「製品回収(リコール)対応の手順」 ~製品回収の迅速・適切な対応のために~ 株式会社ベルシステム24 Ⅰ.顧客対応窓口(コールセンター) の立ち上げプロセスとポイント © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 1 1.顧客対応窓口(コールセンター)立ち上げにおける考え方 Points 初動の精度が業務の成否を決める 通常業務への支障 ユーザー及びマーケットからの信頼失墜 二次クレーム発生 二次対応の遅れ 回収・配送の遅れ 顧客満足度低下 クレーム増加 回線パンク コストの増大 研修スタッフ不足 変化・スピードへの柔軟な対応不可 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 2 2.立ち上げにおける注意点 十分な準備をすることが望ましいが、製品回収の特性上タイトなスケジュール の中で最大の効果をもとめなければならない。 製品回収フロー ・社内お客様相談室、製品回収専用コールセンター、物流、 そして販売店、営業店等の本社-現場間との情報共有が必 須。事前準備が重要になる。 受付体制 ・顧客対応窓口(コールセンター)体制構築は、システム開発 とオペレータ-採用がポイント。仕様・規模によっては1ヶ月 以上必要なこともある。 研修体制 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. ・時間的制約が多く、また開始後も状況に合わせて応対方 法の変更が頻繁に発生することが予想される。このことから、 コールセンターにおいては必要最小限の研修内容で始めて、 柔軟に対応できる体制にすることが重要。 3 3.立ち上げプロセスの全体像 機能設計 Points Points インフラ (⇒P.6) ファシリティ確保 (設備) Points 規模設計 (⇒P.5) 人材 (⇒P.7~) 人員確保 Points 情報 (⇒P.9) マニュアル・FAQ整備 教育研修 センター運用 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 4 4.立ち上げのポイント 規模設計 規模算出のステップ × 入電予測数 ÷ 処理時間 処理時間 入電予測数 ・対象製品と周辺製品 ・日毎の入電波動 ・通話時間と後処理時間 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 1 2 3 4 5 6 7 ※弊社業務実績A社の例 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 8 9 10 11 12 13 14 ・品質とのバランス 【日別処理時間推移】 【品質と稼働率の相関】 応 (対品質目標達成率) (初日を とした場合の処理時間の比率) 【日別入電件数推移】 1 席数 稼働率 ・周辺製品の問い合わせ (初日を とした場合の入電数の比率) 1 = ÷ 稼働率 運用時間 1.6 1.5 1.4 1.3 1.2 1.1 1 100% 85%を超えると 品質が悪化する 90% 80% ここが適正値 75%前後 70% 0.9 60% 0.8 0.7 1 2 3 4 5 6 7 ※弊社業務実績A社の例 8 9 10 11 12 13 14 50% 50% (稼働率) 60% 70% 80% 90% 100% 5 インフラ ファシリティ確保の 項目 インハウス(社内設備の利用) ・臨時電話回線申し込み 電話回線 電話機 Points PC Points ※ © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. Points ・既設回線を使用 ・フリーダイヤル申し込み ・フリーダイヤル確保済み ・大規模の場合はレンタル ・既設の電話機を使用 ・ハンドセットの電話機 ・コールセンター用電話機 ・大規模の場合はレンタル ・既設PCを使用 ・自社会議室を確保 スペース システム アウトソース(社外設備の利用) ・アウトソーサー保有スペースを使用 Points Points ・セキュリティインフラ工事 ・セキュリティインフラ保有 ・自社システム使用 ・簡易システム開発or受付表(紙) での運用 は、項目単体での評価であり、他の項目(企業ポリシー・規模・検討期間など)を考慮に入れて、総合判断することをお勧めいたします。 