瀬戸内監第 42 号 平成 27 年 2 月 25 日 瀬戸内市議会議長 小野田 光 様 瀬 戸 内 市 長 武 久 顕 也 様 瀬戸内市監査委員 鳥 越 貞 成 瀬戸内市監査委員 中 村 勝 行 随時監査(工事監査)の結果について 地方自治法第 199 条第 5 項の規定に基づく随時監査の結果に関する報告について、同条 第 9 項の規定により提出します。 なお、当該監査結果に基づき、又は当該監査の結果を参考として措置を講じたときは、同条 第 12 項の規定により、その旨を通知願います。 記 1 監査の種類 随時監査(工事監査) 2 監査の概要 (1)監査の実施期間 平成 26 年 11 月 19 日から平成 27 年 2 月 24 日まで (2)監査の対象 ア 消 防 本 部(総務課) イ 上下水道部(上水道施設課) (3)監査の対象事項及び範囲 平成 26 年度における市の事務事業の執行に係る工事 (4)監査の着眼点 工事の計画、設計、積算、施工等の各段階において、不経済な支出や施工不良がないか など、技術面から当該工事が適正に行われているかを主眼とし、経済性、効率性、有効性の 観点にも留意して実施した。 (5)監査の方法 監査対象事項及び範囲の工事のうち、2 件を抽出して、関係書類の提出を求め、事前に 照合、通査を行った。 当日は計画、調査、設計、仕様、積算、契約、施工管理、監理(監督) 、試験、検査等に ついて関係書類を分析、通査するとともに、関係職員に質問を行い、又、工事現場で実査に より監査を実施した。 なお、実施にあたっては、公益社団法人 大阪技術振興協会との工事監査に伴う技術調査 業務委託契約に基づき、技術士 1 人の派遣を求めた。 (6)実査期日及び対象 実 査 期 日 対 象 工 事 担 当 課 平成 26 年 11 月 19 日(水) 消防団邑久西分団機庫新築工事 消 防 本 部 総 務 課 平成 26 年 12 月 15 日(月) 新甲山配水池建設造成工事 上下水道部上水道施設課 ( (水) (7)工事概要 (単位:千円、%) 工 事 名 消 防 団 工 事 概 要 ( 工 期 ) 敷地面積 318.08 ㎡ 建築面積 53.18 ㎡ 延床面積 96.05 ㎡ (主要用途) 消防団機庫 機 (工事種別) 新 (構 造) 鉄 骨 造 (階 数) 地上2階建 (高 さ) 8.32m 新築工事 落札金額 落札率 施設概要 邑久西分団 庫 予定価格 築 18,360 18,360 100 77,784 64,390 83 (平成 26 年 8 月 7 日~平成 26 年 12 月 19 日) 新 甲 山 配 水 池 建設造成 工 事 掘削工 3,563 ㎥ 盛土工 2,748 ㎥ 法枠工 707 ㎡ 場所打擁壁工 69.5 m ブロック積擁壁工 509 ㎡ 側溝工 350 m (平成 26 年 6 月 27 日~平成 27 年 3 月 31 日) ※予定価格、落札金額とも消費税抜き価格である。 3 監査の結果 概ね適正であると認められた。指摘事項は、次のとおりである。今後の処理方法について 指導した軽易な事項は、記述を省略した。 なお参考にした工事技術調査結果報告書の抜粋を工事毎に別紙として示している。 【別紙 1】 工事技術調査結果報告書抜粋(消防団邑久西分団機庫新築工事) (1)設計図書に関する所見 ① 設計図書の内容のチェックを、誰がどのように行なったか監督員に質問した。実施設計の 受託業者である設計事務所の取締役が設計図書全てをチェックしたとのことである。それは あくまでも受託業者社内での自主点検にすぎず、業務委託した成果品のチェックとは言えな い。 ② 委託者である消防本部に設計図書をチェックできる建築系技術職員が配置されていない なら、建設課に委託するか、それが困難であるならば中立の第三者に委嘱してチェックすべ きであろう。 (2)契約について ① 入札参加業者の見積期間は20日間であった。建設業法施工令の規定(予定価格が5百万円 ~5千万円未満の場合10日以上)に適合していた。 ② CORINS(コリンズ:工事実績情報システム)に「工事カルテ」を提出してあるか尋ね たところ、 (一財)日本建設情報総合センターから手続き完了のメールが届き、その写しが 委託監理者から監督職員に提出されていた(11月7日) 。 (3)施工管理について ① 工事工程表はバーチャート(横線式工程表)で作成されていた。2階建ての小規模な工事で あり、工事内容はあまり複雑ではないのでバーチャートで十分に管理できるであろう。 ② 工事記録写真を見分した。整理が追い付いていないようであるが、説明文の表現も簡潔なが ら適切な記述がなされていた。 ③ 「建設廃棄物」の処理について委託監理者に尋ねた。いずれも量が少ないので元請業者は 下請人に持ち帰るよう指示しているとのことである。元請業者は当該工事(新築工事)を 小規模の改修工事(500 万円以下)と混同しているようであるが、環境省が平成23年3月 に出した「建設産業廃棄物処理指針」には「廃棄物の処理を下請負人任せにしてはならない」 と明記している。監督員は違法な投棄がなされないよう元請業者に自ら廃棄物の処理を合法 な方法で行うよう指示されるべきである。また下請負人が今までにどの様に処理したかを 元請業者に調査させ報告させる必要があろう。 ④ シックハウス対策として VOC(揮発性有機化合物)○ 注 1の検査をどのように行うのか監督員 に確認した。引き渡し前に、パッシブ法で厚生労働省が決めている6物質全てを対象に、 2階休憩室で検査を行うことにしているとのことであった。 ⑤ 当該工事特記仕様書は、14 種類の工事で「技能士」を配置するよう定めている。配属の 状況を委託監理者に尋ねたところ、鉄骨工事やALCパネル工事、鋼製建具工事において 配属されていることが確認できたがその他は少量工事につき確認はできていないとのこと である。 注 1:VOC:Volatile ○ Organic Compounds の略号であり、揮発性有機化合物のこと。沸点は 50~400℃ だが、室温程度の温度でも少しずつ蒸発しているため、室内の空気を汚染して、いわゆるシックハウス 症候群と呼ばれる症状を引き起こす。 (4)品質管理に関する書類について 1)仮設工事について ① 総合仮設計画図は作成されていた。内容は外部足場の平面図・立面図、敷地周囲の柵、 生コン車の配置、鉄骨建て方用クレーン車の配置が記されていた。仮設事務所や仮設倉庫は 設けないので記載されていない。汲み取り式の仮設便所が設置されているとのことであるが、 図面には記載されていない。 2)土工事について ① 掘削残土は元請業者自社の仮置き場にストックし、その一部を埋め戻しに使用した。埋め 戻し深さは1層あたり 300 ㎜以内とし、土を入れて転圧機械で転圧していた。 3)地業工事について ① 地業工事は認定工法である「アルファフォースパイル工法」が採用されていた。設計者で ある委託監理者の説明によると、敷地が住宅団地内であるので騒音振動が発生しない工法を 採用したとのことで適切な設計がなされている。 ② 当該工法の施工者は、認定を取得したエイチ・ジー・サービス㈱と㈲天王重機が組織して いる「アルファフォースパイル工法技術協会」が認定する工事業者でなければならない。 施工した岩水開発㈱は、同協会が公表している認定会社であった。 ③ 当該工法で使う鋼管杭は、施工者と同様に同協会が認定した加工会社で製作された物ある ことが求められている。鋼管杭の加工会社は協会の指定加工会社である㈱協伸建材興業で あり、現場への納入も同社から行われていたことが書類で分かった。また、杭の製品検査は 工場において検査会社である㈲福森工作所によって寸法検査が行われたことが「製品検査表」 に記載されている。 ④ 杭の現場での接続部の溶接工事従事者は溶接工事の資格を持つ作業員が行ったと委託監理 者から説明された。また溶接部の品質検査は超音波探傷検査等では行われておらず、委託 監理者が立ち会って目視で検査したことを記録写真で確認した。 ⑤ 杭の施工誤差を確認した。水平方向の誤差は許容値±100㎜に対して-15㎜、垂直方向 誤差は許容値±50㎜に対して-15㎜であり合格していた。 ⑥ 支持層への定着は「打ち止めトルク」の施工データがあり、その記録から委託監理者が合格 であると判断しており適切である。 ⑦ 工事記録写真を見分したところ、施工後、杭が地上に約75cm 出ていて、掘削後ガス切断 され蓋が溶接されていた。特記仕様書には「杭頭の処理 ※切断しない」と記述されている。 委託監理者に杭頭を切断しないで済むよう、アルファフォースパイル工法で基礎下まで杭頭 を沈めなかった理由を尋ねたところ、機械の仕組みのせいで、地中に打ち込むことが出来な いと説明された。しかし、当該工法の施工手順説明書では「ヤットコ」を付けて地中に打ち 込むことができると記されている。元請業者及び委託監理者は、杭施工業者に杭頭深さに ついて十分な指示をして「ヤットコ」を使って施工すれば切断せずに済んだと思われる。 ⑧ 砂利地業には特記仕様書の規定通り、再生砕石が使われていた。 4)鉄筋工事について ① 委託監理者が配筋検査を行ったことを工事記録写真で確認した。 ② 特記仕様書には、鉄筋の接続は圧接で行なうとされている。圧接作業員、超音波探傷検査員 の資格確認を求めたところ、圧接は行わなかったことが分かった。建物の大きさが手ごろで あったため、定尺の鉄筋で配筋することが出来たので、圧接する必要が無かったと説明され た。適切な施工がなされていた。 ③ 鉄筋のミルシート、入荷札を見分したところ材料は設計どおりで、全て適切であった。 5)コンクリート工事について ① 生コン工場は、共栄コンクリート工業㈱であった。同工場はJIS規格表示許可工場であり、 品質管理監査適合工場でもある。品質の良い工場が選ばれていた。 ② 生コンに使われた骨材の種類と産地を調合計画書で確認した。細骨材は下関市井島沖合響灘 産の海砂と岡山県北区御津産の砕砂であった。粗骨材は岡山県北区御津産の砕石であった。 砕砂・砕石のアルカリシリカ反応性による区分はA判定(無害)である。海砂の塩分量も 合格していた。骨材は適切であった。 ③ 生コンの単位水量は180kg/㎥であり、建築学会の基準(185kg/㎥以下)を満たし ていた。 ④ コンクリート供試体の4週圧縮強度試験は、第三者機関である岡山県建設技術センターで 試験していた。検査結果報告書によると、基礎地中梁・土間・地上立ち上り躯体の現場水中 養生供試体の4週圧縮強度試験結果は全て合格していた。 ⑤ コンクリートの施工及び品質管理は適切に行われていた。 6)鉄骨工事について ① 鉄骨製作工場は甲矢工業㈱である。同社は指定性能評価機関からMグレード○ 注 2の工場であ るとの認定(TFBM-120059)を得ている。当該工事の特記仕様書にはJグレード以上の工場と 指定されているが、それを満足する能力のある鉄骨製作工場が選定されていた。 ② 工場の施工管理技術者は、 「鉄骨製作管理技術者1級」等の資格を持つ技術者である。適切な 技術者が選定されていた。 ③ 委託監理者は工場で製品検査を行い、溶接部は第三者機関である㈱コーデックの超音波探傷 検査員(有資格者)によって検査を行い問題ないことを確認していた。 ④ 写真で見分したところ、柱脚には特記仕様書の指示通り「ハイベースNEO」が、柱頭には 「ファブラックG工法」が使われていた。 ⑤ 鉄骨建て方も甲矢工業㈱によって行われた。本締めは工事記録写真で見分したところ適切に 行われていた。 ⑥ 鉄骨工事は適切に施工されていた。 注2 ○ :Mグレード:鉄骨製作工場の評価は、溶接を伴う建築構造物を、建築規模、使用する鋼材等により 5つのグレードに区分して行われている。Mグレードは、中高層ビルを中心として全ての建築物が 対象で、年間2,400トン程度の鉄骨製作工場。扱える板厚は40㎜以下。 7)塗装工事について ① 当該工事では、シックハウス症候群を起こさない塗料を選定しているとのことで、適切な 判断がなされていた。 ② 塗料の保管方針を委託監理者に尋ねたところ、量が少ないので、現場に置かず施工業者に 持ち帰らせているとのことであった。 (5)現場施工状況調査における所見 現場調査は、現場に赴いて実施した。 建物はコンクリート打設および鉄骨建て方、外壁のALC板取付けが済んで、構造体は出来あ がっていた。屋根の金属板葺き、金属建具工事も完了していた。1階室内ではALC板とコンク リート躯体との取り合い部のエキスパンション・ジョイントの取り付け工事が進められていた。 