ITU-T SG9第3回会合報告 たかはし KDDI株式会社 メディア・CATV推進本部 メディアプロダクト技術部 マネージャー 1.会議概要 ともひこ 高橋 知彦 2.主要トピックス 2014年9月8日∼12日の間、ITU-T SG9第3回会合がスイ 2.1 勧告案のAAPコンセント(課題番号順) ス・ジュネーブのITU本部で開催された。参加者数は、16か 今会合では、表1の14件の勧告案がAAPコンセントされた。 国から計38名で、国別内訳は、日本8名、中国8名、韓国4 特に、ビルの棟内で、同軸ケーブルを用いて高速伝送を実 名、米国3名、ドイツ4名、イギリス、フランス、ポーランド、 現するJ.HiNoCについて、その物理仕様、MAC仕様がAAP セルビア、タイ、ブラジル、チュニジア、ケニア、ガーナ、ソ された。また、映像の中身とビットストリームのパラメータ マリア、中央アフリカ各1名であった。また、入力寄与文書 の両方を用いるハイブリッドタイプの客観映像品質評価方 は30件、TDは187件(入力及び出力)であった。 式、J.bitvqmが、その評価手法ごとに七つの勧告草案に分け られ、AAPされた。 表1.第3回会合でAAPコンセントされた勧告草案 勧告 Q タイトル 主な提案国 J.195.2 (J.HiNoC-phy) 1 PHY layer specification of high performance network over coax 中国 J.1003 (J.rcas-net) 3 Specifications of network protocol for conditional access client software remote renewable security system 韓国 J.201rev 4 Harmonization of declarative content format for interactive television applications 日本、ブラジル J.205corregendum 4 Requirements for an application control framework using integrated broadcast and broadband digital television 日本、ブラジル J.195.3 (J.HiNoC-mac) 7 MAC layer specification of high performance network over coax 中国 J.900 (J.Cable3DTV-req) 7 Requirements for Stereoscopic Three Dimensional Television Service over Hybrid Fiber and Coaxial based networks 韓国 J.301 (J.arstv-req) 10 Requirements of Augmented Reality Smart Television System 韓国 J.343 (J.bitvqm) 12 Hybrid perceptual/bitstream models for objective video quality measurements 韓国、ドイツ J.343.1 (J.bitvqm.1) 12 Hybrid NRe objective perceptual video quality measurement for HDTV and multimedia IP-based video services in the presence of encrypted bitstream data 韓国、ドイツ J.343.2 (J.bitvqm.2) 12 Hybrid NR objective perceptual video quality measurement for HDTV and multimedia IP-based video services in the presence of non-encrypted bitstream data 韓国 J.343.3 (J.bitvqm.3) 12 Hybrid RRe objective perceptual video quality measurement for HDTV and multimedia IP-based video services in the presence of a reduced reference signal and encrypted bitstream data 韓国 J.343.4 (J.bitvqm.4) 12 Hybrid RR objective perceptual video quality measurement for HDTV and multimedia IP-based video services in the