第2回不動産証券化手法等による公的不動産(PRE)の活用のあり方に関する検討会 議事録 事 務 局) それでは定刻になりましたので、ただいまから第2回不動産証券化手法等に よる公的不動産、PREの活用のあり方に関する検討会を開催致します。事務 局を務めさせていただいております、国土交通省土地・建設産業局不動産市場 整備課の小林と申します。本日は、委員の皆様におかれましては、大変お忙し い中ご出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日は勝山委員、駒 井委員、清水委員、前山委員がご欠席と伺っております。なお、勝山委員の代 理といたしまして、長島・大野・常松法律事務所の弁護士中井様のご出席を賜 っております。また、前山委員の代理といたしまして、東京都財務局財産運用 部総合調整課計画推進担当係長、東浦様のご出席を賜っております。よろしく お願いいたします。 それでは始めに、配布資料を確認させていただきます。議事次第、それから 配布資料をご確認いただければと思います。資料 1 といたしまして「PREへ の不動産証券化手法活用等に関する課題」 。それから資料2-1といたしまして 「PRE事例リスト」でございます。資料2-2といたしまして「PRE事例 リスト一覧表の①」でございます。続いて同じくA3資料の資料2-3「PR E事例リスト一覧表②」でございます。資料2-4も、A3版でありまして「P RE事例リスト一覧表③」でございます。それから資料3といたしまして「公 的不動産の活用事例集」でございます。資料4といたしまして三井不動産様の 提出資料でございます。資料5といたしまして三菱商事UBSリアルティ様の 提出資料でございます。最後に、参考資料といたしまして第1回目の本検討会 の議事概要をお付けしております。以上でございますが、もし不備等がござい ましたら事務局までお申しいただければと思います。 それではここから議事に入らせていただきます。カメラ撮りにつきましては ここまでとさせていただきますので、プレスの方々におかれましてはご協力を お願いいたします。事務局からの進行はここまでといたしまして、以後は中川 座長に進行をお願いしたく存じます。中川座長、どうぞよろしくお願いいたし ます。 中川座長) はい、それでは議事次第に従いまして進めさせていただきたいと思います。 まず最初に、課題の整理ということ、議事の(1) 「PREへの不動産証券化手 法活用等に関する課題」について、これを事務局の方からご説明をいただきま す。 事 務 局) はい、事務局のみずほ総研でございます。当社の方からは、資料の1に従い 1 まして、PREへの不動産証券化手法活用等に関する課題、こちらで第1回の 検討会で各委員の方々からご提言いただきました主な課題について、整理する ことにさせていただきたいと思います。1ページ目に記載しておりますが、検 討委員の方々から出てきた課題を6つの大きな項目に分類分けをしております。 まず1番としまして「自治体全体の戦略とPRE活用戦略との整合性の確保」、 2番「PRE活用及び証券化手法を活用する自治体の目的の明確化」 、3番「自 治体が具体的なPRE活用などを検討・実施する際に資する情報提供」 、4番「自 治体内部におけるPRE活用に向けた推進体制の構築」 、5番「証券化に伴うリ スクの把握」 、6番「その他の課題」としまして、権利関係の譲渡であるとか、 民間資金と公的資金の課題、不動産価値評価上の課題、証券化導入に向けた課 題といったものが挙がっております。 こういった項目につきまして、2ページと3ページ目をお開き下さい。課題 の具体的な内容と、それから事務局の方で考えております対応案につきまして、 簡単にまとめております。全部をご説明するのは割愛させていただきまして、 例えば、課題の欄で③のところにあります、自治体が、情報提供が必要だとい う、課題が挙がっておりました。具体的な内容としましては、この上段に書い ております。自治体が個別に対応しているケースが多くて、自治体の間で成功 事例などを共有する機会がないのではないか、という課題提起がされておりま す。事務局が考えておりますのは、こういった部分について、各事例の庁内体 制であるとか、発揮された効果、成功要因などを事例集の形でまとめて、交付 すればいいのではないかと考えております。また、もう一つの例としまして、 3ページ目の方の④に自治体の推進体制に対する構築として課題として挙がっ ております。具体的に、PREを活用推進されている、所管されている部署を 置かれている自治体さんというのは非常にごく限定的でございまして、こうい ったところを広げていく必要があるのではないかということでございます。こ れらにつきまして私どもとしましては、こういった先進的な自治体さんにおけ る推進体制に関する情報提供を、事例集を使って実施していこうと考えており ます。こういった課題ですとか、対応案等につきまして、わたくしどもの方で 考えておりますのは、4ページ目でございますが、本検討委員会の趣旨といた しまして、まず事例集の作成というものがございます。この事例集の作成を通 じまして、こういった各委員の方々からあげられました課題につきまして、可 能な限り対応していきたいと思っております。具体的に、ここに書いてありま す表が下段にございます。左側に今申し上げました委員からの課題が列挙され ておりまして、それぞれに対応する形で事例集の項目と言いますか、目次みた いなものを作っていこうということでございます。具体的には、①対象事業実 施の目的であるとか、②事業の実施プロセス・庁内体制、③事業実施による効 2 果・成功要因、④事業の実施体制、⑤事業の事業スキーム、当事者間の役割分 担・リスク分担、という風に、委員の方々からの課題に対して、事例集の中で 対応させて、その対応方法について展開させていただきたいというふうに考え ている次第でございます。事務局からは以上でございます。 中川座長) はい、ありがとうございます。それでは、今事務局の方からご説明いただい た、前回のその意見をまとめて、こういう課題についてこれからその今事例集 等々で対応していきたいというご説明でしたけども、これについて何かご質問 とかご意見はございますでしょうか。 これは、事例集にて対応する課題と、そうじゃないものがあるわけですけれど も、②から⑤は事例集で対応するというのは、多分、今年度作る予定の事例集 で対応するっていうことだと思うのですが、この①とか⑥の課題っていうのは どういう形で対応するとのことなのでしょうか。 事 務 局) はい、特に①につきましては、包括的なテーマになりますので、今回事例集 ということで極めて具体事例に即した形になります。従いまして①、それから ⑥になりますと、かなり専門的なところが問われるところかと思いますので、 今回の事例集の中では特に取り上げて対応するということではなくて、今後長 い目で検討対応していきたいというふうに考えているところでございます。 中川座長) 分かりました。じゃあ、今年度のこの委員会のその任務である事例集につき ましては、この②から⑤までのものにつきまして対応していく、とそういうご 説明だということですね。分かりました。他にいかがでしょうか。何でも結構 ですけど。はい、お願いします。 中井弁護士)勝山の代理で参加させていただいております長島・大野・常松の中井と申し ます。今座長からご質問いただいたテーマ⑥のところ、先日勝山委員の方から 簡単な課題を提起させていただいておりますところです。具体的には、権利関 係の譲渡について、何らかのルール作りを検討することも考えられるのではな いかという提案を、勝山からさせていただいております。今回の事例集に入れ ていくかどうかというのはまた別の話だと思っておりますが、実際に案件を検 討していくにあたっては、この権利関係の譲渡という点についてご相談をいた だく機会も多くございます。全面的な自由というのを認めていただくのは難し いことも理解してはおりますが、何らかの明確なルール作りというようなもの を、国交省様なのか、この委員会なのかは分かりませんが、すすめていただけ ると、民間としては大変助かるのではないかと、そういう風に考えております。 中川座長) はい、ありがとうございます。私も、今①のような自治体側の大きな戦略に 関わる部分については、この委員会でやるのかどうかといえば微妙なところが ありますけれども、今ご指摘いただいたような、その他の課題のところで、ビ 3 ジネス側として取り組むところとか、ビジネスの環境として整備しないといけ ない部分というのは、事例集としてまとめるかどうかは別にしても、そういっ た整理っていうのは、この委員会でやっていったほうがいいんじゃないかな、 という気がしておりますけれども私はそう思いますが、事務局の方から何か付 け加えることはございますでしょうか。 事 務 局) 国土交通省の不動産市場整備課長の小林でございます。今いただいたご指摘 はごもっともだと思いますので、また来年度にかけて不動産証券化手法の活用 を検討する中で、いただいた課題について、引き続き検討するということにし たいと思っています。 中川座長) はい、ありがとうございます。それでは他に何かございませんでしょうか。 はい、じゃあ内藤先生。 内藤委員) はい、今年度は事例集ということですから、私は前回民間資金と公的資金の、 金利の差みたいな話が議論として出てくるというようなことを申し上げたんで すけれども、例えばその具体的事例として、香川県のまんのう町というところ がPFIをやったときに、そういう違いを埋めるために自治体が利子補給的な ことをやった事例があります。特に証券化というのは民間資金を導入するとい う話ですから、資金の問題は非常に重要なので、事例を集める際にも、そうい う視点も含めて集めていただくといいと思います。以上です。 中川座長) 私もそういう事例が本当に集まるかどうかは別ということですが、まんのう 町という事例を具体的に挙げていただいているわけですから、その他の課題で 挙げられているようなものについても、もしも事例として収集できるものがあ れば、それを本年度の作業としてやっていると、次年度以降の作業も楽になる と思いますので、そういう視点で是非事例を集めていただければと思います。 他にいかがでしょうか。はい、お願いします。 福島委員) 三井住友トラスト基礎研究所の福島と申します。先ほどの⑥番をどうするか というところとも関係してきますが、そもそも、この事例集を誰宛に作成する のか、誰に一番見てもらいたいのかというところがポイントになるかと思いま す。もし、前回私の方でプレゼンさせていただいたように、PREというもの が中々マーケットに出てこない、証券化の対象として出てこない、何とか出し てもらいたいということであるとすると、自治体さんに見てもらわなきゃいけ ないということになる。そうすると、まとめ方としては、きわめてシンプルで、 かつ最初のところに、この事例は何をやっているのか、何のためにやっている のかなどということを数行くらいで書いてある方がわかりやすいのだと思いま す。一方で、事業者側にも見てもらいということであると、先ほどの⑥番みた いなものはやはり必要になってくると思いますので、そこをどういう方向でま とめていくのか。