(PDF/368KB) 平成26年7月

《第97回景況アンケート調査(平成26年9月調査)》
とよしん景況天気図
調査時期
業
種
総
現 状
見通し
26/7~26/9
26/10~26/12
合
製
造
業
卸
売
業
小
売
業
サービス業
建
設
業
《記号の意味》
DI数値
30 以上
良
10 以上 ~
30 未満
やや良い
DI数値 ▲10 未満 ~
10 未満
普
DI数値
い
通
DI数値 ▲10 以下 ~ ▲30 未満
やや悪い
DI数値
悪
▲30 以下
い
《DIの意味》
DIとは、ディフュージョン・インデックス(拡散指数)の略で、増加(良い)企業
の割合から減少(悪い)企業の割合を差し引いた値を指数化したものをいいます。
1
要
旨
『当地区の景況は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動が一部業種にみられるが、
緩やかに回復している。』
当期(7~9 月)のDI は、業況+4.0(前期比+1.9 ポイント)、売上+8.7(同+8.2
ポイント)、収益+5.4(同+4.7 ポイント)と、全てのDIにおいて前回を上回っている。
前年同期比では、業況+1.0 ポイント、売上+1.0 ポイント、収益+2.4 ポイントと、
全てのDIにおいて前年DI を上回っている。
一方、来期見通し(10~12 月)については、業況+7.4(当期比+3.4 ポイント)、売上
+12.5(同+3.8 ポイント)、収益+6.2(同+0.8 ポイント)と全てのDIで改善する
見通しである。
業況DI
最近 3 ヵ月の業況DIは、総合+4.0 と前期比+1.9 ポイント改善した(前年同期比
+1.0 ポイント)。業種別では、製造業+7.1(前期比▲0.3 ポイント)、卸売業▲3.6
(同▲2.0 ポイント)、小売業▲13.8(同+2.3 ポイント)、サービス業+10.4(同+1.9
ポイント)、建設業+7.1(同+4.2 ポイント)と小売業、サービス業、建設業で改善した。
先行き(10~12 月)は、製造業(+5.2 ポイント)、卸売業(+20.0 ポイント)、小売業
(+12.3 ポイント)、サービス業(▲4.1 ポイント)、建設業(+3.1 ポイント)と
サービス業を除き、改善を示している。総合では+7.4 と当期比+3.4 ポイント(前年
同期比▲5.2 ポイント)改善を示している。
売上DI
最近 3 ヵ月の売上DIは、総合+8.7 と前期比+8.2 ポイント改善した(前年同期比
+1.0 ポイント)。業種別では、製造業+16.2(前期比+10.1 ポイント)、卸売業▲3.6
(同+7.7 ポイント)、小売業▲7.7(同+8.4 ポイント)、サービス業+12.5(同+8.2
ポイント)、建設業+8.2(同+5.3 ポイント)と全て改善した。先行き(10~12 月)は、
製造業(当期比+3.3 ポイント)、卸売業(+27.2 ポイント)、小売業(+4.6 ポイント)、
サービス業(±0 ポイント)、建設業(+7.1 ポイント)とサービス業を除いて改善の
見通し。総合では+12.5 と当期比+3.8 ポイント(前年同期比▲7.7 ポイント)の改善を
示している。
収益DI
最近 3 ヵ月の収益DIは、総合+5.4 と前期比+4.7 ポイント改善した(前年同期比
+2.4 ポイント)。業種別では、製造業+11.7(前期比+5.6 ポイント)、卸売業▲3.6
(同▲0.4 ポイント)、小売業▲7.7(同+1.2 ポイント)、サービス業+6.3(同+4.2
ポ イ ン ト )、 建 設 業 + 5 . 1 ( 同 + 4 . 1 ポ イ ン ト ) と 卸 売 業 を 除 い て 改 善 し た 。
先行き(10~12 月)は、製造業(▲0.7 ポイント)、卸売業(+14.5 ポイント)、小売業
(+9.2 ポイント)、サービス業(+3.1 ポイント)、建設業(+2.0 ポイント)と製造業
を除いて改善の見通し。総合では+6.2 と当期比+0.8 ポイント(前年同期比▲5.7
ポイント)の改善を示している。
2
とよしん景況調査
《調査要領》
調査対象時期
調 査 方 法
平成26年
7月
平成26年
10月
~
9月
~ 12月
実
績
見通し
聞き取りアンケート調査
調査対象企業の内容
調査対象企業
当金庫取引先 579 社
その他
14%
製造業
27%
分 析 方 法
各質問項目で「増加(上昇)」したと
する企業が全体に占める構成比と、
「減少(下降)」したとする企業の構成
不動産業
5%
建設業
17%
比との差(DI・判断指数)を中心に
卸売業
9%
サービス業
