佛 教 大 学 歴 学 部 論 集 第 四 号 ︵ 二 〇 一 四 年 三 月 ︶ 願 文 は 誓 願 を 仏 に 述 べ る 文 章 で あ る か ら2 ︶ 、 願 文 に は 阿 弥 陀 如 来 像 造 と さ れ る 願 文 ︵ 以 下 阿 弥 陀 如 来 造 立 願 文 と 記 す ︶ が 発 見 さ れ た1 ︶ 。 と 、 調 査 暦 の 二 結 年 果 ︵ 、 一 そ 二 の 一 胎 二 内 ︶ か 十 ら 二 約 月 四 二 万 十 六 四 千 日 人 の も 日 の 付 名 が が 記 記 さ さ れ れ た た 源 結 智 縁 自 筆 名 制 作 さ れ た 仏 像 で あ る 。 い て 仏 教 的 見 地 か ら 若 干 の が 理 解 し て い た 法 然 に つ い て 察 を 試 み た い 。 四 七 名 が な ぜ 阿 弥 陀 如 来 像 の 胎 内 に 納 入 さ れ て い た の か に と い う 点 に つ 土 宗 蔵 ︶ は 、 法 然 の 弟 子 勢 観 房 源 智 ︵ 一 一 八 三 ∼ 一 二 三 八 ︶ に よ っ て こ で 本 研 究 で は 阿 弥 陀 如 来 立 え 像 る 願 と 文 と も を に 、 析 約 し 四 、 万 源 六 智 千 や 人 当 時 の の 結 人 縁 々 滋 賀 県 甲 賀 市 の 玉 桂 寺 に 安 置 さ れ て い た 阿 弥 陀 如 来 立 像 ︵ 現 在 は 浄 た の か と い っ た こ と が 伺 え る 具 体 例 が 記 さ れ て い る と え ら れ る 。 そ は じ め に が 納 入 さ れ て い た 。 本 論 で は 、 納 入 さ れ た 願 文 を 析 し 、 源 智 や 法 然 へ の 報 恩 と い っ た 、 当 時 、 法 然 が ど の よ う に 人 々 に 理 解 さ れ て い 立 の 経 緯 、 源 智 の 縁 戚 関 係 や 法 然 の 思 想 的 遍 歴 の 過 程 、 源 智 が え る キ ー ワ ー ド 法 然 源 智 名 願 文 像 内 納 入 智 が 記 し た 願 文 と 約 四 万 六 千 名 も の 結 縁 者 の 名 前 が 記 さ れ た を 受 け て 阿 弥 陀 如 来 像 ︵ 浄 土 宗 蔵 ︶ を 制 作 し た 。 仏 像 内 部 に は 名 源 八 ︶ は 法 然 上 人 の 一 周 忌 に 合 わ せ る か の よ う に 多 く の 人 々 の 結 縁 に 納 入 す る 意 味 に つ い て 仏 教 的 見 地 か ら に つ い て 察 を 試 み た 。 え る と と も に 、 鎌 倉 時 代 よ り 増 加 す る 結 縁 名 と 像 内 ︹ 抄 暦 録 二 ︺ 年 ︵ 一 二 一 二 ︶ 十 二 月 、 勢 観 房 源 智 ︵ 一 一 八 三 ∼ 一 二 三 当 時 の 人 々 が 法 然 上 人 や 浄 土 信 仰 を ど の よ う に 理 解 し て い た の か 勢 観 房 源 智 阿 弥 陀 如 来 像 造 立 願 文 に つ い て 工 藤 美 和 子 や が て 一 二 世 紀 半 ば に な る と 、 在 家 者 の 浄 土 信 仰 は 一 層 の 深 ま り を 陀 如 来 像 を 鳥 羽 天 皇 一 人 の 力 で 造 像 す る の で は な く 、 結 縁 者 に よ っ て 意 義 を 教 え て い る の だ と 理 解 し て い っ た 。 れ に よ っ て 、 人 々 は こ の 世 に 菩 の 化 身 が 出 現 し 、 我 々 に 極 楽 往 生 の け れ ば な ら な い と い う 浄 土 信 仰 の 具 体 的 な 心 構 え な ど が 示 さ れ た 。 そ 出 現 し て い る こ と 、 そ の 意 義 を 受 け て 人 々 は 極 楽 浄 土 往 生 を 目 指 さ な 生 に 極 楽 往 生 の た め の 具 体 的 方 法 を 示 す た め に 化 身 と し て 娑 婆 世 界 に 二 積 と 行 月 そ 極 い っ 十 の 的 う て 八 利 自 極 日 え 他 ら 楽 が 行 の 浄 鳥 鳥 が 誓 土 羽 羽 行 願 へ 天 の わ に 教 皇 願 れ 多 導 千 文 る く す 体 に こ の る 阿 も と 人 の 弥 表 を 々 で 陀 さ 目 が は 仏 れ 指 結 な を て し 縁 く 刻 い た す 、 す る の る 衆 る 。 で こ 生 の 仁 あ と を 御 平 る で 極 願 二 。 、 楽 文 年 結 浄 ︵ 縁 土 は 一 者 往 、 一 自 生 千 五 身 さ 体 二 に せ 阿 ︶ よ た 弥 十 る い 生 呼 集 と 極 応 く 楽 す な に 記 る ど よ 主 三 な う に 宝 ど に 天 絵 が 在 台 著 家 宗 や さ 社 側 れ 会 か 日 た か ら 本 。 ら 浄 往 も 土 生 源 往 極 為 生 楽 憲 の 記 意 三 義 に 宝 が は 絵 次 、 々 、 と 仏 慶 著 や 滋 さ 菩 保 れ 胤 た の 化 。 日 そ 身 本 れ が 衆 往 に で て 名 、 仏 の が 良 教 研 集 源 界 鑽 い 側 を 、 極 か 深 仏 楽 ら め 教 浄 も る の 土 在 場 基 九 家 と 本 品 社 な 的 往 会 っ 教 生 の た 理 義 浄 。 の 習 、 土 得 千 信 仰 や 観 に 中 国 十 対 す ・ 願 る 日 発 本 心 理 論 の 記 的 天 、 要 台 源 請 浄 信 に 土 応 教 往 え に 生 る つ 要 形 い 四 ︶ に 結 成 さ れ た 念 仏 結 社 勧 学 会 は 、 文 人 貴 族 と 比 叡 山 の 僧 侶 各 二 〇 会 が 在 家 者 側 に 見 ら れ る よ う に な っ て き た 。 た と え ば 康 保 元 年 ︵ 九 六 ま り を 見 せ た 。 そ れ に 伴 い 、 浄 土 信 仰 の 意 義 に つ い て 積 極 的 に 学 ぶ 機 半 に は 、 貴 族 社 会 の 中 で 浄 土 信 仰 、 と く に 臨 終 来 迎 に 対 す る 注 目 が 高 仏 初 ・ は 九 菩 極 世 楽 紀 の 浄 後 浄 土 半 土 が 頃 と 弥 か 限 勒 ら 定 菩 徐 さ 々 れ の に て 兜 社 い 率 会 な 天 に か 浄 っ と 土 た 並 教 。 列 が や 的 受 が に 容 て 扱 さ 時 わ れ 代 れ て が る い 下 な く り ど な 一 、 か 〇 特 で 世 定 、 後 の 当 救 済 者 と い う 立 場 は 自 認 し て い た が 、 天 皇 に よ る 一 方 的 な 衆 生 救 済 を え な か っ た 仏 事 を 積 極 的 に 行 う と と も に 、 多 く の 浄 土 信 仰 関 係 の 願 文 の 帝 王 と 認 識 さ れ て い た が 、 退 位 後 や 死 後 は 、 極 楽 浄 土 の 仏 や 法 身 仏 白 河 ・ 堀 河 ・ 鳥 羽 ・ 崇 徳 天 皇 は 、 在 位 中 は 高 徳 な 仏 教 的 救 済 者 と し て 変 化 が 生 じ る よ う に な る 。 院 政 期 の 天 皇 で あ っ た 、 後 冷 泉 ・ 後 三 条 ・ 聖 王 ︵ 金 輪 聖 王 ︶ と い う 役 割 を 有 す る と い う 理 解 は 、 院 政 期 に 入 る と 七 世 紀 頃 か ら 受 容 さ れ た そ の 響 を 強 く 受 け て い た こ と に あ る5 ︶ 。 鳥 羽 は 転 輪 聖 王 と い う 自 ら の 仏 教 的 と 講 説 な ら び に 九 品 往 生 の 重 要 性 や 唯 心 浄 土 な ど 宋 代 天 台 浄 土 教 の 影 を 作 成 し た 。 鳥 羽 が 願 主 と な っ た 願 文 の 特 色 は 観 無 量 寿 経 の 書 写 な か で も 鳥 羽 天 皇 は 、 退 位 後 は 上 皇 と い う 立 場 か ら 天 皇 在 位 中 に 行 動 に 邁 進 し て い る 姿 と し て 人 々 に 認 識 さ れ た 。 