A-6 超伝導バルク磁 磁石のパル ルス着磁によ よる捕捉磁 磁場特性の評 評価 Trappeed field perfformance of o HTS bullk magnet activated a by y pulsed fieeld Magnettization 横山研究室 室 1.まえが がき 超伝導 導バルク体(以 以下バルク体と と呼ぶ)の製作 作技術 の進歩に により、大型か かつ高特性の試料が得られ れるよ うになっ った。従来のバ バルク体は、上面(種結晶に 上 に近い 面)の方が が下面(種結晶 晶から離れた た面)より優れ れてい る。一方 方、近年の試料 料はφ60×20 0 mm の大型試 試料で も、磁場 場中冷却による る着磁特性は は上下面で差異 異がな くなって てきている。本 本研究では、上記のような な高特 性バルク ク体にてパルス ス着磁を行ったところ、上 上下面 で捕捉磁 磁場特性に差異 異が現れたた ため、その実験 験結果 を報告す する。 E110047 仲丸 健太郎 Applied field 0H(T) 2.実験方 方法 φ60× ×20mm の GdBa2Cu3O7-x バル ルク体を冷凍機 機のコ ールドヘ ヘッドに取り付 付け、真空断 断熱して 20~ ~50 K まで冷却 却する。磁石装 装置に着磁コイルを取り付 付け、 3.1~7.00 T のパルス ス磁場を印加す する。磁場印加 加後、 ホールセ センサで磁極表 表面の磁束密 密度を測定した た。測 定範囲は は90×90 mm、 測 測定間隔は各方 方向2 mmであ ある。 バルク体 体の上下面を変 変えて同一の実験を実施し し、各 面の捕捉 捉磁場特性を評 評価した。 3.結果及 及び考察等 図1 に に20 及び50 K における印加 加磁場3.9 及び び5.4 T の時の の(a)上面と(bb)下面の捕捉 捉磁場分布を示 示す。 20 K にお おいて 3.9 T の磁場を印加 の 加した時は上面 面と下 面の磁場 場分布はほぼ同 同じだが、5.4 T の磁場を を印加 した場合 合において、上 上面の方が下 下面よりも捕捉 捉磁場 が大きく、さらに分布 布の形状も大 大きく異なって ている ことがわ わかる。また、50 K では磁 磁束密度の大き きさの 差が大き きくなっている る。 図2に に図 1 の磁場分 分布から算出 出した総磁束量 量を比 較した結 結果を示す。220 K では上面 面と下面の差が があま り大きくないが,50 K では両者の差が大きくな なった おり,印 印加磁場 5.4 T では約 1.5 倍の差となっ ってい る。これ れは,温度が高 高く Jc が低くなると,場所 所によ る特性の の違いが顕著に に表れるためと考えられる る。 4.まとめ 本研究 究は、高特性な な超伝導バル ルク体をパルス ス着磁 した時の、上面及び下 下面の捕捉磁場 場分布を比較 較した。 温度や印 印加磁場を変化 化させて実験 験を行った結果 果、磁 束が捕捉 捉される部分や や総磁束量等 等に差異が確認 認され た。これら らの結果から、 、パルス着磁の の際には試料 料の向 きに十分 分注意しなけれ ればならないこ ことが示唆された れた。 (a)upper surface (b)lower surface Fig.1. Compaarison of trap apped field distributions d a at the upper an nd lower surfface. Fig.2. Compaarison of totaal magnetic flu ux between thhe upper and low wer surface. 