6 人材-人員確保 人材確保のパターン メリット ・自社ブランドへのロイヤリティ保有 自社社員対応 デメリット Points ・事業運営機能の低下 ・製品知識を保有したスタッフの確保 ・交通宿泊費等の実費発生 ・社内システムや運用ルールの理解 ・コールセンター人件費(社員対応) Points ・人材供給力の確保 派遣社員受入 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. ・顧客対応レベルの確保 ・関係部署との連動(社内運用時) ・運用管理スタッフ(社員)の確保 ・指示命令系統の確保 ・製品知識の保有 ・顧客対応レベルの確保 アウトソース Points Points ・外部委託の業務フロー策定 ・経験者人材の確保 ・製品知識の保有 ・運用管理者の確保 ・自社との物理的距離の乖離 Points 7 人材-教育研修 教育研修ステップ 研修概要 自社社員対応 派遣社員 受入れ アウトソース ・応対基礎、応対姿勢(敬語、傾聴) 電話応対 Points ・トークフロー、Q&A確認 ・ロールプレイング(抑揚、スピード、相槌) 不具合状況の Points ・不具合発表に至る経緯、原因 理解 ・対象種類、対象数・対象エリア Points 顧客対応 ・不具合状況の確認(現物、イメージ) ・お詫びの姿勢 ・確認事項と消費者の声の収集 ・エスカレーションルール © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 8 情報 情報種別 記載ポイント トークフロー Points スクリプト Points ・想定される内容から分岐パターンを複数設定 ・消費者が納得できる回答 Points 報告書 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. ・専門用語を避ける ・案内文章は簡潔に構成 FAQ 製品情報 ・確認項目の優先順位と絞り込み “小”であることが 重要 Points ・製品回収の経緯、原因、対応 ・対象製品全種類の情報(販売終了分も含む) ⇒製造月、過去の回収・修理履歴、OEM等の販売ルート ・対象製品データ(商品別、媒体別、対応別) ・問合データ(消費者の声、対象外情報) 変更頻度 小 大 大 小 小 9 Ⅱ.顧客対応窓口(コールセンター) 運用時の対応 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 10 1.製品回収における電話応対の考え方 明るく「ハキハキ」した対応は控える ・明るくもなく暗くもなく、誠実な応対 ・声の表情(共感性をもった応対) Points ・傾聴(まずは、最後まで話を聞く。その後、フローに沿ったトークをする。) 言っていいことと言ってはいけないこと ・マニュアルに沿って、一言一句、正確にトークする。 ・現物確認の原則 ・限定謝罪(何に対して謝るかを明確にする。) Points NGワード)「こちらの責任で・・・」「すべて対応させていただきます。」 など 情報変更への素早い対応 ・周知確認プロセス(周知済みチェックリストの整備) ・モニタリング(音声チェックと帳票チェックの両面) Points ・周知フローの徹底 :各関連担当者との常時情報共有できる体制(組織図・連絡網・定期ミーティング) © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 11 2.エスカレーション(管理者への二次対応依頼)の考え方 事前情報(スクリプト・FAQ等)範囲外の内容は、全てエスカレーション ・自分の立場を明確に伝える。 ・憶測は禁物 ・管理者の巡回によるスムーズな応対サポート エスカレーション体制の整備 ①入電第一波を吸収できる体制 【日別エスカレーション比率】 20.0% Points →エスカレーション比率が落ち着くまでの 開始数日間は、センターに常駐し、 16.0% イレギュラー案件を素早く完結することで、 12.0% 8.0% 入電第一波を吸収する。 ① ② ②回収製品保有者からの問合せに備える Points →入電第一波後は、一次的に入電は減少するが 4.0% その後、案内を受け取った回収製品保有者からの 0.0% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 問い合わせが増加し、エスカレーション比率が 向上する傾向がある。 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 12 Ⅲ.顧客対応窓口(コールセンター) のクロージング © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 13 1.