中部地区を中心に、ビル、工場、商業施設の空調・温調・冷却・加熱設備の設計施工、メンテナンスを手がける株式会社中部エアークリーナー。省エネやC O 2 排出抑制に効果が期待できる地中熱利用システムの施工にも力を入れている。今回の見聞録は、黒野明夫社長にお話をうかがっている。（吉良支店お取引先）空調・温調・冷却・加熱設備の設計施工・メンテナンス事業内容をおおまかに説明していただけますか？工場、ビル、商業施設など空間の温度調整や制御、工場設備の温度調整や制御、工場空間、ビル空間の空気清浄（集塵）設備の設計施工、メンテナンスを手がけています。省エネと設備設置後のランニングコストを抑えた設計を提案する。それをモットーにしています。最近、地中熱利用システ代表取締役黒野明夫氏ムの施工もはじめました。お客さまは中部地区のコア産業の一つである自動車部品メーカーおよび病院、大型ビル、商業施設など、およそ200社。協力 ” ” 会社見聞録” 会社見聞録” 会社30社のサポートを受けて、当社は元請高度な吸収式冷温水機のメンテけ主体の業務を行っていますが、24名の社員の大半は営業や工事立会の仕事をしています。空調・温調・冷却・加熱設備のメンテナンスに豊富な実績があるとうかがっていますが？いま、おっしゃった「吸収式冷温水機」とはどのようなものですか？大きなビルや工場などを冷暖房するときの熱源機です。と、おっしゃいますと？ 1988年の創業以来、累計で50万台以上を水が蒸発するとき気化熱を奪っていくこ手がけてきた実績があります。メンテナンとはよく知られています。注射の前にアルス費用を抑えたい、電気料金を下げたい、コール消毒をすると、スーッとひんやりし設備のトラブルを少なくしたい。そういっますが、あれはアルコールが蒸発するときたお客さまの要望にお応えするため、数多に皮膚の熱を奪うからです。夏場に打ち水くの空調・温調等の設備のメンテナンスををすると、撒いた水が蒸発するときに地面行ってきました。の熱を奪って、辺りの気温が下がるのも気具体的にどのようなことを行っているのですか？化熱です。この気化熱を利用して冷房をする機械装置が吸収式冷温水機です。蒸発・吸収・再ヒートポンプ式空調や吸収式冷温水機、温調・冷却・加熱設備の定期点検、オーバ生・凝縮の繰り返しを行うことで、冷風を送り出すしくみです。技術としては50年以ーホール、管内ダクト内清掃などを行っています。どんな設備も使用しているうちに、部品が劣化したり摩耗したりするものです。たとえば、ファンモーターは、日本冷凍空調工業会によれば、約2万時間が耐用年数とされています。耐用年数を過ぎるころには、部品の劣化や摩耗は激しくなっていますので偶発故障が多く発生しています。設備の使用状況や年間使用時間を調査し、故障が予見される前に消耗部品の交換することなどを提案し、設備トラブルを未然に防いでいます。吸収式冷凍機の点検 ” ” 会社見聞録” 会社見聞録” 上も前から利用されており、ビル空調の世西尾市吉良町の三河湾リゾートリンクスな界ではメジャーな方式です。どもそうです。水は、通常100度で沸騰しますが、圧力ちなみに、家庭用エアコンはこれとは違を下げて真空に近い状態にすると5度ぐらう方式を利用しています。コンプレッサーいで沸騰します。つまり、圧力を調整するでフロン等の冷媒を圧縮液化し、その液がことで、低温でも水を蒸発させることが可気化膨張するときに温度が低下する原理能なのです。低圧下で冷媒として水（臭化（ヒートポンプ）により冷房をする方式でリチウム水溶液）を入れた真空容器のなかにチューブを通し、そのなかに冷却用の水を通します。箱内の水をポンプでチューブの上から散布すると、水は低温で沸騰してチューブ内の水から気化熱を奪って蒸発しますので、チューブ内の水が冷やされ、目的に用いることができるというわけです。吸収式冷温水機は、この原理を利用してす。吸収式冷温水機のメンテナンスができる同業者も少ないのですか？この中部地区では2∼3社（メーカー除く）しかないと思います。技術的に難しいのですか？おり、大規模なビルの約6割がこの方式ではい。内部を100分の1気圧という高真空冷暖房されているといわれています。名古状態に維持する必要がありますし、吸収溶屋市内の大きなビルも、だいたいがこの方液の適切な管理も求められるため、相当な式です。