安定した業績が続くとの見方に変更はない

Paltac
(8283・東証 1 部)
2014 年 12 月 29 日
安定した業績が続くとの見方に変更はない
アップデートレポート
上期の利益は計画通り、今期会社計画据え置き
15/3 期上期の単独業績は、売上高が前年同期比 1%減の 4149 億円、
営業利益は同 4%減の 53 億円となった。生活必需品全般に消費税率引
(株)QBR
真下 弘司
き上げに伴う駆け込み需要の反動があり減収。販管費も減少したが、
減収による売上総利益の減少が響き営業減益。
主要指標 2014/12/25現 在
会社計画と比較すると消費増税の反動の長期化と天候不順の影響で
売上高は計画を下回ったが、生産性向上の取り組み(業務全般の見直
株
価
1,356 円
しによる販管費の削減など)が奏功、利益は計画通り着地。
1,437 円
(6/30)
1,145 円
(4/1)
億円、営業利益が同 2%増の 104 億円を計画。期初公表の計画を据え置
発行済株式数
63,553,485 株
おける同社のシェア)を推進、物流受託(SCL)事業は既存受託先との
売 買 単 位
100 株
時 価 総 額
86,179 百万円
予 想 配 当
44.0 円
年初来高値
年初来安値
(
会
予 想
社
)
E P S
160.51 円
( ア ナ リ ス ト )
実 績
P B R
0.63 倍
15/3 期通期の単独業績に関して会社は、
売上高が前期比 1%増の 8400
いた。卸売事業は主要取引先でのインストアシェア拡大(顧客店舗に
取り組みを強化することで増収・増益を見込んでいる。
QBR 予想も変更なし。安定した業績を予想
QBR 予想の 15/3 期の単独業績は、売上高が前期比 1%増の 8420 億円、
営業利益は同 4%増の 106 億円。上期の売上高は QBR の想定を下回った
が、下期は 14 年 10 月の免税法改正の好影響が、ドラッグストアを中
心に期待されることから前回予想を据え置く。
続く 16/3 期は、
売上高が前期比 2%増の 8600 億円、
営業利益は同 4%
直前のレポート発行日
増の 110 億円を予想。同社の取扱品目は生活必需品が中心の商品構成
アップデート
2014/6/26
であることから引き続き安定した成長を見込み増益基調が続くと予想
リサーチノート
2014/8/15
する。
業
績
動
売上高
百万円
向
前期比
%
営業利益
百万円
前期比
%
経常利益
百万円
前期比
%
2014/3 2Q(4-9 月)
実
績
417,395
3.8
5,479
-2.5
8,259
0.9
2015/3 2Q(4-9 月)
実
績
414,922
-0.6
5,259
-4.0
8,006
2014/3 通
実
績
831,899
11.0 15,779
2015/3 通
2016/3 通
期
期
期
5.9 10,216
新 ・会 社予 想
2014 年 5 月の会社予想から変更なし
旧 ・会 社予 想
(2014 年 5 月発表)
840,000
新・アナリスト予想
2014 年 6 月のアナリスト予想から変更なし
旧・アナリスト予想
(2014 年 6 月発表)
842,000
新・アナリスト予想
2014 年 6 月のアナリスト予想から変更なし
旧・アナリスト予想
860,000
(2014 年 6 月発表)
アナリストレポート・プラットフォーム
1.0 10,400
1.2 10,600
2.1 11,000
1.8 16,000
3.8 16,400
3.8 16,800
当期純利益
百万円
前期比
%
EPS
円
4,862 -4.5
76.51
-3.1
4,989
2.6
78.51
6.0
9,185
9.4 144.54
1.4
10,000
8.9 157.36
3.9
10,200 11.1 160.51
2.4
10,500
2.9 165.23
1
業
績
15/3 期上期の単独業績は、売上高が前年同期比 1%減の 4149 億円(会社
駆け込み需要の
 会社概要
反動の長期化等で
上期は減収・減益
計画は 4230 億円)
、営業利益は同 4%減の 53 億円(同 53 億円)
。生活必需
品全般に消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動があり減収。販管費も