あるいは両方を追求するということもあると思いますが、こ 4 うした“読者”を誰に設定するのかで大きく変わってくるのではないかと思い ます。 中川座長) それは、両方って感じがするんですけれども、小林課長の方から何かありま すか。 事 務 局) はい、これは今回の事例集、それから来年度にかけて証券化手法の活用の手 引きをご検討していただきたいと思っているんですが、いずれも一義的には地 方公共団体向けにまずPRするべきものと考えております。従いまして今、福 島委員からお話がありましたように、自治体の方が短時間で内容が把握できる ようなものというようなご指摘はごもっともだと思いますので、そこは工夫し たいと思います。同時に、裏返しという言い方はいけないんですけども、相手 方がある話ですので事業者の方がご覧になるということも当然考えられますの で、そこの事業者の方にとっても有益だというのはちょっと、二兎追うと一兎 も手に入らない可能性もあるんですけども、なるべく両面見ながら、少し時間 をいただいて検討したいと思います。 中川座長) はい、ありがとうございます。他にいかがでしょうか。はい、お願いします。 大庫委員) はい、大庫です。今回事例集を作るということで、その意味で私もよく理解 をしたつもりです。ただこれは来年に向けてということでの意見ですけれども、 現在事例が無いようなものであっても、もしかすると自治体の経営の中では今 後非常にいい機会になる可能性もありますので、是非、来年度引き続きご検討 される際に、そうした事例の無いものであってもスコープに入れていただけれ ばということでございます、以上です。 中川座長) はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。 積極的なやりとりをいただいてありがとうございます。今ほどのやり取りの中 で、PRE以外の不動産証券化手法ということになると、一応自治体さんの方 でどういう対応をされるのか、それは基本的に色々な戦略から含めて、後はも う少しどういう処分とか、あるいは再配置とかを含めてどういう対応をされる のかということと、多分不動産証券化ですからビジネスの中でどう受け止めて いくのかとか多分、お互い歩み寄るというかマッチさせるようなことを多分小 林課長のところでは狙っていらっしゃるのかなと思っています。そういう意味 でやや、どちらも文化が違うというか、そういうこともありますので、難しい 要請ではございますけれども、そういう要請に答えられるような、まずは事例 集のまとめかたをされて、最後に大庫様からございましたように、事例がなく ても今後のPREについて不動産証券化を活用して、より効率的なことができ るようにその議論が多分来年度進むと思いますので、そういったものをにらん で是非おまとめいただければと思います。 それでは、他にございますか。ここの課題については。大丈夫ですか。 5 それでは、この最初の議事につきましては大体以上とさせていただきまして、 議事の2、公的不動産の活用事例についてということで、事務局の方から資料 2-1から資料3につきましてご説明をいただきたいと思います。よろしくお 願いします。 事 務 局) はい、事務局の方からご説明させていただきます。今回資料の2、それから 資料の3、二つ大きく分かれておりまして、資料の2の方が、いわゆる事例リ スト、A3でお配りしているエクセルのペーパーがあるかと思いますが、こちら についての説明。それから資料3がパワーポイントで作っておりますPREの 活用事例集についての説明、こちら大きく2つでございます。まず、1番の事 例リストについての説明を簡単にさせていただきたいと思います。ワードで作 っておりますA4縦の2-1PRE事例リスト説明リストについてご覧いただ ければと思います。こちら私どもの方で今回のPRE事例リストを作成したわ けでございますが、こちらの経緯について簡単に記載させていただいておりま す。 まず1番のリストにおける事例の抽出方法でございますが、下の四角に囲っ ております要素を含む事例を公表資料であるとか、自治体さんへのヒアリング 等により、網羅的に行いまして約140件程度の事例を抽出しております。具 体的な要素としましてはここに記載しておりますが、公的不動産を活用した事 業であるとか、利用形態が民間事業者が活用したものであるとか、PFIは対 象外にするであるとか、色々と要件を含んでおります。一点注意書きをしてお ります。事例リストにより、より幅広い証券化スキームを紹介するということ から、いわゆるPREには適用されないのかもしれないですが、民間の土地の 上に公益的な施設を作った事例なども一応参考として表記するということでご ざいます。あとリストの中でいくつかの仕組みを入れておりまして、仕組みと 申しますのは分類の方法を入れております。いくつかご案内させていただきま す。下の方に一番の分類と書いてあります。いわゆる土地と建物に分けまして、 それをどういう風な主体が持っているのかといったところで6類型で分けさせ ていただいております。こういう分け方が一つでございます。次のページをめ くっていただきまして2番、都市分類としまして大都市圏と地方ではどうか、 といったところがみられるような仕組みにしております。具体的には三大都市 圏、首都圏、名古屋圏、関西圏、地方圏この大きな二つの分類でございます。 そのほか、同じページでいきますと5番のところに人口の分類。100万人以 上、50万人以上、30万人以上、30万人未満という、この4つのランクで 事例ごとの分類ができるような仕組みを設けております。あとは大きなテーマ であります証券化されているか否かというところをも含めております。 事例リストA3の紙をご覧いただければと思うんですけれども、大きく真ん 6 中の方に、現在の利用形態としまして施設の整備状態、使われ方を記載する欄 がございます。その右隣に従前の利用形態と呼ばれるものがございまして、こ の欄を見ますと過去どうであって、今どうであるかという動きが分かるような ものになっております。縦のペーパーをもう1ページおめくり下さい。このA 3の紙と、今からご案内させていただく事例集との関係でございますが、A3 の紙に、濃い青色で網掛けされているものが9事例ございます。これが今から ご案内させていただくPREの中でも証券化された事例を示しております。薄 い青色、これは証券化までは至っていないけれども、いわゆるPREと認定で きるもの、これは12事例表記しているものでございます。今回3組のシート を配布させていただいておりますのは、こういった分類の見地からエクセルで ソートをかけまして、資料2-2が証券化の有無が第一優先順位、第二優先順 位が都市分類。資料2-3が6分類と都市分類、2-4が施設分類から都市分 類といったように、今後の検討に資するような形での事例リストを作ったとい うことでございます。今申し上げましたのがこの事例リストの簡単なご説明で ございまして、続きまして、パワーポイントで作っております資料3をご覧い ただければと思います。 こちらが公的不動産の活用事例集とタイトルされております事例集でござい まして、具体的には証券化事例として9事例、PRE事例として12事例を記 載しております。その中で、事例の中からくみ取った形で成功ポイントを記載 するページがございますので、まずそちらの方からご説明させていただきたい と思います。パワーポイントの3ページ目でございます。こちらにはPREの 証券化事例の成功ポイントを帰納的にまとめたページにしております。具体的 に眺めておりますと、こういったところが成功ポイントなのかなといったとこ ろでございます。1番、上の方から申しますが、所管自治体による長時間にわ たる事業継続。これは証券化に限らずではございますが、所管の自治体さんが、 末永く対応された結果、無事成功に至ったと、事業にはつきもののことでござ いますが、こういった対応が成功ポイント。2番、不動産開発事業の出口戦略 として証券化スキームを採用。これは非常に証券化というテーマが値すると思 いますが、例えば、保留床の保有会社としてTMKを設立することで経営安定 化を募ったというようなポイント。リスク管理の視点からいきますと、資産保 有リスクをヘッジするために証券化スキームを活用する、いわゆるオフバラン ス効果を実現したようなスキームが導入されたケースがございます。ファイナ ンスの組成の観点からいきますと、資金調達の観点から、例えばノンリコース ローンの調達ができましたといったようなものも、証券化スキームを表現する ものとしては割となじみのあるものかなと思います。それから民都機構の活用 というものを敢えて入れさせていただいておりますのは、今回検討する中で割 7 と民都さんの街再生出資が使われている例が多くございまして、こういった公 的支援を使うのは、証券化事例に割と親和性があるのかなということで挙げさ せていただいております。もう一つ、別の切り口になりますけれども4ポツ目、 地方圏における証券化事例というものを記載させていただいております。これ は最後に述べますが、地方における証券化で今脚光を浴びておりますのが、ご 案内のヘルスケアセットとかそういった類の事例でございます。こういったも のが数多く証券化されておりますので、今後のPREにも利用できるのではな いかと思い、挙げさせていただいているということでございます。以上がPR E証券化事例の成功ポイントでございまして、続きまして、各事例毎に簡単で はございますが、事例の名称と成功ポイントについてコメントさせていただき たいと思います。 まず1番、沖縄の牧志・安里地区第一種市街地再開発事業、さいおんスクエ アといわれる事業でございます。こちらの成功ポイントは、ページ数でいきま すと6ページ目に書いてございます。おめくり下さい。証券化スキームの導入 というのが左下の所に書いてありますが、これは先ほど申し上げましたが、保 留床をSPCが取得をして、本来取得できなかったんですけれども、ここのT MKを設けることによりまして彼らが保留床を持って、長期の事業が計画が実 現したということがポイントとなっている事例でございます。次に、宮崎駅の 西口拠点施設整備事業でございます。これにつきましてのポイントは11ペー ジをご覧ください。先ほど冒頭で申し上げましたが、自治体さんが根気よく頑 張ったというのがこの事例のポイントかと思っておりまして、平成元年の1月 からインテリジェント整備計画というものがございまして、平成6年、平成1 0年と清算事業団の土地を取得したのち、少し経済が停滞していた時期もあっ たんですけれども、宮崎の計画部様の方で街再生の為に必ず必要だという強い 志を持たれて頑張られた結果、民都さんの街再生出資を募ることができたと、 成功事例になるのかなと、いうことでございます。 次に3番、職員公舎の民活整備運営事業というのがございます。三重県の事 例でございまして、ポイントは15ページの方をおめくり下さい。15ページ に、具体的には先ほども申し上げましたが、ファイナンスの観点から公的不動 産、職員公舎が生み出すキャッシュフロー、具体的には県が施設を借上げる、 借上げ使用料になるわけですけれども、これを担保としたノンリコースファイ ナンスが実現されたという事例でございます。