と し て 理 解 さ れ 、 天 皇 在 位 中 に 制 約 の た め に 行 え な か っ た 衆 生 救 済 活 え は 、 天 皇 は 仏 教 的 救 済 者 で あ る 転 輪 仏 教 的 帝 王 観 の 影 響 を 受 け た 天 皇 の 姿 が 描 か れ る よ う に な っ て い た4 ︶ 。 こ の 頃 に 作 成 さ れ た 浄 土 信 仰 の 願 文 に は 、 東 ア ジ ア の 仏 教 国 共 通 の 第 一 章 一 二 世 紀 の 浄 土 信 仰 に つ い て 活 躍 、 南 都 仏 教 や 真 言 宗 に よ る 浄 土 教 研 究 が 盛 行 を 呈 し て い た3 ︶ 。 勢 観 房 源 智 阿 弥 陀 如 来 像 造 立 願 文 に つ い て ︵ 工 藤 美 和 子 ︶ 見 せ る よ う に な る 。 た と え ば 、 阿 弥 陀 堂 の 立 、 往 生 伝 の 作 成 、 聖 の 四 八 佛 教 大 学 歴 第 四 号 ︵ 二 〇 一 四 年 三 月 ︶ で 衆 生 が 菩 提 心 を お こ る こ と を 意 味 し 、 衆 生 は 清 浄 化 さ れ 各 自 が 誓 願 さ れ た 。 そ の 内 容 は 、 願 文 と 結 縁 る9 に に 然 法 元 天 の 党 の ︶ そ 。 は も 没 然 に 台 と 狩 孫 法 の 法 赴 後 の 帰 座 き り に 源 然 か の 死 り 主 に か あ 然 智 の な 源 の 、 慈 法 ら た 上 が か 智 間 法 円 然 身 る 人 発 堂 っ に 際 然 の の を 師 行 願 を た つ に が も 元 隠 盛 状 し 修 と い 死 と に す の 絵 た 築 伝 て 一 去 へ 預 た 子 図 阿 し え 、 枚 す と け め で 弥 て て 賀 起 る 向 た に あ 巻 陀 堂 い 茂 請 ま か が 源 っ 四 如 舎 る 社 文 で わ 、 智 て 十 来 を 。 の の せ 法 の 、 五 立 営 ま 近 を 約 出 然 母 源 に 像 ん た く 授 一 家 は が 平 よ か だ 源 に け 八 さ 源 密 の れ ら こ 智 居 ら 年 せ 智 か 争 ば は と は 住 れ 間 た の に 乱 源 様 が 、 し た の 。 す 育 後 智 々 知 文 隠 。 間 出 ぐ た 、 は な 恩 暦 、 家 れ と 平 、 像 院 元 生 行 法 後 た い 家 平 内 に 年 活 状 然 、 素 う 一 清 納 も ︵ を 絵 の 源 質 。 門 盛 入 伝 一 好 図 給 智 を 源 に の 品 わ 二 ん 仕 は 見 智 対 嫡 が っ 三 で で を 法 抜 一 す 男 発 て 四 説 は 勤 然 き 三 る 重 見 い ︶ 法 法 め の 、 歳 残 盛 、 名 で あ っ た 。 名 は 細 字 で 結 縁 者 つ ま り 、 願 主 の 誓 願 に 結 縁 す る 重 要 性 と 、 衆 生 に 誓 願 が 生 じ る こ と 感 化 し 、 や が て 理 想 的 社 会 が 実 現 さ れ た と い う 故 事 に な ぞ ら え て い る7 ︶ 。 す る 。 ま 舜 徳 た を 願 以 主 て の 徳 誓 と 願 な が す 人 々 と の 、 心 中 に 国 生 の じ 伝 る 説 こ 的 と 聖 を 帝 の 堯 徳 心 が を 人 以 々 て の 心 心 と に な 他 行 で 行 う 、 そ の 方 法 は 仏 像 一 体 ず つ の 願 主 と な る こ と だ と 述 べ ら れ そ の 報 恩 は 生 は 前 世 で は 自 互 調 い 自 に 度 の 行 母 度 す は 今 の 願 い 徳 を 以 て 徳 と な す6 ︶ 利 。 他 の 男 思 自 女 い 利 深 行 と し で は い う と な 恩 い く の う 、 関 願 主 大 係 の 慈 で 大 結 誓 悲 ば 願 の れ と と 心 て も い に 利 た 。 衆 = 四 九 の 名 前 が 記 さ れ た 写 経 料 紙 、 各 号 紙 札 、 結 縁 供 養 紙 札 、 百 万 遍 念 仏 の を 発 し た 願 主 と し て 利 他 行 に 邁 進 し 、 極 楽 浄 土 を 目 指 す と い う 新 た な = 学 部 論 集 浄 土 信 仰 の 具 体 的 実 践 法 が 示 さ れ た8 ︶ 。 る な り 。 夫 れ 堯 の 時 の 民 、 堯 心 を 以 て 心 と な す 。 舜 の 日 の 俗 、 舜 る な り 。 貪 り て 吾 が 財 を 惜 し む に 非 ず 、 唯 だ 人 心 を 真 に 帰 せ し む れ 則 ち 此 の 見 て 人 力 を 仮 る に 非 ず 、 専 ら に 吾 が 願 を 広 く 及 ぼ し む し 。 ︵ 中 略 ︶ 一 体 を 人 別 に 宛 て 、 千 体 を 限 り て 造 立 す 。 ︵ 中 略 ︶ 是 第 二 章 阿 弥 陀 如 来 像 造 立 願 文 に み る 法 然 す 。 仍 ち 法 界 一 切 の 衆 生 を 導 き 、 宜 し く 弥 陀 千 体 の 形 像 を 顕 す べ 恩 有 り 。 然 れ ば 則 ち 自 調 自 度 の 行 に せ ず 、 只 大 慈 大 悲 の 心 を 発 の 願 文 は ど の よ う な こ と を 語 っ て い る の だ ろ う か 。 車 輪 の 始 終 無 き が 如 し 。 或 は 母 た り 男 女 た り 、 生 生 世 々 互 い に で は 、 こ の よ う な 浄 土 信 仰 が 受 容 さ れ て い っ た 社 会 背 景 の 中 で 源 智 報 を 顧 み る 。 ︵ 中 略 ︶ 心 地 観 経 に 曰 く 、 有 情 輪 廻 六 道 に 生 ず 、 猶 衆 生 を 度 す は 今 の 願 い な り 。 利 他 の 思 い 深 し 、 爰 に る の で あ る 。 的 な も の へ と 変 化 し て い く 社 会 の あ り 方 が 提 唱 さ れ て い た こ と が 伺 え に 述 べ て い る 。 と 流 転 の 業 楽 浄 土 往 生 を 実 現 す る た め に は 単 独 の 救 済 者 に よ る 救 済 の 他 に 、 集 団 千 体 阿 弥 陀 如 来 像 が 製 作 さ れ る べ き だ と い う 必 要 性 に つ い て 次 の よ う 以 上 の よ う に 、 源 智 の 願 文 が 草 さ れ る 頃 の 浄 土 信 仰 の あ り 方 は 、 極 の 像 中 に 数 万 人 の 姓 名 を 納 む 。 是 れ 又 幽 霊 の 恩 に 報 ず る な り 。 所 以 は C ︶ 是 を 以 て 三 尺 の 弥 陀 像 を 造 立 し 、 先 師 の 恩 徳 に 報 ぜ ん と 欲 し 、 此 抜 眼 多 生 に も 豈 に 報 ぜ ん や 。 徳 な A 願 り ︶ 文 の の と 文 、 恩 意 受 山 を け の A た 尤 恩 も ︶ か の 高 ら 中 き D で は ︶ 最 、 の も 教 順 尊 導 で い の 見 も 恩 て の 、 い は 徳 こ 海 う 教 の 。 導 尤 も で 深 あ き り は 、 、 同 厳 じ 訓 よ の 徳 の 城 に 入 る は 、 偏 に 我 師 上 人 の 恩 徳 な り 。 骨 曠 劫 に も 謝 し 難 し 、 け て 、 五 悪 の 闇 忽 ち 晴 れ 、 未 断 惑 の 凡 夫 、 忽 ち 三 有 の 栖 を 出 で て 、 四 凡 夫 出 離 の 道 、 末 代 有 縁 の 門 な り 。 玆 れ 由 り て 四 衆 望 を 安 養 の 月 に 懸 後 に 聖 道 の 教 行 を 改 め て 偏 に 浄 土 の 乗 因 を 専 ら に せ ん 。 此 の 教 え 即 ち B ︶ 爰 に 我 師 上 人 、 先 に 三 僧 を 知 見 し た ま ひ て 、 即 ち 成 熟 圓 満 せ し め た ま は ん 沙 こ 門 と 源 を 智 、 敬 敬 ん ん で で 白 白 す1︶0 す 。 願 実 雄 り 、 此 の 誓 い 尤 も 深 し 。 必 ず 諸 仏 菩 抜 か ん 。 自 他 共 に 五 悪 趣 を 離 れ 、 自 他 同 じ く 九 品 の 道 に 生 ぜ ん 。 