第15号(2014.4.18) [PDFファイル/279KB]

第 15 号
登録
ボランティア通信
2014.4.18
第 15 号 目次
1 新任のごあいさつ
2-3 PETON J.J.HOUSE
4 動物愛護管理推進計画
の改定
4-5 動物の健康管理
(猫パルボウイルス)
6 最新統計
6 異動のごあいさつ
新任のごあいさつ
動物保護センター所⻑
小池
剛
はじめまして。4⽉1⽇から動物保護センター所⻑に着任いたし
ました小池剛(こいけつよし)と申します。これまで主に保健福祉
事務所等で食品衛生の仕事をしてまいりましたので、本格的に動物
愛護の仕事をするのは初めてになります。今年度は、神奈川県動物
愛護管理推進計画が改定され実施される最初の年になります。計画
策定にあたっての「県⺠共通の理解の醸成」、「⻑期的展望に⽴っ
た総合的・体系的アプローチ」、「関係者間の協働関係の構築及び
7 ボランティアの皆様への
お礼
基盤強化」という3つの視点をよく考えながら仕事をしていきたい
7 研修・⾒学された学校の
紹介
施策を進めていく上で非常に重要なポイントであると考えていま
と思っています。特にボランティアの皆様との協働・連携は今後の
す。
昨年度、当センターでは犬の処分頭数がゼロというたいへん大きな成果がありました。これはボランテ
ィアの皆様のご努⼒、ご尽⼒がなければ到底成し得ないことだと思っています。今、当センターと皆様
は、連携・協働を⾏うためのとてもよい信頼関係が醸成されていると伺っております。私も久島所⻑のお
考えを引き継ぎ、この成果を継続してまいりたいと考えておりますので、今後も変わらないご支援、ご協
⼒をよろしくお願いいたします。
新任のごあいさつ
動物保護センター業務課⻑
秋山雅彦
この度、神奈川県動物保護センター業務課⻑として着任しました秋⼭と申します。保健所(現保健福祉
事務所)の狂犬病予防員の経験はありますが、動物保護センターに勤務するのは初めてです。早く業務に
慣れ精一杯頑張らせていただきます。
平成 25 年度は⽝の処分数がゼロであり、これはボランティアの皆様に頑張っていただいたおかげだと
聞いています。犬の処分数ゼロは画期的なことであり、非常に誇らしい結果だと思います。今後も犬の処
分数ゼロを継続するのはもちろん、猫等の処分数減少にも取り組み、将来的には、もう処分する動物がい
ないのだから、動物保護センターは不要と⾔われるようになるのが理想と考えています。
ページ
PETON
2
登録ボランティア
J.J.HOUSE とは
通信
PETON J・J.HOUSE
⻑嶋有⼦
初めまして。私は古くからの友人⻑主様と⼀緒に J.J.HOUSE
の活動に取り組んでおります、⻑嶋有⼦と申します。
始めに、私がこの J.J.HOUSE に至るまでの簡単な経緯を
ご説明させて頂きます。
私は 2000 年に鎌倉市⼿広に「⽣体を扱わないペットシ
ョップ」をオープン致しました。これは1つには、生体
を商品として陳列扱いに抵抗を感じていた事。そして、
それに関して物申すには、自分もその業界の一員になる事。又、そうする事によって「譲渡会」を自分で開
催出来る。この様な理由でペットショップを始めました。
従ってオープン当初から毎週⽇曜⽇にはショップ内やショップ横のドッグヤードを使って、神奈川県内の幾
つかのボランティア団体様との協⼒で「譲渡会」を開催して参りました。今年で14年⽬になります。恵ま
れた地域なのか、ボランティア団体様に「ココでの譲渡会は奇跡が⽣まれる」と嬉しい⾔葉を頂きながら。
しかしながら、⻑年⼀緒にやっていて、いつも⼼残りがありました。それは、
1 毎週日曜日、週に1回しか出来ない事。
2 この活動に於いて最も重要かつ大変なご苦労をされているボランティア樣方が猛暑の中、あるいは寒風にさ
らされ、懸命に働きかけている。
この状況を何とか出来ないか...もっと労いたい...