いわゆる県の支払いに依拠する 形でのファイナンスということで典型的なスキームかと存じます。 次は4番、川崎駅の西口地区第一種市街地再開発事業でございます。こちら はオフィス棟と音楽棟が分棟になっている建物でございまして、こちらの成功 ポイントとしては18ページをご覧ください。これは特にオフィス棟の部分に 8 付けるファイナンス絡みのところでございますが、総額約300億程度のファ イナンス需要が発生する事例であったわけでございますが、ダブリュー・ケー・ シー特定目的会社というファンドを三菱商事さん等が中心となって作りまして、 具体的に学校法人として早稲田大学様が投資家として招聘されました。これに よりまして300億というファイナンスがあったわけなんですけれども、スム ーズな形でローンが組成されたといったところでTMKが使われた証券化スキ ームとして非常にモデルケースになるのかなと思って挙げさせていただいてお ります。 次の事例が5番、飯田市りんご並木商業施設等整備事業でございます。23 ページをご覧ください。これはちょっと毛色の変わった事業でございまして、 こういった形の証券化というもあるのかということでございますが、具体的に は株式会社飯田まちづくりカンパニーが関与している事業でございます。飯田 市におかれましてはこのまちづくりカンパニーさんが飯田市と官民連携の形で 関与されている事例が多くございまして、これは民都さんが出資をされた第2 号目の案件でございまして、民都さんにとりましても、自治体さん向けに2度 行われる事例は初ということでございます。これはまちづくり会社さんのサポ ート、尽力によるものなのかということでございますが、具体的にいいますと プロジェクト対比約3分の1の出資が得られたということでございまして こ ういった公的支援というのが非常にファイナンスに有効に働いていると思われ る事例の一つでございます。 6番、東京ミッドタウンでございます。既にご案内のプロジェクトと思いま すが、私どもの視点としましては27ページをご覧ください。証券化という定 義がどこまで完成された言葉かはちょっと存じ上げませんけれども、私どもと しましてはこの事業、3,700億の事業費をコンソーシアムのメンバーのリ ーダーであられます、三井不動産さんの方で、いわゆる共同事業と呼ばれるス キームを採用されまして、プロジェクト自体を証券化、証券化というよりもい わゆる小口化といった言葉が適切かもしれませんが、されまして、他の積水ハ ウス様等々の機関投資家さまと一緒になって共有持分を共有して出資参加され た形態のものでございます。それによりましてそれぞれ賃料収入をそれぞれの 機関投資家様を経て、ファイナンス資金、事業計画を実現されたと、一社あた りの投入されるアセットについてもボリュームを下げることができたというこ とにおいて事業者にとっての効果もあったのかなと、事業実現された効果も最 大限発揮されたという点において証券化のスキームが発揮されたケースとして 挙げさせていただいております。 その次、7番以降、7、8、9と地方におけるヘルスケア事業について事例 を挙げさせていただいております、具体的に共通しますのは、アセットのオフ 9 バラ化ということでございます。中でも特徴的で有名な事例かと思いましたの で 9番の米子のサ高住についてもヒアリングした結果がございますのでご紹 介させていただきます。39ページ目をご覧ください。こちらは、米子信金さ んがファイナンスのアレンジャーを務めておられまして、TMKを作られて、 地元の医療法人様が最終的にマスターレッシーとなる形で出口戦略を作られて いる事業でございます。このようないわゆる信用補完といいますか、地元の企 業さんの信用補完的機能付きのノンリコースファイナンスのスキームというの が、今後各自治体さんの中でも取り入れられる可能性が非常に高いのかなと思 いまして、その先駆的な役割を果たされている事業ということで、こちらの事 例を挙げさせていただいております。必ずしも先ほど申しましたがPREとい うことでの認定は無いかもしれませんが、いわゆる証券化スキームとしての形 としての広がりはあるものとして、参考として挙げさせていただいているもの でございます。今まで申し上げましたのが証券化でございます。 PREに徹したものとして、次以降のページに記載させていただいておりま す。41ページでございます。これがPRE事例の成功のポイントとして何点 か挙げておりますが。例えば保有資産の有効活用であるとか、民間ノウハウの 活用、それから民間事業者を公募して幅広い提案を募ったとか、そういったこ とを成功ポイントとして挙げております。それ以降、12事例ほどPREの事 例が挙がっております。ちょっと駆け足で誠に申し訳ないんですけれども、簡 単に事例の名称とポイントだけ一言コメントさせていただければと思います。 1番が武雄の図書館でございます。カルチュア・コンビニエンス・クラブ、 CCCに目的外使用許可としてそこでの事業をする許可を与えまして、民間の 経営ノウハウを導入したということがポイントになっている事業でございます。 次の②でございますが、オガールプラザ整備事業、既に有名な事例でござい ますが、地方自治体、地元企業、地域の金融機関が三位一体になって事業推進 されたという事例でございます。 44ページはちょっと毛色の変わった事業でございます。Lise川崎生命 科学・環境研究センター。川崎市が持っている私有地を民間事業者向けに賃貸 されまして、そちらの方で具体的には大成建設様が施設を作られまして、その 中で公共施設部分は民間事業者から借り受ける形で施設3階までを使われてお られます、という事例でございます。 次が4番、松戸の学校跡地有効活用事業。これも有名な事例でございます。 公共施設整備費用として学校跡地を売却した資金を充当されるということで、 新たに資金調達することなしに公共施設が整備されたという、松戸市にとって メリットあったPREでございます。 次に⑤上越市市民プラザ。ちょっと古い事業になりますが、PFI法が導入 10 された当初の事業でございます。スーパーマーケットのジャスコさんから老朽 化施設を寄贈された自治体さんの方でリニューアルされて、市民ホール的なも のを作られたということで、財政負担に一定の削減効果を与えたという事例で ございます。 次の47ページがよこはま多世代・地域交流型住宅事業。鶴見会館跡地にや られておりまして、本年度中に竣工される予定とお伺いしておりますが、これ は横浜市様と事業主さまとの間で、期間50年の定借契約を締結されておりま して、具体的に多世代型住宅が整備された時点においては市の方には賃料収入 が入ってくるということでございます。非常に分かりやすい事例かと思います。 同様の事例が、48ページでございますが、愛知県様でもやっておられまし て、高蔵寺ニュータウン内県有地活用ということで、愛知県の県有地、こちらを 期間52年で民間事業者と定借契約を結ばれて、どんぐりの森という介護施設が 既に物が建っております。こちらも同様に県にとって福祉施設が充実することは もちろんのこと、賃料収入が入ってくるということで財政に寄与する事例のPR Eでございます。 続きまして8番。仙台うみの杜水族館プロジェクトでございます。これは民 間のプロジェクトでございます。仙台市とどのような接点があるかと申しますと、 仙台市の高砂中央公園の場所を使われるということでございます。使用料が仙台 市の方に入って参りますので、仙台市の財政も若干潤うということでPREとい うことで採り上げさせていただいております。 続きまして9番、これはちょっと古い事業でございますが、高松丸亀町商店 街A街地区第一種市街地再開発事業。定借を付与しまして、いわゆる土地の使用 形態は従前通りですが、建物を建設することによってその土地価格が建物価格に 反映されないような仕組みを盛り込まれた事由ということでございます。ちょっ と古い事業でございますが、非常に有名な事業でございまして、まちづくりカン パニーさんも関与されておりますので、記載させていただいております。 次に10番、札幌市白石区複合庁舎隣接地への民間機能導入。これは仙台市 の方で区役所を移転して新しく作るという事業がまずあるわけなんですけれど も、その隣に区有地が残ることになりまして、先にその有効活用策について公募 することになりまして、三菱UFJリース様が選定されたということでございま す。具体的に役所の隣に建つ建物ということを勘案されて、例えば銀行だとかク リニックだとか公共性の強い民間施設を作ることもご提案に上がっている状況 でございます。これは、これから建設にあたられる事業でございます。 次の11番でございますが、これは津田沼の駅前の跡地有効活用事業でござ います。これは絵を見ていただきますと分かりますが、5番のイメージのところ の左側ですが、今現在このような形で跡地になっております。これを市が売却に 11 出しましたところ、32億円だったものが46億円で売却されたということでご ざいまして、約750戸のマンションが平成31年以降建つ予定になっている事 業でございます。 最後でございますが12番、岡山の中央南小学校跡地利用事業でございます。 これは岡山の中心市街地に小学校の跡地がありまして、こちらに老朽化された民 間の病院さまが、新しい病院を作られたいということで跡地を定借で45年間借 り増して新しく箱物を作るという事業でございます。岡山市にとりましては医療 サービスが市民に提供できることはもとより、市有地の賃料収入として年間約4, 300万円の財産収入が入ってくることがPREの効果としてなっているもの でございます。一応駆け足ではございますが、PREの12事例についてコメン トさせていただきました。事務局からは以上でございます。 中川座長) はい、ありがとうございました。それではただ今事務局よりご説明いただき ました公的不動産の活用事例についての取りまとめ方法等につきまして、事例 集として公表するにあたってのご意見を皆様より頂戴できればと思います。 これは、事例集としてこれをそのまま公表することについて今ご議論をいただ くということなんでしょうか。 事 務 局) はい、形式はどのような形になるかは分からないんですけれども、具体的な 中身につきましてはこういった背景があって、その効果があってと、そういう 建付けで、項目建てをさせていただこうかと思います。 中川座長) 事例集にはダイレクトにイコールではないけれども、今日委員の方から事例 集として公表するにあたってこういう内容を盛り込んでほしいとか、事例とし てもっと適切なものがあるとかそういうご意見をいただければいいってことで しょうか。 事 務 局) はい、そういうことでございます。 中川座長) では、一応その資料3という形で事例集という名前ではございますけど、そ の目的とか、あるいは成功ポイントとか一応整理したうえで、その各事例につ いて、同じ様式でまとめたという資料を用意していただきました。