超伝導バルク磁石のパルス着磁に よる捕捉磁場特性の評価 E10047 指導教員 仲丸 健太郎 横山 和哉 超伝導バルク磁石のパルス着磁による捕捉磁場特性の評価 目次 第1章 序論 1-1 背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.1 1-2 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.1 1-3 超伝導体の特徴及び種類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.2 第2章 超伝導バルク磁石 2-1 各種磁石の比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.4 2-2 超伝導バルク体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.5 第3章 着磁実験 3-1 パルス着磁について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.7 3-2 磁気フロー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.7 3-3 パルス着磁の原理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.8 3-4 使用機器・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.9 3-5 着磁実験手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.13 3-6 磁場分布測定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.14 第4章 実験結果と考察 4-1 磁極表面の磁場分布の比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.15 4-2 総磁束量及び最大磁束密度の比較・・・・・・・・・・・・・・・・・p.24 4-3 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.31 第5章 結論 5-1 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.32 謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.33 参考文献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.34 第 1 章 序論 1-1 背景 近年、環境や医療分野で磁気の利用が注目されている。工場排水の有害物質の除去や 分離、有用物質の回収等、医療分野では薬の精製や薬剤搬送(DDS:Drug System)等への応用が期待されている (1)-(2) Delivery 。これらに利用される強磁場発生装置には、 分離率や精度を向上させるための強磁場化や磁気応用などのニーズにこたえるための 様々な磁場分布の形成、装置の小型化が求められている。 近年においては超伝導材料の技術の進歩により試料の大型化及び高特性化が進み、着 磁した際に大きい捕捉磁場を得られるようになってきた。特に磁場中冷却法を用いた着 磁によって上面(バルク体の作製過程において種結晶を置いた面)及び下面(種結晶を置 いた面とは逆の面)の特性の違いが、見られなくなっている。しかし、上記の磁化手法 は定常状態での方法であるため,非定常の磁化方法であるパルス磁化法による着磁特性 は評価されていない。産業応用を考えた場合、磁化装置が小型で安価であること、さら に作業時間が短いなどの利点からパルス磁化法は有用な方法である。そこで、大型高特 性試料において、上下面のパルス着磁による捕捉磁場特性を評価する必要がある。 1-2 目的 本研究では超伝導バルク体を上面と下面においてパルス着磁実験を行い、両面の磁場 分布の形成や総磁束量、最大磁束密度等を比較し、上下面の超伝導特性の違いを評価す ることを目的とする。 1 1-3 超伝導体の特徴及び種類 超伝導体の重要なパラメータとして、超伝導体が常伝導状態から超伝導状態に転移す る温度を臨界温度(Tc)、超伝導状態から常伝導状態に転移する電流や磁界の大きさを臨 界電流(Jc)、臨界磁場(Hc)がある。また、超伝導体には、第一種超伝導体と第二種超伝 導体が存在する。 第一種超伝導体は主に金属単元素であり、Tc は数[K]である。そのため実用化されて いない。 第二種超伝導体は、内部に常伝導部分と超伝導部分が共存しているため完全反磁性に 加えピン止め効果も持っている。また第二種超伝導体のうち酸化物からなる超伝導体は、 高温酸化物超伝導体と呼ばれ Tc が約 90[K]と高い。 