2階室内では木工事・壁PB貼り工事・天井工事も終わり、木部の塗装工事が進められていた。 現場で見分した事項とその結果を以下に記す。 1) 工事の施工状況 ① 敷地周囲の安全柵として、プラスチック製の高さ90cm程の柵が並べられている。出入り 口にはプラスチック製のカラーコーンが並べられているが、第三者が現場に進入できないか は疑問である。監督員は状況を確認して、元請業者を指導しておかれたい。 ② 各種掲示物の点検をした。建設業許可証、労災保険成立票、建築基準法による確認済、施工 体系図をコピーした紙が、看板状に建てられた型枠用ベニヤ板にセロテープで貼りつけられ ていた。雨が降ると見難くなると思われるので正規のプラスチック製の表示盤を掲示させて おかれたい。 ③ 鉄骨製作工場名表示、建退共加入表示も掲示されたい。 ④ 鉄骨本締めトルシア型高力ボルトの締め付け状況を目視で確認した。見える限りの範囲で ピンテールが破断されていない個所は無かった。 ⑤ 屋外に置かれている塗料の缶の1つが、シンナーの缶であった。シンナーは「トルエン」 ・ 「キシレン」等のシックハウス症候群の原因物質を含む物が多いので、監督員は極力使わな いよう指導されたい。 2)安全管理の状況について ① 今までの労働災害の発生状況を、現場代理人に質問したところ、今まで事故を起こしていな いそうである。引き渡しまで残り4週間、無事故無災害で工事を終えられるよう、関係者 全員で頑張ってもらいたい。 ② 外部足場は「枠組み足場」で組み立てられていた。外周には目の細かいネットが貼られて いた。昇降のための階段は架けられていた。足場の内側(前踏み側)には、外壁との隙間を 埋めるため、ブラケットが付けられ足場板が載せられていたが、外壁との隙間はまだ30㎝ 以上ある個所があった。墜落防止のための措置をとっておかれたい。 (6)まとめ 一部に改善すべき事項も見られるが、施工関係者並びに監督員の努力のおかげで、概ね適切 な仕事が行われていた。工程も予定通り進んでいるので、労災事故等起こさなければ年末には 待望の機庫が使えるようになるであろう。 この施設が地域の安全に、今後おおいに役立つものとなることが期待される。 以 上 【別紙 2】 工事技術調査結果報告書抜粋(新甲山配水池建設造成工事) (1) 計画 ①事業目的、施工理由・背景は妥当か 本工事は、既設の2配水池のうち、耐震性能不足のRC構造の配水池を撤去し、新たに将来 の需要を見越して、容量を1,000㎥とした配水池を建設するための造成工事を実施して おり目的・理由・背景共に妥当である。 ②工事施工の決裁手続きは適正に行われているか 契約は、13社参加の一般競争入札にて実施され、見積提出までの期間も建設業法に則って おり、その他特に問題も無く、適正に手続きがなされている。 (2) 設計 ①事業の目的に適合した内容となっているか 現状に即した、合理的で経済的な設計であり、問題無いと思われる。 ②設計基準・設計資料等の整備状況及び適用は適切に行われているか 資料を精査したが、十分に整備され適用されている。 ③関連法規に適合した設計となっているか 適切である。 ④事前調査は十分に行われているか 当該工事場所のみではなく、沿道の調査も十分に行われており、事前調査は十分で満足できる ものである。 ⑤現場の状況に適合した経済的な設計がなされているか 設計は、現場の状況に適合した設計がなされており、特に問題は見受けられない。 ⑥仕様書・設計図面及び明細書は的確に作成されているか 仕様書・設計図書には、特に問題は無かった。 ⑦工期の設定は適切か 当初工程には特に問題点は無かったが、現在現場の岩質が設計の想定よりも硬度が高く、工程 が遅れている。早急に工程の見直しを行い、対策を立案・実施することが望ましい。 (3) 積算・契約 ①積算基準・積算資料等の整備状況及びその運用は適切に行われているか 岡山県土木工事標準積算基準書や公共工事設計標準単価表等を使用して積算されており、資料 の整備状況・運用ともに適切であった。 ②歩掛及び単価は適正か 特に、問題点は見られなかった。 ③数量・金額は正確か。