事例集とし て公表する場合には、もっとこういう視点があったほうがいいとか、事例があ ったほうがいいとか、構成があったほうがいいとか、自由にご議論していただ いても結構ですので、委員の皆様方から積極的にご質問でもコメントでも結構 ですからいただければと思うんですがいかがでしょうか。はい、お願いします。 足立委員) 足立でございます。基本的には、このような事例集を当研究会の成果物、ア ウトプットのイメージとして持たれていて、かつその上で、あくまでこれは最 初の叩き台の案、という理解で宜しいか? 事 務 局) はい、そういうことでございます。 足立委員) ありがとうございます。順不同になると思うが、3~4点申し上げたい。 12 1点目として、事例としては色々と調べていただいて示唆に富むと思うが、 あまり知見のない地方公共団体をメインターゲットとするのであれば、もう少 し親切に、地方公共団体の色々なニーズや課題を受け止めて道標的に誘導して いってあげるような構成だといいのだろうと思う。例えばイメージでいうと、 まず出発点として、ある公的不動産を活用して公共施設や公的施設を整備する 必要性があるのかないのか。あるのであれば、それに対して財政負担をどこま で許容する考え方があるのかないのか。また、それ以外に、当該公的不動産を 活用して行う事業の政策的なプライオリティーは何か、とか、各地方公共団体 の個別のニーズや課題に応じて、順序立てて道標として誘導してあげるような 形などが考えられる。 2点目として、そういう道標にそって参考になるような事例に辿り着いたと しても、例えば、よくありがちな話としては、 「余剰地活用によって財政負担ゼ ロにできたというが、これは都心部だからできたのであって、当地では無理だ」 として、そこで思考が止まってしまうようなことがある。この点、例えば、 「ス キームとしては地方でも十分に使えるもの。財政負担がゼロにはならないかも しれないけれども、ある程度軽減される可能性あるので、十分やる価値はある」 とか、地方公共団体の思考を止めないような工夫があるといいのかなと思う。 3点目として、色々な観点で道標になるような事例集を整備しても、当然な がらそれだけで全て事足りるわけではない。というのも、基本的には、様々な 事例であるとか、PFIも含めた各種法制度やフロー・手続き等についてある 程度の知識を増やしたら、あとは、それらを応用して個別具体の課題・事案に 即した適切なソリューションを検討していく上では、色々な人をノックして議 論する中でスキームを磨き上げていくようなプロセスにどの事業でも入ってい くと思う。その観点で、例えばノックする先の引き出し等についての示唆など も与えてあげられたらいいと思う。事例集に含めるのかは分からないが、重要 な観点だと思う。 4点目として、色々なPPPやPREの「成功事例」といわれる事案につい て、実際にそれら事業の担い手となった民間事業者から見て、どこが民間事業 者としてやりやすかったとか、本当は民間事業者にとってはここが厳しい条件 だったとか、ここはもっと改善してほしかったとか、事例集を活用する地方公 共団体に対してそういうメッセージもあったら有意義だと思う。順不同である が、さしあたり以上をコメントさせて頂く。 中川座長) はい、ありがとうございます。足立さんの4点の指摘のうち、最初の2点と いうのは私もその通りだと思っていて、地方公共団体にとって何が良かったの か、というところについてはもう少しわかりやすく伝えてほしいなと思います。 何が良かったかというところについて、一応今回のまとめということで書いて 13 いらっしゃるんだと思いますけれども、土地賃料収入は財政削減に寄与してい るとか、そういうことも入居率が95%程度というのが書いてありますけれど も、やや分からないのは、証券化というスキームを使うことによって本当に何 が良かったのかというのは、自治体の人にもう少し伝えた方がいいのかな、と。 それが足立さんがおっしゃるような財政的な動機付けとかVFMとか、そうい った地方公共団体さんとして何が良かったのかという点について、もう少しダ イレクトに、それこそ一番最初に来るような形で伝えないと、その気になって くれないんじゃないかと、そんな気がしています。そういう意味で地域住民と の絆にも配慮されたとか、それはそうなのかもしれないですが、もう少しガッ とくるような、飛びつくようなそういうことをお伝えいただけたらと。そうい う効果が何によって得られたのか、ということも少しお伝えいただければと思 います。何となく成功事例のところでポイントとして挙げられているもので、 例えば高い志とかありますけれども、たとえ特定目的会社を設立しましたとか、 コンソーシアムを構築しましたとか、何となくノンリコースです、とか証券化 そのもののような気がするので、証券化そのものをやった場合に全て同じよう な効果が得られるかと言ったら多分違うと思いますので、その事例毎にもう少 し何が成功につながって、どういう効果が得られたかはもう少し詳細にお書き いただいた方がお使いになられるのかなと思いました。私は足立さんの話を聞 いてそんなふうに思いました。はい、松野さん、どうぞ。 松野委員) すみません、浜松市の松野です。ちょっと重複してしまうところがあるかも しれないんですが、あくまで素人の自治体が今ぱっと見てみまして、この事例 というのは大変幅広い形で今までに無い分も入っているのかなと思うんですけ れども、一方で民間さんの何とか推進協会とかで出ている事例もあるんです。 その中で気になるのは、やはり成功のポイントというところを見させていただ くだけでも、例えば3ページの3のファイナンスという箇所でも、「発注主体で ある公共団体が、金融機関と直接協定を締結する枠組みを実現することで」 、と いうところは、じゃあどうやってこれを締結したのか、例えば公募でやったの か、それとも地元金融ありきで調整したのか、要は多分このスキームは例えば 浜松市が明日何かやろうと思った時に、一番早いのは、行政で考えるよりも具 体的なものを、この場所でこういったものを含めてやりたいというところをお 示しして、民間さんの方から提案という形、まあ本件は色々なスケジュールを 見るからには公募でやっている部分もありますし、それがどういう形でここま で結びついたのか見えないところもあったりしてありますし、一番そこを行政 として知りたいところなんですね。だから明日やろうとした時にじゃあ何から やるのか。金融機関との直接協定について、例えば福岡市さんのようにプラッ トフォームみたいに普段地元金融機関さんと話を協議会とかでやっている中で 14 こういう方向に結びついたのかみたいな特にポイントのところを行政としては 知りたい。理由のところをもう少し事例集でありながら入口の、前回も言った んですけれどプロセスのところを素人の行政側として入口で恐らく済ますこと が多くて、これは意外に、知ろうとした場合、直接やった自治体に連絡して、 それも電話ではなくて直接行ってみてやってる部分もあるので、そういったと ころも盛り込んでみたらいいのではないかと思いました。 中川座長) はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。はい、大庫さん、 お願いします。 大庫委員) はい、一つ皆様のお話を伺って感じたのが、資料2-1の分類のところなん ですが、一応私の理解が正しければ、建物と土地の所有形態によって分類をさ れていらっしゃるかと思います。私が皆様のご意見をお聞きして感じたのは、 もしかしてキャッシュフローが潤沢に民間的に回っていくようなものと、それ から一部公的負担があるんだけれども、何とかするとキャッシュフローが回る もの、それから全然そうでないものとを分けて、保有形態以外にもどうキャッ シュを回すのかといったものを、自治体の立場に立つと、ずいぶん気が楽にな る気がします。というのは純粋に民間キャッシュフローで回るものに限ってし まいますと、かなり案件数々等限られてしまいますが、一部公的なものが含ま れるというような中間的なものを入れると、ずいぶん対象が広がると思います ので、そういう観点ももしかするとあるのかなと感じました。 中川座長) はい、ありがとうございます。民都とかそういうことですよね。それをもう 少し幅広に情報を集めていただければと思います。他にいかがでしょうか。は い、お願いします。 内藤委員) はい、先ほど発言したことの修正ということになるのかもしれませんが、今 回の事例集においては、PFI事業は対象外にするということが冒頭に書かれ ているんですけれども、これは所管の問題があるから、つまり内閣府さんでも 事例集を出されているので、先ほどの図らずもPFIの事例があると申し上げ てしまったんですけれども、そういう整理なんでしょうか。というのはPFI、 特にBOT型はかなり資金調達面での優劣の問題等が色々と出てきますし、ノ ンリコースファイナンスが含まれる場合も多いので、これらを除くとこの論点 を含む題材が限られてしまいます。もちろん事例集は国交省所管の中で出すと いうことでも、2年目の議論で事例集以外の題材も議論すればいい。そこのと ころをちょっと教えていただけますでしょうか。 事務局) PFIについては今内藤委員からお話しがありましたように内閣府の方で事 例集は出しておりますので、それと重複するところがあるので一旦、今日提案 した中については含めておりません。ただ、おっしゃるようにファイナンスの 事例としては非常に参考になるものもあると思います。そういうものも今回の 15 事例集の中に本来の対象ではないんですけれども、参考で挙げておいた方がい いというご意見でございましたら、それを踏まえて検討したいと思います。 中川座長) PREで証券化という時に、その絵姿があって、それに至るプロセスで何か 参考になるようなものであれば、既存のものを使ったものではなくて、PFI とかPPPに分類されるものでも、例えば合意形成の取り方とか、ファイナン スの仕組みとか、庁内体制とか、そういうPRE証券化に何か寄与できそうな 要素があるのであれば、それは盛り込んでいただいても多分結構じゃないかな と思いますので、それは要素を見てご判断いただけたらと思います。他にいか がでしょうか。それでは、続きまして議事の3でございます。公的不動産活用 事業について、三井不動産ソリューションサービス本部公共法人室長財間様よ りご説明、プレゼンテーションしていただければと思います。それでは、よろ しくお願い致します。 財間室長) はい、三井不動産の財間でございます。今日は公的不動産活用事業の私ども が事業会社として取り組めた事例、あるいは取り組めなかった、あるいは取り 組むことが難しかった事例という形で資料を取りまとめて参りました。まずざ っと目次からですが、取り組めたという意味で、ポジティブな事例として3例、 取り組み辛かった事例で同じく3例ご紹介するような形にしております。最初 に次のページですが、はじめにということでお断りを入れておりますが、委員 の皆様にはわざわざ申し上げるようなことでもないんですけれども、公的不動 産というものはやっぱり一つ一つそこの取得に至るまでの経緯ですとか、現在 の利用状態とか、そういったところに経緯あるいは歴史というものがあります ので、一律に適用できるような方法論というものは無いんだろうなと思ってお ります。