此 の 暦 二 年 十 二 月 廿 四 日 諸 天 善 神 、 弟 子 が 願 う 所 の 修 行 に 於 い て 一 仏 乗 の 道 教 に 入 り 、 の 教 、 両 肩 に 荷 う に 尚 重 し 。 況 ん や 真 諦 の 教 授 仏 陀 の 法 に 於 い て を や 。 導 の 恩 、 徳 海 の 尤 も 深 き は 、 厳 訓 の 徳 な り 。 凡 そ 俗 諦 の 師 範 た る 礼 儀 A ︶ 弟 子 源 智 、 敬 ん で 三 宝 諸 尊 に 白 し て 言 く 。 恩 山 の 尤 も 高 き は 、 教 目 に 似 た り 。 我 が 願 を 以 て 衆 生 の 苦 を 導 き 、 衆 生 の 力 を 以 て 我 が 苦 を か に 生 死 の 家 に 入 り て 残 生 を 導 化 せ ん 。 自 他 の 善 和 合 す る こ と 偏 に 網 還 来 し て 残 衆 を 引 入 せ ん 。 若 し 又 愚 癡 の 身 先 に 極 楽 に 往 生 せ ば 、 速 や 改 め た 。 ︶ D ︶ の 四 つ に 段 落 を け 書 き 下 し 文 に 改 め た 。 ま た 旧 漢 字 は 新 漢 字 に に 決 定 往 生 せ ん が 為 な り 。 若 し 此 の 中 の 一 人 先 に 浄 土 往 生 せ ば 、 忽 ち 国 王 国 母 大 政 天 皇 百 官 百 姓 万 民 が 為 に 、 下 の 善 を 以 て 、 自 身 の 極 楽 善 神 の 離 苦 得 道 が 為 に 、 兼 ね て 秘 妙 等 親 類 が 為 な り 。 中 の 善 を 以 て 、 像 を 造 立 し た 願 意 に つ い て 次 の よ う に 記 さ れ て い る ︵ 宜 上 A ︶ か ら て 師 徳 に 報 ず 、 実 に 此 の 作 善 莫 大 な り 。 上 の 善 を 以 て 、 三 界 の 諸 天 れ て 名 い と た 一 。 緒 に 発 見 さ れ た 阿 弥 陀 如 来 像 造 立 願 文 は 、 阿 弥 陀 如 来 三 界 の 獄 城 を 出 で 、 速 や か に 九 品 の 仏 家 に 生 ず る べ し 。 已 に 利 物 を 以 い 、 必 ず 我 師 の 引 接 を 蒙 ら ん 。 此 の 結 縁 の 衆 は 、 一 生 三 生 の 中 、 早 く 朝 な ど の 源 氏 一 門 、 自 ら の 出 自 で あ る 平 家 出 身 の 武 家 の 名 前 等 が 記 さ る し く 祐 は 清 妹 の D ︶ 像 中 に 納 め 奉 る 所 の 道 俗 貴 賤 有 縁 無 縁 の 類 、 併 愚 侶 方 報 謝 に あ ら ざ ら ん や 。 の 力 に 随 幸 比 清 丘 尼 名 秘 前 妙 が 書 や か 、 れ 石 て 清 い 水 た 八 。 幡 そ 宮 の の 他 祠 に 官 も の 紀 名 氏 に の は 一 、 族 源 で 頼 あ 衆 生 を 利 益 す る 計 を 以 て 、 先 師 上 人 の 恩 徳 に 報 謝 す る な り 、 何 ぞ 真 の 記 さ れ て い た 。 ま た 天 台 座 主 慈 円 、 源 智 の 縁 戚 関 係 と し て 源 智 の 母 も こ に は 感 西 、 安 楽 房 遵 西 、 住 数 取 り 帳 な ど で 、 、 証 空 、 信 空 な ど 法 然 の 弟 子 の 名 前 が 名 に は 、 源 智 自 筆 の 継 紙 二 紙 も 含 ま れ て い た 。 そ 益 す る の 源 、 凡 聖 一 位 の 意 、 迷 悟 一 如 の 義 な り 。 迷 悟 一 如 の 意 に 住 し 、 り 、 仍 て 数 万 人 の 姓 名 を 書 し て 三 尺 の 仏 像 に 納 む 。 此 れ 即 ち 衆 生 を 利 何 と な れ ば 、 先 師 は 只 化 物 を 以 て 心 と 為 し 、 利 生 を 以 て 先 と 為 せ ば な 勢 観 房 源 智 阿 弥 陀 如 来 像 造 立 願 文 に つ い て ︵ 工 藤 美 和 子 ︶ 五 〇 佛 教 大 学 歴 学 部 論 集 第 四 号 ︵ 二 〇 一 四 年 三 月 ︶ 五 一 で は 源 智 や 結 縁 者 た ち が え る 真 の 報 恩 と は 何 だ ろ う か 。 そ の こ と 対 す る 報 恩 に は な ら な い の だ と 述 べ て い る 。 て 道 我 俗 が 貴 師 賤 の 有 引 縁 接 無 縁 を の 蒙 類 る で が あ ろ 愚 う 侶 こ 方 と が 力 述 べ と ら い れ う 、 源 衆 智 生 の と 教 法 導 然 に を よ つ っ 然 が 我 々 に 教 示 し た 踏 ま え な が ら も 、 自 ら の 骨 を 砕 い た り 眼 球 を 施 す と い う 布 施 行 も 、 法 行 に つ い て 記 さ れ 釈 及 ば な け れ ば な ら な い を 。 法 然 に 捧 げ た 功 徳 に つ い て 述 べ ら れ て い る 。 凡 夫 出 離 の 道 末 代 有 縁 の 門 と い う 教 え に D ︶ で は 、 姓 名 の 偉 大 さ が 説 か れ て い る 。 願 文 は こ の 前 生 譚 を 釈 話 抜 眼 が 一 多 前 切 生 世 持 に で 王 も 盲 子 豈 目 に の を 報 バ 典 ぜ ラ 拠 ん モ と や ン し 僧 た と に 言 、 自 葉 呉 ら を 支 の 記 謙 眼 し 訳 球 て を い 菩 施 る す 。 本 と 一 縁 い 切 経 う 持 壮 王 巻 絶 上 な 子 第 布 は 十 施 、 二 題 に し て い る 。 そ の 問 題 に つ い て 願 文 で は 間 関 係 の 枠 外 の 、 時 間 的 空 間 的 に 制 限 さ れ な い 広 範 囲 の 衆 生 に 対 し て を 通 実 し 践 て し 供 て 養 い さ る れ 者 る と べ 認 き 識 四 さ 恩 れ の て 対 い 象 た1︶1 者 。 は そ 、 し 衆 て 生 利 済 他 度 行 の は 誓 、 願 限 を 定 立 さ て れ 利 た 他 人 行 実 践 し て い た 利 他 行 を 継 承 す る こ と を 誓 う 誓 願 で あ る か ら 、 そ の 利 他 行 を 実 践 す る こ と こ そ が 真 の 報 恩 で あ る と さ れ て き た 。 そ の た め 、 共 骨 曠 劫 に も 謝 し 難 し 、 願 文 は 法 然 の 恩 徳 に 対 し て い か な る 報 恩 が で き る の か を 次 に 問 て い た 。 願 文 は 供 養 す る 側 が 四 恩 ︵ 物 と し て 認 識 さ れ て い た こ と が 伺 え る 。 が 無 限 に 誓 い 時 間 を 費 や し 衆 生 の た め に 浄 土 の 教 え を 教 示 し た 人 膨 大 な 数 に な る と え て い た か ら 、 報 恩 の 対 象 も 一 切 衆 生 と 母 ・ 一 切 衆 生 ・ 国 王 ・ 三 宝 え ︶ ら が れ け た 恩 は 何 代 に も わ た り 、 恩 を 与 え て く れ た 者 も 数 え 切 れ な い ほ ど の 界 ︶ を 脱 し が て 衆 生 四 に 徳 も 城 た ら の し 悟 た り へ 恩 と 徳 至 こ で と あ が っ 願 た わ と れ 理 る 解 。 さ そ れ れ 、 こ 法 そ 然 が 婆 夷 ︶ の 衆 生 が 浄 土 往 生 を 遂 げ る 重 要 な 教 え で あ っ た 。 さ ら に 未 断 惑 の 凡 夫 四 衆 ︵ 比 丘 ・ 比 丘 尼 ・ 優 婆 塞 ・ 優 を 超 え た も の で あ る 。 仏 教 は 、 自 一 生 行 如 利 に 益 な が の る 実 源 か 現 ら さ で と れ あ 述 る り べ こ 、 て と 法 い だ 然 る と が 。 記 衆 さ 生 数 れ に 万 る 明 人 。 