BT-APアンテナを利用したセンサーネットワークによる 病院内ユビキタス

BT-APアンテナを利用したセンサーネットワークによる
病院内ユビキタス環境の構築
〜どこでもBluetoothバーコードリーダーが使える病院ネットワーク環境~
応用情報科学研究科
ヘルスケア情報科学コース
准教授
たけむら
ただまさ
竹村 匡正
BT-APアンテナ、病院情報システム、センサーネットワーク、Bluetoothバーコ
ードリーダー
大規模病院を中心に、病院情報システムが導入されている。これらのシステ
ムは、当初はオーダリングという伝票送信・会計システムであったものが、電
子カルテをはじめとして全ての記録を扱うシステムになりつつある。多くの記
録は「誰が、どこで、いつ、何をした」という情報であり、これらのデータは
検査機器や体温計等のデバイスや、医療従事者の利用するハンディターミナルから送信される。
本研究では、病院内で様々なデバイスが通信可能な環境の構築を目的として、Blutooth- Wi-Fi ア
ンテナ(BT-AP アンテナ)を開発し、Wi-Fi ネットワーク環境下においてどこでも Bluetooth デバ
イスが通信できる環境を構築した。特に、医療従事者が利用するバーコードリーダーを軽量・安価
な Bluetooth バーコードリーダーに変更し、京都大学病院における 1000 人の看護師が利用可能な
システムの構築を行った。特徴としては、Bluetooth バーコードリーダーはデータ通信時以外は近
くのアンテナを決まったタイムスパンで探索し、通信が始まった時点で今自分が最も通信しやすい
アンテナと通信を行う。そのため Blueooth 通信でありながらローミングが可能であり、看護師は
場所を移動してもその通信先のアンテナが変更されたことを意識せずに継続して利用可能な仕組
みとした。
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図1:Bluetooth バーコードリーダー
図3:センサーネットワークによる Bluetooth
バーコードリーダーの利用
図2:BT-AP アンテナ
医療における Bluetooth デバイスの利用は、コンティニュアアライアンス等に
おいて、業界をあげて在宅での利用を中心に体温計、血圧計、体重計などが開
発されている。病院内においても今後これらの bluetooth 通信デバイスが自動
的に通信を行うことで、これまで発生していた膨大な転記作業等がなくなるこ
とが期待できる。