そして、多くのボランティア様との交流の中で知った事。「何が何でも救い出す、しかしそこで停滞してしま
うと言う現実」
主にこの3つの心残りを何とか出来ないだろうかと考える中、多くの方達の応援のもと、ここ材木座に犬猫譲
渡会場をオープンすることが出来ました。
神奈川県動物保護センター
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3
私どもの位置付けとしては、保健所 → 一時預かりのボランティア様 → 常設の譲渡会場→ 新家族様という流れ
の中で、その常設の譲渡会場として活用していただくことに J.J.HOUSE の役割があると思っております。
茅ヶ崎保健福祉事務所
場所は、鎌倉市材木座海岸の目の前、ドアを開け放てば、潮の香り
とまぶしい太陽が注ぎ込む様な⽴地です。49.87 平米の平屋の建
物内は右に譲渡を待つ犬猫達のケージ及び、サークルスペース。
左側は一時預かり様がゆっくり腰掛けて、新しい家族とご対面頂く
スペース。ここで日頃の労を労えたら、まさしく私どもの思いが達
成出来ます。
同じくこの活動にご賛同頂ける⽅々のご協⼒のもと、チャリティブッフェ形式でスイーツや軽⾷が⽤意されてい
ます。⽇頃、⼈災とも⾔える捨て⽝・猫の現状に悲しみや怒りを秘めた⼼が、ココでは皆様⽅の笑顔に代わり、
笑い声や、ボランティア様同士の情報交換の場にもなっています。
譲渡を待つ⽝達も海にお散歩に連れて⾏ってもらったり、先住⽝と⼀緒に遊んだりしながらゆったりと、お話を
進められたら、同じ事が繰り返されない。
この、人馬ならぬ、人犬、人猫が共に少しでもくつろげる場所に出来たらとても嬉しく思います。
⽬標は1年365⽇、扉を開ける事です。(この活動がボランティア様のご協⼒ですので現在は週末と平⽇の1
〜2日程度しか出来ていませんが、これからだと思っております)
そして、今⽇1つの命の架け橋になれなくても、この⽴地「国道134号線沿い」に⻩⾊の⼤きな旗「⽝猫譲渡
の家」を掲げる事によって、ペット達の現状を知って頂きたい、そしてペットを家族に迎えたいと思ったら、待
ってる命があると言う事を当たり前の様に第一優先して頂きたい。そんなメッセージも発信して
⾏けたらと思っています。尚、この J.J.HOUSE で定めた譲渡条件はございません。各ボランテ
ィア様毎の条件を適用しています。もちろん利⽤料等⼀切ございません。
まとまりのない文章で申し訳ございません。気持ちだけ熱くて....
この家を多くの⽅に知って頂き、ご利⽤頂き、ペット達が一日も早く家族を持てる様にと思って止みません。
PETON J.J.HOUSE
所在地:鎌倉市材木座 6-4-21
お問い合わせは電話又はメールで
電話:0467-39-3838(ペトン鎌倉)
メール:⻑嶋 [email protected]
または
⻑主 [email protected]
地図: http://g.co/maps/qqqa
Blog:http://makado-house.jugem.jp/?eid=143
FB:https://www.facebook.com/pages/PETON-JJHOUSE/1434536210112317?fref=ts
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4
登録ボランティア
通信
神奈川県動物愛護管理推進計画の改定について
平成 20 年 3 ⽉に策定した「神奈川県動物愛護管理推進計画」は、⾒直しを予定していた 5 年間が経過し、
動物愛護管理法及び国の基本指針が改正されたことから、この度、パブリックコメント、神奈川県動物愛護
管理推進協議会での議論、県議会への報告を経て改定されました。改定のポイントは次のとおりです。
1
計画期間が平成 26 年度から平成 35 年度までの 10 年間となりました。
2
数値指標が下記のとおり⼤幅に変更されました。今回の⾒直し時の実績が、当初計画策定時の指標を⼤
幅に上回ったためです。これは皆様の貢献がなによりも大きなものでした。感謝申し上げます。
項
目
5 年後(H30)の指標
10 年後(H35)の指標
H24 実績
犬・猫の収容数
20%の減少
32%の減少
5,304 頭
⽝の返還・譲渡率
87%に増加
90%に増加
85.1%
猫の譲渡率
40%に増加
45%に増加
28.3%
動物の致死処分数
25%の減少
35%の減少
3,033 頭
動物の苦情件数
20%の減少
25%の減少
15,267 件
3
災害対策の強化として、体制の整備、災害時に備えた準備の普及啓発等が追加されました。
4
動物愛護管理法の改正に伴い、動物取扱業に係る規制が強化されたことから、制度の着実な運⽤を⾏い
ます。
センターの動物たちの健康管理 (4)
動物保護センター 遠藤亜紀