ら の か 姓 に 名 し を た 納 凡 入 す 聖 る 一 こ 位 と は 迷 悟 衆 我 師 上 人 が 輪 廻 転 生 す る な か で 、 前 世 で 受 仏 教 で 理 解 さ れ る 報 恩 の 関 係 は 、 血 縁 と い っ た 限 定 的 な 関 係 の 範 囲 も ま た 三 有 ︵ 三 じ 教 間 の た え の B 教 に 中 え 浄 転 で ︶ は は 土 じ 、 尤 た 一 我 も の と 仏 師 尊 教 い 上 く え う 乗 人 そ は 、 の の 法 天 と 恩 凡 然 台 称 も 夫 の さ 莫 出 思 の 教 れ 大 離 想 え た な の 遍 を 法 も 道 歴 修 然 の に が に で つ 行 し 、 な あ い 、 る 三 と り て 述 聖 僧 記 末 べ 道 す 代 ら 。 有 れ か と 縁 る ら い う の 。 門 法 浄 無 然 土 限 の に が な 転 の 時 る が 、 そ の 理 由 を 化 物 を 以 て 心 と 為 し 、 利 生 を 以 て 先 と 為 す 利 他 教 え で さ え 尊 い の だ か ら 真 諦 の 教 授 仏 陀 の 法 に 於 い て を や と 、 仏 う に 深 い 徳 は 厳 訓 で あ る と 述 べ て い る 。 さ ら に 俗 世 間 で の 礼 儀 の 人 そ 阿 此 を の が 弥 の 願 姓 陀 像 文 名 幽 如 中 は 霊 来 に C が の 像 数 ︶ 実 恩 を 万 で 際 に 造 人 に 報 立 の 三 納 ず し 姓 尺 入 る 、 名 の さ そ を 弥 れ こ の 納 陀 て と 内 む 像 い に 部 。 を た な に 是 造 結 る れ 立 縁 の 数 又 し だ 万 幽 、 名 と 人 霊 先 で 述 の の 師 あ べ 姓 恩 の る て 名 に 恩 こ い 報 徳 と る を ず に は 。 納 る 報 明 こ め な ぜ ら の る り ん か こ と で 数 と と 欲 あ 万 こ 、 し 、 を て ま 除 衆 た く 生 こ の 我 と 苦 が に は 苦 な 除 る か と の れ は だ る 単 と が に い 、 煩 う 願 悩 主 と え も い と ま う 同 た 意 意 衆 味 で 生 で あ の は ろ 利 な う1︶4 他 く 。 行 、 に 源 よ 智 っ が て も 自 っ ら て の い 苦 阿 弥 陀 如 来 立 像 願 文 に 数 万 人 の 姓 名 姓 名 を 捧 げ る と い う こ と な せ ま 影 て と た 響 こ い を と う 我 与 そ が え 自 え 願 た 他 も を 。 の 、 以 真 貞 て の 観 衆 救 一 生 済 一 の に 年 苦 な ︵ を る 八 導 と 六 き い 九 う 、 ︶ 衆 九 え 月 生 は の 当 安 力 時 氏 を の 諸 以 在 大 て 家 夫 我 社 先 が 会 苦 に の を 大 為 抜 き 意 味 を も つ の だ ろ う か 。 の 化 身 が 現 実 世 界 に 現 れ 極 楽 浄 土 往 生 を 示 し 人 々 を 救 済 す る と い う 浄 本 往 生 極 楽 記 姓 念 名 仏 以 者 上 が た の な ち よ ぜ の う 像 理 に 内 解 、 に が 納 述 阿 め べ 弥 ら ら 陀 れ れ 如 た て 来 の い 立 か る 像 と の 願 い だ 文 う が 問 、 に 題 注 は で 目 、 あ す 当 る べ 時 。 き の 約 は 法 然 四 万 数 に 六 万 対 千 人 す 人 の る う 誓 願 を 成 就 す る の だ と 理 解 し た の で あ る 。 等 の 往 生 伝 な ど に 反 映 さ れ て い る 。 往 生 伝 等 に は 菩 た 無 い 生 と 忍 記 を し 得 て て い 不 る1︶2 退 。 転 こ の の 菩 え は 、 九 八 五 年 に 著 さ れ た 慶 滋 保 胤 の と し て 再 び 娑 婆 世 界 に 戻 り 衆 生 済 度 を 行 日 い き 、 結 縁 者 一 人 一 人 の 苦 一 切 衆 生 を 極 楽 往 生 へ と 導 き た い 万 の 姓 名 を 納 め た 結 縁 者 も ま た 源 智 と 同 様 に 還 来 し て 残 衆 と を い 導 記 に ま と め た 、 そ の 第 一 願 、 第 二 願 は 、 往 生 の 後 、 見 仏 聞 法 を し て い た 。 そ れ は 源 智 自 身 の 往 生 の 可 否 を 問 題 に す る だ け で は な く 、 数 一 〇 世 紀 半 ば 、 園 城 寺 の 学 僧 千 観 は 、 自 ら 誓 願 を 立 て さ れ て い る こ と で あ る 。 と 平 安 時 代 の 浄 土 信 仰 観 も 継 承 十 願 発 心 一 切 衆 生 を 極 楽 往 生 へ と 導 き た い 、 と い う 誓 願 が 成 就 さ れ る と に 生 死 の 家 に 入 り て 残 生 を 導 化 せ ん 行 が 必 要 で あ る と 述 べ て い る が 、 そ れ に よ っ て 、 源 智 自 身 の 身 も 往 生 し て 還 来 し て 残 衆 を 引 入 せ ん 、 若 し 又 愚 癡 の 身 先 に 極 楽 に 往 生 せ ば 、 速 か 救 済 に な ら な い 還 と 来 い し う て 残 え 衆 を を 持 引 っ 入 て い す た る こ た と め が に か 衆 る 生 。 の さ 力 ら に 源 え 苦 利 智 て 他 自 = 釈 も の の 結 壮 縁 絶 者 な の 捨 数 身 の 行 多 を さ も も 凌 さ ぐ る 真 こ の と 報 な 恩 が に ら な 、 る そ と れ い を う 像 理 内 解 に は 納 ど め の る よ こ う と な が 土 信 仰 の あ り 方 が 記 さ れ て い る が 、 還 相 廻 向 の 後 に 一 切 衆 生 を 往 生 さ = が 像 内 に 納 入 さ れ た よ 第 三 章 く = う に 、 像 内 に 発 願 者 や 結 縁 者 の 名 前 を 記 入 す る な ど の 行 為 は 、 鎌 倉 時 我 の が 法 心 華 を 会 遂 を げ 修 む す 。 る 汝 願 我 文 に ︵ 因 て 菅 汝 家 が 文 志 草 を 言 巻 へ1︶3 第 十 と 一 い ︶ う の 願 主 我 の 汝 誓 の 願 因 に を よ 以 っ て ま た 注 意 す べ き な の は 若 し 此 の 中 の 一 人 先 に 浄 土 往 生 せ ば 、 忽 ち こ と は で き な い し 往 生 す る こ と も 成 仏 す る こ と も 不 可 能 と い う 、 真 の 念 仏 結 縁 者 た ち の 中 で 理 解 さ れ て い た と も え ら れ る 。 摘 す る よ う に 、 法 然 を 阿 弥 陀 如 来 も し く は 菩 と み な す え が 当 時 の 源 智 は 自 身 の 力 を 一 方 的 に 振 り 向 け た だ け で は 願 意 は 実 は 衆 生 側 も 同 じ で あ っ て 、 そ れ を 衆 生 衆 の 生 苦 の 苦 と 表 を し 滅 て す い る る 。 な ぐ 中 間 者 と し て の 源 智 の 役 割 が う か が え る 。 こ れ は 伊 藤 唯 真 氏 が 指 勢 観 房 源 智 阿 弥 陀 如 来 像 造 立 願 文 に つ い て ︵ 工 藤 美 和 子 ︶ る 衆 生 を 極 楽 往 生 へ と 導 き た い と い う 願 意 を 意 味 し て い る 。 そ の 五 二 佛 教 大 学 歴 学 部 論 集 第 四 号 ︵ 二 〇 一 四 年 三 月 ︶ 経 っ て が 納 法 入 華 さ 経 れ た 如 。 来 宝 寿 篋 量 印 品 陀 の 羅 書 尼 写 経 と 、 は 結 、 縁 経 者 典 に と よ 舎 る 利 は 宝 同 篋 一 印 と 陀 い 羅 う 尼 っ て 死 期 が 迫 っ た こ と を 知 っ た と き に 自 五 三 は 生 前 に 善 行 を 行 わ な か っ 教 の 祖 と い わ れ た 空 也 ︵ 九 〇 三 ∼ 九 七 二 ︶ の 檀 越 で あ っ た が 、 病 に よ の 本 誓 授 願 記 を 品 作 し の 已 り 尋 ぬ1︶7 い で の 大 引 悲 用 の で 心 あ を る 成 が 就 、 す そ る の を 他 得 に 、 も 広 舎 大 利 無 、 量 念 に 仏 し 房 て に 五 よ 百 説 話 に よ れ ば 、 平 安 時 代 の 貴 族 藤 原 師 氏 ︵ 九 一 三 ∼ 九 七 〇 ︶ は 浄 土 れ て い た こ と を 示 す 料 が 鎌 倉 時 代 の 説 話 集 古 事 談 に 見 ら れ る 。 