野村ホールディングス

14-D-0257
2014 年 6 月 27 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
野村ホールディングス株式会社
(証券コード:8604)
【据置】
長期発行体格付
格付の見通し
債券格付
債券格付(期限付劣後債)
債券格付(損失吸収条項付劣後債)
野村證券株式会社
AA−
安定的
AA−
A+
A+
(証券コード:−)
【据置】
長期発行体格付
格付の見通し
債券格付
債券格付(期限付劣後債)
AA−
安定的
AA−
A+
Nomura Bank International plc
【据置】
長期発行体格付
格付の見通し
MTNプログラム格付
(保証付き債券)
(保証なし債券)
Nomura Europe Finance N.V.
【据置】
債券格付
MTNプログラム格付
(証券コード:−)
AA−
安定的
AA−
AA−
(証券コード:−)
AA−
AA−
■格付事由
(1) 野村グループは国内最大手の証券会社グループ。格付は①国内における強固な顧客基盤や営業力、商品供
給力を背景に収益機会の捕捉に優れていること、②国内における事業基盤、グループ全体の事業展開力等
から国内トップのポジションを維持していること、③株主資本は相応の厚みを有し、財務基盤が良好であ
ること―を反映している。事業環境の回復を追い風に収益力は改善しているが、海外ビジネスの黒字化が
引き続き課題である。
(2) 事業環境についてみると、本邦市場の株価は昨年末、売買代金は昨年上期にピークとなった後、弱含んで
推移しているものの、いずれも 12 年以前の水準を上回っている。世界的な金融緩和を受けて、米欧の株
価もこのところ上昇基調で推移しており、米国、ドイツの株価は最高値圏にある。こうした中、当社グル
ープの 14/3 期の連結業績をみると、税前利益が前期比 52%増加の 3,616 億円、当期純利益は同約 2 倍の
2,135 億円と大幅な増益となった。全セグメントで増益となり、3 セグメント合計では 16/3 期の経営目標
である税前利益 2,500 億円を上回った。特に営業部門は、税前利益が同 91%増加の 1,920 億円となり、全
体の利益を牽引した。ホールセール部門においても、13/3 期に黒字転換してから目標達成に向けて利益
は増加している。このうち、海外ビジネスは赤字が続いているものの、コスト削減が進む中で収益は拡大
していることから赤字幅は縮小傾向にあり、今後の取り組みと収益の改善状況を注目していく。
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(3) 14 年 3 月末の連結株主資本は 2.5 兆円と厚みを有している。バーゼルⅢベースの連結普通株式等 Tier1 比
率および連結 Tier1 比率は、内部留保の蓄積により前年同月末に比べて改善し、13.3%と問題のない水準
にある。リスク管理においては、連結 Tier1 比率が 10%を下回らないようにリスクをコントロールしてい
る。低流動性資産の残高についてもコントロールされており、多額の損失を計上するリスクは大きくない
と判断される。資金調達面では、無担保調達資金の約 7 割が長期負債であり、調達先、償還年限は分散が
図られている。1 年間にわたり新たな無担保調達が行えない場合でも、事業継続が可能な流動性ポートフ
ォリオが確保されている。
(4) 持株会社単体についてみると、資産利用料など劣後性のない収入で販管費、金融費用をカバーする収益構
造となっており、配当収入への依存度は高くない。ダブルレバレッジ比率も問題のない水準にある。グル
ープ各社との一体性の強さ、配当収入への依存度の低さなどを勘案して、持株会社と中核子会社である野
村證券とを同格付としている。
(担当)小峯 崇志・阪口
■格付対象
発行体:野村ホールディングス株式会社
【据置】
対象
長期発行体格付
対象
第 6 回無担保社債
第 8 回無担保社債
第 10 回無担保社債
第 17 回無担保社債
第 18 回無担保社債
第 20 回無担保社債
第 21 回無担保社債
第 22 回無担保社債
第 23 回無担保社債
第 24 回無担保社債
第 25 回無担保社債
第 26 回無担保社債
第 27 回無担保社債
第 28 回無担保社債
第 29 回無担保社債
第 30 回無担保社債
第 31 回無担保社債
第 32 回無担保社債
第 33 回無担保社債
第 34 回無担保社債
第 35 回無担保社債
第 36 回無担保社債
第 37 回無担保社債
第 38 回無担保社債
第 39 回無担保社債
第 40 回無担保社債
第 41 回無担保社債
第 42 回無担保社債
第 43 回無担保社債
第 44 回無担保社債
第 45 回無担保社債
第 2 回無担保社債(劣後特約付)
第 3 回期限前償還条項付無担保社債
(劣後特約付)
第 4 回期限前償還条項付無担保変動
利付社債(劣後特約付)
格付
見通し
AA-
安定的
発行額
発行日
2007 年 3 月 23 日
2007 年 8 月 14 日
2007 年 11 月 27 日
2009 年 11 月 27 日
2009 年 11 月 27 日
2010 年 3 月 17 日
2010 年 3 月 17 日
2010 年 6 月 24 日
2010 年 6 月 24 日
2010 年 6 月 24 日
2010 年 9 月 24 日
2010 年 9 月 24 日
2010 年 9 月 24 日
2011 年 4 月 22 日
2012 年 4 月 18 日
2012 年 4 月 18 日
2012 年 6 月 22 日
2012 年 6 月 22 日
2012 年 9 月 27 日
