からなる検討会にお
いて、実態調査の方法及び作業スケジュール、規格素案の検討作業に関するご助言を頂
くとともに、実態調査の結果、規格素案の内容についてのご意見をいただいた。
実態調査では、FCP「企業力向上の場としてのマッチング・商談会」の活用に関す
る研究会の参加者を対象とするグループインタビューを実施するとともに、展示会会場
において関係者へのアンケート(回収数:バイヤー93 社、出展者 111 社)及びヒア
リング(バイヤー59 社、出展社 31 社)を実施し、展示会・商談会及び「FCP展示
会・商談会シート」の利用に関する実態を調査した。その結果、実際のビジネスにおい
て、「FCP展示会・商談会シート」は基礎情報を伝えるツールとして有用であり、取
引のきっかけとなりうること、商談会の場における出展者・バイヤーの間のファースト
コンタクトの際にやり取りされるべき情報(項目)を標準化した「共通フォーマット」
が規格化されることで経済的な効果を見込むことが可能であることが明らかとなった。
このことから、「FCP展示会・商談会シート」の項目に関する情報を、展示会・商
談会の場で一覧性をもって公表可能な状態で記録・管理する生産方法は、そうしない場
合と比較して製品の取引可能性が高まる(=価値が高まる)と言える。
これらを踏まえ、情報の公表を伴う生産であることを生産方法の特色と位置づける類
型のJAS規格として、新たに、対象農林物資について、「FCP展示会・商談会シー
ト」の各項目に関する情報を、展示会・商談会の場面で一覧性をもって公表可能な状態
で記録・管理して、生産を行うことを特色と位置づけるものを制定する検討を行い、
「展
示会・商談会における生産情報公表飲食料品の日本農林規格(仮称)素案」の提案を行
った。