が と こ 述 、 の べ 五 ら 百 五 れ 人 百 て も の い の 大 る 僧 願 。 侶 が と 誓 は 願 、 を 北 立 涼 て 曇 像 無 内 に 訳 阿 弥 悲 陀 華 如 経 来 像 巻 を 第 安 七 置 し 諸 た 菩 こ と 名 前 を 捧 げ る こ と で 主 従 関 係 が 結 ば れ る こ と が 、 仏 教 界 側 で も 行 わ 従 関 係 を 結 ぶ と い う 意 味 に 変 貌 し て い っ た 。 題 で あ っ た の に 対 し て 、 武 家 社 会 で 受 容 さ れ る よ う に な る と 完 全 な 主 注 に し 書 て か 此 し の む 像 。 内 皆 に 一 籠 字 め を 奉 写 る1︶6 す 。 毎 に 三 礼 を 致 す 。 是 れ ま た 諸 人 の 名 を め 奉 り 、 ま た 法 華 経 寿 量 品 を 手 自 書 く 。 宝 篋 印 陀 羅 尼 経 を し て 人 る 者 、 そ の 仏 意 を 備 う る な り 。 ま た 生 身 に 凝 せ ん が 為 に 舎 利 を 納 し む 。 当 に そ の 一 願 の 下 に そ の 一 口 の 名 を 注 し 、 そ の 旧 願 を 納 め る る2︶0 人 こ が 。 格 と 、 さ を ︵ ら 相 名 家 に 手 簿 社 名 に 捧 会 簿 捧 呈 の 捧 げ ︶ 名 呈 る は 簿 の こ 、 捧 行 と 弟 呈 為 に 子 が 自 な や 貴 体 る 従 族 が と 者 た 平 い に ち 安 う な の 時 意 る 昇 代 味 こ 殿 初 が と の 期 含 を 可 に ま 意 否 は れ 味 に じ る し か ま と 、 か っ 指 そ っ た 摘 れ て 慣 さ と い 習 れ と た で て も 問 あ い に 中 田 薫 氏 は 、 自 の 名 前 や 官 位 を 記 し た 名 札 で あ る 名 簿 を 捧 げ る す 、 御 身 の 中 、 蔵 す る 所 の 者 多 し 、 五 百 浄 侶 、 五 百 の 大 願 を 書 か こ の よ う に 結 縁 者 が 名 前 を 記 し 、 そ れ を 神 仏 に 捧 げ る 行 為 に つ い て 造 り 奉 る 如 来 の 金 容 、 一 尺 六 寸 の 製 を 以 て 、 一 六 尺 の 像 を 凝 ら 五 〇 〇 名 の 結 縁 に 作 成 さ れ た 願 文 で あ る 。 願 文 は 次 の よ う に 記 さ れ て い る 。 鎌 倉 時 代 前 期 作 名 の が 奈 発 良 見 市 さ の れ 興 て 善 い 寺 る1︶9 蔵 。 阿 弥 陀 如 来 像 の 内 部 か ら も 約 一 房 が 清 涼 寺 の 西 隣 に 居 住 し て い た 往 生 院 で 安 置 す る 仏 像 を 造 立 し た 時 一 ︶ 九 月 日 付 の 嵯 峨 念 仏 房 往 生 院 修 善 文 ︵ 願 文 集 ︶ に は 、 念 仏 死 中 去 に し は た 、 武 源 将 義 の 仲 名 、 前 源 も 義 記 経 さ 、 れ 平 て 宗 い 盛 た1︶8 、 。 平 重 衡 と い っ た 源 平 合 戦 に よ っ て そ の 勧 進 行 の 一 つ と し て 行 わ れ て い た で あ ろ う 、 久 二 年 ︵ 一 一 九 百 八 十 九 躰 、 久 五 年 六 月 廿 九 日 始 之 と 記 さ れ 、 結 縁 者 の 名 前 の 峨 清 涼 寺 の 再 に 尽 力 す る な ど 勧 進 僧 と し て の 活 動 も 行 っ て い る が 、 な 答 ど に 門 参 弟 加 と し し 、 て 元 知 九 ら 元 れ 年 て ︵ い 一 る1︶5 二 。 〇 承 四 久 ︶ 三 の 年 ︵ 七 一 箇 二 条 二 起 一 請 ︶ 文 に は に 焼 署 亡 名 し を た す 嵯 る 六 六 枚 、 す な わ ち 約 一 万 二 千 人 の 姓 名 と 印 仏 が 発 見 さ れ た 。 像 内 に は 北 区 ︶ 伝 来 の 快 慶 作 阿 弥 陀 如 来 像 の 像 内 か ら も 、 一 枚 百 九 〇 体 の 印 仏 そ の 他 に も 、 久 五 年 ︵ 一 一 九 四 ︶ 頃 に 制 作 さ れ た 遣 迎 院 ︵ 京 都 市 源 智 と 同 じ く 法 然 の 弟 子 念 仏 房 は 、 文 治 二 年 ︵ 一 一 八 六 ︶ の 大 原 問 名 前 が 記 さ れ 納 入 さ れ た 。 代 に 入 る と 多 く 見 ら れ る よ う に な る 。 法 舎 利 の 教 え が 説 か れ て お り 、 こ の 経 典 を 書 写 す る た び に 礼 拝 を 行 い に 西 大 寺 に 西 琳 寺 を 寄 進 し 末 寺 と な る こ と を 示 し 、 ま た 当 時 よ り 興 正 い う こ と に つ い て 楽 邦 文 類 浄 慈 七 宝 弥 陀 像 記 ︵ 揚 傑 ︶ に は 次 の 当 と 庄 官 が 自 ら の 名 前 を 仏 に 捧 げ る こ と を 意 味 し て い る の だ が 、 同 時 仏 像 内 に 結 縁 者 の 名 前 を 納 め る こ と が ど の よ う な 意 味 が あ る の か と く 衆 僧 止 住 の 砌 と 為 し た と い う 。 名 字 を 三 宝 に 寄 進 す と は 、 別 る こ と に つ な が っ て い る の で は な い か と え ら れ る 。 寄 進 す 。 管 領 を 停 止 し 、 未 来 際 を 尽 く し て 、 戒 律 弘 通 の 栖 と 為 し 、 永 三 ︶ 、 西 琳 寺 の 二 人 の 別 当 と 五 人 の 庄 官 が 一 味 同 心 し が 説 か れ て い る の だ が 、 こ の よ う な え 方 が 、 後 の 像 内 に 名 簿 を 納 め 野 市 ︶ 伝 来 の 旧 記 を 編 纂 し た 寺 誌 の 甥 に あ た る 惣 持 が 文 永 八 年 ︵ 一 二 西 七 琳 一 寺 ︶ 文 、 永 律 注 宗 記2︶1 西 琳 に 寺 も ︵ 名 大 前 阪 と 府 仏 羽 と 曳 い う 目 的 の た め に 名 字 を 三 宝 に の 関 係 に つ い て 言 及 さ れ て い る 。 そ れ に よ る と 、 弘 長 三 年 ︵ 一 二 六 う こ と は あ っ て も 作 善 の 価 値 は 決 し て 失 わ れ る こ と が な い と い う こ と す る と 王 は 財 産 の 没 収 を 止 め た 。 つ ま り こ の 話 は 、 物 質 的 な 財 産 を 失 的 財 産 目 録 も 提 出 し 、 こ れ は ら れ る 。 と こ ろ が そ の 人 は 財 産 目 録 で は な く 後 身 の 家 産 簿 で あ る と 答 え た と い う 。 作 善 の 名 簿 を 提 出 す る の で あ る 。 王 は 激 怒 す る の だ が 、 そ の 人 は 物 質 と し て で は な く 、 菩 名 籍 の 化 が 身 捧 で げ あ ら る れ 空 た 也 こ に と 対 を し 意 て 味 自 し ら て 仏 い 弟 る 子 。 に な 叡 る 尊 と 福 徳 の 名 簿 す な わ ち 犯 し て 全 財 産 を を 没 収 さ れ そ う に な り 、 王 か ら 財 産 目 録 の 提 出 を 命 じ れ て い た な ら ば 、 師 氏 と 空 也 の 関 係 は 人 間 同 士 の 主 従 関 係 と い う 意 味 る 。 重 要 な の は 其 の 福 は 奪 い 難 く の た と え 話 で 、 あ る 人 が 王 法 を さ ら に 、 古 事 談 成 立 当 時 に 空 也 が 菩 の 化 身 と い う 理 解 が な さ 能 く 、 盗 を も 禁 止 す 。 