G-link

18pSH-5
LHC-ATLAS実験 Run2に向けた
ハドロンカロリーメータとミューオン検出器
を用いたレベル1ミューオントリガーの
ファームウェア開発
神戸大学 理学研究科
長谷川誠
藏重久弥,矢ケ部遼太,石野雅也A,隅田土詞A
田代拓也A,救仁郷拓人A,佐々木修B,
京都大学A,KEKB,他 アトラス日本TGCグループ
日本物理学会
2014年度秋季大会
日本物理学会 2014年 秋季大会
佐賀大学
1
Introduction
ATLAS実験はCERNのLHC(Large Hadron Collider)
陽子・陽子衝突型円形加速器を用いた素粒子実験
40.08MHzの高頻度衝突から全イベントのデータを記録する
ことは困難であるため興味のある事象のみを選別する
➡ ミューオントリガーシステム
ATLAS検出器
研究目的
2015年からのRUN2におけるエネルギー及びルミノシティ増加に対し、
低いトリガーレート、高い効率のミューオントリガーを実現する
フェイクトリガー
35000
(ミューオン以外の粒子を誤って検出したトリガー)
→トリガーレートの約6割を占めリソースの圧迫
ATLAS work in progress
30000
25000
20000
フェイクトリガーレート削減のためミューオン検出器
とTile Calorimeterを用いたCoincidenceを実行する
➡ Tile Muon Coincidence
15000
10000
5000
0
-2
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-1
0
1
2
2
η
ATLAS検出器
Tile Muon Coincidenceは
TGC : Thin Gap Chamber(ミューオンスペクトロメータ)
Tile Calorimeter(ハドロンカロリーメータ)を使用
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3
Geometry
Inner Station
|η|=1.05
Tile Calorimeter & BW Coincidence
もしくは
Inner Station & BW Coincidence
|η|=1.2
|η|=1.3
Tile Extended Barrel
Inner Station & BW
Coincidenceのみ
0.9 1.0 1.05 1.1 1.2
|η|=1.9
ATLAS検出器1/4断面図
Tile Extended Barrel
Big Wheel(BW)
TMDB
Inner Station
Big Wheel
Sector
Logic
My
Work
トリガー
信号の流れ
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信号処理プロセス
Tile Calorimeter
Tile Muon Digitizer Board (TMDB)
・シンチレーション光を
波長変換ファイバーで
読み出し
・PMTで電気信号に変換
Tile Calorimeter(D5、D6)から
のアナログ信号によって
ミューオンの通過信号を検知
Digital Stage
Analog
Stage
TMDB 機能Block Diagram
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5
TMDB信号処理プロセス
 Analog Stage
・7バンチ分のパルスハイトをサンプリング
 Digital Stage
・整合フィルタによるフィット
➡ ピーク高さ、時間の算出
※ 整合フィルタはSignal-to-Noise ratioを
最大にするように最適化
TMDB
・ピーク高さ
・時間
Analog Stage
Digital Stage
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6
Threshold
Entry数
ThresholdはHigh = 600MeV
Low(予備)の2種類設定
H
45
40
35
30
25
20
ATLAS work in progress
noise
0.9 1.0 1.05 1.1 1.2
signal
15
10
5
0
500
1000
1500
2000
2500
Energy[MeV]
2500
Tile Calorimeter Cellの
使用領域:
1.05 < |η| < 1.2 D5+D6
1.2 < |η| < 1.3 D6のみ
Energy[MeV]
-500
2000
D5 A Side
D6 A Side
D5+D6 A Side
D5+D6
D6
1500
1000
500
0.9
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1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
η
7
Sector Logic Block Diagram
Sector Logic (SL)
各検出器からのミューオンの情報を用いてトリガー判定を行うモジュール
TMDB
・Big Wheel のミューオンヒット位置R-φからLUTによってp TとRoI を算出
・BWからの信号に加えてInner Station とTile Calorimeterの信号でCoincidence
・25nsec毎に発生するイベントに対してデッドタイムレスで処理
➡
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トリガー判定し出力
作成日:2013/12/26長谷川
8
誠
Inner Coincidence判定
Mu 20
Hitあり
Tile CalorimeterにHitを要求する時
Tileへの
Hitの有無
BWにHitしたミュー
オンが20GeV以上と
pT 判定された時
Tile Calorimeterに
Hitを要求しない時
(破損、不調時)
Hitなし
Inner
Station
LUT
Inner Stationに
Hitを要求する時
Inner
Stationへ
のHitの
有無
Hitあり
トリガー
(pT> 20GeV)
Tile
LUT
Hitなし
※pT : 横方向運動量
pT > 15GeV
Tile CalorimeterをInner Stationより優先的に使用
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TMDB-SL Connection Test
SLの各検出器からの入力は
G-link方式デジタル信号
今回TMDB ではG-ink Tx chipのEmulationを
FPGAで行うが実績なし
TMDB(FPGA)-SL(G-link Rx)間のConnection Testを実施
テストベンチ@ CERN
・送信データと受信データの一致
結 ・エラーリカバリーの確認
果
➡ G-link Tx chipのFPGAによるEmulation可
G-link Rx chip
G-link
Tx
G-link
Rx
G-link 方式
FPGA
Emulation
of G-link Tx
G-link
Rx
TMDB
SL
SL
実績なし
今回の仕様
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タイミング調整について
背景
Tile CalorimeterとTGCからの信号はそれぞれ異なるタイミングで
SLに入力されるためCoincidence実行前までに調整する必要性があった
実施予定
1.Flash Lamp
Tile CalorimeterにFlash Lamp を照射しCoincidence が取れるか確認
➡ Flash Lamp のJitter により本実験の再現性が低い
2.Cosmic ray
➡ 衝突点からミューオン検出器に向かう
ミューオンしかトリガーできない
➡ TGCの下部しかタイミング調整できない
μ
3.Beam Collision
➡ タイミング調整に時間がかかるとビームの無駄遣いが発生
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タイミング調整ロジック
同じバンチで発生した
ミューオンの信号
TMDB
Tile Signal Search
… Delay値の異なる信号を
同時にCoincidenceロジックに
入力しトリガー数をカウント
Coincidence
Delay=1
Delay=2
Delay=3
…
Δt=?
➡BWからの信号とタイミングが揃った
ときカウント数が多くなる
(右図の場合Delay値=2の信号) BW
➡その時のDelay値を設定
Delay=8
今までDelay値を1つずつ変更し確認していた…が、
このロジックによって1回で8つのDelay値を同時に
確認できるようになった。
Tile Signal Search
➡新しい機能によって効率的なタイミング調整を可能とした
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Summary
LHC アップグレードによるレート上昇やフェイクトリガー
のためトリガーシステムの改善が求められた
➡ ミューオン検出器とハドロンカロリメータからの
信号を用い、Coincidenceを取ることによりレートの削減
・トリガーロジックをSLへ導入、動作確認
・ TMDB-SL間のConnection Test
・タイミング調整する機能の追加
今後の計画
 Flash Lamp、Cosmic ray、Beam collisionを用いた
タイミング調整とトリガーロジックの最終確認
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