策定調査報告書(案)の変更点について [PDFファイル/462KB]

資料④
新・大阪府ESCOアクションプラン
策定調査報告書(案)
~ 前回からの主な変更点について ~
①省エネルギー診断結果(P41)
○中小規模施設(概ね6,000㎡未満)でも大きな省エネ化が見込める
○24時間系施設での省エネ可能率が特に高い
○学校系施設でも概ね省エネ可能率が高い
○日常省エネが徹底されている事務系施設でもさらに省エネ化が図れる
○スポーツ系施設は省エネ可能率が少し低い
【診断施設の延面積と省エネルギー可能率の分布】
②事業者アンケート調査結果(P43~61)
1.単独公募した場合、約9割の施設において、「事業が成立する」との
回答があった。特に24時間系施設(警察、医療)では関心が
高かった。これはエネルギー使用量が多いことから大きく省エネ化が
図れる可能性が高いと判断したためと考えられる。
2.中小規模(概ね6,000㎡未満)事務施設、警察署、高校を含む学校などは、
同種施設を複数まとめて事業化した場合、ESCO事業者の関心・応募
意欲が高くなる傾向がある。
3.複合施設やスポーツ施設では、診断による省エネ可能率が低くても、
ESCO事業者の関心が高い傾向がある。これは、建物用途や規模等
からESCO事業化の可能性があると判断していると思われる。
4.過去にESCO事業を導入した施設でも、事業者の関心が高い結果が
得られたことから、導入済施設であっても再ESCO事業化の可能性が
有るものと考えられる。
③ESCO事業の可能性検討(P62)
④省エネ格付システム判定結果(1/2)(P66)
④省エネ格付システム判定結果(2/2)(P67)
⑤府有施設におけるESCO事業の推進方法
1.取り組み期間と検討のポイント(P68)
○本プランの取り組み期間は、当初アクションプランにおける事業化の
達成状況及び実施効果予測の達成状況を踏まえ、平成27年度から
平成36年度までの概ね10年間とする。
○府有施設へのESCO事業導入を進めていくに当たっては、以下の
点を踏まえたうえで推進方策を検討することが必要である。
(1)前プランと同様にESCO可能性が高いと考えられる延床面積が6,000㎡
以上の施設を対象に省エネ診断を行った結果、前プランでは対象外と
していた新別館や咲洲庁舎などの平成築の建物やESCOが導入できな
かった一部の中小規模施設も新たにESCO事業の可能性が見出された
ことから、これら実施効果の高い施設を中心に導入を図っていくことが
望ましいと考えられる。
⑤府有施設におけるESCO事業の推進方法
(2)警察署や府税事務所、学校などは同種建物が複数あるため、これらを
一定数まとめて公募することでスケールメリットを生み出し、これまで導入
できなかった中小規模施設(6,000㎡未満)での事業化を推進することが
有効な手段である。
(3)当初ESCO事業を導入し契約満了した施設の中には、熱源機器の老朽化
が進み、更新時期を迎えているところも少なくない。しかし、更新するには
多額の費用が必要となり従来型のESCO手法では、事業採算性の確保が
難しい。
そこで、老朽化した機器の改修とESCO事業を一体的に発注する「設備
更新型ESCO事業」の手法等を活用し、ESCO契約が満了した施設の
さらなる省エネ化を図ることが有益である。
以上の検討結果から、施設分類については、前回のアクションプラン
の考え方(延床面積・省エネ率)は踏襲しつつ、複数一括での公募や
再ESCOなど新たな推進方法の考え方も踏まえBグループを細分化の
うえ次のとおり分類し、導入を進めていく。
⑤府有施設におけるESCO事業の推進方法
2.ESCO事業導入に向けた施設分類(P69)
分類
実施要件
A
実施効果が大きいため、優先して事業を実施することが望ましいと判断されるもの
1)延床面積10,000 ㎡以上、2)省エネ可能率10%以上、の要件を満足するもの
B
ESCO未導入であり、単独で事業実
エネルギー使用量が中程度であるが事
B1
施効果が見込めるもの
業実施を進めることが望ましいと判断さ
れるもの
ESCO未導入であり、施設数が多く
1)延床面積6,000 ㎡以上、2)省エネ
B2 複数施設を一括公募することで実施
可能率6%以上、の要件を満足するも
効果が一定見込めるもの
の
ESCO事業導入済みであるが、設
なお、一部の小規模事務施設について
備更新型ESCOによる手法などを
は、複数施設を一括して実施することを B3
活用することで実施効果が一定見込
検討する
めるもの
C
上記のいずれにも該当しないが、設備更新型ESCO事業の導入や今後の省エネ技
術の進展を注視しながら、事業化を検討する
⑤府有施設におけるESCO事業の推進方法
3.ESCO事業収支試算結果(P71~72)
省エネルギー可能量(年間)
省エネ量
原油換算
(kL/年)
削減費
合計
(百万円/
年)
CO2
(ton/年)
削減量
改修
工事費
(百万円)
実施分類
施設
数
省エネ
率(%)
Aグループ
4
13.4
2,283
111
19
952
131
1,647
570
B1
3
20.6
251
97
4
178
15
345
158
B2
61
27.9
7,195
595
82