減少したが、減収による売上総利益の減少が響き営業減益。
会社計画と比較すると消費増税の反動の長期化と天候不順の影響で売上
高は計画を下回ったが、生産性向上の取り組み(業務全般の見直しによる販
管費の削減など)が奏功、利益は計画通り着地。
セグメント別にみると、卸売事業の売上高は前年同期比 1%減の 4083 億
円、営業利益(全社費用等控除前)は同 3%減の 57 億円。物流受託(SCL)
事業の売上高は同 6%増の 66 億円、営業利益は同 2%増の 7.5 億円だった。
15/3 期通期の単独業績に関して会社は、売上高が前期比 1%増の 8400 億
円、営業利益は同 2%増の 104 億円を計画。売り上げ拡大が難しい経営環境
が続いているが、期初公表の計画を据え置いた。セグメント別の売上高予想
は、卸売事業が前期比 1%増の 8272 億円、SCL 事業は同 1%増の 128 億円。
卸売事業は主要取引先でのインストアシェア拡大(顧客店舗における同社の
シェア)を推進、SCL 事業は既存受託先との取り組みを強化することで増
収・増益を見込んでいる。
表1.15/3期上期の単独業績
14/3期
15/3期
上期
上期
前年
実績
実績
同期比
売上高
4,174
4,149
-1%
売上原価
3,743
3,725
-0%
売上総利益
431
424
-1%
販管費
376
372
-1%
営業利益
55
53
-4%
経常利益
83
80
-3%
純利益
49
50
+3%
(注1)会社計画は、14年5月9日付
(注2)差異は、15/3期上期実績と同会社計画との比較
(出所)会社資料からQBR作成
アナリストレポート・プラットフォーム
(単位:億円)
15/3期上期
会社
差異
計画
4,230
-81
3,798
-73
432
-8
379
-7
53
-0
80
+0
50
-0
2
業
績
QBR 予想も据え置
く。安定した業績
 会社概要
が続く と の 見方に
変更はない
QBR 予想の 15/3 期の単独業績は、売上高が前期比 1%増の 8420 億円、営
業利益は同 4%増の 106 億円。14 年 10 月の免税法改正〔従来免税販売の対
象となっていなかった消耗品(食品類、飲料類、薬品類、化粧品類その他の
消耗品)を含めた全ての品目が免税対象に〕の好影響が、ドラッグストアを
中心に期待されることから前回予想を据え置く。
続く 16/3 期は、売上高が前期比 2%増の 8600 億円、営業利益は同 4%増
の 110 億円で変更なし。安定した業績が続くとの見方に変更はない。売上高
に関しては、同社の取扱品目は生活必需品が中心の商品構成であることから
卸売事業は引き続き安定した成長を、物流受託事業は既存受託先の拡大を見
込んだ。利益面では競争激化や価格低下による売上総利益率の悪化と、大手
ドラッグストア向けなどの比率が高まることでセンターフィーの増加を見
込むが、販管費の効率化等で吸収、増益基調が続くと予想する。
表2.会社計画とQBR予想の単独業績
14/3期
15/3期
通期
会社
前期
実績
計画
比
売上高
8,319
8,400
+1%
売上原価
7,455
7,532
+1%
売上総利益
864
868
+0%
販管費
762
764
+0%
営業利益
102
104
+2%
経常利益
158
160
+1%
純利益
92
100
+9%
(注1)会社計画は14年5月9日付の期初計画値
(注2)QBR予想は14年6月26日付
(出所)会社資料、予想はQBR
アナリストレポート・プラットフォーム
15/3期
QBR
前期
予想
比
8,420
+1%
7,550
+1%
870
+1%
764
+0%
106
+4%
164
+4%
102
+11%
(単位:億円)
16/3期
QBR
前期
予想
比
8,600
+2%
7,718
+2%
882
+1%
772
+1%
110
+4%
168
+2%
105
+3%
3
同 業 他 社 比 較
表 3 に上場している競合 3 社の 15/3 期上期実績と同通期会社計画の業績
を比較した。なお、大木(8120)は 15/3 期の業績予想を開示していない。
15/3 期上期は 14 年 4 月の消費税増税前の駆け込み需要の反動の長期化や
天候不順で 4 社全てが減収になるなど厳しい事業環境の中で、同社はほぼ期
初計画通りの安定した利益を確保。また上期の実績を受けてあらた(2733)