野 の 沙 門 は 楽 な り と い う 言 葉 の た と え 話 で あ お い て 神 仏 に 名 前 を 捧 げ る 重 要 性 を 示 し て い る と え ら れ る 。 い う 話 自 体 が 古 事 談 で 初 め て 紹 介 さ れ た こ と に な り 、 鎌 倉 時 代 に 氏 と 空 也 の 話 そ の も の が な い こ と か ら 、 師 氏 が 自 ら の 名 前 を 捧 げ た と こ れ 盗 所 は 者 録 22 、 ︶ 法 。 王 句 聞 経 斯 語 特 心 信 開 品 夷 の 意 悟 信 息 は 而 能 不 く 録 河 、 を 是 渡 故 し 説 、 其 其 福 の 難 福 奪 は 也 奪 、 い 能 難 禁 く 止 、 め に 娑 婆 世 界 の 出 現 し た 菩 の 化 身 と い う 認 識 が 語 ら れ て い る が 、 師 所 名 で 収 籍 空 き の 也 た を と と 空 捧 師 い 也 げ 氏 う 伝 た の 。 話 に と い は は う 空 、 内 也 空 容 の 也 伝 は は な 記 娑 い で 婆 。 あ 世 ま る 界 の た 慶 空 極 滋 也 楽 保 誄 浄 胤 土 に の 日 は 教 本 記 え 往 さ を 生 れ 広 て め 極 楽 い る 記 る た が 、 経 乃 送 福 徳 簿 耶 、 其 人 報 曰 後 身 家 産 簿 者 此 簿 是 也 。 今 身 家 産 簿 隨 王 詣 於 官 、 其 人 齎 福 徳 名 簿 送 詣 於 官 、 王 問 其 人 、 吾 勅 汝 送 家 産 財 簿 、 昔 有 一 人 犯 於 王 法 、 家 産 諸 物 盡 没 於 官 、 王 勅 其 人 送 汝 家 産 財 簿 盡 巻 十 二 信 解 品 に 次 の よ う に 説 か れ て い る 。 名 前 を 捧 げ る と い う 行 為 が 大 き な 仏 教 的 作 善 に な る こ と が 出 曜 て 閻 魔 王 に 牒 を 送 り 、 そ の 牒 に よ っ て 師 氏 は 堕 地 獄 か ら 免 れ る こ と が て 空 也 と 師 弟 関 係 を 結 ぶ こ と に な り 、 反 対 に 空 也 は 師 氏 の 死 後 を 案 じ た こ と を 懺 悔 し て 、 空 也 に 自 善 こ と れ は え 叡 ら 尊 れ 像 る の 。 像 内 に 結 縁 菩 の 名 籍 を 捧 げ た 。 そ の 行 為 に よ っ と し て 崇 敬 さ れ て い た 叡 名 尊 が へ 納 め 名 ら 字 れ て を い 捧 た げ こ る と こ と と 同 を じ 意 仏 味 教 す 的 る 作 。 勢 観 房 源 智 阿 弥 陀 如 来 像 造 立 願 文 に つ い て ︵ 工 藤 美 和 子 ︶ 五 四 佛 教 大 学 歴 学 部 論 集 第 四 号 ︵ 二 〇 一 四 年 三 月 ︶ 五 五 て わ ち 五 空 蔵 と 理 を 解 設 さ け れ る て こ い と た を こ し と な で か あ っ る た 。 と 仏 記 像 さ は れ て 大 い 虚 る が で 、 あ そ る も か そ ら も あ 五 え え る の は 、 像 内 に 五 臓 六 腑 を 備 え 次 に 四 肢 百 節 を 作 っ た か ら で あ る と 提 像 の 像 内 に 五 臓 を 備 え が 、 菩 提 像 が い つ も 生 き て い る か の よ う に 見 ∼ 八 六 二 ︶ 述 酉 陽 雑 俎 第 六 に は 、 玄 宗 の 時 代 に 成 都 宝 相 寺 の 菩 造 立 さ れ る 際 に 行 わ れ て い た と あ 大 る 虚 。 ︵ 浄 慈 七 宝 弥 陀 像 記 ︶ す な 注 目 す べ き は 、 仏 像 の 内 部 が と こ ろ 仏 像 の 背 中 よ り 一 点 の 出 血 が 生 じ た と い う 。 段 成 式 ︵ 生 年 未 詳 と 、 願 意 を 発 し た 結 縁 者 が そ の 願 意 を 像 内 へ と 納 入 す る こ と が 仏 像 が べ 、 大 弘 誓 を 発 し て 像 の 腹 中 に 像 す 。 元 祐 八 年 、 上 元 の 日 、 衆 む を 。 集 め て 礼 す 。 淵 乃 ち 誠 を 述 た 納 集 と 舎 め え 利 ら に ば と れ よ 同 た2︶6 れ 法 様 。 ば 苑 に 、 珠 生 大 林 身 仏 の 納 十 仏 入 四 を の に 意 舎 は 味 利 仏 す は 像 る 八 が 五 四 完 蔵 粒 成 納 、 し 入 宝 そ も の 、 印 頭 中 陀 部 国 羅 に で 尼 仏 行 塔 牙 わ と を れ 如 備 て 法 え い 経 た た が 。 乃 ち 士 女 一 千 人 を 募 り 、 率 財 計 三 百 、 杭 州 無 量 院 の 僧 用 淵 に よ っ て 、 と 記 し て い る 。 南 無 阿 弥 陀 仏 作 善 と 、 造 立 に あ た っ て 結 ば れ た 同 志 は 阿 弥 陀 如 来 の 四 十 八 願 を 一 願 ず つ 利 八 三 五 粒 ︶ を 開 五 眼 輪 供 塔 養 に が 納 行 め わ 願 れ 文2︶5 た と が と 、 も 九 に 条 大 兼 仏 実 勧 は 進 大 を 仏 つ に と 奉 め 籠 た す 重 る 源 た に め 託 に し 仏 て 舎 の 南 都 焼 亡 に よ っ て 焼 失 し た 東 大 寺 大 仏 復 興 の た め に 文 治 元 年 ︵ 一 一 の 仏 と な る と い う 楽 邦 文 類 巻 第 三 る こ と を 願 う の だ と い う 。 無 量 院 に 弥 陀 像 を 造 る の 記 を も っ て 八 尺 の 弥 陀 像 を 光 明 を 放 ち 、 頻 り に 霊 瑞 を 現 す で も 書 い て 像 内 に 籠 め て た 。 そ の 理 由 は 仏 が 衆 生 を 忘 れ ず に 救 済 し て く れ ま た 同 じ く い る 。 重 源 も 願 文 に 生 身 の 舎 利 を 以 て 造 仏 の 胎 中 に 納 む る に 、 忽 に え は 日 本 に も 伝 え ら れ た 。 治 承 四 年 ︵ 一 一 八 〇 ︶ 超 れ ゆ ば 。 則 一 ち た 一 び 切 宝 の 像 念 を 清 見 浄 れ な ば り 大 。 縁 然 を れ 成 ば 就 娑 す 婆 べ を し2︶3 離 れ ず し て 僧 守 一 は 同 志 と 結 縁 を 結 び 、 彼 ら が 喜 捨 し た 七 宝 を 細 砕 し て 阿 弥 陀 如 よ う に 記 さ れ て い る 。 浄 慈 七 宝 弥 陀 像 記 物 で あ っ た 。 の 願 周 し 。 悉 く 以 て 身 中 に 蔵 め て 、 願 願 衆 生 を 忘 れ ざ る こ と を 示 な す 。 故 に 会 中 の 人 、 各 て 弥 陀 の 一 願 を 書 す 。 四 十 八 人 毎 に 弥 陀 仏 身 大 虚 に 等 し 。 故 に 、 五 蔵 を 設 け ず し て 、 衆 生 の 心 を 以 て 心 と に 利 よ の っ 細 て 仏 化 法 は が 、 弘 舎 通 利 さ が れ 仏 る そ こ の と も を の 意 で 味 あ す る る2︶4 と 。 い う 理 解 の 上 で 、 舎 利 八 万 四 千 塔 を 造 り そ の 内 部 に 釈 仏 教 を 保 護 に つ と め た ア シ ョ ー カ 王 に よ っ て 釈 部 族 が 代 に 八 表 〇 的 配 歳 な さ で 仏 れ 臨 像 八 終 納 つ を 入 の 迎 品 仏 え で 塔 、 も に そ あ 安 の る 置 遺 舎 さ 体 利 れ が の た 火 歴 。 葬 や さ は が れ イ て 遺 ン 紀 骨 ド 元 は に 前 八 さ 三 等 か 世 の 紀 さ ぼ 半 れ る ば て 。 、 八 釈 に 極 楽 に 舎 利 が 仏 そ の も の で あ り 、 そ れ を 仏 像 内 に 籠 め る こ と で 仏 像 が 生 身 来 像 を 造 立 し た が 、 そ の 際 に 、 す 。 ︵ 中 略 ︶ 一 身 清 浄 な れ ば 則 ち 一 切 の 身 清 浄 な り 。 一 念 清 浄 な の 遺 骨 を 納 め て 各 の 地 遺 に 骨 が 配 細 し た さ 。 