構造最適化手法による 車両構体の強度向上

平成26年度 車両技術展示会
研究の目標
構体の高強度
構体
の高強度化と軽量化
の高強度化と
化と軽量化の両立を図るため
軽量化の両立を図るため、
の両立を図るため、車両構体の
車両構体の構
造精緻な応力解析をもとにした
造精緻な応力解析をもとにした最適化
した最適化手法を構築する
最適化手法を構築する。
手法を構築する。
⇒鉄道車両の安全性の向上や省エネ化に繋がる
構造最適化手法による
車両構体の強度向上
従来の取組み
• 板厚のみを目的関数とした構造最適化
• ハイトラムの骨組み構造の位相最適化
• ダブルスキン構造の最適化
鉄道力学研究部 (計算力学)
高垣 昌和
板厚の構造最適化
1
2
車両モデルによる
応力解析結果
1車両モデルは
車両モデルは、大規模となるため細密なモデル化が困難
⇒ズーミング法による評価領域の高精度モデル
3
(m/s2)
車両構体の構造最適化
ダブルスキン構造
骨組の位相最適化
位 1,2
2
度0
速加-1
-2
-3
0
高強度化および軽量化を目指した構造最適化手法の提案
高強度化および軽量化を目指した構造最適化手法の提案
3
(m/s2)
1車両モデルによる高応力領域の評価
車両モデルによる高応力領域の評価
走行試験データを基にした動的応力解析
ズーミング法による細密モデルの適用
溶接部のモデル化
1車両FEM
車両FEMモデル
FEMモデル
繰り返し
負
荷
位
3,4
1
2
0.02
0.04
0.06
時間 (s)
垂直負荷
位 1
位 2
位 3
位
4
1
度0
速加-1
-2
1車両FEM
車両FEMモデル
FEMモデル
-3
0
0.02
0.04
時間 (s)
ねじり負荷
0.06
(側面)
(屋根内側)
(車両全体)
ねじり負荷時のMises相当応力(GPa)
高負荷領域
1車両モデルによる応力解析(FEM
1車両モデルによる応力解析(FEM)
FEM) 3
4
部分構体モデルによる構造最適化
高負荷領域の形状最適化(側構構体)
MPa
MPa
最適化実施後
質量:
質量:12 %低減
最大応力
最大応力:
応力: 18%
18%減
(構体側面窓コーナー部)
構体側面窓コーナー部)
Misesの相当応力コンター図(質量低減12%)
(屋根部)
屋根部)
250
部分構体FEM
部分構体FEMモデル
FEMモデル
*ズーミング法
全領域を粗いモデル
で解析を行い、その
計算結果を境界値と
して、特定の局所領
域を精細なモデルに
より解析する手法
MPa
最適化条件
• 目的関数:応力最小
• 制約条件:構体質量(保持、12%減、20%減)
境界条件
• 1車両モデルによる解析からのズーミング
⇒モデルの同位置の変位を適用
1
0.8
200
150
力応
100
0
0.6
0.4
応力 軽量化率
5
10
最適計算 繰り返し数
最適化計算の経過
5
率化
量軽
0.2
0
最適化前
部分領域モデル(側柱)
6
高負荷領域の形状最適化(屋根部)
一車両全体における形状最適化の効果
最適化実施後
質量:
質量:12 %低減
最大応力
応力:
12%減
最大
応力: 12%
最適化構造の一車両モデルに適用
最適化前
最適化後
Misesの相当応力コンター図(質量低減12%)
MPa
250
0.8
200
150
力
応
0.6
0.4
100
0
強度向上と軽量化は、トレードオフの関係にある
1
応力 50
率化
量軽
0.2
軽量化率 0
5
10
最適計算 繰り返し数
最適化計算の経過
発生応力
構体質量
%
40
果
効
30
減
低
の
20
力
応
生
発10
最適化前
部分領域モデル(たるき)
7
20
10
0
0
高強度化← 最適化ウエイト →軽量化
%
構体の質量
構体の質量一定
質量一定
果
効
減
最大発生応力:
最大発生応力:40 %低減
低
の
量
最大応力一定
質 最大応力一定
体
構
軽量化:
軽量化: 7%
構造最適化による効果
8
研究のまとめ
オリジナリティ
• スポット溶接部などを再現した精緻な1車両モデルの
応力解析をもとに高負荷領域の構造最適化を実施
• 鉄道車両構体に適用可能な構造最適化アルゴリズ
ムを構築した
を構築した
活用性
• ズーミング法を活用したFEM
ズーミング法を活用したFEM解析により一車両の応
FEM解析により一車両の応
力評価を効率的に実施する手法を
力評価を効率的に実施する手法を構築した
実施する手法を構築した
既存構体の延命工事における構造
既存構体の延命工事における構造検討
の延命工事における構造検討
乗り心地等の改善に向けた剛性評価
乗り心地等の改善に向けた剛性評価
• 在来線車両に対して構造最適化
在来線 車両に対して構造最適化手法を適用し
車両に対して構造最適化 手法を適用し、
手法を適用し 、 構
体の高強度
体の高 強度化および
強度 化および軽量化が
化および軽量化が実現可能であること
軽量化が 実現可能であること
を示した
新構体構造の
新構体構造の提案
構造の提案
主要な研究成果
「構造最適化手法による車両構体の強度向上」
9
今後の展開
●N505141R「プレス成型体による車両構体の提案」
実施期間:2014-2016年度
• 従来構造から脱却し、最適化手法を元に新たな
構体構造の提案を目指す
• 軽量化に加えて剛性の向上、低重心化を目的として、
最適化手法を適用していく
機器による荷重
連結車両に
よる荷重
振動荷重
車両構体のバルクモデル
11
10