猫パルボウイルス感染症
食品衛生課 久島昌平
前回は、犬のパルボウイルス感染症について、書かせていただきまし
た。今回は、猫のパルボウイルス感染症についてです。前回も書いた
ように、犬と猫のウイルスは比較的よく似ていて、一部の型のウイル
スは両方に感染することがわかっていますが、一応、通常は犬から
猫、猫から犬への感染はないとされています。
猫のパルボウイルス感染症は、別名「猫汎白血球減少症」ともよばれています。これは、その名のとおり、血
液中の白血球が極端に少なくなることが特徴的なためにつけられた病名です。「汎」という⾔葉は「広く」と
いう意味ですが、この場合は「全ての猫」という意味ではありません。白血球には、リンパ球、顆粒球、単球
などいくつかの種類がありますが、「総白血球数、つまり全ての種類の白血球数が減少する」という意味で
す。逆に⾎液中にはウイルスがたくさん出現しますが、もちろん⽬には⾒えませんし普通の顕微鏡でも⾒えま
せん。猫パルボウイルス感染症のその他の症状としては、発熱、嘔吐、下痢などで、幼い猫ほど症状が重いと
ころも犬パルボウイルス感染症と似ています。
神奈川県動物保護センター
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5
⽝のウイルスと同様に、このウイルスも⾮常に感染⼒が強く、場合によっては、お⺟さんのおなかの中にいる
ときに子猫に感染することもあります。
当所では、収容された猫について疑わしい場合は、検査を実施しています。しかし、猫のパルボウイルス感染
症診断薬は市販されていませんので、犬用の診断薬を代用しています。犬と猫のパルボウイルスはよく似た種
類なので、たいていの場合反応が出ると言われていますが、あくまで犬用の診断薬なので、すべての感染にお
いて正しく診断できるかどうか不明な点もあります。
当所に収容された猫の中には、時々疑わしい症状や診断薬の陽性反応がでて、パルボウイルス感染症と診断さ
れる猫がいます。症状が出ない猫の存在の可能性から考えても、ウイルスに感染した猫が日常的に入ってお
り、常時施設を汚染していることを前提に対策を取る必要があります。
しかし、これは実際問題として⼤変難しいのが現実です。その理由として、まず、ウイルスの感染⼒が⾮常に
強く、隔離施設を設ける場合、⼈、物、動物の移動を⼀切せずに、物理的に完全に別々にする必要があるから
です。よく、危険なウイルスの研究施設で、カプセルの中で宇宙服のようなものを着て仕事をしている光景を
テレビや映画でご覧になったことがあると思いますが、要するにあのような徹底した隔離をしないと感染は防
げないということです。動物病院で野良猫の治療を断られることがあるのも同じ理由です。ウイルスの消毒薬
に対する抵抗性が強いこと、当所のような施設では、感染した猫の収容を阻止できないことも対策を困難にし
ています。過去に、ボランティアの方から、施設の消毒等の猫パルボウイルス感染症対策を要望されたことが
ありましたが、先ほど述べた理由で、現時点では抜本的な対策はとれず、申し訳ありません。⼦猫を扱ってい
ただいているボランティアの皆様の施設でも、時々集団発生があり困っていると聞いておりますが、なかなか
決め手はないようです。
発症または診断された後の個別の治療については、⼀般的には、インターフェロンや抗⽣物質の投与、補液な
どの対症療法がとられます。教科書によると、実験的にはこのウイルスだけで猫が死亡することはなく、腸管
の細菌の二次感染が重篤な症状をまねくと言われておりますので、抗生物質の投与は有効とされています。イ
ンターフェロンは、効果が限定的なことと⾼価なことがネックになります。⼀般的には、幼齢なほど死亡率が
高いといわれています。
当所での対応ですが、⽇常の管理として、幼猫と成猫の飼育場所の隔離、塩素系消毒薬や⽕炎バーナーによる
猫舎の毎⽇の消毒、⾷器の⾼圧蒸気滅菌等を⾏っています。譲渡会に出す⼦猫については、混合ワクチンを接
種しています。しかし、嘔吐や⾎便などの症状がある幼猫で、診断薬で陽性反応が出た場合は安楽死措置を⾏
い、他の猫への感染や施設の汚染防⽌を図っているのが現状です。猫を譲渡する県⺠及びボランティアの皆様
にご迷惑をおかけしないためのやむを得ない措置ですので、どうぞご理解をお願いします。
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登録ボランティア
平成 25 年度(平成 25 年 4 月 1 ⽇〜平成 26 年 3 月 31 日) 統計速報値
通信
(相模原市、藤沢市分を含む)
迷子犬の保護 491 頭 飼い主へ返還 245 頭 飼い主から引取り 119 頭
県⺠へ譲渡 56 頭 ボランティア等へ譲渡 280 頭
致死処分 0 頭 運搬・収容中の死亡 29 頭