これらを大電流に応用する場合、第一種超伝導体では Hc が小さく、超伝導状態が保 てない。しかし、第二種超伝導体は Hc が大きく、大電流・高磁場への応用が可能であ る。また、第二種超伝導体は第一種超伝導体に比べて、数十倍から数百倍の磁場を加え ても超伝導状態を維持出来るため、超伝導マグネットのコイル等の実用化には第二種超 伝導体が必須である。 超伝導体は臨界温度(Tc)以下に冷却することによって超伝導状態となり、次ページの ような特性を持っている。 2 A.完全導電性(物質の電気抵抗がゼロ) 超伝導状態では電気抵抗が完全にゼロになるため、冷却し続ける限り電流が半永久的 に流れ続ける。そのため大電流を流すことができ、超伝導線でコイルを作れば強磁場を 発生させることができる。 B.完全反磁性(マイスナー効果) 超伝導体が Tc 以下に冷却された時、超伝導体内部への外部磁場の侵入を完全に排除 して内部磁場をゼロにする。この現象を完全反磁性と言い、電気抵抗ゼロと並んで超伝 導の 2 大特徴である。同極の磁石が反発しあうのとは違い、磁場を一切出さずに外部か らの磁場を避けている。 常伝導状態 超伝導状態 図 1-1 マイスナー効果 C.ピン止め効果 第二種超伝導体のみ確認できる特徴で、超伝導体内部の常伝導部分と超伝導部分が共 存しているために起こる現象である。磁束や歪み、不純物などの常伝導部分に侵入し捕 らえられ、ピンでとめたように動かなくなる 磁束 超伝導体 図 1-2 ピン止め効果 3 第2章 超 超伝導バ バルク磁 磁石 2-1 各磁石 石の比較 バル ルク磁石とは高温酸化 化物超伝導体 体を Tc 以下に に冷却し、着磁 着 (外部か から磁場を印 印加) することで疑似 似永久磁石として用いら られるもので で、比較的安 安価で強磁場 場を発生させ せるこ とができる。また Tc が高い いため冷却 の負担が少 少なく、冷凍 凍機で冷却可 可能で取り扱 扱いが 容易などの特徴 徴がある。 従来の磁石とバルク磁石 石の比較を図 図 2-1 に示す す。永久磁石 石は安価だが が発生磁場が が弱く、 電磁石 石は強磁場 場を発生させ せようとする ると規模が大 大きくなり、さらにラン ンニングコス ストが かかる。また、超 超伝導マグネットは強 強磁場を発生 生できるが、大型かつ高 高価である。それ に対して、バルク磁石は超 超伝導マグネ ネットより発 発生磁場は劣 劣るものの、小型・安価 価であ り、電 電磁石より強磁場を発 発生でき、ラ ンニングコ コストが安い いという利点 点があるため め、新 たな強磁場発生 生装置として て期待されて ている。 10 超伝導 マグネット マ ト 磁場[T] 5 超伝導 導 バルク磁 磁石 2 1 永久磁石 永 電磁石 石 小 大 価格・規模 永久磁石 石 磁石 電磁 図 2-1 2 超伝導マグ グネット 超伝 伝導バルク ク磁石の特 特徴 4 2-2 超伝導 導バルク体 体 バル ルク体は製 製造過程で、前駆体の試 試料表面に種 種結晶を置き き、そこから ら結晶成長さ させて 作製される。この時、結晶 晶の成長方向 向領域(GSR:Growth Sector (GSB:Growth Reggion)とその の境界 Sector Bo oundary)が形 形成される。 。一般に GS SR は GSB に に比べて超伝 伝導特 性が低 低いため、パルス磁場 場を印加する ると GSR から ら選択的に磁 磁束が侵入す する。しかし し、前 述の通り、近年 年の材料の大 大型化・高特 特性化に伴い い、GSR でも も超伝導特性 性が高く、磁 磁場を 侵入させることが難しくな なってきた。 図 2-1 に超伝 伝導バルク体 体の外観写真 真と、図 2-2 に液体窒素 素冷却にて磁 磁場中冷却法 法で着 磁した時の(a)上 上面及び(b)下面の磁場 場分布を示す す。両面とも も最大磁束密 密度が 1.7[T]程 度の円錐状の磁 磁場分布とな なっており、 両者の特性 性にあまり差 差がないこと とが分かる。 。 図 2-1 超伝 伝導バル ルク体の外 外観 5 (a)上面 (b)下面 図 2-2 磁場中冷却 却法(77[KK])におい いて着磁し した時の磁 磁場分布図 図 6 第 3 章 着磁方法 3-1 パルス着磁法(PFM,Pulsed field magnetization)について 超伝導バルク体を磁石として使用するには、バルク体を冷却して外部から磁場を印加 する着磁の作業が必要である。