顧客対応窓口(コールセンター)のクロージングプロセス 緊急体制解除の決定 入電トレンド、告知計画の状況により決定 例)1週間連続で1日あたり入電が10本以下で、以後告知計画が無ければ特別体制を 終了する エスカレーションや受付体制の社内受け入れ準備(=通常体制への引継ぎ)の実施 体制解除日の決定は、引継ぎ体制含め少なくとも2週間前が望ましい 電話回線の工事手配 告知番号の移行判断 ・継続or既設番号へ変更を決定(=通常体制への移行) ・回線がアウトソーサー名義で引き続き使用する場合は、名義変更手続きが必要 受付時間及び期間の変更 ・変更事項の情報共有(社内コールセンター、販売店・営業店、物流等) ・コールセンターでは、シフト調整、応対内容、納品・デジタルアナウンス等の仕様変更が発生 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 14 受付データ 移行スケジュール作成 ・コールセンター移行と同時実施 ・必要データと不要データの切り分け ・データ納品項目及びデータフォーマット、納品メディアの確認 セキュリティ対策 ・セキュリティポリシーに基づいて必要な対策を講じる ・移行手段、手続き ・コールセンター側のデータ消去(時期・方法) © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 15 2.コールセンターの運用実績から見た最近の傾向 受付時間について 【センター開設時間帯】 その 他 16% ・電話での受付時間帯は全日9:00-21:00が多いが 近年は17時・18時までの受付時間比率が上昇傾向。 9時~ 17、 18時 40% ・業務スタート2~4週間で運用体制の縮小 ※全日⇒平日のみ、9:00~21:00⇒9:00~17:00 製品回収に対する反応の高さ 9時~ 21時 44% ※弊社業務実績より抽出 ・状況に応じて、受付体制強化及び期間延長の検討が必要 ※弊社実績では、約半数が、期間延長もしくは回線増対応を実施 ・社会情勢や取引先、マスコミ等の動きによっても反応は大きく異なる。(想定外への対応) 社内実施から外部委託(コールセンター・物流)への傾向が強まる ・製品回収の考え方の変化(法律に準じた回収作業⇒製品に対する信頼回復の手段) ・社内既存業務の影響を最小限に抑制し、事業運営機能(営業活動)を維持する。 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 16 Ⅳ.業務実績・会社概要 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 17 ■ ベルシステム24保有センターを活用した事例(抜粋) A社≪発信≫ B社≪受信≫ 業務内容 :不具合製品保有者への告知業務 業務内容 :不具合製品の回収受付業務 対象製品を購入したと想定される対象者への発信 (不具合の案内、対象製品保有有無の確認) 実施場所 発信件数 実施時間 実施期間 :弊社オペレーションセンター :約200,000件 :全日9:00~21:00 :4ケ月間 社告受付に伴う交換・修理受付対応 実施場所 ブース数 実施時間 実施期間 :弊社オペレーションセンター :最大180ブース :全日24時間 :4ケ月間 C社≪受信≫ D社≪発信≫ 業務内容 :不具合食品の社告受付業務 業務内容 :不具合食品への告知業務 社告受付に伴う交換・返金対応 実施場所 ブース数 実施時間 実施期間 :弊社オペレーションセンター :最大10ブース :全日9:00~18:00 :約2ヶ月 © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 対象食品を購入したと想定される対象者への発信 (不具合の案内、対象製品保有有無の確認) 実施場所 発信件数 実施時間 実施期間 :弊社オペレーションセンター・クライアント内 :1,000件 :全日9:00~21:00 :2日 18 ベルシステム24のご紹介 ■ 全国拠点 業界最大級の大型オペレーションセンター(19,500席を運用)で、 緊急事態からの早期復旧を、全面的にバックアップ致します © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 19 ベルシステム24のご紹介 ■ 商号 :株式会社ベルシステム24 ■ 本社所在地 :東京都渋谷区千駄ヶ谷5-34-7 NEX新宿ビル ■ 創業年月日 :1982(昭和57)年9月20日 ■ 代表執行役社長 :矢原 史朗 ■ 資本金 :192億9,669万円 ■ 従業員数 1,914名 :社員 コミュニケータ 28,712名 ■ セキュリティ (2010年8月末時点) :業界最大規模でプライバシーマーク認定を取得。 コンタクトセンターの 設計・構築・運用から関連するソリューション全て の範囲でISO/IEC27001認定を取得。 【お問合せ先】 0120-024-047 (9:00~18:00 ※土日、祝日8/13~15、12/30~1/3を除く) http://www.bell24.co.jp/ja/inquiry/ © 2011 BELLSYSTEM24, Inc. 20
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