捨てられた猫 552 匹 飼い主から引取り 163 匹
ボランティア等へ譲渡 182 匹
お礼と異動のごあいさつ
県⺠へ譲渡 31 匹
致死処分 449 匹 運搬・収容中の死亡 56 匹
動物保護センター
前所⻑
久島昌平
⽂字にするとほんの数⾏ですが、上に書かれた数字は、⾔葉に表せないほどの皆様の努⼒と涙がつまっ
た、とてつもなく重い数字です。⽝の致死処分が実質的にゼロ、猫の致死処分が前年度に⽐べて半減という
結果は、ボランティアの皆様をはじめ、ご協⼒をいただいた県⺠の皆様、動物病院スタッフの皆様、愛護団
体の皆様、ドッグトレーナーやトリマー等動物業界の皆様、警察・各自治体の皆様など、この問題に関わっ
ていただいたすべての方との協働作品であり、神奈川の未来への希望でもあります。ありがとうございまし
た。私事ですが、この度、保健福祉局⽣活衛⽣部⾷品衛⽣課に異動することになりました。2 年間、皆様の
熱く、そして⼼優しい想いと並外れた⾏動⼒を直接⾒せていただき、⼀緒に最後にこのすばらしい瞬間に⽴
ち会えたことを、心より感謝いたします。
お礼と異動のごあいさつ
動物保護センター
前業務課⻑
石原 旬
私事ではございますが、このたび平塚保健福祉事務所秦野センター(旧秦野保健福祉事務所)に異動する
ことになりました。移動先での業務は⾷品衛⽣ですので、ちょっとわんちゃん、ねこちゃんとは離れた仕事
となってしまい寂しい気持ちでおります。
思いおこしますと、まだ東日本大地震の余震が当所の煙突を大きく揺さぶる平成 23 年4⽉に業務課⻑とし
てまいり、あっという間の 3 年でした。この間に処分される動物が⾒る⾒るうちに減少し、平成 25 年度は
ついに悲願でありました犬の 100 頭以下、猫の 1,000 匹以下を大きく下回るものと思われます。このような
よい時期に勤務できたことを幸せに思うとともに、皆様⽅の御尽⼒にあらためて深く感謝を申し上げます。
個人的には皆様方が来所されました際のちょっとした会話が楽しく、それが出来なくなると思うと寂しい
気持ちでおります、幸い異動先がセンターから近いところにありますので、センターに来られた際はちょっ
と足を伸ばしてお寄りいただけましたら幸いです。
最後になりましたが 3 年間本当にありがとうございました。
神奈川県動物保護センター
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平成 25 年度にご協⼒いただいたボランティアの皆様へのお礼
動物の新しい飼い主を⾒つけるために、特段のご協⼒をいただいたボランティアの皆様、本当にありがとうご
ざいました。ここに感謝の意を表して、お名前を記載させていただきます。
☆当所に収容された犬を引き取って新しい飼い主を探していただいた皆様☆
KDP KANAGAWA DOG PROTECTION 様・アニマルプロテクション様・ケンの家様・⾥親を探
す会 SHONAN 様・PAK(Paws Adoption かながわ)保健所の犬・猫を救う会様・ドッグライフ
セイビング様・Pooch Dog Rescue 様・PawPads 様・小田原犬猫レスキュー.com 様・保健所
の成犬・猫の譲渡を推進する会様・たんぽぽの⾥様・ドッグレスキュークラブ東京様・エンジェ
ルステール
シーズーレスキューネットワーク様・神奈川 COPAN 様・早川満美子様・いぬ・ね
こ笑顔の会様・りんファミ様・CrossWan,CrossNyan〜⽝⼗字・猫⼗字〜様・小島香代子様・
相模動物愛護の会様・S.T 様
☆当所に収容された猫を引き取って新しい飼い主を探していただいた皆様☆
たんぽぽの⾥様・Cattery Branche 様・KIKI☆様・S.T 様・E.I 様・小島香代子様・幸せうさぎ
計画+様・T.T 様・anko 様・M.S 様
☆当所に収容された犬猫以外の動物を引き取って新しい飼い主を探していただいた皆様☆
M.S 様・N.H 様・ケンの家様・たんぽぽの⾥様・幸せうさぎ計画+様・T.A 様
☆当所に収容された動物のシャンプー・トリミングをしていただいた皆様☆
⻄尾静枝様・新村なぎさ様・M.A 様・A.K 様・Y.M 様・大野木美樹様
平成 25 年度に⾒学、研修に来ていただいた学校のご紹介
昨年度も若い皆さんに、動物⾏政の最前線を⾒ていただきました。ありがとうございました。
麻布大学動物応用科学科
専修大学経営学部
東京農業大学バイオセラピー学科
帝京科学大学アニマルサイエンス学科
東海大学
日本大学獣医学科・動物資源科学科・芸術学部
国際動物専⾨学校動物看護栄養学科・理学療法学科・しつけトレーニング学科
東京ビジュアルアーツ専門学校
生田東高校
伊勢原高校
湘南工科大学付属高校
大船高校
星瑳高校
小田原高校
藤沢工科高校
鎌倉⼥⼦⼤学⾼等部
弥栄高校
相模⼥⼦⼤学⾼等部