デジタルハリウッド大学 スピーチ部門 第 3 回 日本語スピーチコンテスト 優秀賞受賞 「受容の心」 フー ファン ジュン みなさんにこれを問います、「10年後の未来はどうなりますか」。10年後というのは短 く、変化はそうみえないと答える人がいるとすればその逆もしかりです。未来というのは不確 かなものであり、例え10年もしくは2年か3年ほど短くとも、定かではないゆえに何が起こ るかは分かりません。私のスピーチは未来への提言をメインテーマに、サブテーマとして「受 受容の心」を入れました。 受け入れをサブテーマとして選らんだ主な理由は新しいものに対する抵抗をなくし、それを 知ってから判断することがよいと考えているからです。今を生きるみなさんにも親しみあるパ ソコンや携帯電話を例として説明します。パソコンが出た初期では当時の人たちに大きな影響 を与えたという面がありますが、それはあくまでもそれを受け入れた人たち限定での話しだと 思います。それを受け入れることができなかった方々はそれらの新発明の利点を得ることがで きませんでした。私の周りには年配の方が多く居て、パソコンや携帯電話などの電子機器に対 する抵抗感があり、それらに対しては否定的でした。しかし、彼らも親族から勧められ使い始 めてみたら技術からの利便性を感じ今も尚使い続けています。新しいものに対して頭ごなしの 反対は言わば可能性を閉ざす行為と言っても過言ではないでしょう。一個人の話ならばまだ良 いのですが、会社などのような組織が技術革新に対して受け入れることができなければ、それ は会社の経営及び未来にも大きな負の影響を齎すことになりかねません。通信技術が普及した 今では情報の伝達も早く、技術革新などが起きればすぐにでも周知な情報となり、SNS という 通信方法を利用して成功した事例も少なくありません。それも言わば新しいものの受け入れに 成功したと言っても良いでしょう。 企業を成功させるためには、その企業自身が時代へ対応しなければなりません。時代への対 応即ち受け入れることをなきにして企業は継続しません。受け入れや対応に対する成功及び失 敗例として、フジフィルムとコダックを持ちいって紹介します。両方共に写真関係で有名な会 社ですが、コダックは惜しくもデジタル技術への対応に遅れを取り倒産しました。それに対し、 フジフィルムは写真フィルムの需要が大幅に減少することを見極め、今までに培っていた技術 を活かして化粧品や医薬品を初めとし、様々な分野に進入することによりパラダイムシフトに 対応して、売上高を上げました。確かにその行為は受け入れではなく、逃げていると言う人も いるかもしれませんかが、私は逆にそれは会社を存続させるために変革を冷静に判断してその 変革を受け入れたに見えると考えています。時には引くことも大事だと思われ、それも変革を 受け入れる行為の一つなのではないのでしょうか。 受け入れることは何も一個人か会社に限られたことではありません。受け入れることは異文 化間交流や自分の考えとは違う思考に遇った時にも大事だと思います。自分とは違うものを頭 ごなしに否定するのは両者の衝突を引き起こしかねません。自分の経験上、他国の方と接する 時はでき得る限りに自分の価値観などを抑えた方が上手く接することができました。なぜかと いうと、国が違えば環境及び育ちの文化も違い、そこから導き出した思考パターンも自分が持 っているのとでは異なる部分があります。例え国が同じとしても、生まれた場所が違うだけで、 概ねは同じように見えたとしても細かいとこるでは違いがあります。故に、自分の考えを他人 に押し付けるだけではだめなことと同じく、自分の常識を当てはめることだけでは上手くコミ ュニケーションをとることはできないのではありませんか。実は、私はインターナショナルス クールで高校をすごし、そこで生徒会役員をやっていました。生徒会関係で学生同士の揉め事 の解決にも携わっていました。揉め事の多くは異文化間で起きていることは記録上でははっき りと見えました。それらの記録から分かったことは、それぞれの意見や常識を他人に押し付け ることで起きたことが判明しました。対策として、新入生ガイダンスで新入生の間にそれぞれ に違いがあって認識させる行事を翌年から遂行することにより発生率が下げることに成功しま した。その結果として、受け入れることの大切さについて認識することができました。 最後に、自分とは違うものに対しての受け入れは何も学生間だけでなく、歴史上での出来事 もその要素が濃く見えると思います。よって、私から未来へ提言したいことは自分と異なるも のへの受け入れです。会社では受け入れてからこそ存続及び発展することが可能であり、コミ ュニケーションにおいては揉め事を減らすことができるのではないのでしょうか。特にコミュ ニケーションにおいては国の間での衝突も減らすことが可能と考えても差し支えないでしょう。 これからも通信技術がさらに普及及び改革する社会において、円滑にコミュニケーションをと り、トラブルを減らすことでより心地よくすごせた方がいいのでしょう。 以上のことを踏まえて、前に進むためにはサブテーマである「受容の心」を持つことが必要 不可欠という結論に至りました。
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