東北大金研中性子センターの将来構想

京大炉におけるビーム利用のための
次期中性子源検討3 ワークショップ
平成27年1月16日(金),京都大学原子炉実験所
東北大金研中性子センターの将来構想
東北大学金属材料研究所
量子ビーム金属物理学研究部門
中性子物質科学研究センター
藤田 全基
東北大学の中性子科学系物理研究室
理学部物理所属
東北大中性子Gの三号炉での実績
理学研究科:
2012
ソフトマター・生物物理(今井研)
物質構造物理(岩佐研)
多元研: スピン量子物性(佐藤研)
構造材料物性(木村研)
金研: 2012
出版論文数
全出版数の1/3が東北大装置の利用から
2013
2014
量子ビーム金属物理学(藤田研)
4つが3年以内にできた
新しいグループ
東北大装置の利用
年間約70グループ、延べ約200人以上
(毎年10%は新規ユーザー)
東北大の三号炉利用者数
約1/4は東北大から(最も活発な利用)
世界に誇る研究文化を背景に
多くの人材を輩出してきた
中性子科学コミュニティーを支えてきた
大型施設利用・装置運用の問題
JRR3の金研中性子装置群
HERMES
AKANE
研究室で管理・運営
J-PARCに装置を建設中
研究環境の変化、施設の大型化
・サイエンステーマの多様化
研究
・技術の専門化・細分化 装置建設・運営
・人材育成に使える時間の欠如 教育
研究室メンバーが従事
単独研究室で牽引可能な域を超える
中性子物質材料研究センターの設立
金研内にセンターを設立
金研機構マップ
(平成22年4月1日)
「東北大学金属材料研究所
中性子物質材料研究センター設置内規」
(設置)
第1条 東北大学金属材料研究所(以下「研究所」
という。)に、東北大学金属材料研究所中性子物質
材料研究センター(以下「センター」という。)を置
く。
(目的)
第2条 センターの目的は以下の3つである。
(1)物質材料研究における中性子利用の促進、新し
いシーズ発掘と情報発信を行い、材料科学分野にお
ける中性子プラットフォームの形成を担う。
(2)国内外関係諸機関との連携を通して中性子研究の
若手育人材育成に努めると共に、国際連携活動を推
進し、アジアにおける中性子分野の国際的研究協力
体制の構築に貢献する。
(3)J-PARC、JRR-3等に金研が設置した分光器の運
営と管理を行い、共同利用に供するとともに、非常
時等において関係機関との窓口となる。
構成委員5名
実務委員5名
運営委員10名
技術職員1名
中性子物質材料研究センターの設立
理念
「中性子科学と物質材料科学の継続的相互発展 -東北大学における戦略的中性子利用-」
目的
1. 中性子散乱プラットフォームの構築とその活用による物質材料科学への貢献 中性子利用の促進
人材育成
2. 中性子科学分野の若手教育と人材輩出に対する支援
3. 中性子利用者と施設研究グループの連携推進
RA的サブ拠点
ニーズ・シーズの発掘
具体的取り組みと目指す組織
1. 利用者の啓蒙、先端的利用の推進、中性子利用の最適化
※ 既存装置、建設中装置の利用「金研研究枠」(装置の維持管理を含む)
※ J-PARC, JRR3への学内窓口、学内研究者を介した企業の受け入れ
※ アウトリーチ活動、情報発信による認知度アップ、中性子利用のアピール
材料科学研究に戦略的に取り組む中性子組織
2. 教育機関としての役割の遂行
※ 中性子科学教育環境の整備(学内ネットワークの拡充)
※ 中性子の学校などの開催
※ 教育用ビームラインの活用(若手研究者との交流)
日本でもっとも多くの中性子研究者を育てる組織
3. 多様なユーザーの交流
※ 中性子利用組織の拠点化→ センターの実体化
※ 交流の推進(スパイラルアップ、クラウドタイプ)
※ プロジェクト研究、共同運営の提案
ユーザーコミュニティーにおいて成長する組織
中性子物質材料研究センターの設立
理念
「中性子科学と物質材料科学の継続的相互発展 -東北大学における戦略的中性子利用-」
目的
1. 中性子散乱プラットフォームの構築とその活用による物質材料科学への貢献 中性子利用の促進
人材育成
2. 中性子科学分野の若手教育と人材輩出に対する支援
3. 中性子利用者と施設研究グループの連携推進
RA的サブ拠点
ニーズ・シーズの発掘
材料科学研究に戦略的に取り組む中性子組織
日本でもっとも多くの中性子研究者を育てる組織
学内の中性子研究室と連携
中性子Practice Tour2014
@JRR3 ガイドホール
教育用装置の活用
HERMES-E
中性子物質材料研究センターの設立
理念
「中性子科学と物質材料科学の継続的相互発展 -東北大学における戦略的中性子利用-」
目的
1. 中性子散乱プラットフォームの構築とその活用による物質材料科学への貢献 中性子利用の促進
人材育成
2. 中性子科学分野の若手教育と人材輩出に対する支援
3. 中性子利用者と施設研究グループの連携推進
RA的サブ拠点
ユーザーコミュニティーにおいて成長する組織
東北大の持つ
豊富な研究素材
大学
研究室
新物質
新技術
これまでの施設利用
ニーズ・シーズの発掘
世界へ
サブ拠点