17%
分析しています。
小売業
11%
D Iの 推 移
<業 況>
(数値はDI数値)
時
業
期
種
総
平成 25 年
7~9 月
10~12 月
平成 26 年
1~3 月
4~6 月
合
3.0
12.6
14.5
2.1
4.0
7.4
造
業
6.8
13.6
9.9
7.4
7.1
12.3
↑
↑
卸
売
業
▲3.4
11.5
16.4
▲1.6
▲3.6
16.4
↑
小
売
業
▲1.6
14.5
25.4
▲16.1
▲13.8
▲1.5
↑
4.3
13.7
10.5
8.5
10.4
6.3
↓
▲3.1
19.4
23.2
2.9
7.1
10.2
↑
平成 25 年
7~9 月
10~12 月
平成 26 年
1~3 月
合
7.7
20.2
20.9
0.5
建
設
業
<売 上>
(数値はDI数値)
時
期
種
総
4~6 月
7~9 月
10~12 月
見通し
8.7
12.5
↑
製
造
業
14.2
20.4
20.6
6.1
16.2
19.5
↑
卸
売
業
3.4
21.3
29.5
▲11.3
▲3.6
23.6
↑
小
売
業
4.9
25.5
22.0
▲16.1
▲7.7
▲3.1
↑
サ ー ビ ス 業
0.0
17.9
13.7
4.3
12.5
12.5
→
建
8.2
30.1
35.4
2.9
8.2
15.3
↑
平成 25 年
7~9 月
10~12 月
平成 26 年
1~3 月
設
業
<収 益>
(数値はDI数値)
時
業
10~12 月
見通し
製
サ ー ビ ス 業
業
7~9 月
種
総
期
4~6 月
7~9 月
10~12 月
見通し
合
3.0
11.9
13.3
0.7
5.4
6.2
↑
製
造
業
5.4
10.9
14.2
6.1
11.7
11.0
↓
卸
売
業
▲5.2
9.8
19.7
▲3.2
▲3.6
10.9
↑
小
売
業
▲1.6
18.2
13.6
▲8.9
▲7.7
1.5
↑
サ ー ビ ス 業
2.2
15.8
5.3
2.1
6.3
9.4
↑
建
1.0
14.6
24.2
1.0
5.1
7.1
↑
設
業
3
総
合
当期(7~9月)は、前期比で業況DI+1.9ポイント、売上DI+8.2ポイント、
収益DI+4.7ポイントと全てのDIにおいて改善した。また、来期見通し(10~12 月)
は、業況、売上、収益DIの全てにおいて改善を示している。
業種別にみると、製造業全体では、円安に伴い、海外に販路を持つ企業からの受注が
好調である。一方、円安の影響による燃料費の高騰に懸念している先も多い。卸売業の
うち青果卸については、夏キャベツの出荷がピークを迎えるが、今夏の天候不順により
生育は停滞気味で小玉傾向。出荷量は例年より少なく、今後もしばらく低調に推移して
いく見通し。小売業全体として、生活必需品等の販売は大きな変動はみられないが、
贅沢品や嗜好品等には一部落ち込みもみられる。今後は物価上昇の懸念もあり、家計収入
増加の環境が整わなければ、個人消費マインドの回復に時間がかかることも懸念される。
サービス業のうちホテル・旅館業については、利用客の強い低価格志向を考慮して、宿泊
料金は消費税率引上げ分を据え置きで対応しているところが多く、収益面では厳しい環境
である。建設業では、一般住宅の受注は、平成27年10月に予定されている消費税率
10%への引上げを見越して、少しずつ増加傾向にある。
業 況 ・売 上 ・収 益 の 推 移 < 総 合 >
2 5 .0
2 0 .0
DI数値
1 5 .0
1 0 .0
業 況
売 上
収 益
5 .0
0 .0
- 5 .0
- 1 0 .0
9月
12月
3月
6月
24年
9月
12月
3月
6月
25年
9月
12月
26年
(見通し)
24年
25年
過去1 0 年間の推移( 季節調整値)
業況
売上
収益
2 5 .0
1 5 .0
5 .0
- 5 .0
- 1 5 .0
- 2 5 .0
- 3 5 .0
16年
17年
18年 19年
20年
21年
4
22年
23年
26年
製 造 業
当期は、前期比で業況DI▲0.3ポイント、売上DI+10.1ポイント、収益DI
+5.6ポイントと売上、収益DIにおいて改善した。来期は、当期比で業況、売上DI
は改善を示している。
製造業全体では、円安に伴い、海外に販路を持つ企業からの受注が好調である。一方、
円安の影響による燃料費の高騰に懸念している先も多い。
自動車部品関連については、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動が懸念されて