とはいえ、私ども民間が取り組むにおいてやはり取り組み辛くなって しまう要因ですとか、取り組みやすくなる原因というのもはやはりありますの で、皆様の議論のお助けになるような形になればというような形で今日はご説 明しております。あくまでもデベロッパーとしての立場、からの見方ですので、 やはり他の業種の方からはやはり民間事業者とはいえ、違う観点もありますで しょうし、同じデベロッパーの中でも私どもと違う観点をお持ちの方もいらっ しゃるということはあらかじめご了解下さい。 早速ですが、ポジティブな事例ということで、最初にご紹介しておりますの が、原宿の駅のすぐ近くにありました東京都の都有地の有効活用といいますか、 PFIとその余剰地の民間収益事業の組み合わせの神宮前一丁目プロジェクト です。こちらも色々内閣府さんですとか国交省さんの中でも事例として採り上 げられるケースも多いので、皆様も御存じの方も多いかと思いますけれども、 これの何が私どもの方で扱いやすかったかというか取り組みやすかったかと言 いますと、次のページを見ていただいて、こちらにあります総合評価のところ 16 ですね、こちら実際にこのプロジェクト企画から入札、そして竣工に至って運 営が始まるまで、ずっと担当をしていた担当にヒアリングしているんですけれ ども、担当曰く、この総合評価の計算式を見た時にデベロッパー魂が燃えたと いうか、非常にやる気が出たということを言っております、見ていただくと、 下が入札金額。これはPFI部分の警察施設の整備費用ですね。左側はちょっ と無視して上が加点項目審査点ということで、その加点項目審査点というのが その下の表の中にこういった形でまちづくりの整備だとか、色々なものが入っ ていると。ここの加点項目審査点も、もっと細かく、何に何点といった配点が されているんですけれども、それの東京都さんの目的というのは一番上ですが、 入札の説明書に書いてありますように警察施設も設けるという意味もあります けれども、「安全・安心なまちづくり」 、「にぎわいのあるまちづくり」 、原宿の すぐ近くですから。「地域に調和したまちづくり」、原宿と言っても住まわれて いる方もいらっしゃるということで。こういった抽象的ではあるものの、ある 意味具体的な価値軸がどこにあるかということが明確にしていただいた目的が 出された入札案件だったということで、非常に私どもデベロッパーとしてはま ちづくりという観点でPFI事業と民間収益事業を組み合わせることができた んじゃないかと思っております。その結果が次のページですけれども、上の表 が最終的な総合評得点というところで、真ん中のYの入札価格得点、こちらを 見ていただくと分かる通り、警察施設の整備のPFIのところは決して安くは なかったです。一番安いところと比べても、最終3グループの真ん中の点数で す。ただ、左側のX点が先ほどのまちづくり、他の定性部分のところで良い点 をいただけまして、最終的には私どものグループで落札することができました というものでございます。 続きまして、南青山一丁目の団地建替えというプロジェクトです。こちらは 同じく東京都の土地ですけれど、こちらはPFI事業では無くて、PPPです ね。PFI的な部分もありましたけれども、民間の方で都営住宅他、区立の図 書館、区立の保育園などを整備しまして、それは竣工時に東京都ないし区の方 が買い取っていただくと、そして民間部分の賃貸住宅部分について民間が賃貸 事業として保有を続けるというものでございます。こちらに関しては先ほどの 第1回の課題の整理というところでも出ておりましたけれども、次のページで すけれど一番私どもがこのプロジェクトでありがたかった、というか取り組み やすかったポイントというのは流動性を認めていただけたという点でございま す。これは募集要項の抜粋をしてきておりますけれども、5(1)ですけれど、 「事業運営開始から5年経過したときは、都の承認を得て、第三者に民間施設 及び定期借地権を譲渡することができる」 、要は定期借地権付き建物を譲渡でき ますよ、と記載してあります。飛んで7の特定目的会社、要はコンソーシアム 17 を組んだ事業者としての特別目的会社ですけれども、そちらの株式についても 5年経過したら、都との事前承諾を得た場合は譲渡できますということで、借 地権付き建物及び、SPCのエクイティ部分も5年を経過すると譲渡できる、 ということにしていただいていることで、非常に取り組みやすかった事例です。 これは単純に売ってお終いという形が取れるという意味で言うと、言葉として そんな形になってしまいますけれど、譲渡に制限が無いということで、次に買 われた方も、そのまたその先、あるいはまたその先ということを考えると、こ こに制限があると、買われる方がどうしても制限されますので、評価そのもの が流動性が制限されることで評価そのものがどうしても縛られてしまうという ことで、非常にありがたかった事例でございます。 三つ目の事例ですけれども、こちらはちょっと新しい事例で、今年の11月 9日の渋谷区の広報に出た渋谷区の新庁舎と新公会堂の整備計画ということで、 これは区民の皆様にご意見をお寄せくださいということで特集を組まれており ますけれども、ちょっと字が潰れていて分かりにくいんですが、私どもの方の 提案が今、採択されて、区民の方のご意見をいただいているという段階でござ います。次のページに行っていただいて、こちら何が私どもの方で取り組みや すかったかと言いますと、一言で言いますと非常に自由な提案をさせていただ ける内容でしたということです。募集内容のとこに書いてありますように、事 業手法等について提案を募集するということで、事業の内容が固まっておらず、 事業手法そのものについて民間事業者で提案をしてくれと。その考え方につい ては、工期を短く、区の財政負担を最小限にと。この2点がポイントですと。 これは細かく見ると色々あるんですが、渋谷区としては事業全体どうやったら 庁舎が一番安く、最短でできるかそれを提案してくれということで、敷地に関 しても検討の対象となる敷地と、それをどう使うかは事業者で考えてほしいと、 開発手法も配当計画も事業者の方で考えてくれと。そういうことで、次のペー ジですが、民間の建築雑誌の方がまとめてくれている記事を流用させてもらっ ていますが、事業者A、B、C、D、Eと5グループの提案がまとまっており ますけれども、ちょっとだけご説明致しますと、Aは例えば容積移転とか土地 付け替え。同じ容積移転をしているのはDとEですね。要はこの神南小学校を 土地としては使わないけれども、その分の未消化の容積を次の、庁舎の建替え に使わせて下さい、というのが、それがA、D、Eの案ですね。Bの案は小学 校を挟んで飛んだ神南分庁舎という、区が使っているちょっとした土地があっ たんですけれども、それを小学校が使っていない庁舎側の隣接地に付け替えて 一体で使わせて下さいと、そしてCの提案はそういったことをせずに、現存の 区庁舎と公会堂の土地だけでやりますという案ですね。実は私どもはCの案で ございます。というのは先ほどの募集要項の目的にあったように、工期を短く 18 してくれというのが、これがきっとプライオリティーが上なんじゃないかと私 どもの方は考えまして、小学校が入りますと、他に協議しなくてはならない先 が増えるので、その分スケジュールが見え辛くなるということで、その余剰容 積分の消化という手法を使わずに既存の敷地だけで提案をしたということでご ざいます。それが結果的に評価のポイントとして高かったと、下の表ではなっ ております。それでその次のページに、とはいうものの、非常に自由度が高か ったのは、逆に状況が変化してくると、やはり事業として難しい側面も出てく るんですが、その部分がこちらで、昨今のコスト上昇をこれはもう優先交渉権 をいただいた後の協議ということで、協議の内容で、当初の案よりも若干総合 設計の範囲内で許される、要は建築基準法上の範囲内で許される容積率の割り 増しを協議させていただいて、何とかコストを吸収して進めていきましょうと いうことで対応させていただいております。先に申し上げれば良かったんです けれども、右側の絵がスキーム図です。区さんの一部に定期借地権を設定して、 その権利金一括前払い地代で、新庁舎と公会堂の建設費に充てると、ただ、P FIあるいは公共施設事業とう形態ではなく、私どもが建築してお譲りすると いう、あくまでも民間事業の形態をとっております。 続きまして、ネガティブな事例ということで、取り組み辛かった事例でござ います。今日お配りしております資料、一部の方は中が白紙状態になっている 方もおりますけれども、かなり具体的な話なものですから、一部の方からは白 紙にさせていただいております。こちら定期借地権の契約書の差押え条項、執 行受諾文言がその定借の契約書に書かれているという、これが地方公共団体の 方からいただく定借の契約書で散見されるものですから、それを採り上げてお ります。条文を見読みますと21条で飛ばしますけれども、甲、要は地方公共 団体が判決を得ることなく直ちに強制執行を行うことについて、民間事業者は 意義がないことを認諾するという条項です。これにつきまして、私ども事業会 社のコーポレートで金融機関からローンを引っ張っておりまして、他の一般通 常の取引ですね。その取引約定書の中に私どもの金融機関の口座に差押え等の 通知があった場合、差押えの命令、通知が発信された時には、直ちに期限の利 益の喪失にダイレクトにつながってしまうという条項が入っておりますので、 この強制執行の認諾の文言が入っておりますと全ての事業に影響を与える可能 性があるということで、これはさすがに受け入れ辛いということで、この条項 一つで地方公共団体さんとの定期借地権契約が交わせないことが出てくる事例 がありますということでございます。それにつきましてどうしているかという と、地方自治法施行令の171条に基本的には地方公共団体の長は、その債権 について履行が無い場合は期限を指定してこれを督促しなければならない、と 要は督促をしなさいという原則がまずあるので、これの原則通りやらせて下さ 19 い、という申し入れをさせていただいております。 次ですが、これはB事例ということで、転売、転貸の禁止あるいは不確定要 素が存在するということで、こちらについては、公立の学校の跡地だったもの ですから、私どもの方は地元の医療法人と組んでサ高住を建設して地元で運営 してもらいたいなと形を狙っておったんですが、転貸はだめですと、あるいは 転売もだめですということで、要は学校の跡地を借りた民間事業者がもし建物 を建てるのであれば建物を建てて、運営まで全てやりなさいというのが当初の 趣旨だったものですから、一括で投資をすることが負担である地元の医療法人 はそれができないということで、私どもと組まれたかったんですけれどもでき なかったという事例です。あるいは同じような場所で近隣、先ほどの歴史的な 経緯ということで、いい悪いというよりは致し方ないという部分もあるんです けれども、提案があった内容に関して近隣に説明して、それが受け入れられて から初めてそれを採択すると。あるいは今現在使っている方々に対して、有料 で使われるのか、あるいは無料で使われるのか、あるいは新しく建て替わった 施設に対して入られるのか、入られないのか。