Title Author(s) Measurement of the Branching Ratio of KL → e+ e- γγ 中家, 剛 Citation Issue Date Text Version ETD URL http://hdl.handle.net/11094/1472 DOI Rights Osaka University < 氏 家 Fや占『 2 > 名 中 博士の専攻分野の名称 博 学位記番号 第 学位授与年月日 平成 7 年 6 月 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 理学研究科物理学専攻 学位論文名 Measuremento ft h eB r a n c h i n gR a t i oo fIくL →ザ e-y y 士 同リ (理学) 12 0 3 6 号 1 9 日 (K L • e+ e -y y 崩壊の分岐比の測定) (主査) 論文審査委員 教授長島順清 (副査) 教授江尻宏泰 助教授山中 車 教授南圏忠則 教授東島 清 論文内容の要旨 この博士論文ではフェルミ研究所の E799 実験において新しく測定された KL → e+ e-γγ 崩壊の分岐比について発表 している。 K L → e+ e -rr 崩壊は中性 K L 中間子のダリツ崩壊 , KL • e+ e -r に崩壊時の制動放射によって光子が付随し た過程が支配的である。物理上この崩壊は長距離力を理解するために重要で,これらの長距離力は K L → e+ e-γ7 崩壊 中に K L → r r. 形状因子,及び直接的崩壊過程 K L → r rr ・崩壊として現れる。また K L → e+ e -rr 崩壊は, CP 保存性 が破れていると考えられている KL → π Oe+ e- 崩壊の最重要ノくックグラウンドとしても注目されている。我々は 58 事象 の K L → e+ e-γγ 崩壊を観測し, K 中間子の静止系において光子のエネルギー敷居値 5MeV を適用し, γr , Er• >5MeV) = ( 6 . 5: t1 .2 (統計誤差) : t0 . 6 (系統誤差)) BR(KL • e+ e ュ X 10- ,と分岐比を測定した。この結果は初め 7 ての統計的に優位な分岐比の測定である。また,今回初めて電子陽電子対の不変質量分布,光子対の不変質量分布等が 観測された。直接的崩壊過程の探索も行い,その上限値として分岐比で, BR(K L • e+ e-γr (直接的崩壊)) <4.5x 10- 日 (95 % C. 1.),を設定した。また量子電磁力学の結合定数, α ,を基に BR (K L → 7γγ* → eι-γγ ) (K L → γγ r) と仮定し,間接的に中性 K L 中間子の 3 光子への崩壊に対して , =αx BR BR(K L → γγγ ) <1 .7x1 0 -5 ( 9 5% C. 1.),と分岐比の上限値を与えた。 以上の結果に加え,素粒子物理学の標準理論では予言されていない中性のスピン O の粒子 (H) の探索も行い, BR(KL . 0X 1 0 - ( 9 5% C. 1.),という分岐比の制限を,質量 30 から 450MeV/d ,寿命 C τ< 1 0 -2 • He+ e- , H → γγ) <3 8 m の粒子に対して与えた。 論文審査の結果の要旨 O この論文は,米国フェルミ研究所において施行した実験"中性 K 中間子 K L が電子陽電子対と 2 個のフォトンへ崩壊 する反応 (K L → e+ e-γγ) の分岐比の測定"結果をまとめたものである。この崩壊は,いわゆる長距離効果と呼ばれ -75- る QCD 非摂動現象の解明に役立つ。また, CP 非保存反応 K L → π Oe+ e- の解明に不可欠な要素でもある。 実験により 58 例の事象を検出し,分岐比を, 誤差 )J X 10- 7 BR (K L• ee y γ;Eγ> 5MeV) = [ 6 . 5: t1 .2 (統計) : t0 . 6 (系統 と定めた。質量分布 Mee , M y y をも測定することにより,主過程がダリツ崩壊 (K L → eeγ の電子の 一個が内部制動放射を行う)であることを明らかにすると共に,直接過程 (KL → γ y y* , y* → ee) の分岐比の上限を も定めた。 また,標準モデル外のヒッグス粒子探索をも行い,生成反応分岐比上限を,質量,崩壊寿命の一定範囲内 (30MeV < mH<450MeV , cτ< 10- m) で BR (KL• Hee , H → 7γ) <3 . 0X 1 0 -8( 9 5%CL) と定めた。 Z 以上の結果は,低エネルギー QCD の知見を発展させると共に, CP 非保存実験実行可能性を定量的に明らかにするも のである。よって,博士(理学)の学位論文として十分に価値あるものと認める。 -76-
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