いたが、年内の受注が確保されている企業もあり、機械設備を更新、導入する企業も増加
している。
食料品製造関連については、消費税率引上げ分は価格転嫁出来ているものの、一部企業
では製造コストの増加により、資金繰りは厳しい状況にある。今後も原材料価格低下の
動きは見られず、引続き厳しい経営環境が予想される。
業況・売上・収益の推移<総合>
25.0
DI数値
20.0
15.0
業況
売上
収益
10.0
(見通し)
5.0
0.0
9月
12月
3月
24年
6月
9月
12月
3月
6月
25年
9月
26年
12月
(見通し)
過去1 0 年間の推移( 季節調整値)
業況
3 0 .0
2 0 .0
1 0 .0
0 .0
- 1 0 .0
- 2 0 .0
- 3 0 .0
- 4 0 .0
- 5 0 .0
- 6 0 .0
16年
17年
18年
19年
売上
20年
21年
5
収益
22年
23年
24年
25年
26年
卸 売 業
当期は、前期比で業況DI▲2.0、売上DI+7.7、収益DI▲0.4と業況DI
と収益DIが低下した。来期は、当期比で全てのDIにおいて改善の見通しとなっている。
卸売業全体としては、売上は回復傾向にあるが、消費税率引上げや燃料費の高騰
などが収益を圧迫しており、厳しい経営環境となっている。
木材卸については、消費税率引上げ前の駆け込み需要の反動により、戸建て住宅を
中心に落ち込みが顕著となっている。秋口からは持家、分譲戸建てのほか、都市部の
マンション案件等の需要が期待されるが、安定した需要となるかは不透明な状況である。
地元工務店などの受注は依然低調であり、その影響を受け、木材需要も鈍い動きとなって
いる。
青果卸については、夏キャベツの出荷がピークを迎えるが、今夏の天候不順により生育
は停滞気味で小玉傾向。出荷量は例年より少なく、今後もしばらく低調に推移していく
見通し。
業況・売上・収益の推移<総合>
35.0
30.0
25.0
DI数値
20.0
15.0
業況
売上
収益
10.0
5.0
0.0
-5.0
-10.0
-15.0
9月
12月
3月
6月
24年
9月
12月
3月
6月
25年
9月
12月
26年
(見通し)
24年
25年
過去1 0 年間の推移( 季節調整値)
業況
売上
収益
2 5 .0
1 5 .0
5 .0
- 5 .0
- 1 5 .0
- 2 5 .0
- 3 5 .0
16年
17年
18年
19年
20年
21年
6
22年
23年
26年
小 売 業
当期は、前期比で業況DI+2.3ポイント、売上DI+8.4ポイント、収益DI
+1.2ポイントと全ての業況DIにおいて改善した。来期は、当期比で業況、売上、
収益DIの全てにおいて改善の見通しとなっている。
小売業全体として、生活必需品等の販売は大きな変動はみられないが、贅沢品や嗜好品
等には一部落ち込みもみられる。今後は物価上昇の懸念もあり、家計収入増加の環境が
整わなければ、個人消費マインドの回復に時間がかかることも懸念される。
自動車販売については、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、普通車や
中古車の売上が、4月以降低調であったが、少しずつ回復の兆しが見えてきている。一方、
増税後も順調な販売を続けていた軽自動車は、買い控えの動きもみられる。中古車市場を
含め、各社は年末のボーナス商戦でのさらなる売上回復を期待している。
業況・売上・収益の推移<総合>
30.0
25.0
DI数値
20.0
15.0
10.0
業況
売上
収益
5.0
0.0
-5.0
-10.0
-15.0
-20.0
9月
12月
3月
24年
6月
9月
12月
3月
6月
25年
9月
26年
12月
(見通し)
過去1 0 年間の推移( 季節調整値)
業況
売上
収益
10.0
5.0
0.0
-5.0
-10.0
-15.0
-20.0
16年
17年
18年
19年 20年
21年
7
22年
23年
24年
25年
26年
サービス業
当期は、前期比で業況DI+1.9ポイント、売上DI+8.2ポイント、収益DI
+4.2ポイントと全てのDIにおいて改善した。来期は、当期比で収益DIのみ改善
の見通しとなっている。
ホテル・旅館業については、当地区に展開する中小ビジネスホテルは、利用客の
強い低価格志向を考慮して、宿泊料金は消費税率引上げ分を据え置きで対応している
ところが多く、収益面では厳しい環境である。低価格競争にも限界があることから、
食事やサービスの質をより一層向上させ、同業他社との差別化を検討している先も