2,549
237
4,845
851
B3
8
11.5
1,165
8
10
309
29
578
174
Cグループ
5
1.4
133
0
9
34
7
69
21
合計
81
18.2 11,028
811
123
4,022
419
7,484
1,774
B グループ
電気
(MWh)
ガス
(千㎥)
水道
(千㎥)
●ESCOサービス料総額: 326,894千円/年 (補助金有279,394千円/年)
●府の想定利益総額:92,458千円/年 (補助金有139,958千円/年)
⑤府有施設におけるESCO事業の推進方法
4.推進指標の設定について(P71)
○取組み期間:平成27年度~36年度までの10年間
○本プランの推進目標(26年度比):
◇ ESCO事業導入施設数:81施設
◇ 平均省エネ率:18%
◇ 光熱水費削減額:年間約4億円
◇ エネルギー削減量:原油換算で年間約4,000キロリットル
◇ 二酸化炭素排出削減総量:年間約7,500トン
⑥府内市町村有建築物の
ESCO潜在市場規模(1/2)
府内市町村有施設(床面積5,000㎡以上)の用途別内訳(P79)
350
3,500
【凡例】
棒グラフ:施設数
折れ線:延面積
[施設数]
250
3,000
2,500
200
2,000
150
1,500
100
1,000
50
[総延面積(千㎡)]
300
500
0
0
事務所(1)
(1万㎡未満)
事務所(2)
(1万㎡以上)
学校
病院・診療所
[ 施設用途 ]
福祉施設
会館
その他
※その他 : 斎場、図書館、美術館
及び複合施設等
⑥府内市町村有建築物の
ESCO潜在市場規模(2/2)
府内市町村有施設(床面積5,000㎡以上)におけるESCO市場規模予測
(P80)
3,500
[ ESCO工事額(百万円) ]
3,132
3,000
2,727
市場規模総額:約90億円
光熱水費削減額:約17億円/年
2,500
2,000
1,500
1,118
1,000
722
542
535
500
175
0
事務所(1)
事務所(2)
(1万㎡未満)
(1万㎡以上)
学校
病院・診療所
[ 施設用途 ]
福祉施設
会館
その他
※その他 : 斎場、図書館、美術館
及び複合施設等
⑦府内の大規模建築物における
ESCO潜在需要量調査(1/2)
〔潜在市場規模推計の流れ〕(P81)
①大規模建築物 用途別建物ストック量の推計
⇒府内の大規模建築物(5,000㎡以上)について、用途別(事務所、
デパート・スーパー、学校、宿泊施設、病院、その他)ストック量(延面積)を
「建築物ストック統計」(国土交通省 総合政策局建設統計室)を基に推計
②規模建築物 用途別エネルギー量の算出
⇒用途別エネルギー消費原単位(一般財団法人省エネルギーセンター公表
データ)を①の用途別ストック量に乗じて、府内大規模建築物のエネルギー
消費量を算出
③省エネ可能量と改修工事費用(潜在市場規模)を算出
⇒今回の調査結果を基に省エネ率等を設定し、府内の大規模建築物
における省エネ可能量と改修工事費用を算出
⑦府内の大規模建築物における
ESCO潜在需要量調査(2/2)
府内の大規模建築物におけるESCO市場規模予測 (P83)
(床面積5,000㎡以上の業務施設)
1,400
ESCO潜在工事額:約 3,000億円
1,200
ESCO工事額 (億円)
1,030
1,000
897
800
600
361
400
231
200
281
183
0
事務所
デパート・スーパー
学校
宿泊施設
病院
その他
⑧エネルギーマネジメントシステムの活用(P76)
【背景】
○電力需給が逼迫している中、電気の需要の平準化の推進に関する措
置を追加した、改正省エネ法が平成26年4月より施行され、今後は
従来の省エネ強化だけでなく、ピーク対策など電力需給バランスも意識
したエネルギー管理を行うことが求められることになった。
○ESCO事業を今後効果的に推進していく上において、各施設のどの
部分にどれくらいのエネルギーが現状費やされているのかなど、エネ
ルギーを無駄にしている部分を発見して改善提案するための手がかり
として、エネルギーマネジメントを的確に実施するシステムの構築が
望まれるところである。
○エネルギーマネジメントは、エネルギーの体系的な運用管理やPDCA
アプローチによって、エネルギーコストや温室効果ガスの排出量の
低減につなげるものである。
⑧エネルギーマネジメントシステムの活用(P76)
【EMSの活用について】
○そこで、例えば、各府有施設で個別契約となっている電力・ガス
の調達や設備維持管理を集約・一元管理することにより、エネル
ギー管理を容易にして、ESCO事業導入もしくは運用面での省エ
ネ改善等による、エネルギー使用の効率化を図ることが考えられ
る。
○また、電力・ガスの調達や設備維持管理の入札を一括で実施すること
で、調達コストや管理コストの低減が図れる可能性もある。
○さらに、一元管理化と併せて、ESCO方式ではないが、「BEMSアグリ
ゲーター」と呼ばれる節電指南サービスを提供する事業者を活用して、
電力需給が逼迫した際に電力の使用を抑制するエネルギー管理や総
合的な電力コスト削減を実施するといった手法の採用も考えられる。