海外の協同組合組織等からの支援メ ッセージ

 海外の協同組合組織等からの支援メ ッセー ン
(6月1日以降)
1.
世 界 農 業 者 機 構 (WFO) 会 長 か ら の 書 簡
2.
欧州 農業団体 連合会 (Cop ・欧州農業協同組合連合会
(Cogeca)
か ら の 書 簡
・
1
3
3.
中華全国供鉛合作総社 (ACFSMC
) 副会長 からの書簡
5
・
4.
セ ン ト ロ ソ ユ ー ズ (ロ シ ア) 会 長 か ら の 書 簡
6
・
5.
トルコ 全 国協同組 合中央会 (NCUT) 会長 からの書簡
7
2014 年 6月 10 日
JA全中会長
寓歳
章
殿
/
世界農業者機構 (WFO)
会長
ピー タ ー ・ ケ ン ド
ル
2014年 5月 のあなたからの書簡 にあ っ た、 規制改革会議・農 業ワ
ーキンググループの日本における農業改革に関する提言について言
及 した い。
JA 全 中は、 全国農業会議 所、 全 国農政連とと もに WFO に と っ
、
て非常 に活動的な会員 である。 皆さん の WFO の取り組み方針の実
現に向 けた貢献に対 して、 WF0 と私 から改め て感謝の意 を表 したい
。
WFO の目的は、 1) 世界中の食品サ プ ライ チ ェ ー ンにおける農 業
者の 地位 向 上を 通 じ、
,世界の食 料安全 保 障に貢 献す る、 2) 農業 団
体を支 援 し、 市場を獲 得するこ とによ っ て、 それらの 団体の食品サ
プライ チ ェ ー ンにおけ る地位 向上を可能とす る 3) 農 村地域 の持
、
続的な発展、 環境問題、 その他の新たな挑戦において、 農業者の関
与を促 し、 可能とする ことにある。 これ ら の目標 を達成 するた め
、
WFO はすべての会員の貢献と社会におけるその他のすべての利害
関係 者 との 緊密 な連 携 を期待 してい る。 この利 害 関係者 には 農業
、
者の働きによって影響が及ぶ各個人、 家族単位もしくは地域ぐるみ
の組織 (いわゆる NGO)、 国際機 関、 民間団体、 そ して政府も含ま
れて い る。
農 業 者 の国際社会 は、 大き な 家族で あ る。 人々 家族 組織 協
、
、
、
同組合、 機関 (地域・国・ 国際)、 責任 ある専門 家 (起業家 中小企
、
業、 大企業) は持続可能な方法によっ て、 地球上の食料需要に応え
るため、 同 じ方向性に向けて取り組ん でいる。 WFO は 成功 しう る
、
戦略を 立て、 世界の食料安全保障を確立するため、 これらの関係者
の補完 的な協力 関係 を強力 に支援 してい る。 FA0 と WFO が主 催す
る 「協 同組合の促進と 発展のための委 員会 (COPAC)」 の構成員 と
して、 WFO は、 農 協 と い うモ デ ル は、 バ リ ュ ー チ ェ
ンと市 場にお
ける農業者の地位を向上させる最も効果的な手段の一つであると認
識 して い る。
刻々 と変わ り ゆく 世界におい て 2050 年 には 世界人 口が 91 億 人
、
に達 し、 それ らす べ ての人々 が 日に3食 の食 事 を取ることにな る
。
WFO は、 我々 のすべての食料を生産する農業者は 持続可能な食料
、
安全保障の確立に具体的な役割を果たしうる重要な存在であると確
信 して い る。
2014年 は、 国連によっ て国際家族農業 年と定め られている この
。
決定は、 世界の全農業者の 90%が家族農業という事実からもたらさ
れたもの である。 家族農 業 を定 義する にあた っ て は 家族農業者 の
、
唯 一 の共通点 と して、 す べ ての労働が 家族 によ っ て行われ ることを
挙 げ ている。 家族農業 は、 所有も経営 も家族 によ っ て行われ 業務
、
上 のリスク も家族が負う ことになる
。
WFO は、 農協制度を含む 現在の 日本における農業 モデルを支 持 し
、
食料安全保障の確立や栄養問題への対応、 生活向上 資源保全 環
、
、
境保護、 持続可能な発展への貢献において、 家族農業モデルが重要
な 役割 を果た していると認識 している そのた め 成功を 収め てい
。
、
る現行の農業 モ デ ルを維持す ること そ して それらを 肯定 し 発
、
、
、
展させる効果的な国家政策に基づくものであることが最も重要であ
る。
