サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 ラボプロダクツ事業本部 ライフサイエンス 2015年1号 ウェブニュース 多能性幹細胞の胚様体(EB)形成 幹細胞はしばしば多数の細胞に分化する能力の研究に用いられます。浮遊細 胞における胚様体(EB)形成は多能性幹細胞や他の前駆細胞を分化細胞へ誘 導する際の中間体に利用されたり、増殖培養に利用されたりしています。このよ うなEB形成・培養やその後の細胞分化には、培養表面や培地成分が影響を及 ぼします。そのため、本ウェブニュースでは、EB形成・培養に最適な培養表面と 培地のご紹介、さらに実際の実験例をご紹介致します。 紹介製品: NunclonTM SpheraTM;細胞低接着プレート 胚様体(EB)形成 Essential 6TM;多能性幹細胞培地 NunclonTM SpheraTM Nunclon Spheraは細胞外マトリックス(ECM)が培養容器に吸着するのを妨 げることにより、浮遊状態での胚性幹細胞(ES)や人工多能性幹細胞(iPS)な どの胚様体(EB)を再現性よく形成する低接着細胞培養表面処理です。 □ 特長 細胞低接着コーティング 再現性の良いスフェロイドおよび胚様体の形成 タンパク質成分の低吸着 様々な細胞種に適用可能 □ 仕様 優れた滅菌性 SAL10-6 有効期限4年間 生体適合性のある成分でのコーティング パイロジェンフリー USP biological reactivity class VI • 96ウェルプレート(平底, U底,) • 35mm, 60mm, 90mm ディッシュ • 6ウェル, 12ウェル, 24ウェル マルチディッシュ • T25, T75 フラスコ Essential 6TM Medium Essential 6TM培地は、ヒト多能性幹細胞(PSCs)の分化に適したフィーダーフリー かつゼノフリー(異種成分不含)の培地です。TGF添加により、従来の多能性幹細 胞用培地よりも胚様体状態での増殖をより促します。また、本培地はお客様が PSCsを培養するためにカスタムで培地作製される場合にベースとしてご使用いた だくことも可能です。 □ 用途 胚様体形成 分化 フレキシビリティ □ 仕様 幹細胞培地(iPS-Induced Pluripotent Stem) 容量:500mL 無血清 フィーダー細胞フリーCulture type ゼノフリー A1516401 500mL お問い合わせ; ライフテクノロジ―ズジャパン(株) www.lifetechnologies.com [email protected] ヒトES細胞胚様体形成 NunclonTM SpheraTM 96 U ウェルプレート/Essential 6TM培地を用いたスフェロイド形成 胚様体サイズの経日的変化 胚様体形成 プロトコール ヒトES細胞播種 + Thiazovivin 細胞凝集 EB 形成 EB 増殖 KSR hESC medium 培地: (Life Technologies=ライフサイエンスソリューションズ事業本部) • Serum-free media: DMEM/F-12, KnockOutTM Serum Replacement, NEAA, 2-ME • Xeno-free media : Essential 6TM + TGFβ Day 5 Day 8 Day 12 播種細胞数が少な い場合でも増殖性 を失わない。 KSR hESC medium Essential 6 +TGFβ Essential 6 +TGFβ 播種密度: 1000 cells /well 三胚葉分化の確認 分化誘導プロトコール 外胚葉 β-tubulin III DAPI ヒトES細胞 胚様体形成開始 EBを移植 中胚葉 smooth muscle actin DAPI 内胚葉 α-fetoprotein DAPI 固定& 染色 培養 自然自発的分化 : 添加物なし 誘導分化 : 誘導因子添加 (Life Technologies): • 外胚葉: 100 ng/ml Noggin • 中胚葉: 50 ng/ml Activin A, 50 ng/ml BMP4 • 内胚葉: 100 ng/ml Activin A References; • Yao et al, PNAS 2006; 103 (18) • Kirkeby et al, Front Cell Neurosci 2013; 6:64 Differentiated cells on a Nunclon Delta surface 結論; ① Nucnlon Sphera低接着プレートとEssential 6培地の組合せにより、増殖性の良い胚様体を形成できる。 ② Essential 6(+TGF)培地は通常使用されているDMEM/F12+KSR培地よりも胚様体形成・増殖に適している。 ③ 本システムにより形成された胚様体は三胚葉すべてに分化でき、分化・増殖用途に適している。 サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 ラボプロダクツ事業本部 お問い合わせ E-mail: [email protected] URL: www.thermoscientific.jp Scale bar: 50 µm
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