サイエンス
プロジェクト研究
個人研究
測定
人
大型研究施設
中性子物質材料研究センターの10年計画
東北大学中性子科学研究センター(仮)の設置案
ー東北大学研究教育基盤技術センターの業務組織としてー
2014年2月21日版
現状
東北大学中性子科学コミュニティー
研究教育基盤技術センター
研究室間の連携協力により、研究と
装置管理を行っている。
多元研
理学研究科
JRR-3装置
運営
JRR-3装置
(物性研所有)
学内コミュニティーが
一枚岩となり中性子科学を
WPI-AIMR
推進する体制を構築
金研中性子
センター
世話部局:金研
JRR-3装置群
光・量子ビーム科学推進
室で、量子ビーム全体の
JRR-3装置
連携像を議論する。
J-PARC装置POLANO
共同建設
共同運営
高エネルギー加
速器研究機構
(KEK)
協
力
J-PARCセンター
(第2期東北大マスタープランに基づ
きH24補正予算で建設中)
中性子科学研究センター(仮)
JAEA
J-PARC装置
POLANO
東北大学中性子科学コミュニティー
意義
以下のことを全学的な連携で推進する。
○ 装置の学内外への利用の促進
○ 学内技術を生かした装置の高度化
○ 分野融合型人材育成、教育
○ 外部機関(KEK, J-PARCセンター、
JAEA他)との連携、対応
○ 装置の管理・運営
○ 概算要求などの戦略的取り組み
物質科学 ー多彩な相互作用が織りなす世界ー
s
強相関電子系・材料
スピンヤンテラー効果
スピン
ラシュバ効果
スピンパイエルス転移
スピン軌道整列
u
格子
スピンラダー系
異常ホール効果
異常ネルンスト効果
位相・幾何
巨大磁気抵抗
BCS超伝導
光のホール効果
リラクサー強誘電性
電子の持つ複数
自由度の協奏
フォノンホール効果
l
軌道
高温超伝導
マルチフェロイック
軌道依存モット転移
Φ
光誘起相転移
電荷
e-
多彩な物理現象、機能が発現する
複数の量子ビームを有効利用して要となる相互作用を見極める
物質科学
ー多彩な相互作用が織りなす世界ー
大学・大型研究施設間連携と量子ビーム利用
強相関電子系・材料
量子ビーム利用
放射光施設
スピン
大学
位相・幾何
中性子施設
格子
大学・施設間連携?
軌道
ミュオン施設
電荷
企業
なぜ連係するのか?
-それぞれどうしたいか?どうありたいか?-
大学・大型研究施設間連携と量子ビーム利用
中性子利用連携
他大学
J-PARC
金研中性子
JAEA
物性研
KEK
京大炉
☆ 金研中性子センター:実体のある組織へ
☆ コミュニティーの継続的発展には”多重化”,”連係”が重要
リスク分散、ビーム利用の効率化
共同利用のミッションが大きな施設では難しい研究も、東北大では可能かもしれない
大学・大型研究施設間連携と量子ビーム利用
大型施設
如何に連携するか
大学
専門化
二局分離
ユーザー化
最先端量子ビーム研究の硬直化
議論すべき点
(肝要?)
人の流動化
成果創出
新しい制度の構築
- 関係する会合 第2回 物構研特別シンポジウム,物質・生命科学における大学共同利用(5/28)
「ユーザー・大学・大型施設連携の未来」
第9回 連携重点研究討論会,今後の共同利用の在り方を考える(8/6)
「中性子共同利用における東北大学の役割」
光・量子ビーム科学連携推進室 第4回ワークショップ(10/28)
「大学 ー多体相関の中で”肝要”を見抜く力を育成するー」
大学・大型研究施設間連携と量子ビーム利用
ピークの引き上げ
量子ビームの相補利用、先端技術開発の推進
インフラの活用…こういうことができる
大型研究施設
量子ビームの融合利用
量子ビーム科学の推進
価値共創, 役割の明確化
裾野の拡大
科学分野の間をつなげる、学際領域の創生
異分野交流からの創発…こういうことがやりたい
大学・企業
大学・大型研究施設間連携と量子ビーム利用
ピークの引き上げ
量子ビームの相補利用、先端技術開発の推進
インフラの活用…こういうことができる
大型研究施設
量子ビームの融合利用
サブ拠点が
量子ビーム科学の推進
両者をつなぐ
裾野の拡大
科学分野の間をつなげる、学際領域の創生
異分野交流からの創発…こういうことがやりたい
大学・企業
教育について
大学
大型施設
光・量子ビームプラットフォーム
量子ビームの特徴に合わせた教育
一歩踏み込んだグローバル人材の育成
肝要を見抜き
自ら考える力
を養成する
@ 大学
研究者の育成
新分野創生
俯瞰的視野を持つ者の育成
教育者の育成
組織の先導
量子ビーム科学の継続した発展
人材の輩出
まとめ
金研 中性子物質材料研究センター
理念
中性子科学と物質材料科学の継続的相互発展のために、東北大学で戦略的
に中性子を利用する
目的
☆ 中性子散乱プラットフォームの構築とその活用による物質材料科学への貢献
☆ 中性子科学分野の若手教育と人材輩出に対する支援
☆ 中性子利用者と施設研究グループの連携推進
大学・施設間連携
日本の中性子科学の発展を目指して
- つながり方の制度設計 -
ご静聴,ありがとうございました
学内中性子利用拠点
CYRIC
大型研究施設