そのため、 私 は、 継続的かつ強固な協力とい う観点 で JA 全 中や
、
日本の会員 組織に対す る WF0 としての連帯と支援を改めて表明し
た い。
菌歳会長に敬意を表します。
2014 年 6 月 13
日
全国農業協同組合中央会
会長
菌歳
章
様
欧 州 農 業 団 体 連 合 会 (Cop
会長
アル バ ー ト・ヤ ン・マ ー ト
欧 州 農 業 協 同 組 合 連 合 会 (Cogeca)
会 長
ク リ ス チ ャ ン ・ ペ 」 ス
Copa‐Cogeca 事 務 局 長
ペ ッ カ ・ペ ン ネ ン
6月 5 日 ブリ ュッセル では、村上副会長は じめと した貴会 の皆様と
大変建設的なお話ができましたことを御礼申し上げます。 日本政府
による 昨今 の制度 改革の農協への影響に つ いて詳 しく 伺うことが で
き ま した。
規制改革会議の5月 22 日の提言は、 活動の自由という起業家的原
則を深刻に脅かすことがわかりました。 活動の自由は、 起業家精神
の要 で ある ばかりでなく、 協同組合原則 の中核的要素です。 活動の
自由 は農業者が協 同組合の 一 員と して共に行動 し、 協力 することが
で き る か ど う か に 関 わ り ま す。 Copa‐Cogeca は、 常にこの 原則の確
こつ いて貴会を全面的に支援 いた しま
固 たる 擁護者であり、 この点を
す。
私たちが全面的に支援し擁護する農協の事業形態 は、 世界中に広
が っ ており、 このモ デ ルは、 利用者 による所有・管理・利益の 原則
を基礎と しています。
これ らの原則 は、 あらゆる農協の経済的発展 に好ま しい環境を確
保するために、 世界中の ビジネスや農業振興政策に反映されていま
す。 特 に農業者は、 起業家的志 しを達成するため に努力 し、 自分た
ちに最も適した事業構造を自ら判断することができるべきです。
私 たちの考えからいえ ば、 農業者 は、 自分たち の目的やニー ズ に
最もふさわしいような自らの農協の最適なガバナンス形態や組織構
造を柔軟に決められる べ き だと思いま す。
自主 的な組合員制度や組合員 による管理、 自 主・ 自立 の価値は、
農協の構 造と性格そ のものを支 える重要な構成要素 です。 さら に、
これらの価値は協同組合の発展と経済的存続の欠かせない前提条件
で す。
現在の総合農協を専門農協に転換するという提言の項目について
は、 む しろ、 協同組合 の農家組合員 によ っ て決 められ る べ きです。
その判 断は農家組合員 の利益に沿っ たものであ る べ き であり、 強制
でき る こ と で も、 す べ き こ と で も あり ま せ ん。
組合員 によ っ て決められる べ きというこ の原則 は、 提言の 他の面
にも適用 され る べ き で、 特に、 全農 の株 式会社 化や全国お よび 県の
農協中央会に対する制限にも適用されるべきです。
さ らに、 いかなる 決定も農家組 合員 の過 半数をも っ て行 わ れるこ
と、 そ して、 意 思決 定 プロセス を理事会 の外部メ ンバ に移さな い
こと は 基本的なこと です。
実際、 ほとん どの国の協 同組合の法的枠 組 み や法 律は、 自ら の経
済的ニーズや目的に最も適 した組織形態を、 農業者が決定すること
を認 め てい ま す。 もちろん、 憲法の枠組 みを 尊重 し、 その他の法に
矛盾 しないことが条件 ではありますが。
は、 協同組合原則と農家組合員の経済的利益を脅か
さないような、 農協の発展を促進する政策を支持します。
Copa‐Cogeca
今 回 の 提 言 は、 Copa‐Cogeca の重要な パー トナー で あ る JA 全 中
の組織構造や国内外両面の活動の質に深刻な影響を与えかねないと
思 い ま す。
このため私たちは、 日本の農業分 野、 農 業者、 農協、 それを代 表
する組織についての改革の提言に対して深い懸念を寄せております。
は、 日本の農協に豊かな未来が広が るよう、 喜んで
支援 することをお約 束 しま す。
Copa‐Cogeca
私たちのさらなる支援が必 要な時は、 遠慮なく ご連絡く ださ い
。
4
2014 年 6月 9 日
JA 全中会長
禽歳
章
様
中華全国供鉛合作総社 副会長
ICA ア ジア太平洋
会長
リ ・ チ ュ ン シェ ン