presence of a reduced reference signal and nonencrypted bitstream data 韓国 J.343.5 (J.bitvqm.5) 12 Hybrid FRe objective perceptual video quality measurement for HDTV and multimedia IP-based video services in the presence of a full reference signal and encrypted bitstream data 韓国、ドイツ J.343.6 (J.bitvqm.6) 12 Hybrid FR objective perceptual video quality measurement for HDTV and multimedia IP-based video services in the presence of a full reference signal and non-encrypted bitstream data 韓国、ドイツ ITUジャーナル Vol. 44 No. 12(2014, 12) 35 会合報告 2.2 Working Party副議長及びラポータの氏名 これまで空席となっていたWP1/9及びWP2/9の副議長が、 以下のとおり指名された。 理層規定を定めている。前回のSG9会合以来、ITU-R WP1A、WP5Bから、ケーブルからの漏洩電波による干渉に ついて懸念が示されていたが、国際標準に基づいて電波漏洩 > WP1/9副議長:Mr. Cui Jingfei、SARFT、中国 の計算を行い、その詳細と、問題なしとの結論をリエゾンに > WP2/9副議長:Mr. TaeKyoon Kim、ETRI、韓国 て返信した。併せて、不適切なケーブル敷設による漏洩への また、以下の研究課題について、ラポータ及びアソシエイ 懸念については、J.195.1(HiNoC要求条件)にケーブル漏 トラポータの追加・変更が行われた。 洩許容値を追加する方針を定め、J.195.1改訂ドラフトを作 > Q8/9:ラポータからMr. Gale Lightfoot(米国)を削 成するとともに、リエゾン返信にて通知した。これらのフォ 除するとともに、アソシエイトラポータにMr. Sung- ーマルなコミュニケーションが適切になされたことから、本 kwon Park(韓国、漢陽大学)が指名された。 会合においてJ.HiNoC-phyがAAPコンセントされた。 > Q9/9: ア ソ シ エ イ ト ラ ポ ー タ か ら Mr. Shaibal Chakrabarty(米国)を削除。 3.1.2 超高精細度映像伝送(J.94改訂、J.183改訂) NHKから提案されている、J.83によるチャンネルをボンデ 2.3 IRG(セクター間ラポータグループ)の承認 ィングすることで超高精細度映像を既存ケーブルネットワー 放送通信連携システム(IBB)に関する、ITU-T SG9と クで配信する方式(複数搬送波伝送方式)が、新規ワーク ITU-R SG6間のセクター間ラポータグループIRG-IBBについ アイテムとして承認された。勧告化作業として、J.94ではボ て、前回12月のSG9会合以来両セクターで検討していたToR ンディング状態を示すディスクリプタ拡張、J.183では 案が合意に至り、SG9プレナリで設立が承認された。 MPEG-2 TSによる多重化のボンディング用途への拡張を行 う改訂案が合意され、継続検討案件として承認された。 2.4 WTSA-12決議80の試行導入 勧告策定に寄与した貢献者の明確化に関する決議、 WTSA-12決議80について、6月に開催されたTSAG会合で、 3.2 品質評価(Q2/9、Q12/9) 3.2.1 J.bitvqm SG9において試行導入を実施することが確定した。これを受 映像の中身とビットストリームを併用する客観品質評価勧 け、今会合では、実施内容詳細がガイドラインとして作成さ 告J.bitvqmについて、VQEGでの評価作業が終了し、VQEG れた(3.10.4参照) 。 の報告に基づいて、参照映像に関する3通りの前提(①参照 映像無し、②参照映像のパラメータのみ利用、③参照映像 2.5 Q9/9の改訂に関する議論 Q9/9のラポータを務める中国から、研究課題のスコープ 有り)×ビットストリームのペイロード部の暗号化の有無で、 計6通りの組合せごとに勧告案を分離することが合意され、 を広げるための改訂提案が出された。本件について、国内で アンブレラ勧告を加えた7件の勧告としてAAPコンセントされ は対処方針策定時よりQ5/9の課題内容との重複が懸念され た。 ていたが、中国寄書の体裁も不十分で、修正履歴の付いた 最終形が提示されたのが最終プレナリ前日夜であったことな どから、2015年2月まで継続審議となった。 (3.8参照) 3.2.2 3D評価関連 以下の三つのワークアイテムに関して、本会合でAAPコン セント予定であったが、VQEGから、評価に関して不明点が 残ることからAAPコンセントを延期するよう求めるリエゾン 3.各課題別審議 3.1 映像基幹伝送(Q1/9) 3.1.1 J.HiNoC-phy 中国が策定を主導しているJ.HiNoCシリーズは、光ファイ バケーブルテレビ回線に接続されたビルの棟内伝送に同軸ケ ーブルを用いるものであり、勧告草案J.HiNoC-phy(J.195.2) はそのFEC、信号変調方式、フレームフォーマットなどの物 36 ITUジャーナル Vol. 44 No. 12(2014, 12) が寄せられ、VQEGと共同で更なる内容の充実を図った後、 再度AAPを図ることとなった。 > P.3D-disp-req(Display requirements for 3D video quality assessment) > J.3D-fatigue(Assessment methods of visual fatigue and safety guideline for 3D video) > P.3D-sam(Subjective assessment methods for 3D video quality) について、それぞれ新規勧告化作業の開始提案があった。前 者は特段の異論なく了解されたが、後者は、勧告化の必然 3.2.3 P.912rev 映像評価の主観評価方式を定める勧告P.912に対して、ポ 性が不明として、次回会合までに提案元が詳細な記述を用 意することとなった。 ーランドから、実際に利用した経験に基づいた改訂提案が入 力され、評価実施時の評価語の与え方などが採用された。 3.4 アプリケーション(Q4/9) 次回SG9会合でAAPコンセント予定。 3.4.1 IBBシステム勧告J.acf-spec J.acf-specは、放送通信連携(IBB)に関する様々なアプ 3.2.4 P.911rev リケーションの制御と、共通プラットフォームに関する勧告 マルチメディアアプリケーションのための主観品質評価方 である。今回会合では、勧告草案中の既存システムの比較 式を定める勧告P.911に対して、フランスより、オーディオビ 表について内容の精査が行われ、勧告草案の趣旨が正しく反 ジュアルトータルでの品質だけでなく、オーディオとビデオ 映されるよう、それぞれ更新された。 それぞれ個別の品質についても主観評価を行い、トータルで の品質評価に活用する手法の追加が提案され、反映が合意 された。次回のSG9会合でAAPコンセント予定。 3.4.2 STB-携帯端末の連携の要求条件勧告案J.cabmob-req J.cab-mob-reqは、ケーブルSTBとタブレットやスマートフ 3.2.5 新ワークアイテム 品質評価について、今回会合で以下の三つの新ワークア イテムの開始が合意された。 ォン等の携帯端末間の連携のための要求条件勧告であり、 日本がエディタとして勧告化を進めている。今回、ブラジル から、タブレット等の連携端末向けの情報を放送波に多重し > J.vqm-hecv:H.265(HEVC)映像の客観品質評価方法 て送り、受信機(STB)で連携端末へ転送するシナリオが提 > J.q-uhd:UHDのサービスのための品質評価方法 案され、反映が合意された。さらに、これまで記述してきた > J.op-tr:知覚品質観点から、ビットレート、画像解像 シナリオに基づいて要求条件の整理を行い、内容の充実が図 度、コンテンツ内容の点で最適なパラメータの組合せを られた。 選択する方法 3.4.3 J.201及びJ.205改定 3.3 条件付きアクセス(Q3/9) 3.3.1 DRM要求条件 データ放送コンテンツフォーマット勧告J.201について、8 月の中間会合で、BMLからVOD再生を直接行う機能につい ケーブル事業者が提供するマルチスクリーンサービス向け ての記述追加が行われており、今回会合で改定案がAAPコ のDRMに関する要求条件勧告J.drm-reqについて、JLabsか ンセントされた。また、IBBシステムの要求条件勧告J.205に らの寄書により内容の充実が図られた。エディタより、2回 ついて、ITU-T SCV、ITU-R WP6Bからの提案を受け、アプ 程度の中間会合で審議した後、次回SG9会合でのAAPコン リケーションタイプに関する四つの用語定義の改定を、勧告 セントを目指したいとの意向が示されている。 J.205 Corrigendum 2としてAAPコンセントした。 3.3.2 RCAS関連 3.5 STB(Q5/9) J.rcas-netは、遠隔から更新可能なCASシステムにおいて、 3.5.1 4KケーブルSTB検討開始の提案 端末-認証システム間の認証と、クライアントソフトウェアの 日本ケーブルラボからの寄書により、日本における次世代 ダウンロードに関する通信仕様を定める勧告草案であり、前 (J.295で定められたHybrid STBに続く第3世代)のSTBへの 回中間会合から特に内容の変更はなく、AAPコンセントされ た。