名古屋市科学館などの公共施設や、技術が必要です。こういうことに対処できる技術者が少ないのです。再生器需要はかなりあるのですか？吸収式冷温水機の導入は、省エネ法改正にともなう電気需要平準化の対策として有効といわれていますから、かなりの需要が濃溶液熱源稀溶液あります。導入したときのメリットもありますから、今後、需要は拡大すると考えています。グループ会社の空快のホームページをご覧になった大手企業からの問い合わせも頻繁にあります。現状、技術者が不足してい P P 蒸発器吸収器るので対応しきれていない部分もありますが、年商（グループ全体）の10％（約1億吸収式冷温水機のしくみ（イメージ）円）を占めているこの事業をこのさき伸ば ” ” 会社見聞録” 会社見聞録” していくつもりです。差圧測定システムで品質チェックちなみに、吸収式冷温水機を導入するメ空調・集塵設備のトラブルを減らすことリットには、冷媒にフロンではなく水を使用しており、環境性に優れている。吸収式に取り組んでいるそうですね？は熱源があれば作動するので、工場の廃熱空調・集塵設備は使用している間に部品や自家発電設備の廃熱、バイオマス燃料との劣化や磨耗が避けられません。部品・機いったさまざまな熱源を利用できる。解体器の耐用年数期間において、磨耗などが進した時の鉄の外板や銅の配管などがリサイ行する以前におこる予期できない突発的なクルできる高価な臭化リチウム水溶液は、偶発故障は、技術的な対策をたてることが回収後再生され、再び臭化リチウム水溶液難しいものです。として再利用できる。電気の代わりにガスたとえば、工場の空調やコンビニの24時等の燃料で冷暖房を行うので、電力使用量間運転、氷蓄熱運転など運転時間が長い場を抑制でき、契約電力の削減ができる。と合、温度や湿度が高かったり、変化が激しいったところがあります。い環境で使用したりする場合、電源電圧波圧力計チェック真空バルブ操作真空バルブ操作真空ポンプオイルチェック操作盤点検内部ブラッシング清掃冷却水ポンプ試運転冷却水チャッキストレーナー取替前冷却水チャッキストレーナー取替後 ” ” 会社見聞録” 会社見聞録” 形の著しい歪み、相間電圧の著しい不平衡や周期的なサージ重量のある場合は耐用年数が自ずと短くなります。そこで、当社は空調・集塵設備のメンテナンス50万台以上の実績をもとにして、設備管理システム「イーソリューション」を開発し、部品の劣化・磨耗時期を事前に予測し、整備・部品交換することでトラブルを減らす取り組みをしています。フィルター再生もしていらっしゃるようで？はい、積極的にしています。粉塵処理に大きな影響を与える集塵機に取り付けられているフィルターは、本来、定期的に交換することが望ましいのです。長年使っているとフィルターも劣化し、吸引効率が低下しますし、場合によっては製造品質に影響したり、故障や吹き漏れが起きたりする可能性もあります。粉塵の付着が進行すると目詰まり状態フィルター繊維の間に粉塵が入り込み目詰粉塵まりするからです。使用済みフィルターは、これまで廃棄物清浄空気として処理されていたのですが、当社独自の再生技術で再利用を可能にしました。これによりフィルターのランニングコストを 40パーセント削減できたお客さまもいました。再生フィルターを使用する場合、問題と新品状態なるのは新品と同等の吸引力があるかどう粉塵清浄空気かです。フィルターの内と外には圧力差があり、差圧が少ない新品の吸収力は最大ですが、使用しているとフィルターの目が詰まり、差圧が増大して吸引力が低下します。徹底したフィルター洗浄を行い、吸引力を回復させるのは当然ですが、差圧測定も重要です。差圧測定を行わないと、見た目の汚れは落ちているが内部の汚れが取れていフィルター（イメージ図）ないため目詰まりが早い、（フィルターの）破れ破損の発見が困難で使用時に漏れる可能性が高くなる、というように“見た目のみ”の再生ではさまざまな問題があります。これを踏まえ、当社では独自の差圧測定シ ” ” 会社見聞録” 会社見聞録” ステムを用いて差圧測定し、品質チェックした後に再度据え付けるようにしています。差圧測定まで実施しているのは同業他社では見られませんから、業界唯一と言っていいでしょう。地中熱利用システム地中熱利用システムとはどういったものですか？