2012 年 9 月 27 日
2012 年 9 月 21 日
2012 年 9 月 21 日
2012 年 12 月 21 日
2013 年 2 月 26 日
2013 年 2 月 26 日
2013 年 2 月 26 日
2013 年 6 月 20 日
2013 年 6 月 20 日
2014 年 2 月 25 日
2014 年 2 月 25 日
2014 年 2 月 25 日
2010 年 11 月 26 日
償還期日
利率
格付
2017 年 3 月 23 日
1.86%
2017 年 8 月 14 日
2.12%
2017 年 11 月 27 日
1.91%
2014 年 11 月 27 日
1.28%
2019 年 11 月 27 日
2.10%
2015 年 3 月 17 日
0.98%
2020 年 3 月 17 日
1.86%
2015 年 6 月 24 日
0.937%
2020 年 6 月 24 日
1.808%
2025 年 6 月 24 日
2.329%
2015 年 9 月 24 日
0.722%
2020 年 9 月 24 日
1.547%
2025 年 9 月 24 日
2.107%
2015 年 4 月 22 日
0.88%
2015 年 4 月 17 日
0.857%
2017 年 4 月 18 日
1.053%
2015 年 6 月 22 日
0.81%
2017 年 6 月 22 日
1.00%
2015 年 9 月 29 日
0.81%
2017 年 9 月 29 日
1.04%
2015 年 9 月 18 日
0.81%
2017 年 9 月 21 日
1.04%
2015 年 12 月 21 日
0.80%
2016 年 2 月 26 日
0.605%
2018 年 2 月 26 日
0.853%
2020 年 2 月 26 日
1.249%
2018 年 6 月 20 日
0.783%
2020 年 6 月 19 日
1.214%
2019 年 2 月 25 日
0.454%
2021 年 2 月 25 日
0.723%
2021 年 2 月 25 日 (注 1)
2025 年 11 月 26 日
2.649%
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA+
577 億円 2010 年 11 月 26 日
2025 年 11 月 26 日
2.749%
A+
60 億円 2010 年 11 月 26 日
2025 年 11 月 26 日
(注 2)
A+
400 億円
340 億円
300 億円
250 億円
250 億円
300 億円
300 億円
610 億円
470 億円
220 億円
200 億円
160 億円
140 億円
454 億円
295 億円
205 億円
326 億円
155 億円
246 億円
127 億円
100 億円
100 億円
630 億円
665 億円
690 億円
445 億円
200 億円
170 億円
414 億円
285 億円
51 億円
395 億円
2/4
http://www.jcr.co.jp
健吾
対象
発行額
第 5 回期限前償還条項付無担保社債
(劣後特約付)
第 1 回期限前償還条項付無担保社債
(劣後特約及び条件付債務免除特約
付)
第 2 回期限前償還条項付無担保社債
(劣後特約及び条件付債務免除特約
付)
発行日
償還期日
利率
格付
500 億円 2010 年 12 月 6 日
2025 年 11 月 26 日
2.773%
A+
1,543 億円 2011 年 12 月 26 日
2021 年 12 月 24 日
(注 3)
A+
157 億円 2011 年 12 月 26 日
2021 年 12 月 24 日
(注 4)
A+
(注 1) 3 ヶ月ユーロ円ライボーに 0.26%を加えた率。
(注 2) 6 ヶ月ユーロ円ライボーに 1.00%を加えた率。
(注 3) 2016 年 12 月 26 日まで 2.24%。その翌日以降は 5 年物円スワップのオファード・レートに 1.70%を加算し、
小数点以下第 3 位を切り上げた率。
(注 4) 2016 年 12 月 26 日まで 2.24%。その翌日以降は 5 年物円スワップのオファード・レートに 1.70%を加算し、
小数点以下第 3 位を切り上げた率。
発行体:野村證券株式会社
【据置】
対象
長期発行体格付
対象
第 5 回無担保社債
第 3 回無担保社債(劣後特約付)
(注)
格付
見通し
AA-
安定的
発行額
発行日
342 億円 2000 年 11 月 8 日
492 億円 2008 年 3 月 26 日
償還期日
2015 年 11 月 18 日
2018 年 3 月 26 日
利率
(注)
2.28%
格付
AAA+
20 年物スワップレートから 1.2%を差し引いた率。但し計算結果が 0 を下回る場合には 0%とする。
発行体:ノムラ・バンク・インターナショナル・ピーエルシー(Nomura Bank International plc)
【据置】
対象
長期発行体格付
プログラム名
発行限度額
プログラム設定日
ステイタス
信用補完等
特約条項
格
付
格付
見通し
AA-
安定的
Euro Note Programme
100 億米ドル相当額
2009 年 7 月 31 日
直接・無条件・無担保・非劣後の債務で、他の無担保・非劣後債務と同順位
野村ホールディングス株式会社の保証付き(ただし、保証なしでの発行も可能)
ネガティブ・プレッジ条項、クロス・デフォルト条項
保証付き債券 AA-、保証なし債券 AA-
発行体:ノムラ・ヨーロッパ・ファイナンス・エヌ・ブイ(Nomura Europe Finance N.V.)