それは全部協議によって決まり ますといった内容だったものですから、先に責任ある経済的な条件を提示する ことができるということまで持って行けず、最終的には提案するところまでは 至りませんでした、という内容でございます。 最後の三つ目ですが、これはある学生寮の整備に関してですけれども、大学 の方は一部民間事業者の方で負担をしてほしいと、そしてその分は運営フィー で回収してほしいと。但し、寮生を入れる入れないと、入居率あるいはその年 入れる入れないについては全て大学が決めますという内容でございました。私 どもは、それは若干私どもが取るべきリスクではないという判断で、そこにつ きましてはある意味固定で回収させて下さいと、要は貸し金に近いものだと。 マーケットリスクを取るべき話ではないという判断で、そういった話し合いを させていただきましたけれども、うまくすりあわなかったと、そういう事例で ございます。 最後その他ということで書いてありますけれども、これはよく言われる政治 リスクで、議会の日程ですとか首長さんの選挙の日程ですとか、そういったも のをやっぱりどうしてもスケジュールの中で見合ってしまいますし、資格要件 も地元の企業も排除するつもりは全くありませんけれども、ノウハウの導入、 何を民間に求めるかということによっては資格要件も柔軟に考えていただきた いということと、コンソーシアム組成という意味で言うと、事業完了まで3年 から5年かかる事業もありますので、例えばテナントさんですとか、ゼネコン さんですとか、そういったところは後で決めた方がより良い事業になるような 長期のプロジェクトもあるということはご承知おき下さいと、そういう意味で 20 す。 まとめとしてまとめておりますけれども、一番上が殆どだと思います。せっ かくPPP、PFIというか、民間と協業するということであれば、官が何を 民間に求めているのかということを具体的に明確にしていただいて、それに見 合った形での評価ですとか、見合った形でのプレイヤーの募集ですとか、そう いったところをリスク分担も含めて明確にしていただくのが多分一番のところ で、その他、下にずらずらと書かせていただいておりますけれども、おそらく その辺りは枝葉の話かなと、そういう風に思っております。以上でございます。 中川座長) ありがとうございました。今議事の3ということで、民間の方々の取組のご 説明をさせていただいているわけですけれども、引き続きまして三菱商事UB Sリアルティ深井本部長様お願い致します。 深井本部長) はい、三菱商事UBSの深井と申します。まず10ページを開いていただ きまして、三菱商事UBSリアルティと産業ファンド投資法人の関係について ご説明したいと思います。今日お話ししますのは産業ファンド投資法人の不動 産取引事例ですが、産業ファンド投資法人というのは2007年10月に東証 に上場しました産業施設、インフラ施設に投資します国内唯一のREITでご ざいます。企業のB/S再構築や、財務体質向上等を目的としたCRE戦略、 PRE戦略の効率化に伴う不動産売却ニーズに対応するため、各種のソリュー ションを提供しているというのが産業ファンド投資法人の特徴でございます。 下に書いてありますのがREITの仕組みでございますが、投資法人自体は従 業員がおりませんので、私ども運用会社三菱商事UBSリアルティが今100 人ほどの従業員がおります。この運用会社は産業ファンド投資法人と日本リテ ールファンド投資法人と二つのファンドを運用しているという会社でございま す。産業ファンド投資法人は今1,800億円程の資産、日本リテールファン ド投資本人は8,000億円を超えていますので、合わせて 1 兆円の資産運用 をしているのが三菱商事UBSリアルティということでございます。それでは、 一番最初のページに戻っていただきまして、2ページをお開き下さい。今日お 話しする内容をまとめてあります。まず一番上、地方公共団体所有地における PRE、CRE複合提案事例ということで神戸と広島の事例をお話しさせてい ただきます。次に羽田の国有地、羽田の国有地の上にある、CREですね、J ALのメンテナンスセンターの話をさせていただきます。次に公的団体、これ はURさんですが、URさんの分譲地ジョンソン&ジョンソンのCRE提案と いうことでございます。最後に、これは民間の取引なんですが、PREの参考 になるという事例で、港湾施設で名古屋港のタンクターミナル、あとテクノロ ジーセンター、これは大成建設さんの研究施設というところでお話しをさせて いただきます。 21 では、ページをめくっていただきまして3ページ目、これはPRE、CRE の複合提案ということで 左下のスキーム図を見ていただきますと、神戸市さ んが持っていた土地に、日新という物流会社が借地していたということで、神 戸市さんはこの土地を売却したいと、一方日新さんはキャッシュアウトしてこ の不動産を持ちたくないと、いうことのニーズがそれぞれあったというところ で、産業ファンドがこの両社のニーズを蝶番でつなぐような形で私どもが最終 的に土地と建物の所有者となって、日新さんがこの場所にテナントとしてオペ レーションを続けることができたと、そして神戸市さんはこの土地を売却する ことができた、ということでこのコラボレーションですね。私どもがやってお りますのは大体タイミングとコラボレーションというのがキーワードになりま すけれども、この売却したいというタイミング、この場所で続けたいという意 思決定をしたという企業さまのタイミングですね、このコラボレーションいう ことで、この日新さんと私どもと神戸市さんとコラボレーションをやったとい う事例でございます。 次のページ4ページ目。これは広島県さんとのコラボレーションということ でございますが、これも左下のスキームを見ていただきますと、広島県様が売 却したいというニーズがございまして、ムロオさんがこの場所、この新しい施 設を建築したい、と。新しい物流施設を集約したいというニーズがございまし て、それぞれのニーズですね、広島県さんの売却したいというニーズ、ムロオ という物流会社の、この新しい建物を作って、かつキャッシュアウトしてB/ Sに乗せたくないというニーズを蝶番で私どもがCREとPREに複合提案を することで、最終的に産業ファンドが土地建物の所有者となったという案件で ございます。これもタイミングを合致させてコラボレーションしたという案件 でございます。 次の5ページを見ますと、羽田の国有地上のJALへのCRE提案というこ とでございますが、左の図を見ていただきますと、羽田の滑走路が4本ありま す。ブルーの滑走路が3本と赤い滑走路が 1 本で、このM1、M2というのが メンテナンスセンターの1、2でございまして、これを私どもがJALさんか ら買ったという案件でございます。これは国有地ということで未だにこの土地 は借地でございますが、国有地、国の許可を取りながらやっているということ で、依然として公的なセクターとのコラボレーションが続いているという案件 でございます。 次の6ページ目ですね。これは公的な団体のURさん、独立行政法人の都市 再生機構さんが持っている土地で分譲している最中でございましたが、左下の スキーム図を見ていただきますと、まず産業ファンドが更地の状態で土地を買 いました。一方で、ジョンソン&ジョンソンさんはグローバル企業でございま 22 すから、B/Sを膨らませたくないと、資本効率を高めながら経営をしたいと いうことで、これも私どもが建物の代金を最終的に払って、それで建物の所有 者になり、土地と建物の所有者になって、ジョンソン&ジョンソンさんは自分 たち仕様の施設を作ることができたということで、右の地図を見ていただきま すと、羽田の向かい側にある、川崎のキングスカイフロントというところに立 地しておりまして、この場所が便利だというところで、アジアの香港、シンガ ポールとか、そういうような拠点のジョンソン&ジョンソンさんのスタッフが ここにやってきて、研修ですね、医療機器なんかの使い方なんかの研修を受け て、またアジアに戻っていくと、いうことでこの場所が非常に便利だというよ うな、この評価を受けまして、ここの進出を決めたという案件でございます。 まさにこれは意思決定のタイミングとコラボレーションを行って、案件として 成立したというものでございます。 次の7ページ目。これは直接的にはPREということではございませんが、 港湾施設ということで、PREという観点で見れば参考になるのではないかと いうことで事例を載せておりますが、これはもともと土地建物を伊藤忠10 0%子会社であるケミカルロジテックという会社が持っていました。ケミカル ロジックはこの土地を売却して資金を作りたいと。伊藤忠さん100%子会社 ですので簡単にローンを借りられるということはあったんですけれども、自ら のアセットをオフバランスして、資本効率を高めると同時にこの写真にある空 き地がまだ敷地が残っておるんですが、円柱型のタンクを増設して収益率を高 めたいと、自らキャッシュを作り、それで新たな設備投資をするという前向き な考え方ですね、アセットファイナンスを自ら行ったという案件でございます。 こういうような港湾施設というのはPREだろうとCERだろうと、私どもと してはインフラの投資対象ということで、引き続き投資していきたいという案 件の一つでございます。 次のページをめくっていただきまして8ページ目。これは研究開発施設とい うことで、左上に大成建設さんの水理実験棟、防耐火実験棟、環境実験棟とあ りますが、ここの土地部分を底地部分ですね、これをセール&リースバックで 産業ファンドが買ったという案件でございます。これは民間の研究施設なんで すけれども、例えば大学の研究施設とか、国の研究施設でもいいんですけれど も、そういうところの底地でも私どもは投資対象として考えておりますので、 そういう意味ではこれはCREの事例ではございますが、先々このPREの案 件としてもこういう研究施設の底地があれば、是非やっていきたいというよう な案件でございます。以上でございます。 中川座長) はい、ありがとうございます。財間様、深井様どうもありがとうございまし た。それではただいまお二方にご説明いただきました事例につきましてご質問、 23 それから事務局の問題設定や事例取りまとめの方向性に対する、財間室長、深 井本部長のご説明を踏まえた指摘、全体を通じた質問、何でも結構でございま すの、最後の質問、ご意見の時間になると思いますので、自由闊達なご意見を いただければと思います。いかがでしょうか。はい、鈴木さん、お願い致しま す。 鈴木委員) 横浜市の財政局資産経営課長の鈴木でございます。ただいま民間事業者の皆 様から色々な視点での資料のご説明をいただきまして大変参考になりました。 その中で一点気付きまして、先ほどの事例にも関わると思いましたので、ちょ っとお話をさせていただきたいと思います。例えば南青山のプロジェクトで、 5年後に譲渡等を認めてもらえたとか、またネガティブなところで言うと転売 等ができないので、なかなかプロジェクトが進まなかったとかいうようなお話 をいただきました。