社会インフラ安全保障技術

社会インフラ安全保障技術
画像取得計画
画像購入
計画作成
画像収集
光学衛星による撮影
画像購入
要求
社会・産業システム
・撮影時期の検討
・撮影地域の選定 など
対象領域の衛星画像
撮影能力および,
費用対効果などから
中分解能衛星画像を中心に利用
収量予測結果
画像処理・解析
収量推計
対象領域の衛星画像
画像処理
社会インフラ安全保障技術
・収量推計式の策定
・オルソ補正
・収量推計式の適用 など
次年度の土地改良など
栽培管理や損害保険に活用
[kg/10 a]
1
衛星画像を活用した水稲の収量把握
1
の利便性を確保するためには,耐災害性,応答性,セキュ
農業分野向け衛星画像ソリューション
リティなどを考慮したシステム設計が必要となり,これを
実現するために,以下の 3 点を実施した。
世界の人口が現在の 65 億人から,2050 年には 90 億人に
達すると見込まれており,これに伴い,地球規模での食料
(1)2 拠点のデータセンタを使用した冗長構成による耐災
害性の強化
(2)災害時のアクセス集中を考慮した低負荷な表示方式の
需給の不均衡が予想される。
地球上空 500∼ 700 km を飛行している地球観測衛星で
撮像した衛星画像を活用することにより,農地を含めた広
大な国土のモニタリングが行える。この衛星画像に,日立
検討
(3)ポータルサイトに対する公開情報の秘匿通信やサイ
バー攻撃からの確実なセキュリティ対策
の高精度な解析処理を適用することで水稲の収量を把握
このような信頼性の高いポータルサイトを運用すること
し,その結果を基にした水稲の収量向上策を施すことによ
で,確実に防災情報を配信し,地域の防災力強化に貢献し
り,食料需給の不均衡を是正するための情報を提供できる
ていく。
と考えられる。
災害リスクの不確実性が高まる中,今後も現場での災害
今後も,衛星画像の提供,および衛星画像の高次処理・
対応を実施する地方公共団体と中央省庁の双方向連携を推
解析技術を活用した水稲の収量把握といった基礎となる情
進し,国民の安全・安心を守る防災・減災ソリューション
報提供サービスにより,地球規模の食料問題の解決に貢献
を強化していく。
していく。
2
内閣府防災情報配信ポータル
立川災害対策本部予備施設
内閣府
データセンター
(副)
データセンター
(正)
内閣府の防災情報配信ポータルは,総合防災情報システ
一般利用者
ムから公開すべき情報を抽出し,地方公共団体などの防災
防災情報
関係者および広く一般国民へ防災情報を配信するもので
秘匿通信
公開情報を編集して転送
総合防災情報システム
ある。
総合防災情報システムの機密性と防災情報配信ポータル
日立評論
2
防災情報
公開
ポータルサイトで情報公開
防災情報配信ポータル
インター
ネット
防災関係者
利用者
内閣府防災情報配信ポータルの概要
2015.01-02
79
盗電・盗水
サイバー攻撃
ヒューマンエラー
テロ攻撃
システムレイヤー
自然災害
故障
サイバー空間
物理空間
適応性
運用管理
Adaptivity
エネルギー
交通
水
社会・産業システム
…
連携して対処
継続して対策
訓練
防御・検知
対策(減災)
社会
インフラ
システム
復旧・復興
協調性
即応性
Cooperativity
Responsivity
迅速に対処
組織
社会インフラ安全保障技術
3
時間
危機対処セキュリティにおけるH-ARCコンセプト
3
アとなる地図作成系システムにより,アジア特有の複雑な
危機対処セキュリティソリューション
地形などを表現しつつ,不整合を排除するなど地図品質を
管理でき,
国家レベルの広域の地図を効率的に作成できる。
近年,自然災害・事故やテロが発生した際に,想定外の
これにより,インフラ計画や地方自治業務などに適用可能
事態や被害の連鎖によって影響が拡大する傾向がある。危
な地図を作成でき,時間とともに変化していく地域状況に
機発生時における迅速な状況判断,円滑な組織間連携によ
合わせた地図の更新も容易になる。
る対処の実現が急務となっており,
国際標準化(ISO22320)
また,日立グループは,複数省庁や民間で地図情報を共
も行われている。日立グループはこれまで,情勢判断や事
有・活用するための標準化活動も推進している。地理空間
後対処を支援するさまざまなセキュリティソリューション
情報の国際標準化団体 OGC(Open Geospatial Consortium)
を提供している。
では,携帯電話や車両などの位置情報を共有するための移
想定外の事態や被害の連鎖への迅速な対処を実現するた
動体データ交換形式のワーキンググループ共同議長,およ
めには,組織間で情報を補間し合い,迅速に状況判断・分
び「ISO/TC211」国内委員会の幹事会のアドバイザーを務
担対処を行うべきと考え,
H-ARC コンセプト
[A
(Adaptivity:
めている。
適 応 性,R(Responsivity: 即 応 性)
,C(Cooperativity:
今後は,衛星画像コンテンツや測量技術も含めた総合的
協調性)]を提言し,ISO22320 に沿った危機対処セキュリ
な地理情報基盤システムの提案を進め,各地域の発展に貢
ティソリューションの拡張を進めている。特にシステム間
献していく。
のデータ流通や,監視・判断・対処フローの柔軟な追加拡
張を実現するフレームワークを導入することで,各組織の
連携強化を図りつつ投資・運用コストを抑えることがで
きる。
ナショナルイベント施設や重要防護施設など社会インフ
ラシステム全般へのセキュリティソリューションを提供
し,社会全体での危機対処の強化に貢献していく。
4
地理情報基盤システム
アジア諸国などの発展が著しい地域では,国家を支える
情報基盤として信頼性の高い地図情報が必要となる。
日立グループが提供する地理情報基盤システム,特にコ
80
4
国家レベルの地理情報基盤を支える地図作成系システム
社会・産業システム