着磁にはいくつかの方法があるが、本研究では PFM 法を 行う。 PFM とは、冷却した超伝導体の周囲に配置したコイルでパルス状電流を流すことによ り、試料に磁束を捕捉させる方法である(詳細は 3-3 節で説明する)。高価な超伝導マグ ネットを用いずに、コイルとコンデンサ電源のパルス磁場で着磁を行うことができるの で、着磁装置が小型で取り扱いが容易、安価という特徴がある。一方で、磁場印加に伴 う発熱により磁束フローが発生し、捕捉磁場が低下してしまう問題がある。その対策と して、大きさの異なる磁場を複数回印加したり、温度を調節しながら磁場を印加したり する方法が提案されている(1)-(3)。 3-2 磁束フロー 超伝導体にパルス磁場を印加すると、フラックスジャンプにより瞬間的に多くの磁場 が侵入するが、バルク体が急激に発熱するため超伝導特性が悪くなり、磁束が試料の外 に流れ出して捕捉磁場が減少する現象を磁束フローという。 7 3-3 パルス着磁の原 原理 図 3-1 にパル ルス着磁の原 原理を示す。 1. 超 超伝導体を臨界温度(Tc)以下に冷 冷却する。 2. コイルとコンデンサ電 電源によりパ パルス磁場を を印加する。 3. 超 超伝導体に磁場を印加 加したことで で電磁誘導の の法則により り電流が誘起 起される。 0であるために、 4. 超 超伝導体に流れる電流 流により磁場 場が発生する る。この時、電気抵抗が 電 試 試料を冷却し続ける限 限り電流が流 流れ続け、疑 疑似的に永久 久磁石となる る。 図 3--1 着磁 磁原理 8 3-4 使用機 機器 ・冷 冷凍機 2 段式の GM 冷凍機(RF27 冷 73・アイシン ン精機製) 表 3--1 冷凍機 機の規格 冷凍機 機ユニット型 型式 RF273S(A) ) 最低到 到達温度 2nd ステ テージ 13[K]以下 下 (50/60Hz) 1st ステ テージ 42[K]以下 下 冷凍能 能力 2nd ステ テージ 20[K]5/6W W (50/60Hzz) (50/60Hz) 1st ステ テージ 80[K]19/2 24W(50/60Hzz) クール ルダウンタイ イム 図 3-2 45[min](室 室温→20[K]]) 冷凍ユ ユニット 9 ・コ コンプレッ ッサユニッ ット 表 3-2 2 コンプ プレッサユ ユニットの の規格 圧縮機 機ユニット型 型式 TAC221LA A 所要電 電源(50/60H Hz) 3 相 AC200[V]±10% 定常 常時運転電流 流 6.0/6.7[A A] ( (50/60Hz) 定常 常時消費電力 力 1.6/1,9[k kW] ( (50/60Hz) 冷媒 ヘリウムガ ガス(純度 99,995%以上 上) ヘリウムガス充填 填圧力 19± ±0.05MPa(a at20℃) 冷却方法 強制冷却 却 図 3-3 コ ンプレッサユニッ ット 10 ・コ コンデンサ サ電源 表 3-3 コ ンデンサ サ電源の規 規格 入力 出力 AAC100[V] 50[Hz] 5 10A A DCC0~1000[V] MAX10[kA A] 図 3-4 コンデン ンサ電源 11 ・着 着磁コイル ル 表 3-4 着 着磁用コイ イルの規格 格 発生磁界(コイ イル定数) 12.9[Oe/A A] 巻き線サ サイズ 1.4×3.0[m mm] 巻数 数 112[T] 巻外径 径 φ114 巻内径 径 φ83 図 3-55 着磁コ コイル 12 3-5 着磁実 実験手順 超伝 伝導バルク体を 2 段 GM M 式冷凍機の の 2nd ステー ージに接続したコール ルドヘッドに に取り 付ける。真空断 断熱した後、冷凍機で 2 0[K]まで冷 冷却する。冷 冷却後、着磁 磁コイルを磁 磁石装 置に取り付ける。コイルを液 液体窒素で冷 冷却してから、コンデン ンサ電源を使 使い 3.1~7.0[T] の単一パルス磁 磁場を印加す する。バルク ク体の上面と と下面を入れ れ替して同様 様に実験を行 行う。 更に 30、40、500[K]において、同様の 実験を行っ った。 