みられる。昨年は豊川市においてB-1 グランプリが開催され、その恩恵を受け、
利用客数が増加したが、今年は例年通りの水準になると予想される。
飲食業については、地元飲食店は低価格の大手チェーン店舗に客足が流れ、売上は
減少傾向にあり、価格競争から収益も減少傾向で、依然厳しい状況が続いている。
業況・売上・収益の推移<総合>
20.0
15.0
DI数値
10.0
業況
売上
収益
5.0
0.0
-5.0
-10.0
9月
12月
3月
24年
6月
9月
12月
3月
6月
25年
9月
26年
12月
(見通し)
過去1 0 年間の推移( 季節調整値)
業況
売上
収益
15.0
10.0
5.0
0.0
-5.0
-10.0
-15.0
16年
17年
18年
19年
20年
21年
8
22年
23年
24年
25年
26年
建 設 業
当期は、前期比で業況DI+4.2ポイント、売上DI+5.3ポイント、収益DI
+4.1ポイントと全てのDIにおいて改善した。来期は、当期比で業況、売上、収益
DIの全てにおいて改善の見通しとなっている。
業況は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動を懸念していたが、大きな落ち
込みはない。特に一般住宅の受注は、平成27年10月に予定されている消費税率10%
への引上げを見越して、少しずつ増加傾向にある。今後も増税を意識した一般住宅の
受注を中心に、駆け込み需要が見込まれる。一方、建設資材等の価格高騰や人手不足に
よる工期の長期化などは改善の見込みが弱く、収益面の悪化や工事の進捗の遅れが懸念
されている。
企業の設備投資が徐々に改善傾向にあり、今後は工場増設や老朽化した工場の建て
替えなどの動きが期待され、法人向けの受注が見込まれる。
業況・売上・収益の推移<総合>
40.0
30.0
DI数値
20.0
10.0
業況
売上
収益
0.0
-10.0
-20.0
-30.0
-40.0
9月
12月
3月
24年
6月
9月
12月
3月
6月
25年
9月
26年
12月
(見通し)
過去1 0 年間の推移( 季節調整値)
業況
売上
収益
30.0
20.0
10.0
0.0
-10.0
-20.0
-30.0
-40.0
-50.0
16年
17年
18年
19年
20年
21年
9
22年
23年
24年
25年
26年
農 業
野 菜
キャベツの卸売市場価格の推移(月別平均価格)(10kg/円)
2000円
露地野菜の冬キャベツは、8月下旬から
植え付けの時期であり、雨量が例年より
1500円
多かったため、生育は順調である。出荷
時期は例年並みの10月下旬を見込むが、
1000円
早くなる可能性もある。栽培農家は、近年
キャベツの高値が続いていることから、
500円
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
25年
作付面積を増やす傾向にある。
4月
5月
6月
7月
26年
※名古屋中央卸売市場の卸売価格を参考
菊
輪菊の卸売市場価格の推移(月別平均価格)(1 本/円)
70円
菊については、7~8月にかけて
全国的に生育は順調でまとまった入荷が
60円
続いたことから、相場は低値での推移で
50円
あった。12月から年初時期には相場
40円
上昇を見込むが、重油や電気代などの
経費負担の増加で、業況は厳しくなると
30円
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
25年
3月
4月
5月
6月
7月
26年
予想される。
※(社)日本花き卸売市場協会の調査価格を参考
水 産 業
養鰻業については、養殖に使うシラスうなぎの漁獲量が5年ぶりの増加となったこと
から、仕入値が下がり、養鰻業者の資金繰りは改善した。しかし、うなぎが絶滅危惧種に
指定されていることもあり、今後も不安定な要素が懸念される。
運 輸 業
運輸業については、消費税率引上げ後、輸送量が低下しているが、4月以降の低下は想定
の範囲内との見方も多くみられた。今後は年末に向け、売上の回復を見込んでいる一方、
ドライバー不足による人件費の高騰や原油高による燃料費の上昇など輸送コストの増加が
懸念され、採算面は依然厳しい状況が続くとみられる。
不動産業
住宅用地については、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動で動きも鈍化して
いたが、平成27年10月に予定されている再増税を前にして住宅購入を検討する動きが
出てきており、徐々に活発になってくると予想される。
10