【据置】
プログラム名
発行限度額
プログラム設定日
ステイタス
信用補完等
特約条項
格
付
対象
野村ホールディングス株式会社保証
2014 年 9 月満期豪ドル建社債
野村ホールディングス株式会社保証
2014 年 9 月満期米ドル建社債
野村ホールディングス株式会社保証
2015 年 3 月満期米ドル建社債
Euro Note Programme
300 億米ドル相当額
2009 年 7 月 31 日
直接・無条件・無担保・非劣後の債務で、他の無担保・非劣後債務と同順位
野村ホールディングス株式会社 1 社、または野村ホールディングス株式会社と野村證券
株式会社 2 社の保証付き
ネガティブ・プレッジ条項、クロス・デフォルト条項
AA発行額
発行日
償還期日
利率
格付
9 億 7,600 万豪ドル 2010 年 9 月 29 日
2014 年 9 月 29 日
6.30%
AA-
3 億 9,200 万米ドル 2010 年 9 月 29 日
2014 年 9 月 29 日
2.42%
AA-
3 億 6,800 万米ドル 2011 年 3 月 22 日
2015 年 3 月 19 日
3.07%
AA-
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http://www.jcr.co.jp
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2014 年 6 月 26 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:野上
主任格付アナリスト:小峯 崇志
正峰
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」
(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(http://www.jcr.co.jp)の「格付方針等」に、
「コーポレート等の信用格付方法」
(2012 年 8 月 28 日)、
「証券」
(2014 年 5 月 8 日)
、
「ハイブリッド証券の格付に
ついて」
(2012 年 9 月 10 日)
、
「バーゼルⅢ適格 Tier2 商品の格付と資本性評価」
(2014 年 3 月 7 日)
、
「親子関係に
ある子会社の格付け」
(2007 年 12 月 14 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等)
野村ホールディングス株式会社
野村證券株式会社
Nomura Bank International plc
Nomura Europe Finance N.V.
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
なお、本件損失吸収条項付劣後債につき、約定により許容される元利金支払義務の免除が生じた場合、当該免除
は「債務不履行」に当たらないが、JCR では債務不履行の場合と同じ「D」記号を付与することとしている。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、
当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. JCR に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCR が、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCR は、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCR は、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCR は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCR の格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。JCR の格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。JCR の格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCR が保有しています。JCR の格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCR に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
MTN プログラム格付:プログラム格付はプログラムに対する信用格付です。個別のノートの信用力はプログラム格付と同等と判断されるケースも
ありますが、クレジット・リンク・ノートやエクスチェンジャブル・ノートなど、元利支払いが第三者の信用状況に依存するノートなどではプログ
ラム格付と異なると判断されることもあります。JCR では、発行体から依頼がある場合などを除き、通常、プログラムに基づき発行される個別のノ
ートに対する信用格付は行っていません。
■NRSRO 登録状況
JCR は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ
スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。
■本件に関するお問い合わせ先
情報サービス部
TEL:03-3544-7013 FAX:03-3544-7026
4/4
http://www.jcr.co.jp