不動産の証券化や信託等を考えた時に、私ども行政の立場 から言うと、大体公募で売却をするとかいった時には審査をするわけなんです が、提案をいただいた主体、もしくは売却をさせていただいた主体が、変わっ てしまうというのは非常に不安要素があります。やはり公有財産を売却した以 上、長期的かつ安定的に運営されることが望ましいことでございまして、 証 券化等の成功事例について、いわゆる事業スキームがどのように担保されたの か、そういうところを是非、私ども自治体としてはお教えいただきたいと思い ます。やはりそこの部分が今後不動産の証券化等検討する中で非常に大きな部 分となるのかなとそういう風に思っております。以上でございます。 中川座長) 転売されて、その所有者が代わったり利用者が代わったりすることについて、 やはり行政的には抵抗があるというようなお話だと思うんですけれども、それ は具体的にどういう心配になるのでしょうか。同じような用途であれば構わな いとか、あるいは無茶苦茶な利用をされなければいいとか、色々なご要請とか レベルがあると思うんですけれども。 鈴木委員) いわゆる提案をいただいた中身が、オペレーションが継続的に行えるという サポートの体制、PM、AMのこととか、いわゆる証券化されたとしても、所 有権が代わったとしても、事業内容は提案時から変わっていきませんよ、とそ ういった担保が是非いただければと思います。 中川座長) ありがとうございます。その他いかがでしょうか。はい、お願いします。 松野委員) すみません、度々。先ほどの事例等見させていただいて、先ほどのちょっと その前の意見にもちょっと通じるんですが、すごくこれは行政からすると、民 間の提案をどちらかというと今まで行政指導的なところがネガティブな部分だ と思うんですが、やはりこうより良く幅広く提案を受けるという場合において、 何がポイントというのかというのが凄くこれが二つ合わせて分かりやすいとこ ろがあって、具体的な事例もそうなんですが、先ほど言った入口の部分でこれ 24 を丸々というわけにはいかないだと思うんですが、こういったものを先ほど意 見の一つとして入れていただくと、大変行政側からすると参考になる部分があ る。その次として横浜市さんがおっしゃった部分のところもあれば、猶更具体 的なものとしてすごくいいんじゃないかなというふうに思いました。すみませ ん。 中川座長) はい、ありがとうございます。すみません、ちょっと私がイメージついてい ないのかもしれないんですけれど、今の例えば財間さんのご説明は、受ける側 の民間の自由度が凄く発揮できるような提案で、やはりそういう場でデベロッ パー魂が刺激されるし、すごく合理的な提案ができるということだと多分思う んですけれど、そういうことは、例えば地方公共団体の方にとってみたら、民 間の自由な提案をして下さい、というものに対して、それを審査して、例えば 浜松市が何か市有地を処分するとか施設を処分するにあたって、今深井さんと か財間さんのご説明のご実績にあるような内容の提案を受けたとしても、それ をどう判断するって言いますか、そういうノウハウっていう部分がどうなのか なと。例えば浜松市さんとか横浜市さんとかそういうところはあるかもしれま せんけれども、例えば私の故郷の秋田市など、小さな規模のところになった場 合、判断能力というのはあるのかなと。マーケットに自由に提案してください っていうようなことをやって、それが適切な結果を生むかということについて、 そういうことを受け切れるのかなという、ややそういう疑問があったのと、実 は私は午前中に都市局の委員会で、都市計画コンサルタントとか色々な都市計 画やまちづくりにコンサルタントとして寄り添ってきた人たちの新しい方向性 みたいなものを議論する場面がありまして、実はその企画の段階とか、提案の 段階とか、政策の段階とか、オープンに公募する前の段階で色々なご相談に乗 っていただけるとか、そういう部分って実は大切なのかなとも思うんですけれ ども、今深井様とか財間様からご提案をいただいたっていうのは、基本的には 実は自由な提案をして下さいということで、それでその成功したっていうよう な事例だと思うんですけれど、企画のより前の段階から何て言いますか、ご相 談に乗っていただけるとか、そういうニーズっていうのは、松野さんどうです かね、そういうニーズはあるんですか、無いんですか。 松野委員) はい、あの、本市は公共施設見直しも入口としてとにかく官民連携というと ころで幅広くやっていこうということで、今、今年度も色々モデルケースとし て色々やっているんですけれども、まず入口でおっしゃる通り、まず入口でノ ウハウが無いので、まず何を、どうしてもやっぱり例えば何かを欲しい、行政 の機能として欲しいといった時に行政の中で考えてもやはり行政主導になって しまいますんですね。まあこれは土地の活用もそうですし、まあ求める機能も そうなんですけれども、そうする時に、まず入口として、色々な意見が欲しい 25 ということが正直あって、多分これ今自治体さんがやっている中ではあって、 どちらかと言えばまあ公平性は別としても、どこかのやっぱりこう、その興味 を持っているところと、色々情報交換をしたりというところは正直言ってある 部分があります。その部分がもう少し発展すると例えば委員会とかうんぬんと いうことで公平的な第三者委員を入れてやるケースもあるんですが、結果的に っていうのはやはりこう、蓋を開けてみないと行政も分からない部分があって、 最低限、先ほど横浜市さんの課長さんがおっしゃった通り、最低限、行政とし て譲れないところと、あとはまあ入口として、市としてもはっきりこの、行政 としてこういうのが欲しいといったビジョンの明確化と譲れない部分、この2 ポイントだけしっかりしていれば、後はまあ自由にした方が良いんじゃないか と。 まあそれは本市だけじゃないかもしれないですが、やっぱり地方というとこ う、やはり大都市を真似して色々なまちづくりということでやったんですが、 結果的に全てだめになっているっていうのは、どこかしらこう行政主導という ところがやっぱりあって、その中で言うと、行政が口を出すところ、出さない ところ、そこはしっかり整理をする中で自由な発想、なるべく行政が要は足を 引っ張らない、民間の、要はどんどん知恵を貸して下さいと言いながら行政主 導っていう部分は見直すべきべきだということで、今本市は、そういうやり方 をやっていると。それが10年20年となってどうなるかっていうのは正直分 からないんですが、最悪の場合はまた必要であれば行政がまあ直営でやってし まえばいいという考え方もあるのかな、という。まあ割り切った形でまず今手 探りの状況というのは正直あると思います。 中川座長)はい、ありがとうございます。あの最初まず松野さんがおっしゃった銀行と協 定と言っても、何か、どういう感じでみたいなところって、スターターの部分 をどうするのかっていうのは、多分事例集が一つの答えかもしれませんけれど も、バーっと公募して、良い提案を受けてということだけではなくて、もう少 し最初の方から、何かこう、寄り添うようなことが考えられれば非常にありが たいと。事例集の中で解決すべき問題じゃないかもしれませんけれど、そんな 気がしました。他にいかがでしょうか。はい、村木さん、お願いします。 村木委員)今の点につきまして、最初から行政さんと特定のデベロッパーなどが寄り添い 過ぎますと、入札案件の際に、別の業者が応札をしようとしますと、資格要件 がにかなり厳しいときがあります。ある特定の業者さんしか応札できないんじ ゃないかと思われるような案件もよくありました。最初から寄り添うことも必 要ですが、実際の入札のところでは、少し資格要件を緩めておいていただいた 方がいいような気がします。以上です。 中川座長)はい、ありがとうございます。それって何かあれですよね、PFIとかPPP 26 でもなんかあの、色々すごくスキームを考えても、最後にはなんか違うなって、 そって多分色々な工夫があると思いますから、それも研究していただければと 思います。それで今の話にちょっと関係するんですけれども、あの財間さんの 話しで、その、ノウハウの移転とかっていうのを考えたらっていうのがあった じゃないですか。やっぱりノウハウの移転ってすごい重要だと思うんですよね。 例えば、三井不動産さんが最先端のノウハウを持って、ある地方でそういうそ の処理って言いますか、対応した時のノウハウっていうのは、例えば何かジョ イントを組んでいたら、その地元の方にも流れると思うんですが、そういう感 じの技術移転のされ方をするんでしょうか。それともその地方公共団体の方が 見ているから、それはそのノウハウが移転したっていう形になるんでしょうか。 多分その、なかなかノウハウの移転があるからっていうことが無い限り、なか なかそういう意見っていうのはあるような気がするんですけれども、ちょっと 教えていただければと思います。 財間室長)はい、資料でノウハウの移転うんぬんって書いたところって、多分資格要件と、 なんて言うんですか、相対する感じで資料を書いたと思うんですけれども、あ そこで意識をしたのは、ちょっと具体的な事例として適切かどうかっていうの はあるんですけれど、分かりやすい事例で言うと、地方都市の例えば、商業開 発をイメージしていただけると分かりやすいかもしれないんですけど、公的な 部分と民間の部分の、民間の収益事業部分が例えば商業開発だという観点で見 ていただくと分かるかもしれませんけれども、そこのテナントさんの誘致だと か、例えばその場所にどういう業種、業態の店が一番、要はお客さんを呼べる か、要は集客力があるのかっていう観点で見た時に、私どものやっぱりあの、 全国で運営している商業のノウハウと、テナントさん、あるいは物販、飲食と のリレーションシップを活かして、そういう部分を連れてくる、っていう、そ の誘致のところもある意味ノウハウであって、そこを意識してちょっと書いた んですね、ここに関しては。ただ、ここで意識したときは行政、地方公共団体 の資格要件が、もうとにかく、すべからく市内に本社が所在する、ある事業者 じゃないと、テナントもだめ、というか応募企業になっちゃだめ、というよう なものだったものですから、私どものノウハウが活かせなかったということで こちらには書いています。技術的云々という意味で言うと、多分証券化等を将 来像で置いていく時には、やっぱり地方に関して言うと、そもそもその証券化 に関してのノウハウを持っている専門家っていうのが金融系の業界含めて地方 には少ないと思うので、そういう意味では、証券化手法をPREに導入してい くっていうことを前提に置いた時には、もう東京からパッケージで持っていく 形まで何ていうんですか、インフラを整えていかないとスタートしていかない んじゃないかなと、いう気がしますけれども、そういう意味で今の先生のご指 27 摘はちょっとそっちまで想像しちゃったものですから、今一言付け加えますけ れど。 中川座長)他にいかがでしょうか。大丈夫でしょうか。まだ時間がありますのでもうちょ っとどうぞ。はい、東浦さん、お願いします。 東浦委員)東京都の東浦です。