平成26年10月 さいたま商工会議所 中小企業景況調査報告書 (要約版) 【2014年7-9月期/さいたま市域】 さいたま商工会議所 《調査結果のポイント》 中小企業の業況は回復基調が鈍化するものの、今後の見通しに一部明るさ。 ・ 全産業の業況判断DIは、マイナス幅が拡大した。(▲10.8→▲17.8) ・ 全産業の売上額DIは、マイナス幅がやや拡大した。(▲16.9→▲17.0) ・ 全産業の経常利益DIは、マイナス幅が拡大した。(▲23.1→▲34.1) (1)全産業の業況判断DIは▲17.8(前期差▲7.0 ポイント)となり、マイナス幅は拡大 した。産業別では、製造業は▲18.8(前期差▲4.5 ポイント)、非製造業も▲12.7(前 期差▲7.2 ポイント)と、ともにマイナス幅が拡大した。 来期(2014 年 10-12 月期)の全産業予想業況判断DIは、▲22.2(前期差▲4.4 ポイント)とマイナス幅が拡大する見通しであり、製造業ではマイナス幅が縮小する 見通しとしているのに対し、非製造業ではマイナス幅が拡大する見通しとしている。 (2)全産業の売上額DIは、▲17.0(前期差▲0.1 ポイント)とマイナス幅がやや拡大し た。産業別では、製造業は▲12.5(前期差+23.2 ポイント)とマイナス幅は縮小し、 非製造業もマイナス幅がやや縮小した。非製造業のうち、建設業は+15.8(前期差▲9.2 ポイント)とプラス幅が縮小、卸売業は▲14.3(前期差+35.7 ポイント)とマイナス 幅が縮小するも、小売業は▲33.3(前期差▲13.3 ポイント)、サービス業は▲21.2(前 期差▲2.4 ポイント)と、いずれもマイナス幅が拡大した。 (3)全産業の経常利益DIは、▲34.1(前期差▲11.0 ポイント)とマイナス幅は拡大し た。産業別では、製造業は▲37.5(前期差▲16.1 ポイント)、非製造業も▲28.9(前期 差▲7.5 ポイント)とマイナス幅が拡大した。 (4)原材料仕入単価DIは、全産業で+41.5(前期差▲1.6 ポイント)とプラス幅は縮小 した。産業別では、製造業はプラス幅が拡大し、非製造業はプラス幅が縮小した。 (5)全産業の資金繰りDIは、▲11.1(前期差▲1.9 ポイント)とマイナス幅が拡大した。 (6)今期設備投資を実施した企業の割合は、全産業で 22.2%(前期比▲4.7%)であった。 来期設備投資を計画している企業の割合は、全産業で 31.1%と今期の実績値を上回る 計画となっている。 (7)従業員数過不足DIは、全産業で▲16.3(前期差▲5.5 ポイント)と「不足」感が拡 大した。製造業では「不足」感に転じ、非製造業は「不足」感が引き続いており、建 設業で特に「不足」感が拡大した。 (注1)DIとは、ディフュージョン・インデックス(Diffusion Index)の略で、 「増加」 ・ 「好転」したなど とする企業割合から、 「減少」 ・「悪化」したなどとする企業割合を差し引いた値である。 [調査要領] 本調査は、さいたま商工会議所管内の景気動向を把握するために、会員事業所の協力を 通して四半期毎の景況をアンケートの方法によって調査し、集計値をDI(注)で示した ものである。 (1)調査対象期間 平成26年7月1日~9月30日 (2)調 査 時 期 平成26年9月1日~9月30日 (3)回 収 状 況 さいたま商工会議所の会員事業所で調査対象数276のうち有効 回答数135(有効回答率 48.9%) 1 1.業況判断DI(「好転」-「悪化」前期比) (1)全産業 2014 年 7-9 月期の全産業の業況判断DIは▲17.8(前期差▲7.0 ポイント)となり、前期に比べ てマイナス幅が拡大した。 来期の全産業予想業況判断DIは▲22.2(前期差▲4.4 ポイント)とマイナス幅が拡大する見通 しであり、製造業がマイナス幅が縮小する見通しとしているのに対し、非製造業が▲18.9(前期差 ▲6.2 ポイント)とマイナス幅は拡大する見通しとしている。 (2)産業別 製造業の業況判断DIは▲18.8(前期差▲4.5 ポイント)で、マイナス幅が拡大した。 非製造業は▲12.7(前期差▲7.2 ポイント)となり、マイナス幅が拡大した。非製造業のうち、 建設業が▲5.3(前期差▲30.3 ポイント)でマイナスへ転じ、卸売業は±0.0(前期差+16.7 ポイン ト)で改善したが、小売業は▲25.9(前期差▲12.6 ポイント)でマイナス幅が3期連続して拡大、 サービス業は▲19.7(前期差▲2.5 ポイント)でマイナス幅がやや拡大した。 2.売上額DI( 「増加」-「減少」前期比) (1)全産業 2014 年 7-9 月期の全産業の売上(加工)額DIは、▲17.0(前期差▲0.1 ポイント)とマイナ ス幅がやや縮小した。 (2)産業別 製造業は▲12.5(前期差+23.2 ポイント)でマイナス幅は縮小し、非製造業も▲13.3(前期差 2 +2.6 ポイント)とマイナス幅がやや縮小した。非製造業のうち、建設業は+15.8(前期差▲9.2 ポ イント)とプラス幅が縮小、卸売業は▲14.3(前期差+35.7 ポイント)とマイナス幅が縮小するも、 小売業は▲33.3(前期差▲13.3 ポイント) 、サービス業は▲21.2(前期差▲2.4 ポイント)と、マ イナス幅が拡大した。 3.経常利益DI(「好転」-「悪化」前年同期比) (1)全産業 2014 年 7-9 月期の全産業の経常利益DIは、▲34.1(前期差▲11.0 ポイント)でマイナス幅 は拡大した。 (2)産業別 製造業は▲37.5(前期差▲16.1 ポイント) 、非製造業においても▲28.9(前期差▲7.5 ポイント) とマイナス幅が拡大した。非製造業のうち、卸売業は▲28.6(前期差+4.7 ポイント)とマイナス 幅が縮小したものの、建設業は▲10.5(前期差▲16.8 ポイント) 、小売業は▲37.0(前期差▲3.7 ポイント) 、サービス業は▲39.4(前期差▲14.4 ポイント)と、それぞれマイナス幅が拡大した。 3 4.原材料仕入単価DI( 「上昇」-「低下」前年同期比) 原材料仕入単価DIは、全産業で+41.5(前期差▲1.6 ポイント)とプラス幅がやや縮小した。産業 別には、製造業が+68.8(前期差+33.1 ポイント)でプラス幅が拡大し、非製造業は+43.2(前期差▲12.8 ポイント)とプラス幅が縮小した。非製造業のうち建設業は+68.4(前期差▲12.9 ポイント) 、卸売業 は+42.9(前期差▲23.8 ポイント) 、小売業も+29.6(前期差▲13.7 ポイント)でそれぞれプラス幅が 縮小、サービス業は+31.8(前期差▲1.0 ポイント)でプラス幅がやや縮小した。 5.在庫水準DI(「過剰」-「不足」今期の水準) 在庫水準DIは、全産業で▲18.0(前期差±0.0 ポイント)と変動しなかった。産業別では、製造 業は+6.3(前期差+34.9 ポイント)で「過剰」感へ転じたものの、非製造業は▲45.0(前期差▲10.0 ポイント)と「不足」感が拡大した。 6.資金繰りDI(「好転」-「悪化」前期比) 全産業の資金繰りDIは、▲11.1(前期差▲1.9 ポイント)とマイナス幅がやや拡大した。産業別 では、製造業は▲6.3(前期差+8.0 ポイント)でマイナス幅が縮小した。非製造業も▲5.8(前期差+0.9 ポイント)とマイナス幅がやや縮小した。非製造業のうち、建設業は+15.8(前期差+3.3 ポイント) とプラス幅が拡大、卸売業は±0.0(前期差+16.7 ポイント)と改善したが、小売業は▲22.2(前期差 ▲12.2 ポイント) 、サービス業も▲16.7(前期差▲4.2 ポイント)とマイナス幅が拡大した。 7.借入難易度DI( 「容易」-「困難」前期比) 全産業の長期資金借入難易度DIは▲0.7(前期差▲1.5 ポイント)でマイナスへ転じた。また短期 資金借入難易度DIは、+2.2(前期差▲4.0 ポイント)でプラス幅が縮小した。 8.設備投資動向 今期設備投資を実施した企業の割合は、全産業で 22.2%と前期の実績値(2014 年 4-6 月期、26.9%) を 4.7%下回った。産業別では、製造業、小売業は前期を上回ったものの卸売業、サービス業は下回 り、特に建設業は 26.3%と大きく下回った。 来期設備投資を計画している企業の割合は、全産業で 31.1%と今期の実績値 22.2%を 8.9%上回っ ている。 9.従業員数過不足DI( 「過剰」-「不足」今期の水準) 従業員数過不足DIは、全産業では▲16.3(前期差▲5.5 ポイント)と「不足」感が拡大した。産 業別では、製造業では▲18.8(前期差▲25.9 ポイント)で「不足」感へ転じ、非製造業では▲21.1 (前期差▲6.3 ポイント)と「不足」感が拡大した。非製造業のうち、建設業は▲42.1(前期差▲17.1 ポイント) 、卸売業は▲28.6(前期差▲11.9 ポイント)と「不足」感が拡大したのに対し、小売業、 サービス業の「不足」感は縮小した。 10.経営上の問題点 製造業では「需要の停滞」 「生産設備の不足・老朽化」 「原材料価格の上昇」が同率で、建設業では 「材料価格の上昇」、卸売業では「販売単価の低下・上昇難」「仕入単価の上昇」「従業員の確保難」 が同率で、小売業では「需要の停滞」 、サービス業では「利用者ニーズの変化への対応」が第1位に なっている。第2位には、建設業では「従業員の確保難」、小売業では「大型店・中型店の進出によ る競争の激化」 、サービス業では「利用料金の低下・上昇難」がそれぞれ挙げられている。 4
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