今後、日本で同様なRCASが出現した場合には、本勧告 のAnnexとして拡張することが想定されている。 取組が紹介され、各国から以下の反応があった。 ドイツ:ダウンローダブルCASの機能を提案できるか検討 したい また、韓国より、CASシステムとAC(認証システム)のイ 韓 国:韓国では、4月から4K商用サービスを開始してい ンタフェースの規定と、Smart AgricultureへのRCASの適用 る。C58R1の提案と合体させた提案ができない ITUジャーナル Vol. 44 No. 12(2014, 12) 37 会合報告 か、検討したい(注:韓国提案はオプティカルイ ンタフェースにフォーカスした提案のため、一体 化できる可能性は低い) 議論の結果、新規課題として取り上げるか否かは、次回 ラポータ会合で再度審議の上決定することとなった。 3.8 ホームネットワーク(Q9/9) ラポータ(中国)より、以下の項目もQ9/9の所掌テキス トに含め、所掌を拡大することが提案された。 −HNのクラウド化 −HN上でのマルチスクリーンとモビリティサポート −HNの有線、無線技術の融合 3.5.2 RGW仕様 −CAPEX、OPEX低減のメカニズム ラポータから、日本においてRGWは、ガイドラインの策定 しかしながら、SG9マネジメントから、WTSA決議1の手続 にとどまり、仕様策定は進展していない状況を説明し、勧告 (2か月前のアナウンスが必要)に合致していないこと、提案 草案J.rg-specへの各国からの寄書入力が要請された。ドイツ 内容が広すぎ、Q9のmandateを逸脱したり、他SGからのク から寄書入力に前向きな意見があり、次回ラポータ会合にお レームが出ることが危惧されるため、詳細検討が必要との指 ける寄書提案を待つこととなった。 摘があり、結論は次回SG会合に持ち越しとなった。 3.5.3 オプティカルメディアプラットフォームの提案 3.9 サービス配信プラットフォーム(Q10/9) 韓国より、オプティカルインタフェースを持つSTBの勧告 化作業の開始の提案があったが、提案されたスコープがサー 3.9.1 J.arstvシリーズ J.arstvシリーズは、AR(Augmented Reality)を用いて、 ビス、システム、ネットワーク、端末まで多岐にわたってお テレビ上に静止画等を重畳することで、映像視聴を拡張する り、勧告草案としての妥当性について議論となった。結果、 サービスに関する勧告草案であり、今回その要求条件勧告 ①勧告化のスコープは何か、②SG15で検討が進められてい (J.arstv-req)及びシステム勧告(J.arstv-spec)について審 るオプティカルシステムとの差分分析、③ケーブル業界とし てサポートされているのか、等について提案元で回答を準備 の上、次回会合で再審議することとなった。 議が行われた。 J.arstv-reqについては、エディタである韓国ETRIから、メ タデータフォーマットとして、MPEG-4 BIFS(Binary Format for Scenes)への参照が提案され、議論となった。結 3.6 ビットストリーム番組挿入(Q6/9) ビットストリームスプライシング勧告J.181の「Recommended Practice」に関するAppendixについて、本年5月の ラポータ会合以来、SCTE規格の最新版に整合させるための 改訂が行われていたが、今会合にて承認された。 果、実装方式として特定の技術に制約すべきでないとの見解 で合意し、MPEG-4 BIFSへの参照はBibliographyにとどめ た上で、AAPコンセントされた。 J.arstv-specについては、ETRIから提案されたスケルトン ドキュメントのレビューが行われ、 (1)提案されたスコープ の、放送局からの許諾に関する記述が不明瞭、 (2)寄書で 3.7 DOCSIS映像配信(Q7/9) は、ARスマートテレビにおける①コンテンツの同期、②メタ 3.7.1 J.HiNoC-mac データ、③シグナリングプトロコルをスコープとすることが提 中国が提案しているHiNoCシリーズのMAC層を定める勧 案されているが、メタデータを勧告草案のスコープとするか 告草案J.HiNoC-mac(J.195.3)について、物理層の が不明確である、といったコメントが出され、それらを今後 J.HiNoC-phyと併せて、今会合にてAAPコンセントされた。 の会合で議論することを前提として、提案内容を採用するこ とが合意され、出力文書に反映された。 3.7.2 J.Cable3DTV-req J.Cable3DTV-reqは、韓国ETRIから提案されたケーブル 網上でのステレオ立体視タイプの3DTVサービスの要求条件 3.10 SG9マネジメント(Q13/9) 3.10.1 無線と有線の干渉問題 勧告草案である。