提案依頼書(PDF:383KB)

新外部接続環境の構築に係る
提案依頼書
平成 27 年 2 月 20 日
大田区
計画財政部情報システム課
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新外部接続環境の構築について
1-1 調達の背景
現在、大田区では区民情報系システム(住記、税、国保など区民情報を取り扱う業務システム)と
内部情報系システム(文書管理、財務会計、庶務事務などの内部事務システム)を庁内ネットワーク
に接続し運用している。この庁内ネットワークは、インターネットとは未接続で庁内に閉じた閉域網
である。また、区民情報系システムと内部情報系システムを操作する情報端末機器(以下、
「汎用端末」
という。
)は概ね職員 1 人 1 台配備され、自席で使用できる環境である。
一方、現在使用しているインターネット環境(以下、「外部接続環境」という。)は、庁内ネットワ
ークとは物理的に分離しており、インターネットに接続する端末(以下、
「外部接続専用端末」という。)
は、原則課に 1 台から 3 台程度配備し、課内職員で共有している。
WEB サイトの閲覧及び電子メールの利用など外部接続環境(インターネット接続環境)を利用した
業務利用が一般化し利用頻度が増加する中で、さらなる区民サービス向上、業務の効率化及び行政コ
ストの削減が求められる。
このような状況からインターネット利用による業務の効率化に資する庁内インターネット環境の改
善を図ることになった。
1-2 現状の課題
(1) 利便性の低下
各課におけるインターネットに接続できる端末機器の利用頻度が増大している。
現状、これらの課題に対しては外部接続専用端末の増設で対応しているが、机上に汎用端末と外部
接続専用端末の 2 台を設置する必要があり、作業スペース的な課題も含め業務の効率性が損なわれて
いる状況である。
また、庁内ネットワークと外部接続環境間のデータ移動は USB メモリ等の外部記憶媒体を介して
行われており、インターネットを活用した業務を遂行するにあたって操作が煩雑となっている。
(2) 管理運用コストの増加
各課におけるインターネット利用に係る利用頻度が増加することを受けて、当区では管理職以上の
職員や各職場にタブレット端末の配備を実施した。しかしながら、インターネットへの接続可能な端
末機器の増設対応が可能となった一方で、機器追加に伴う二重コストの発生及び機器管理など保守運
用面での煩雑化を招いている。
(3) 外部接続環境の拡張
現行の外部接続環境は平成 21 年 10 月に導入したが、接続台数は限定されており、小規模なシステ
ム構成を前提として構築されたものである。今後、業務上インターネットの利用頻度が増大すること
が見込まれる中で、柔軟かつ拡張性の高い外部接続環境が未整備な状況にある。
(4) さらなるセキュリティの向上
現状、庁内ネットワークは閉域網であることから、庁内ネットワークに接続する業務システムはイ
ンターネットに未接続であることを前提としたシステム構築及びシステム運用となっている。
このことから庁内ネットワークと外部接続環境への接続にあたって必要となるネットワークレベル
でのセキュリティ対策及びファイアウォール等ハードウエアによるセキュリティ対策が十分に整備さ
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れていない状況である。
(5) 保守運用体制
現状の外部接続環境においては、ウイルス感染等によるセキュリティ事故の発生及び障害からの復
旧等に必要な機能(クライアント管理、ログ管理等)を実装している。
今回の調達によってインターネットアクセス数の増大に伴う、セキュリティリスクの拡大が見込ま
れる中で、迅速なセキュリティ事故への対応及びセキュリティ事故の未然防止を図るための人的な体
制が未整備な状況である。
1-3 構築方針および効果
(1) 構築方針
① 構築手法
既存資源の活用、区の運用方針及びセキュリティポリシーにあわせて構築する必要があることか
ら、オンプレミスによる調達とする。
② 調達コスト、運用コストの縮減
初期経費やランニング経費のみならず、システムを運用する職員及びユーザである利用職員の負
担も軽減可能なシステムを導入する。
③ 短期間による調達