図 3-6 6 着磁コ コイル装着 着時の磁石 石装置 13 3-6 磁場分 分布測定 着磁 磁後、3 次元 元磁場分布測 測定装置に取 取り付けたホールセン ンサ(HGT-30330、LakeSho ore 社 製で磁 磁極表面の磁場分布( (磁束密度分 分布)を測定 定した。範囲 囲は 90×90 [mm]、測定 定間隔 は各方 方向 2[mm]で である。 図 3-7 3次 次元磁場分布測定 定装置 図 3-88 測定時 時の様子 14 第 4 章 実験結果と考察 4-1 磁極表面の磁場分布の比較 パルス磁場印加後、3 次元磁場分布測定装置で測定した超伝導バルク磁石の上面及び 下面の 20、30、40、50[K]各温度の磁極表面の磁場分布をそれぞれ図 4-1~図 4-4 に示 す。左列が上面の磁場分布、右列が下面の磁場分布である。また、上から印加磁場が 3.1~7.0[T]となっている。 この結果で注目するべきところは、20 及び 30[K]の印加磁場 3.9~6.2[T]、40[K]の 印加磁場 3.9~5.4[T]、50[K]の印加磁場 3.9~4.6[T]において、上面と下面の磁場分布 の形状の違いである。特に温度の低い時に、その違いが顕著に表れることが分かる。ま た、40 及び 50[K]で大きな磁場を与えた場合、磁場分布の形状に大きな違いは見られな かったが、捕捉磁場の大きさは上面が下面よりも大きいことが確認できる。 15 上面 下面 Bz [T] 3.1 1[T] 上面 下面 3.99[T] 上面 下面 4.66[T] 図 44-1(a) 200[K]の各印加磁場 場における る磁極表面 面の磁場分 分布比較(1) 16 上面 下面 Bz [T] 5.44[T] 上面 下面 6.22[T] 上面 下面 7.00[T] 図 44-1(b) 200[K]の各印加磁場 場における る磁極表面 面の磁場分 分布比較(2) 17 上面 下面 Bz [T] 3.1 [T] 上面 下面 3.99 [T] 上面 下面 4.66 [T] 図 44-2(a) 300[K]の各印加磁場 場における る磁極表面 面の磁場分 分布比較(1) 18 上面 下面 Bz [T] 5.44[T] 上面 下面 6.22[T] 上面 下面 7.00[T] 図 44-2(b) 300[K]の各印加磁場 場における る磁極表面 面の磁場分 分布比較(2) 19 上面 下面 Bz [T] 3.1 [T] 上面 下面 3.99[T] 上面 下面 4.66[T] 図 44-3(a) 400[K]の各印加磁場 場における る磁極表面 面の磁場分 分布比較(1) 20 上面 下面 Bz [T] 5.44[T] 上面 下面 6.22[T] 上面 下面 7.00[T] 図 44-3(b) 400[K]の各印加磁場 場における る磁極表面 面の磁場分 分布比較(2) 21 上面 下面 Bz [T] 3.1 [T] 上面 下面 3.99[T] 上面 下面 4.66[T] 図 44-4(a) 500[K]の各印加磁場 場における る磁極表面 面の磁場分 分布比較(1) 22 上面 下面 Bz [T] 5.44[T] 上面 下面 6.22[T] 上面 下面 7.00 [T] 図 44-4(b) 500[K]の各印加磁場 場における る磁極表面 面の磁場分 分布比較(2) 23 4-2 総磁束量及び最大磁束密度の比較 表 4-1 に図 4-1~4-4 の磁場分布から計算した総磁束量及び最大磁束密度を示す。ま た、各温度の総磁束量を棒グラフ、最大磁束密度をマーカー付き折れ線グラフで表して 比較したものをそれぞれ図 4-5~4-8 に示す。総磁束量のグラフに関して、青色が上面、 赤色が下面のデータであり、最大磁束密度のグラフに関しても、青色が上面の結果、赤 色の結果が下面を示す。 