今会合では、ETRIから寄書により ドイツから、ケーブルテレビシステムからのエミッションに Bibliographyを付け加えられた上で、予定どおりAAPコンセ 関する欧州規格の情報提供を行う寄与分書が提出された ントされた。 (C65) 。これまで、米国FCC、日本の技術基準、中国規格 が情報収集されていたが、これに続くものとして、今回の欧 38 ITUジャーナル Vol. 44 No. 12(2014, 12) 州規格に関する情報をITU-T SG5、ITU-R WP1A、5A∼5C、 WP6Aに情報展開した。 また、ITU-R WP1A、WP5Bからは、HiNoCのエミッショ まず、6月のTSAG会合の結果、決議80の意義がより具体 化されるとともに、SG9で本件の試行導入を実施することが 確定した。その意義とは、 ン評価に疑問を呈するリエゾン文書を受領した。HiNoCに特 > 勧告策定に寄与した貢献者を明確化すること 化した指摘であったためQ1/9に精査を依頼し、HiNoCの提 > ITU-T勧告から学術論文への参照を奨励すること 案元である中国から空間減衰に関する詳細分析が提出され > 論文がITU-T勧告から引用されたことが正しく評価され て、これをもってITU-R側に回答が行われた。併せて、今後 の懸念を払拭すべく、HiNoCの要求条件(J.195.1)に同軸 漏洩に対する上限値を記載する改訂を行うこととなった (3.1.1参照) 。 るための仕組みを作ること である。 今回Q13/9では、これら各項目に対する具体的な実施内 容を記したガイドライン案を作成し、TD583r1としてSG9プ レナリで承認された。 3.10.2 ETSI TC Cable ETSI TC Cableより、彼らの作業計画に関するリエゾン文 3.11 SG9、SG12合同プレナリ 書を受領した。その中で、CableLabsで標準化されたDOC- 合同プレナリでは、SG9、SG12で行われている品質評価 SIS 3.1がETSIで規格化される予定である旨が通知された。 に関する検討内容について、それぞれ報告されるとともに、 これまで、DOCSIS 1.0より3.0までITU-T SG9で勧告化して AV品質評価に関するセクター間ラポータグループ、IRG- きた経緯もあることから、DOCSIS 3.1も同様にSG9で勧告 AVQAの活動について報告された。IRG-AVQAは、2014/9/9 化することが望ましい旨を返答した。 のIRG会合が3回目であり、IRGが各SGの活動の相互理解の 助けになっているとともに、IRGの活動を基に、新しいプロ 3.10.3 SG13で審議中の勧告案Y.ICN-reqts ジェクトが始まることが期待されている。また、ITU-R SG6 SG13から、新規勧告草案Y.ICN-reqts(Information の活動状況として、WP6Cで主に3Dに関する課題について Control Network要求条件)の作業状況を通知するリエゾン 検討が行われていること、ロシアからマルチスクリーンや個 文書が送付された。この“ICN”とは、電子政府や電子商取 人用画面の品質評価について寄与があり、これに関する研究 引などの高い信頼性が要求されるデータ通信を、従来のデジ に着手していることが報告された。 タル放送ネットワークを用いて行うことが特徴となっている。 SG9においては、本案件と関連の深いQ7/9に精査を依頼し、 次回のIRG-AVQA会合は、2014年11月12日を予定(ITUR SG6と合同) 。 Q13/9関係者も参加して議論を行った。その結果、現在の 勧告草案は初期ドラフトレベルで、SG9の既存勧告や既存ケ ーブルテレビ網への影響を評価することが困難であるとの結 論に至り、ICNの詳細情報やケーブル網に対する新規要求条 件を求めるリエゾン文書を作成し、返信した。 4.今後の予定 次回SG9会合については、中国が招致の意思を表明して おり、2015年6月に北京で開催の方向で調整が行われている。 その間の中間会合としては、各研究課題毎に電話会議など 3.10.4 WTSA-12決議80(勧告策定への貢献者の明確化) が予定されている他、20015年2月9日∼13日には、Q.3、Q.5、 前回12月会合より継続審議となっているWTSA-12決議80 Q.8、Q.9、Q.10、Q.13、Q.5、8合同、及びQ.5、8、9合同 の導入方法について、今回も特別セッションを設けて議論を でのラポータ会合をジュネーブで開催することが検討されて 行った。 おり、各勧告草案の審議が行われる予定である。 ITUジャーナル Vol. 44 No. 12(2014, 12) 39
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