自席端末からの外部接続環境への接続を早期に実現するため、スピードを重視した調達とする。
④ 既存システム資源の活用
既存導入済みのシステムを利活用することで、システムへの二重投資及び二重管理を回避し、か
つ、必要な設定変更作業を最小限にとどめ、現行システム環境への影響範囲を狭小化する。
(2) 導入効果
① 業務効率の向上
利便性の高い外部接続環境を整備し、インターネットの自席利用の実現を含めた業務の効率化及
び行政コストの縮減を図る。
② 管理運用負担の軽減
現在職員が対応している外部接続端末の調整、キッティング作業、配線作業といった煩雑な作業
及び追加費用を伴うことなく、インターネットが利用できる環境を整備する。
③ 拡張性のあるシステム環境の構築
将来的なインターネットへの接続端末台数の増加に対応できる柔軟性・拡張性を確保したシステ
ム構成とすることで、システム運用に係る全体コストの削減を図る。
④ セキュリティの向上
日々凶悪化、巧妙化するコンピュータウイルスへの対策などセキュリティ対策を強化することで、
外部の脅威から区が保有する個人情報及び重要情報を守り、現状以上にセキュアな環境を構築する
⑤ 保守運用体制の充実
安全かつ安定的に稼働できる保守運用体制を整備し、システム管理者における管理運用業務の効
率化と安定したシステム運用を実現することで大田区における業務継続性の確保と区民サービス
の向上を図る。
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提案依頼について
2-1 調達範囲
本件構築及び運用にあたり調達を予定する範囲と項目及び概要を、以下に記載する。
(1) プロジェクト計画
本プロジェクトの要件定義から利用開始までの実施体制、作業内容およびスケジュール等について
記載したプロジェクト計画書を策定する。プロジェクト計画書には、本件作業の責任者、品質管理
責任者、作業分担等を明記した体制図及び工程管理を行うための進捗管理方法、課題管理方法を包
含する。
(2) 要件定義
大田区の求める効果と実際の職員の利用環境を分析し、新外部接続環境の構築方針及びこの方針に
基づく実装すべき機能を明確化し、基本要件を定義する。
(3) 基本設計
新外部接続環境におけるシステム構成、仕様、機能などの概要をまとめた基本設計を行う。
(4) 詳細設計
新外部接続環境に実装する機能の明確化及びパラメータ値の設定など詳細な設定の設計を行う。
(5) セキュリティ設計
大田区が要求するセキュリティ対策が実装されることを目的として、「技術的脅威」、「人的脅威」、
「物理的脅威」に対しての具体的かつ技術的手法を設計する。
(6) ネットワーク設計
インターネット接続及び庁内ネットワークへの接続を目的として、新外部接続環境における必要な
ネットワーク設計を行う。
(7) 端末設計
汎用端末及び外部接続専用端末に必要な設定情報の明確化、マスタ作成手順書の作成、展開方法な
ど端末設計を行う。
(8) 新環境への切替・移行計画書
現行外部接続環境から新外部接続環境への切り替えにあたり、安全かつ確実に切り替えを行うため
の計画書を作成する。
(9) 保守運用設計
新外部接続環境の利用にあたって必要な保守・運用方法を検討し、保守・運用設計書を作成する。
(10) テスト計画
新外部接続環境の本稼働に必要なテスト項目、体制、テスト方法を定めたテスト計画書を作成する。
(11) テストの実施及び結果報告
テスト計画に基づき、単体テスト、結合テスト及び総合テストを実施する。また、テスト結果報告
書の作成とレビューを行う。
(12) サーバ構築
新外部接続環境に必要な各種サーバの構築を行う。
(13) 端末作業
新外部接続環境への接続を目的として、端末機器のクローニング、キッティング作業を実施する。
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(14) ネットワーク構築
新外部接続環境への接続に伴う各利用拠点のルータ、スイッチングハブ及びファイアウォールなど
各種通信機器の設定を行う。
(15) 保守運用
新外部接続環境に必要なハードウエア保守、ソフトウエア保守及びシステム保守などの保守並びに
監視等運用に係る業務を行う。
(16) 教育訓練
① 管理者研修