24 表 4-1 各温度及び各印加磁場における総磁束量と最大磁束密度 印加磁場 温度[T] μ0H[T] 総磁束量 最大磁束密度 Φ[mWb] Bzmax[T] 上面 20K 30K 40K 50K 下面 上面 下面 3.1 0.22 0.25 0.13 0.16 3.9 0.51 0.50 0.31 0.31 4.5 2.12 1.89 1.29 1.18 5.4 2.40 2.34 1.49 1.41 6.2 1.74 1.91 1.15 1.39 7.0 1.83 1.79 1.47 1.34 3.1 0.24 0.24 0.14 0.15 3.9 0.94 0.54 0.68 0.32 4.5 2.09 2.03 1.27 1.20 5.4 2.18 2.34 1.39 1.41 6.2 1.85 1.91 1.37 1.39 7.0 1.69 1.53 1.38 1.21 3.1 0.28 0.38 0.17 0.22 3.9 1.21 1.45 0.86 0.84 4.5 1.99 1.75 1.29 1.09 5.4 1.74 1.68 1.27 1.18 6.2 1.75 1.39 1.43 1.19 7.0 1.38 1.20 1.19 1.02 3.1 0.36 0.76 0.24 0.48 3.9 1.40 1.12 0.86 0.73 4.5 1.58 0.97 1.04 0.76 5.4 1.52 0.96 1.23 0.82 6.2 1.30 0.78 1.18 0.66 7.0 1.03 0.68 0.96 0.60 25 (aa)総磁束量 (b)最 最大磁束密度 図 4-5 20[K]時の各 各印加磁場 場における試料上下面の総 総磁束量及 及び 最大磁 磁束密度の の比較 26 (aa)総磁束量 (b)最 最大磁束密度 図 4-6 30[K]時の各 各印加磁場 場における試料上下面の総 総磁束量及 及び 最大磁 磁束密度の の比較 27 (aa)総磁束量 (b)最 最大磁束密度 図 4-7 40[K]時の各 各印加磁場 場における試料上下面の総 総磁束量及 及び 最大磁 磁束密度の の比較 28 ((a)総磁束 束量 (b)最 最大磁束密度 図 4-8 50[K]時の各 各印加磁場 場における試料上下面の総 総磁束量及 及び 最大磁 磁束密度の の比較 29 上面及び下面の総磁束量の差を比較すると、20[K]の時、下面に対して上面のほうが 平均約 2.8%、50[K]の時の場合は 28.2%大きくなっている。また、温度が高くなるに つれて上面と下面の総磁束量の差が大きくなっていくことが分かった。また、最大磁束 密度に関しても、温度の上昇とともに両面の値の差が大きくなる傾向が見られた。 30 4-3 考察 磁場分布の比較では、20 および 30[K]において 3.9~6.2[T]の磁場を印加した場合、 磁場分布の形状に違いが見られた。この原因として、バルク体を作製する際の結晶成長 過程において、211 相の量が下面に近づくにつれて低くなり、下面は上面よりも GSR 及 び GSB の超伝導特性の違いが小さくなったと考えられる。また、7.0[T]まで印加磁場を 大きくした時に磁束密度が弱くなった理由は、上面の GSB 部分で急激に多くの磁束が侵 入したために、フラックスジャンプにより大きく発熱して試料の温度が高くなり、その ために Jc が劣化して磁束フローが止まらず、捕捉磁場が弱くなったためであると考え られる。 一方、温度が上昇するに従って両面の総磁束量の差が大きくなる理由は、211 相が下 面ほど少なくなるため超伝導特性が低くなるが、温度が高いほどそれが顕著に表れてい るためであると考えられる。 31 第 5 章 結論 5-1 結論 近年、材料製作技術の進歩により、大型・高特性超伝導バルク体において、磁場中冷 却法による着磁特性には大きな差が現れなくなっている。本研究は、超伝導バルク体の 上面及び下面の、パルス着磁における捕捉磁場特性を評価した。温度及び印加磁場を変 えてパルス着磁を行ったところ、磁場分布の結果から、上下面で磁場が侵入する領域が 異なることを明らかにした。また、総磁束量の比較から、上面のほうが下面よりも磁束 量が大きく、20[K]の時は平均 2.8%、50[K]の時は 28.2%大きくなる結果が得られた。 以上から、大型高特性超伝導バルク体は磁場中冷却法では、上下面共に同程度の捕捉 磁場が得られるが、パルス着磁法を用いた場合に試料の不均一性が顕著に表れることを 明らかにした。 32 謝辞 卒業研究をするにあたり、御指導及び助言頂いた横山和哉准教授、津久井友隆先輩に 深く感謝すると共に、今後の更なるご活躍をご祈りいたします。 33 参考文献 1) 平成 21 年度 卒業研究文集 2) 平成 22 年度 卒業研究文集 3) 低温工学 第 46 巻 第 3 号 2011 号 34
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