れ 仏 舎 、 = 蔵 は 仏 舎 利 と と も に 仏 像 が 生 身 の 仏 を 示 す 重 要 な 意 味 を 付 与 さ れ た 遺 に よ れ ば 、 杭 州 浄 慈 寺 の 衆 生 は 清 浄 化 し 、 さ ら に す べ て の 世 界 も ま た 清 浄 化 す る と 理 解 さ れ て か せ る の で は な く 、 衆 生 の 心 っ て 衆 生 済 度 を 行 っ て き た 姿 と 重 な っ て い る 。 生 の た め に 四 十 八 の 誓 願 を 立 て 、 長 大 な 時 間 を 有 し て 阿 弥 陀 如 来 と な が 仏 像 の 内 部 に 留 め ら れ る こ と で 、 と い う 一 文 で あ ろ う 。 五 蔵 や 舎 利 を 納 入 す る こ と が 生 身 の 仏 と し て 働 っ た 思 想 過 程 が 記 さ れ て い た 。 そ の 姿 は あ た か も 法 蔵 菩 が 末 代 の 衆 が 端 奥 的 楽 に 夫 邦 示 氏 文 す は 類 も 、 の 仏 と 像 浄 い に 慈 う 霊 七 重 性 宝 要 を 弥 な 付 陀 指 与 像 摘 す 記 を る さ と の れ い て う 衆 い 舎 生 る29 利 の 。︶ 納 心 そ 入 を れ の 以 を 本 て 示 源 心 し 的 と て な な い 意 す る 義 の を ︵ 浄 土 門 ︶ へ 、 そ し て 凡 夫 出 離 の 道 末 代 有 縁 の 門 の 教 え に い た 間 の 阿 中 弥 で 陀 如 一 来 仏 像 乗 造 の 立 道 願 教 文 ︵ 聖 に 道 は 門 、 ︶ 法 に 然 入 が っ た 三 後 僧 に 、 と 浄 い 土 う の 無 乗 限 因 の 時 と こ ろ で 舎 利 や 五 蔵 と と も に 結 縁 者 の 名 前 を 納 入 す る こ と に つ い て 一 面 観 世 音 菩 師 像 内 の 絹 製 五 像 臓 内 、 の 神 五 奈 臓 川 な の ど 荏 が 柄 知 天 ら 神 れ 社 て の い 天 る2︶8 神 。 像 に は 本 地 と さ れ る 十 お わ り に が 出 現 し た と し て い る 。 そ の 他 に も 五 臓 納 入 例 は 、 知 恩 院 蔵 の 善 導 大 仏 牙 を 納 入 し た と こ ろ の 釈 さ れ て い た 。 に 名 前 と と も に 籠 め る こ と が 、 法 然 に 対 す る 最 高 の 報 恩 に な る と 理 解 如 来 像 が 生 身 の 仏 で あ る こ と を 示 す 奇 瑞 入 瑞 像 五 臓 具 記 捨 物 注 文 経 れ て 造 い 像 る 功 。 徳 優 経 塡 王 に 思 由 慕 来 の す 釈 る 話 如 で 来 あ 像 る と 。 は 、 雑 一 阿 含 経 に よ れ ば 、 観 仏 三 昧 こ と 、 そ の 霊 験 が 人 々 の 篤 い 信 仰 を 後 世 に わ た っ て 集 め た こ と が 記 さ 心 を れ 以 て と て い た し 心 と て と い い 為 う た し こ か 、 と ら 利 も で 生 あ を え る 以 ら 。 て れ 結 先 る 縁 と 。 者 為 な に せ ぜ と ば な っ な ら て り ば は 法 自 と 然 ら 、 は の 結 誓 縁 先 願 者 師 を の は 仏 誓 只 像 願 化 内 を 物 う だ け で は な く 結 縁 者 の 誓 願 に よ っ て 働 き だ す 生 身 の 仏 と し て 理 解 さ 釈 如 来 像 の 納 入 品 の 一 つ る こ と 、 そ の 像 は 優 塡 王 思 慕 の 釈 る の で は な い だ ろ う か 。 そ れ と と も に 、 阿 弥 陀 如 来 像 は 単 に 仏 像 と い 如 来 像 の 模 刻 像 と し て 将 来 さ れ た 東 大 寺 僧 然 が 浙 江 省 で 当 地 の 工 人 に 作 ら せ 将 来 し た 釈 巡 礼 行 並 瑞 像 造 立 記 如 来 像 で あ に よ れ ば 、 北 宋 ・ 雍 煕 二 年 ︵ 九 八 五 ︶ 、 入 宋 の 格 を 阿 弥 陀 如 来 へ と 布 施 し 、 同 時 に 法 然 に 帰 依 し た こ と を 意 味 し て い 料 等 に 記 さ れ る よ う に 、 何 万 人 も の 人 々 が 名 前 を 捧 げ る こ と で 、 全 人 文 仏 書 像 、 、 頭 仏 部 典 か 、 ら 宝 は 石 鏡 、 と 銭 仏 貨 牙 、 、 舎 然 利 入 容 宋 器 求 が 法 発 巡 見 礼 さ 行 れ 並 た2︶7 瑞 。 像 造 然 立 入 記 宋 求 等 法 の 結 ば れ て い た か を 意 味 し て い る が 、 中 田 氏 の 指 摘 や 紹 介 し た 経 典 や た の は 、 も ち ろ ん 源 智 の 勧 進 僧 と し て ど の よ う な 人 々 や 社 会 と 関 係 が 釈 と し て 人 々 の 信 仰 を 集 め た が 、 そ の 内 部 か ら 絹 製 の 五 臓 六 腑 、 以 上 の よ う に 、 阿 弥 陀 如 来 立 像 に 数 万 人 の 姓 名 が 納 入 さ れ 日 本 で 著 名 な 例 は 、 京 都 嵯 峨 の 清 涼 寺 釈 記 さ れ て い る 。 如 来 像 で あ る 。 生 身 の と い る え 。 ら 結 れ 縁 て 者 い の た 願 の 意 で と あ 名 る 前 。 こ そ が 衆 生 救 済 へ の 重 要 な 意 味 を も つ の だ 勢 観 房 源 智 阿 弥 陀 如 来 像 造 立 願 文 に つ い て ︵ 工 藤 美 和 子 ︶ 五 六 に な る と 佛 教 大 学 歴 学 部 論 集 第 四 号 ︵ 二 〇 一 四 年 三 月 ︶ た の で あ る 。 そ の 証 明 と し て え た の で は な い だ ろ う 姓 か 名 。 は 捧 げ ら れ 、 法 然 へ の 真 の 報 恩 13 ︶ 年 菅 ︶ 家 。 文 草 五 七 菅 家 後 集 ︵ 日 本 古 典 文 学 大 系 ︶ 。 然 が 行 い 源 智 が 行 っ て き た 利 他 行 を 一 人 一 人 が 実 践 す る こ と を 目 指 し 往 生 を 目 指 す 法 然 の 誓 い を 自 ら の 誓 い と し て 継 承 す る こ と 、 そ し て 法 12 ︶ 佐 号 藤 ︶ 。 哲 英 叡 山 浄 土 教 の 研 究 研 究 篇 ・ 資 料 篇 ︵ 百 華 苑 、 一 九 七 九 だ け を 意 味 す る の で は な く 、 法 然 の 弟 子 と な る こ と 、 念 仏 に よ る 極 楽 来 像 の 造 立 に 結 縁 す る こ と が 単 に 金 銭 を 負 担 し て 結 縁 者 と な っ た こ と の た め に ︵ 文 学 11 ︶ ブ 文 ラ の イ 誤 ア 字 ン は ・ 改 小 め 野 た 坂 。 ・ ル パ ー ト 岩 波 書 店 、 二 〇 〇 七 年 一 二 ・ 一 月 恩 を め ぐ る 語 り と 変 遷 | 中 世 前 期 の 日 本 仏 教 再 の 布 施 に な る と い う 新 た な 作 善 を え た の で あ る 。 結 縁 者 は 阿 弥 陀 如 来 像 胎 内 文 書 調 査 報 告 書 ︵ 玉 桂 寺 、 一 九 八 一 年 9 に よ る 。 な お 翻 刻 て い た か ら 、 結 縁 の 重 要 性 と と も に 姓 名 を 仏 に 捧 げ る こ と が 最 高 10 9 ︶ 本 ︶ 文 の 本 引 山 用 知 は 恩 、 院 玉 旧 桂 記 寺 採 阿 要 弥 録 陀 ︵ 如 大 来 像 日 胎 本 仏 内 教 文 全 書 調 書 査 巻 団 八 三 、 玉 寺 桂 誌 寺 阿 部 弥 一 ︶ 陀 。 如 縁 者 集 団 に よ る 仏 教 的 作 善 の 重 要 性 は 、 源 智 の 時 代 に は 広 く 受 容 さ れ さ れ て き た 仏 教 思 想 や 習 慣 に う よ う な 形 で 理 解 し よ う と 努 め た 。 