深さ5メートルから100メートルまでの地中（土の中）は、真冬でも真夏でも外気温に左右されず一定の温度を保っています。井戸や湧き水が、夏は冷たく、冬は暖かく感じられるのは、1年を通じて地中の温度が10∼17度前後に保たれているからです。この「地中熱」を、空調や冷却設備の補助エネルギーとして活用するのが地中熱利用システムです。地中熱を利用すれば、空調に必要なエネルギーを節約でき、空調の使い方を変えなくても節電になる、ということから注目を集めています。地中熱は、都市部でも郊外でも地域を選ばず利用できるのが特長のひとつで、東京大学の柏キャンパスや羽田空港新国際線ターミナルなど、大型施設を中心に利用されています。東京スカイツリーは地中熱を利用した地域冷暖房システムが採用されています。具体的にどういう仕組みなのですか？一般的なものは、地中に直径20センチほどのボアホールと呼ばれる穴を、深さ30∼ 150メートルくらいまで掘り、Uチューブと呼ばれる先端がU字に加工された樹脂管を1 ∼2本をループ状に挿入して、そのなかに不凍液を満たして循環させ、熱交換する方法で、Closed型（地中熱交換型）と呼ばれます。ほかにも地下水等を汲み上げて熱源として利用するOpen型（地下水利用型）があります。地中熱利用システムは、日本中どこでも利用できますし、一般のエアコンに比べて効率が高く、ビルや工場の消費電力を40パーセント以上削減できたという報告もあり、省エネやCO 2 排出量抑制にもなります。また、冷暖房時に熱を屋外に放出しないため、ヒートアイランド現象の緩和にも役立ちます。地中から採熱する方法はいくつかの種類があり、立地条件などで変わってきます。 ” ” 会社見聞録” 会社見聞録” 受注実績はどのくらいあるのですか？昨年は大手機械メーカー2件と、名古屋のオフィスビル1棟を手がけました。いまのところ、もっぱら法人向けの需要です。大手機械メーカーのほうは、地下水による冷却設備をもっていましたので、これを利用することができて、それほどコストは掛かりませんでした。しかし、ビルのほうは、街中の用地を40メートルほど掘削しましたので、コストが嵩みました。いずれの物件もシステムがすべて異なりますのでオーダーメイドになりました。をできる社員が少ないので、受注に十分に対応できる体制になっていません。多くのエンジニアが育っていけば、事業拡大は可能だと考えています。半面、掘削を必要とするClosed型の場合、設置コストが高いのがネックです。今後、リーズナブルな掘削工法が開発されたり、産官学共同「地中熱利用促進協会」がこのシステム導入に向け積極的に取り組んだりすることで、コスト低減が実現できるように期待しているところです。凡事徹底このシステムの事業展開はどのようにお今後の展開についてお聞かせください。考えですか？国内の設備投資に回復の兆しがあると言このさき、地下水活用の冷却設備を所有われていますが、実感はありません。当社する工場などからの需要が期待できます。としては、既存、新規を問わず、お客さまただ、現段階ではシステムに関する打合せを大事にして、あたりまえのことをあたり涼しい暖かいヒートポンプヒートポンプ放熱採熱地中温度 15℃ 地中熱利用システムのイメージ地中温度 15℃ ” ” 会社見聞録” 会社見聞録” 前に粛々とこなすことを今後も徹底していきたいと思います。仕事そのものは当然のこととして、この頃は安全対策や環境対策を怠ると、仕事は回ってきません。協力会社も含めて、定期的に安全教育を行うなどして、情報の共有化を図っていきたいと思っています。地中熱利用システムを利用した本社ビルと事務所内の吹出口株式会社中部エアークリーナー ◆ 本社西尾市吉良町荻原座甲48 TEL.0563-35-3666 FAX.0563-35-3660 URL：www.chubu-ac.co.jp ◆ 創業 1988年12月 ◆ 設立 1989年1月 ◆ 資本金 1000万円 ◆ 従業員 24名 ◆ 支店・営業所名古屋支店名古屋市名東区引山京都営業所京都市伏見区浜松営業所浜松市西区 ◆ 関連会社株式会社空快 ◆ 国土大臣許可電気工事業（搬-25）第24992 / 管工事業（搬-25）第24992 ◆ 認定高圧ガス保安協会冷凍空調施設工事事業所認定ダイキン工業特約店認定（財）家電製品協会取扱優良店認定