今色々お話をお聞きしまして、例えば先ほどの三井不動産 さんの中で、ポジティブ事例等で当方の実施しているプロジェクトがいくつか 挙がったりしていまして、例えば神宮前は、竣工してまだそんなに、建って1 0年くらいなんですけれども、所有形態が二度ほど変わっているという状況に なっていまして、行政側としては、一体どういうことなんだというのが正直な ところなんですね。例えば、そのコンペ型、提案型等で、価格だけではなくて 総合的なプランニングを含めて、事業性を重視して採用している、と。で、こ この企業だからこういう形でやってくれるんだっていうところで例えば選んで いる。それが現実的に竣工して数年で、実は転売したいんだという話になって くると、そもそも論が崩れてきてしまっているという部分を感じるんですね。 それはまあ、当然企業側からしてみれば、例えば建築費用にかかっている借 入金の利息の償還を早めにしたいとか、色々な要素があって、単純にその建物 から利益が得られないから逃げるんだとか、そういうことではないんだってい うのはあるんだとは思うんですけれども、当然それは転売した先も同じような 状況が起こり得ていく、と。で、変な話、一度二度だったらいいんですけど、 それがどんどん、どんどんこう進んでいく、と。よくあの、転職なんかされる 方っていうのは、最初はすごく、転職するのに何ていうんですかね、簡単にで きなくて一大決心でやっていくんですけど、二度三度やっていくと段々当たり 前になってしまうみたいな形で、どんどんどんどん、転売するのが当たり前な ような形になって、気が付けばここはどんな企業なんだ、というようなことに なっていく懸念っていうのが当然ある。となってくると、やっぱり行政側とし ては長くやっていただくっていうのが前提となってきてしまっているので、な かなか難しいよね、っていう話になっていく。そして、今回議論になっている 証券化っていう形になっていきますと、当然その、我々素人ですので、その証 券化っていうのが深くどんなものなのかっていうのが分かり切っていないって いう部分はあるんですけれども、一義的に言うと投資目的みたいな形のイメー ジが、まあREITとかで見るとそういうことだと思うんですけれども、そう するとこう、いわゆるPFIでやるよりも、更に、その、企業側として要は転 売しやすいというか、こう、ころころころころ変わっていくリスクっていうの が、行政からしてみると高まるんじゃないかなっていう懸念があってしまうん ですね。そうすると当然その最初の選択肢の中で証券化っていうのがもう、そ の選択肢に入ってこないっていう状況に、現実はなっています。 28 東京都なんかでも色々改築とか色々進めている中で、当然その計画を立てて いく中ではPFI事業でやるべきか、直営でやるべきかっていうものについて は、きちんと調査をして、これは直営でやるべきだね、とか、これはPFI事 業でやっていく方が利点が多いよね、とかそういう形で判断をしていっている んですけれども、そこには当然証券化っていうのは選択肢として入っていない っていうのが現実なところです。ですので、今回こういう場で事例集を作って いって、具体的に各自治体がそれを導入していく手法を作っていくっていうと ころをやっていく中で、その、なんで証券化なのか、証券化をすることによっ て、民間の方にはメリットが当然あると思うんですけれども、自治体にどんな メリットがあるのか、っていうところがやっぱり見えてこないと、そもそも論 として、イメージの払しょくっていうのが多分できないんだと思うんですね。 当然、その道の専門家っていうのが、中には自治体でそれを突きつめているっ てのはあるのかもしれませんけれども、原則的には実際には皆さんの中には広 く浅い知識しかありませんので、そうなってくるとなかなかそこをこう打破し て、あ、これいいねっていうのは、なかなか難しいのかなっていのうが現実だ と思います。これもちょっと関係ない話なんですけれども、例えば平成の始め くらいに地価が高騰していく中で、民間の力を使ってうまくやっていく、とい うことで、不動産信託っていう手法が広く行政に使えるようになってやってい ったということがあったんですけれども、これも結局蓋を開けてみたら、これ はバブル崩壊っていう色んな事情があったっていうとこもあるんですけれども、 各自治体かなり苦労されて今日に至っているというとこがあったりするんです ね。そういうところを踏まえていくと、なかなかその、民間さんの力を使って、 やらさせていただくっていうのが、うまくできないっていうところがやっぱり ある。そうなってくると直営でやっていた方がというとこに戻っていってしま う、っていうところも多分あるんだと思うんですよね。その辺を当然その、こ ういうものを作っていく中では、我々の、まあある意味素人にも分かるような 形で、当然リスクっていうのが無くなるわけではないと思うんで、そのリスク を踏まえながらも、こういう形で利点がある。だからこういう形で証券化を導 入していくっていうのは非常に、地方自治体にとってはあり得る話だ、ってい うところが分かるような筋道を立てていただければなっていうのが、ちょっと 今日、今色々話を聞いてみて私が思ったところでございます。以上です。 中川座長)ありがとうございます。今の議論では、横浜市さんの方からもご呈示いただい たんですが、ちょっと理解を助ける意味で教えていただきたいんですが、要す るに、その、最初の契約の部分で担保したいのは何かっていう部分で、例えば その用途とかで言えば、転売をする際に、契約で縛ることは多分できると思う んですよね。要するに多分、証券化っていうのは多分その、転売とか流動化す 29 ることができるんで、お金が集まりやすいっていう、そういう、その性質もあ るわけですから。お金をその、集めやすくするっていうようなニーズが非常に 強い自治体っていうのは、多分あると思うんですね。お金がないところとか。 そういう意味ではやっぱりあのお金を集めやすいそのスキームを導入する意味 っていうのは多分あると思うんです。ただ、東浦委員がおっしゃったように、 どんどん転売されていく中で、自治体が担保しようと思っている機能がそもそ も変質してしまうっていうことについては、ものすごく心配っていうよりは、 それはその絶対避けたい部分だと。それが、要するに転売って言いますか、契 約の中で契約に書けないとか、普通の法制度の中で担保できないものなのかど うなのかって言うのは、それはちょっと教えていただきたいなと。 東浦委員)転売に関しては、まあ例えば転売をしないようにという形では単純に書くこと は可能だと思うんですけれども、まあ多分そうすると、先ほどお話しに出たよ うに、なかなか参入に障害がある、という話になってくるのかなと、いうふう に思っています。だから、ちょっとこれはどういう形で見ていけばというのは 分からないんですけれども、仮にそういう事業をやっていく中で、その転売の 部分も含めた何かこう、リスク管理って言うんですかね、企業側からも提案が あって、それがまあ理に適っているようなものであって、それも含めての審査 であったりするっていうところがあってもいいのかな、と、今あったように証 券化っていうのは流動化を目的としているっていうことなので、更にその流れ が強くなるっていうふうに思うんですね。そうすると我々みたいな素人的なも ので考えるところっていうのは、より流動化してしまうんだったらリスクしか ないじゃないか、と。敢えてそこまでやる必要性があるのか、まあもちろん今 お話しがあったように、その自治体も、その資金力っていうのは色々各自治体 に違いが当然ありまして。まあ流動化をある程度容認してでもそういう形で事 業を進めることが先決だって思う当然自治体もあるでしょうし、そこまでする んであれば、起債してやった方が条件も良いし、そっちでやればいいじゃない か、って思うところも当然あると思うんですね。 まあ、だからそれはいくらリスクの部分がこう、企業側からきちんと提示さ れても、結果的に、でもさあ、となっても、最終的には自分のところでという 話になるのかもしれないんですけれども、まあ結構その辺っていうのが多分今 まではうやむやに結構なっている部分であって、行政側としてもその中身がよ く分からないまま、まあちょっと避けるべきだよね、みたいなものが漫然と、 こう広がっている、というのが今の現実だというふうに考えておりますね。そ の辺が、こういうやり方でやっていけば、こういうリスクはあっても、こうい う利点もあって、そこの天秤のかけ方っていうのは行政の判断次第なんだな、 と、いうところの選択ができるようなものっていうのをもうちょっと出してい 30 ただいて、そうすると多分行政側もその判断の基準っていうのがもうちょっと 分かりやすくなっていって、まあ導入をしてみようかなとかいう機運も広がっ ていくんではないかな、というふうに思います。 中川座長)はい、ありがとうございます。最初に、自治体の方が見て、こういうところが メリットだというようなことを申し上げましたが、東浦さんの方から、或いは 横浜市さんの方からご議論いただいたように、リスクって言っちゃうとちょっ とあれですけれども、こういう課題もあるんだよというところも含めて、そん なに証券化とかそういうものに通暁しているわけじゃない自治体の方に正確な 情報が伝わるような、そういう事例集にしていただければと、そういうことだ と思います。それでは、まあまあ時間が来たんですけれども、是非ともという 方がいらっしゃれば。はい、村木さん、どうぞ。 村木委員)例示されている事例集についての感想ですが、事実の記述が結構多いのですが、 プロジェクトを進める上で、官、民のどういう人がそのリーダーシップをとっ てこう進めていったのかというのと、それから、そこでどんな課題にぶつかっ て、どのように解決したのかっていうことについて、もう少し記述があれば面 白い事例集になるんじゃないかなというふうに思います。是非よろしくお願い します。 中川座長)はい、ありがとうございました。それでは、時間に参りましたので本日の議事 は終了させていただきます。もしも、是非ともご意見をという方がいらっしゃ いましたら、事務局宛にご意見をメールでいただければと思います。予定され ている議事は以上でございますので、議事進行を事務局にお返しいたします。 小林室長)はい、中川座長、議事進行をいただきましてありがとうございました。また、 委員の皆様におかれましては貴重なご意見を賜りまして、まことにありがとう ございました。本日の委員会の議事につきましては後日、議事録を作成いたし まして、国土交通省の web サイトに掲載をする予定でございます。また、資料 4三井不動産様の資料中のネガティブ事例につきましては、非公表を予定して いるということでありまして、委員の皆様限りとしていただければと思います。 また、次回の検討委員会の日程調整をするために、委員の皆様のお手元に、日 程調整表を配布させていただいておりますので、お手数ではありますが、現段 階でご都合の悪い日程がございます場合にはご記入をいただければ幸いでござ います。それでは、これをもちまして、第二回「証券化手法等による公的不動 産(PRE)の活用あり方」に関する検討会を閉会させていただきます。本日 は、誠にありがとうございました。 以上 31
© Copyright 2024 ExpyDoc