ACFSMC (中華全国供鞘合作総社) からのご挨拶
日本の規制改革会議がJA グ ル ー プ を解体し、 私的企業が農 業部 門
に際限なく 入 っ てく る 道を整 え るような提案 を したこと を知 っ て
、
と て も 驚 い て い ま す。
JA グ ル ー プ は 長 い 間、 信 望 の あ る 組 織 であ り 続 け て き ま した 日
。
本の農業経済の発展のため の 巨大 な 貢献 は、 日本 だ け で な く ア ジ
、
ア 全体や 世界中か ら、 認められてきま した。 日 本の農村 におる農 業
の レベ ルの高さ は、 JA グル ー プ の さま ざま な形 での意義深い支 援と
ともに、 世界中の学者から徹底的に研究され、 成功例と みられてき
ま した。
日本の規制改革会議 の提案 は、 合理的と はい え ず、 事実上 日本 の
農業と地域経 済の基盤を破壊 するものです。 私たち は JA 全中が こ
、
の課題に対 して政治的・法的 に緊急に立ち 向かうこと の必要性 を理
解 します。全中 国購買・販売協同組合連合 会と1CA ア ジア太平洋 は
、
日本の協同組合の利益を守るためにあらゆる必要な支援を喜んで行
います。 この手紙を書き ながら、 私たちは貴殿 にJA 全中に は仲間が
いるということを伝えた いと思 います。
敬意をこめ て、 また貴殿 から のよい知 らせを期 待 して
。
に
リ
2014 年 6月 11 日
全国農業協同組合中央会
会長
菌歳
章
様
セ ン ト 口 ソユ ー ズ
(ロシア全国消費者組合中央会)
会長
エ フ ゲ ニ ー ・ク ズ ネ ツ オ ス
菌歳会長とすべての仲間の皆様へ
6月 5 日 の ブ リ ュ ッ セ ル での 工CA 理 事 会 に て、 私 た ち 理 事 は日 本
の農 業 セ ク タ」を取り巻 く 大変深刻 で難 しい 状況について知らされ
ま した。
今 回のケ ー ス は、 単に日本の協 同組合 運動 に影響を与 え る だ けで
なく、 世界全体の協同組合運動に相当マイナスな結果をもたらすよ
うな危 険な事例 であると理事会は一 致 して認識 しま した。
この件 で、ICA 会長は、 日本の仲間である 苗歳会長 の招き を受 け、
支援 のた めに 日本を訪問することと しま した。 あわせ て、 特別の専
門 グ ル 」 プを 結成することを、 理事会が満 場 一 致 で決定 しま した。
同 グ ル ー プ は日本を訪問 し、 この難局 に あたる 日本の協同組合運 動
を支援するために理事会がとることのできる有効な対策を探るため、
この問題 を深 く分析することになりま す。
そ れ らと 共 に、 協 同組合の仲間と しての み な らず、 良き 隣 人と し
て、 ロ シアのす べ ての 協同組合運動 を代表 しセ ン トロソユ← ズ は、
全国農業協・
同組合中央会 (
JA全中) と日本のすべての協同組合がこ
の難局 を乗り越え ること を 願うとともに、 我 が協 同組合の 隣人・友
人に強い支援を表明いた します。
2014 年 6月 11 日
全国農業協同組合中央会
副会長
村上
光雄
様
トルコ 全国協同組合中央会
会長
ム ア マ ー ・ ニク サ ー リ
ブリ ュッセルでのICA 理事会に出席されてい た貴殿 にお話 しま し
たように、JA グ ル ー プを解体 しよう という日本 政府の考 えについて
の 貴殿の ご説明 を拝聴 し、 トルコの 協同組合運動 は、 正当な理由も
ない この提 案 に反 対 し、 皆様の 取り組み を心 か ら支援することをお
知 らせする ととも に、 そのこと を貴会 のす べ ての組 合員 の皆様にお
伝 えいただけれ ばと思います。
本 日、 トルコ 全 国 協同組合中央 会 (NCUT) 理事会 は、 農協を民
間企業に置き換 えることを狙った不当な措置を阻止するための皆様
の行動を支援することを決定し、 全世界の他のICA 会員団体と連携
し、 いか なる行動も とる決意で あるこ とを表明 しま した。
この政 治的な干渉 が、 農協に ダメ ー ジ を与 えることなく 終息する
こと を信 じており ま す。 それ が実現するま で、 私 共も皆様と共にい
るこ とを忘れ ないでく ださい。
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