結 8 ︶ 工 藤 美 和 子 ︵ 日 本 宗 教 文 化 院 政 研 期 究 の 浄 第 土 二 信 七 仰 号 | 、 鳥 二 羽 〇 一 上 〇 皇 年 関 五 連 月 の 願 ︶ 。 文 を 中 心 に | 7 ︶ 福 島 光 哉 宋 代 天 台 浄 土 教 の 研 究 文 永 堂 書 店 、 一 九 九 五 年 ︶ 。 あ へ 承 な た い 像 法 は 導 そ っ の す る 誓 う ま に 然 阿 き 源 の た 真 る と 願 意 た 結 の 弥 た 智 問 。 の こ 理 を 識 、 実 姿 陀 い や 題 報 と 解 残 は 願 し が 如 と 結 を 恩 で さ さ 見 文 た 後 来 い 縁 源 と あ れ れ ら に の 世 像 う 者 智 は る て た れ は で の そ 誓 た は 一 と い 者 な 法 は の 願 ち 、 体 た た い 然 な 弥 も を は 多 何 え 。 ち 。 の い 陀 だ 持 く で て 源 が 願 死 だ 化 と っ 我 の あ い 智 継 文 を ろ 身 理 て 師 結 る た も 承 で 悼 う 解 い 上 縁 の か 法 す 重 む か 来 し て 人 者 か ら 然 る 要 と 。 現 た 娑 が と 、 へ こ と い の 婆 で 属 い 法 の と な っ で 世 あ し う 然 追 で る た 善 は 界 る て 問 の 善 あ の 現 導 な に 法 い 題 誓 は っ は 在 再 い 然 30 だ た が 願 法 て 、 の 還 は ︶ 在 重 の 然 、 法 我 ろ り 、 家 要 継 の そ 然 々 と う 来 衆 社 な 承 生 れ が が 評 か た 生 会 関 と 前 こ 生 価 。 を の 心 と の そ 前 え さ そ 菩 浄 中 事 も 行 が 立 る れ の 土 で と に 為 追 て 追 た よ も 往 理 し 法 を 善 て 善 法 う し 生 解 て 然 継 に い と 然 な く に 6 ︶ 本 文 引 用 は 、 本 朝 文 集 ︵ 新 訂 増 補 国 大 系 ︶ に よ る 。 5 4 ︶ 梯 一 東 国 敦 ︶ ア 年 信 九 ︶ 煌 ン 暁 九 ア 家 ト 、 に と 速 ジ 六 中 ニ 水 奈 年 ア よ ー 社 る 国 ノ 侑 良 ︶ 会 仏 仏 ・ ・ 、 と 教 教 フ 浄 平 金 仏 統 安 岡 ォ 土 秀 制 講 教 浄 友 ル 信 の 座 文 土 テ 仰 敦 論 教 仏 化 過 程 煌 展 教 | 七 大 ︵ 開 の シ 中 、 雲 雄 リ 論 山 国 ー 国 大 経 閣 ︵ 家 ズ を 東 疏 出 法 観 東 中 出 版 蔵 ア 心 版 を 、 館 ︵ に 社 め ジ 佼 一 、 成 ア ︵ 、 ぐ 九 二 出 仏 高 一 っ 七 〇 版 教 崎 九 て 八 〇 社 第 直 八 ︵ 年 八 四 五 年 、 巻 道 年 牧 ︶ 。 一 ・ ︶ 田 ︶ 。 九 、 木 、 諦 八 春 村 大 亮 九 秋 清 内 ・ 年 社 孝 文 他 ︶ 。 、 編 雄 編 3 ︶ 井 上 光 貞 新 訂 日 本 浄 土 教 成 立 の 研 究 ︵ 山 川 出 版 社 、 一 九 七 五 2 ︶ 拙 ︵ 所 三 年 著 佛 年 月 ︶ 教 報 ︶ 、 、 同 平 論 安 叢 第 野 源 期 一 村 の 第 六 恒 智 願 三 ・ 道 と 法 文 一 一 勢 然 と 号 七 仏 、 号 観 教 教 一 、 房 団 的 九 一 源 ︵ 世 八 九 智 界 七 八 と 佛 観 年 三 親 教 類 文 ︵ 九 年 紀 化 月 四 思 氏 研 文 ︶ 。 月 ︶ に 究 閣 、 つ 出 同 い 第 版 て 二 、 勢 八 二 観 ︵ 号 〇 房 三 、 〇 源 康 一 八 智 文 九 年 の 化 八 ︶ 勧 研 三 。 進 究 年 め ぐ っ て | ︵ 同 著 浄 土 宗 の 成 立 と 展 開 吉 川 弘 文 館 、 一 九 八 一 ︹ 1 注 ︶ 伊 ︺ 藤 唯 真 勢 観 房 源 智 の 勧 進 と 念 仏 衆 | 玉 桂 寺 阿 弥 陀 仏 像 胎 内 文 書 を 27 年 ︵ 華 社 年 刻 ︶ 塚 日 ︶ 愛 、 ︶ 本 新 、 、 一 一 善 聞 奥 知 京 基 卓 社 県 二 九 都 礎 、 夫 立 六 八 国 資 塚 一 大 九 二 立 料 本 九 清 学 号 年 博 集 善 九 涼 文 、 ︶ 、 物 成 卓 九 寺 学 二 長 館 著 年 〇 釈 部 岡 編 造 作 ︶ 〇 像 論 龍 集 を 如 集 一 作 特 銘 年 別 記 七 参 来 ︵ ︶ 照 像 日 、 清 展 篇 ︵ 。 本 上 涼 覧 一 大 日 文 川 寺 会 ︵ 東 本 化 通 釈 中 出 釈 の 学 夫 央 版 美 科 如 社 術 編 来 信 、 五 ︶ 然 像 仰 論 一 入 と と 美 九 一 三 五 宋 北 清 術 七 号 〇 の 宋 涼 出 五 、 号 歴 の 寺 版 年 至 、 社 ︵ 、 ︶ 文 二 的 会 京 一 、 堂 〇 意 ︵ 都 九 日 、 〇 義 新 六 本 二 二 國 聞 六 彫 一 年 ︶ 、 奥 三 宏 彫 刻 夫 論 集 | 日 本 彫 刻 と そ の 周 辺 ︵ 中 央 像 内 納 入 品 下 ︶ ︵ 国 宝 ・ 重 要 文 化 財 大 全 26 25 ︶ 仏 ︶ 一 像 鎌 一 内 倉 八 へ 遺 、 の 文 一 舎 二 利 四 〇 納 〇 、 入 八 一 に 九 二 つ 号 一 い 。 、 て 一 は 二 、 三 田 号 邊 、 助 一 三 九 宏 七 七 像 ∼ 内 一 納 九 入 七 品 九 年 ︵ ︶ 。 田 論 美 術 出 版 、 四 二 、 〇 邊 毎 〇 助 24 23 22 21 ︶ 村 ︶ 国 ︶ 大 ︶ 二 田 訳 正 続 巻 治 一 蔵 群 、 郎 切 第 書 岩 経 四 類 波 中 和 巻 従 書 国 漢 ・ 店 の № 巻 、 阿 述 二 二 一 育 部 一 十 九 王 ・ 二 七 三 塔 諸 、 輯 八 六 。 年 1 宗 部 七 ︶ ︶ 。 ∼ 七 七 。 頁 6 上 ︶ 。 ︵ 仏 教 芸 術 20 ︶ 中 ︵ 田 佛 薫 教 一 一 四 、 一 一 七 、 法 制 コ ム メ ン ダ チ エ オ と 名 簿 捧 呈 の 式 ︵ 同 著 論 集 第 学 第 十 巻 三 号 、 一 九 六 二 年 一 〇 月 ︶ 。 19 ︶ 堀 二 池 号 春 、 峰 一 九 興 九 善 五 寺 年 蔵 十 ・ 二 法 月 然 ︶ 。 聖 人 等 消 息 並 に 念 仏 結 縁 名 状 に 就 い て ︵ く 二 ど 〇 う 一 三 み 年 わ 十 こ 一 月 非 十 常 五 勤 日 講 受 師 理 ︶ る 中 世 信 仰 者 の 結 衆 と そ の 構 図 | 佛 教 学 研 究 第 三 十 八 巻 18 17 16 ︶ 青 ︶ 大 ︶ 本 的 木 正 文 研 淳 蔵 の 究 第 引 快 三 用 法 慶 巻 は 蔵 作 。 、 館 遣 № 、 迎 一 続 一 群 院 五 書 九 阿 七 九 類 弥 、 従 四 陀 二 年 如 一 ︶ 第 来 二 二 。 像 頁 の 中 八 結 。 輯 下 縁 に よ 名 る | 。 像 内 納 入 品 資 料 に 見 30 ︶ 巻 知 、 恩 東 講 京 私 大 記 学 出 第 版 二 会 讃 、 ︵ 二 法 〇 然 〇 上 五 年 人 ︶ 全 。 集 ︶ 。 月 ︶ 、 中 野 正 明 嵯 峨 往 生 院 念 仏 房 に つ い て ︵ 同 著 法 然 遺 文 の 基 礎 15 14 ︶ 三 ︶ 前 田 掲 全 信 2 嵯 ︶ 参 峨 照 念 。 仏 房 と 清 涼 寺 ︵ 鷹 陵 学 第 一 号 、 一 九 七 五 年 三 29 28 ︶ 奥 仏 本 ︶ 五 〇 像 医 蔵 〇 納 九 夫 ︵ 学 入 年 生 中 雑 に ︶ 身 国 誌 つ を い 参 仏 仏 身 教 七 て 照 論 美 巻 は 。 術 一 、 ︵ 石 長 の ∼ 原 岡 研 三 明 龍 究 号 、 他 作 一 編 新 九 清 樹 涼 造 社 五 寺 六 形 、 釈 の 一 年 ︶ 場 九 、 像 八 小 胎 講 〇 杉 内 座 年 一 五 日 ︶ 雄 臓 本 を の 美 参 内 研 術 照 臓 究 。 納 ︵ 第 入 四 の 日 勢 観 房 源 智 阿 弥 陀 如 来 像 造 立 願 文 に つ い て ︵ 工 藤 美 和 子 ︶ 五 八
© Copyright 2024 ExpyDoc