と中央物産(9852)は 15/3 期通期計画を減額修正したが、同社は据え置い
た。同社の収益性の高さや安定性、計画に対する精度などを改めて評価した
い。
表3.競合他社との業績比較(15/3期上期と15/3期通期会社計画)
Paltac(8283)
あらた(2733)
14/3期
15/3期上期
14/3期
15/3期上期
14/3期
上期
期初
上期
期初
上期
実績
差異
実績
差異
実績
計画
実績
計画
実績
売上高
4,174
4,149
4,230
-81
3,213
3,161
3,100
+61
937
営業利益
55
53
53
-0
17
8
20
-12
3
経常利益
83
80
80
+0
17
8
19
-11
6
純利益
49
50
50
-0
8
2
8
-6
5
Paltac(8283)
あらた(2733)
14/3期
15/3期会社計画
14/3期
15/3期会社計画
14/3期
通期
期初
2Q時 修正 通期
期初
2Q時 修正 通期
幅
幅
実績
計画
計画
実績
計画
計画
実績
売上高
8,319
8,400
8,400
±0
6,520
6,400
6,250 -150
1,863
営業利益
102
104
104
±0
45
46
29
-17
10
経常利益
158
160
160
±0
44
44
27
-17
17
純利益
92
100
100
±0
24
19
12
-7
10
(注)大木(8120)は15/3期業績予想を開示していない
(出所)各社資料
アナリストレポート・プラットフォーム
(単位:億円)
大木(8120)
中央物産(9852)
15/3期上期
14/3期
15/3期上期
期初
上期
期初
実績
差異
実績
差異
計画
実績
計画
932
670
653
660
-7
0
6
-5
6
-10
4
6
-4
6
-10
3
3
-6
4
-10
大木(8120)
中央物産(9852)
15/3期会社計画
14/3期
15/3期会社計画
期初
2Q時 修正 通期
期初
2Q時 修正
幅
幅
計画
計画
実績
計画
計画
1,367
1,380
1,320
-60
13
15
2
-13
13
15
2
-13
9
9
-3
-12
4
(出所)㈱QUICK
上記チャート図の一部又は全部を、方法の如何を問わず、また、有償・無償に関わらず第三者に配布してはいけません。
上記チャート図に過誤等がある場合でも㈱QUICK 社及び東京証券取引所は一切責任を負いません。
上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。
2012/3
株 価 推 移
2013/3
2015/3 予
(アナリスト)
2014/3
株価(年間高値)
円
1,189
1,242
1,428
-
株価(年間安値)
円
831
924
1,082
-
月間平均出来高
百株
18,815
39,283
27.256
-
高
百万円
765,654
785,833
831,899
842,000
売
上
営
業
利
益
百万円
8,821
9,201
10,216
10,600
経
常
利
益
百万円
14,013
14,880
15,779
16,400
当 期 純 利 益
百万円
6,159
8,397
9,185
10,200
業 績 推 移
E
P
S
円
110.28
144.41
144.54
160.51
R
O
E
%
5.7
7.1
7.1
7.6
流 動資産合 計
百万円
207,520
211,367
227,203
-
固 定資産合 計
百万円
85,448
91,484
97,985
-
資
計
百万円
292,969
302,851
325,189
-
貸借対照表
流 動負債合 計
百万円
167,746
161,019
178,601
-
主 要 項 目
固 定負債合 計
百万円
13,801
16,075
14,160
-
負
計
百万円
181,547
177,094
192,761
-
株 主資本合 計
百万円
110,305
123,241
129,692
-
純 資 産 合 計
百万円
111,421
125,756
132,427
-
営業活動による CF
百万円
6,742
11,792
3,340
-
投資活動による CF
百万円
-2,198
-9,982
-11,686
-
