セブン、ローソン、ファミマ⋮ コーヒーや パン、 チキンで 大対決 いれたてのコーヒーなどコンビニエンスストア発のヒット商品 が最近やけに目立つ。なぜヒットするのか。大手コンビニチェー ンの商品づくりや売り方を探り、賢い使い方を考えた。 TRENDY_FEB.2014 T REN END NDY DY_ _F FEB EB.2 20 01 14 107 10 07 TR コンビニ 使いこなし 得 巨大販路を武器にメーカーとタッグ 外食専門チェーンを狙い撃ちして成功 大手3チェーンは1万店超の巨大な販路と豊 富な消費者データを有する。そのため、販路を 限定した新たな試みに挑戦する企業にとっては 貴重なチャネルに。新規性がある商品が増えた。 大ヒットしたコンビニコーヒーの他にも、フラ イドチキンなど、専門チェーンの看板商品をコン ビニ流に置き換えて成功。コーヒーと親和性の高 い商材の開発も進め、買い上げ点数増を狙う。 ㊧ファストフード系 商品の拡充に伴って、 イートインコーナー も増えている ㊨㊤サントリー食品イ ンターナショナルの 」 「Drop(ドロップ) ㊧サントリーは チェーン別に 「B ブランドを OSS」 提供している ㊤激化する大手チェーン同士のサバイバル戦だけでなく、食関係で は大手外食チェーンとの垣根を越えたバトルを繰り広げている コンビニからヒットが連発の理由 面白くて売れそうなものを発掘 エンタメ要素を持つ商品が増加 目新しいものの発掘は従来からコンビニが 得意とすること。PB商品のラインアップが 増えてもこれは変わらない。大ヒット予備軍 の商品が多数控えている。 次のヒットを探し実験を続ける セブンカフェも本格導入前に長いトライア ル期間があった。どのチェーンも次のブレイ ク候補を求めて絶えず新しい実験を展開(写 真はコカ・コーラの次世代自販機導入店) 。 日常使いの顔を強化する一方で、面白くて つい衝動買いをしてしまうような商品も増え ている。こうした商品は、加盟店にとっても 売り上げアップにつながるメリットも。 ファミリーマートが販 (ス 売しているSUPALIV パリブ) は、飲酒をして も悪酔いしないことが 売りのサプリメント る商品が多い。こうした関連商品群は 利益率が比較的高いことに加えて、各 社が利用増を狙う女性客に訴求できる ものが多い。 14 少量食べ切りサイズのカット野菜や チルド総菜など、スーパーとは違う魅 は消費税の増税が控える。買い上げ点 力の食品の強化も目立つ。 ﹁ 年春に 数をどうすれば増やすことができるか は今後の重要ポイント﹂と、セブン イレブン・ジャパンの石橋誠一郎F ミリーマートのPBのような高付加価 F・デイリー部長は話す。冒頭のファ 値商品と、日常ニーズに応えるような │ 値頃感のある商品との2極化傾向は、 さらに加速しそうだ。また、来店客の 買い上げ点数を増やすための、同時購 入者への割引キャンペーンなどの販促 も、以前よりも活発化している。 そして、大手コンビニチェーンの販 売力は、有名メーカーの意識も変えた。 新市場を創造するためにコンビニとタ ッグを組み、 消費者のニーズを探る ﹁共 創型﹂の商品開発・マーケティングを 行うメーカーは増えそうだ。 もちろん、コンビニが従来から得意 とする、他では売っていない目新しい 商品を発掘し、育成する動きも健在だ。 た主婦層にとって、ワクワクできる面 ﹁大型スーパーでの買い物が中心だっ 白いものがあるのはコンビニ﹂と菅氏 は話す。こうした新たな客層を狙い、 新規性の高い商品を拡充したり、ユニ ークな提案商品も増えている印象だ。 活気ある大手コンビニの店内をじっ くりと眺めることで見えてきた、最新 版のコンビニ活用法を考えてみた。 109 TRENDY_FEB.2014 ローソンが14年の正月限定 で発売した950円もする高級 フルーツサンドイッチ ファミリー マート 発掘! SUPALIV (スパリブ) 【TIMAジャパン】 「悪酔いしない」 と話題が広がるサプリ ファミマ店頭で試し買いされてブレイク からSUPALIVを開発。原材料のコエン ザイムQ10やナイアシン、ビタミンC などがアルコールの代謝酵素を助け、 アルコールからできるアセトアルデヒ ドの毒性を中和する働きをするという。 1回3∼4粒が目安で、ファミマ店頭 では1箱4粒入りが525円。ネット通販 では100粒入り1万500円など、割安な 大容量タイプも売られている。店頭で 試し買いしてファンになった人がネッ トで買う、好循環が生まれている。 コンビニ発 次のブレイク候補 新商品を次々に投入し、売り場の鮮度を 保つコンビニ。1カ月持たずに棚から消 える商品は多いが、クチコミやネタで買 われる知られざる売れ筋もある。主要コ ンビニで次のブレイク候補を探し出した。 ㊧㊦通販サイトの ﹁ファミマ・ド ット・コム﹂ でも売れ筋に。割安 感のある大容量タイプが売れる 酒を飲んでも「悪酔いしない」 「翌朝 すっきり起きられる」とのクチコミが 広がる、 のサプリメントが 「SUPALIV」 だ。11年から都内のファミリーマート の一部店舗で販売が始まり、マスコミ への露出をきっかけにブレイク。13年 9月からはほぼ全国のファミマで展開 され、 「1年で数千個程度だった注文が、 ( TIMAジ 今は毎週1万個以上舞い込む」 ャパンの犬房春彦社長) と話す。 犬房氏は近畿大学医学部の教授時代 ㊦都内の繁華街に近いファミリーマ ートの店頭。サプリメントなどが並 ぶ棚で、SUPALIVは女性に訴求する POPを付けて売られていた 毎週1万個を 出荷 ■酒の飲み始めから60分以降に有意差が出た 14 血中アセトアルデヒド値 サプリメントなし ウコン製品 12 10 8 アミノ酸製品 6 / 4 2 0 ︶ M 血中アルコール濃度 100 サプリメントなし 90 ウコン製品 80 70 60 アミノ酸製品 50 40 30 スパリブ 20 10 0 0分 30分 60分 90分 血中エタノール値︵㎎ 血中アセトアルデヒド値︵μ ︶ 18 16 スパリブ 0分 30分 60分 90分 注)実験は犬房春彦氏による。被験者は男女6人。各サプリメントを水200㎖で飲み、30分後に400㎖の赤ワインを30 分かけて飲用。採血はワインの飲み始めを0分とした 日経トレンディ No.361 2014.2月号に掲載 ※2014年1月4日発行 コンビニの雑誌コーナーで、引っかけラックを使って売られるノウハ ウ本が大増殖。仕事ノウハウからダイエット関連までテーマはさまざま 記事の内容には一切、手を加えておりません。 で、手に取る人が多い。なかでも、ファミリーマートやサークル Kサン 」アントレックス)が目立つ。出版取次 クスなどが扱う 「サプライズBOOK( を通さず、シャンプーなどと同じ雑 貨ルートで納品され、売れ筋の本を 注釈:TIMA Japan 株式会社の現社長は、足立俊之でございます。 品切れせずに売れる仕組みだ。 犬房春彦は2013年11月1日よりTIMA Japan 株式会社の開発担当取締役、 岐阜大学 生命化学総合研究支援センター 抗酸化研究部門の客員教授に就任致しました。 FEB.2014_TRENDY 128
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