また、その算出根拠は明確か 数量計算書も整備され、算出根拠も明確であった。また、内容についても課内で複数の関係 者によって精査がなされ、検印も規定通りに捺印されており、良好であった。 ④入札・契約の決裁・手続は適正か 適正に処理されており、良好である。 ⑤契約に関する書類は提出され、整備されているか 必要書類は提出され、整備されている。 (4) 施工 ①工事施工に関する諸官庁等への事務手続きは適正に行われているか 特定建設作業実施届、労災保険事業開設届など、工事に必要な届出は提出されており、特に、 問題点は見られなかった。 ②工事の施工計画は妥当か 施工計画書については、担当者が内容を精査し、特記仕様書・共通仕様書などで求められて いる事項に漏れが無いか・不備な点や間違いが無いかをチェックして、必要があれば修正の上 再提出させ、部内で回覧し、確認印を押すなどの手順を確立するのが望ましい。 また、写真管理計画や安全管理組織図など、施工計画書に必要な表などの添付漏れが見受けら れる。これら不都合を防止するためには、他府県などで策定されている「施工計画書作成の 手引」を参考に、 「瀬戸内市施工計画書作成の手引」を作成し、使用するのが望ましいと思われ る。 ③設計図通りに施工されているか 概ね設計図書を踏まえた工事が実施されている。ただし、現在設計変更対象になるであろう岩 質の差異や法面防護工の変更などは、現場試験結果や資料の整備を行い、設計変更の理由付け を十分に行っておく必要がある。 ④法令等を遵守しているか 特に、問題点は見られなかった。 ⑤各種承諾書・工事写真等の請負人提出書類は完備しているか 建退共証紙、工事カルテ、施工体制台帳・体系図などの書類は提出され整えられている。 ⑥各種検査・材料試験等は適正に行われているか。また、その記録は的確に整備 されているか 特に、問題は無かった。 ⑦材料の出納及び保管は適切に行われているか 適切に行われ、特に、問題点は見られなかった。 ⑧現場保安処置及び保管は適切に行われているか 現場全般に、作業用安全通路の確保が必要と思われた。日々、変化する現場状況下にあっても、 安全通路を確保して欲しい。 ⑨工程管理は的確に行われているか 特記仕様書に、 「毎月初めの月曜日に、施工状況を報告しなければならない。 」また、 「毎月 一回、発注者と請負者で工程会議を行うこと。 」などの項目を記載し、実施して頂きたい。 特記仕様書で明示したことは、請負者に実施させ、決められた様式で書類・月間工程表などを 提出させることが望ましい。さらに、月間工程会議は、必ず現場事務所で開催することで、 現場の状況を的確に把握でき、適正・厳密な工程管理に繋がると思われる。 また、出来高が誰でも確認できるように、工種ごとの比率を予定工程表に明示して、出来高が 数量的に確認できるようにするのが望ましい。 その他、工程の厳格な管理が必要と思われる工事については、週間工程表の提出を求める必要 があると思われる。 (5) 設計変更 設計変更の内容・時期は妥当か。また、その手続は適切に行われているか 今後、岩質の差異や法面工の変更による工期延伸や工費の変更が予測される。現在の変更 事項の資料を整理し、打合せ議事録などを作成しておくと共に、その他必要資料を整備して 設計変更を実施することが望ましい。 [総評] 工事は現在施工中であるが、提出書類は施工計画書を除いて概ね良好である。 ただ、書類では沿道住民の申し出や変更事項については、全てを議事録などの形式で記録し、 整備しておくことが望ましい。 なお、施工計画書については他府県の「施工計画書作成の手引」などを参考に、瀬戸内市独自 の「手引」を作成することを推奨する。 また、現場説明書・一般仕様書並びに特記仕様書の内容については、請負者が履行しているか の確認を行い、不備な点は指導して、履行させることが望ましい。 現場確認調査では、現在、硬岩の取壊しに時間がかかっているようだが、土留壁などの仕上がり 状況は良好であり、法定掲示物も所定通りに整っている。 ただ、現場の作業用安全通路の確保に留意して頂きたい。 以 上
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