財務活動による CF
百万円
-1,460
-2,705
1,191
-
現金及び現金同等
物 の期末残 高
百万円
21,452
20,556
13,402
-
キャッシュフ
ロー計算書
主 要 項 目
産
債
合
合
アナリストレポート・プラットフォーム
5
リ
事
関
ス
ク
す
業
る リ
 会社概要
分
析
に
ス ク
①競合による投資コストの増加と価格競争リスク
他事業者との競合規模や同社の事業領域が拡大しており、これらに対応す
べく物流・情報システム機能の充実・拡大に伴う設備投資が必要となる可能
性がある。この場合、減価償却費の増加や設備の運営・管理に係る人件費・
諸経費等の増加により業績に影響を及ぼす可能性がある。また、販売価格競
争の激化により、同社が期待する利益率の確保が十分にできない場合は、業
績に影響を及ぼす可能性がある。
②債権回収リスク
同社は、販売先との継続取引に伴う債権について、当該販売先との密な連
携体制の強化や同社内における債権管理の徹底、さらには取引信用保険の加
入等により貸倒発生のリスクを抑える活動を行っているが、結果として販売
先の破産、民事再生等による債務不履行が発生した場合は、業績に影響を与
える可能性がある。
③仕入割引のリスク
同社が属する化粧品・日用品の卸売業界では業界特有の商慣行として、仕
入割引がある。仕入割引は現金割引制度で、同社は損益計算書上の営業外収
益として計上しており、経常利益に影響を与える。今後、仕入先が仕入割引
に係る条件を変更した場合は、同社の業績に影響を与える可能性がある。
④特有の法的規制等に係るもの
一般用医薬品及びその関連商品は、主に薬事法等の関連法規の規制を受け
る。同社の各事業所は所轄の都道府県知事より必要な許可、登録、指定及び
免許を受け、あるいは監督官公庁に届出の後、販売活動を行っている。この
ため、法令違反等によりその許認可等が取り消された場合や許認可等が得ら
れない場合は、販売できる商品が制限され事業活動及び業績に影響を及ぼす
可能性がある。
⑤システムトラブル
同社は、重要な営業・物流施設である RDC の運営・管理において、複雑に
プログラミングされた独自の物流システムを用いるなど、同社の事業運営は、
コンピュータネットワークシステムに依拠している。同社では基幹コンピュ
ータ機器は、耐震設備及び自家発電装置を備えたデータセンターに設置し、
別媒体(ディスク及び磁気テープ)により定期的にデータのバックアップを
行い、またコンピュータウィルスの侵入を防ぐ対策を講じているが、大規模
な自然災害や事故又はコンピュータウィルスの侵入等により機能停止した
場合、販売・物流に大きな支障が生じる可能性がある。
アナリストレポート・プラットフォーム
6
デ ィ ス ク レ ー マ ー
1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。
)が実施する「アナリストレポー
ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。
 会社概要
2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作
成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社Q
BR(以下「レポート作成会社」といいます。)に支払われています。
3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに
誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま
せん)
。
4.レポート作成会社及び担当アナリストには、この資料に記載された企業との間に本レポートに表示さ
れる重大な利益相反以外の重大な利益相反の関係はありません。
5.本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的として作成されたもので、有価証券の
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動その他の要因により、損失が生じるおそれがあります。また、本レポートの対象となる企業は、投資
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7