新外部接続環境の利用にあたって、システム管理運用に必要な事項についてシステム管理者に研修
を実施する。
② ユーザ向け研修
新外部接続環境の利用にあたって、操作研修及びセキュリティ研修(研修資料の作成を含む)をユ
ーザである利用職員に対して実施する。
(17) 各種ドキュメントの作成
各工程にて計画書・設計書を作成し、完成図書として納品する。また、各会議体における議事録を
1 週間以内に提出する。
2-2 前提条件
【別紙 1】
「新外部接続環境構築に係る前提条件」のとおり
2-3 要求機能一覧(選択式回答シート)に対する回答について
大田区が要求する機能の実装状況等の回答にあたっては、「【別紙 2】要求機能一覧(選択式回答シ
ート)」に記載すること。
2-4 要求機能一覧(提案型回答シート)に対する回答について
大田区が求める課題・問題点を踏まえ、
「【別紙 3】要求機能一覧(提案型回答シート)
」に対する実
装状況、解決策及び手法等を提案書にて回答すること。
2-5 提案書の作成要領
大田区が抱えている課題や新外部接続環境構築により意図する効果を考慮した上で提案すること。
その際は本提案依頼書のほか、別紙及び参考資料等も参考とすること。
(1) 作成方法
提案者は、
「新外部接続環境の構築に係る提案募集要項」及び本提案依頼書の要件に基づき、かつ
「
【別紙 10】提案書作成要領」に従って作成すること。
(2) 用語等
各項目の内容は具体的に記載し、専門用語の使用は避けて標準的な用語を用い、わかりやすく記
載すること。
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2-6 費用見積り
(1) 見積の範囲
可能な限り詳細な見積りを提示すること。なお、システム導入月から 60 ヶ月の運用にかかる全ての
経費を提示すること。
(2) 見積り様式
提案内容の見積りについては、
「
【別紙 12】提案見積価格表」に記載するものとし、提案事業者所定
の見積書とあわせて提出すること。
(3) その他
提案した仕様に必要な機能はすべて見積りに計上すること。
3
4
スケジュール
質問受付締め切り
平成 27 年 2 月 27 日(金)17 時
参加受付締め切り
平成 27 年 2 月 27 日(金)17 時
質問に対する回答
平成 27 年 3 月 6 日(金)予定
提案受付締め切り
平成 27 年 3 月 19 日(木)17 時
委託事業者決定通知
平成 27 年 4 月上旬
仕様調整(業務内容協議)
平成 27 年 4 月上旬~4 月中旬 予定
契約
平成 27 年 4 月中旬
テスト運用開始
平成 27 年 10 月下旬
本番運用開始
平成 27 年 11 月下旬
調達要件について
調達にあたっては、
「
【別紙 2】要求機能一覧(選択式回答シート)
」に記載された以下の要件を満た
すこと。また、構築にあたっては「
【別紙 4】要求仕様一覧」を満たすこととする。
4-1 業務要件
新外部接続環境において、当区職員が日常業務で利用する業務上の要件を満たすこと。
4-2 機能要件
新外部接続環境を業務利用するにあたって必要なシステム上の機能要件を満たすこと。
4-3 非機能要件
新外部接続環境における安定的な業務利用を目的として、保守運用、セキュリティ機能などの非機
能要件を満たすこと。
4-4 技術要件
新外部接続環境の構築にあたって必要な技術的な要件を満たすこと。
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監査
大田区または大田区の委託する第三者機関がシステム監査、情報セキュリティ監査等を実施する場
合には、これに協力するものとする。
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契約事項
6-1 契約形態
(1)契約体系
契約は構築作業委託契約、保守契約、賃貸借契約とそれぞれ個別に締結する。賃貸借契約のうち
機器の調達がリース契約による場合は、選定された受託事業者は機器提供事業者とし、別途入札に
よりリース会社と大田区が契約を締結する。
(2)通信回線
回線の使用料に関しては通信回線の名義人を大田区とし、通信事業者と別途契約を締結する。
(3)契約期間
保守運用業務に係る委託については年度単位で契約する。
(4)その他
詳細な契約方法については別途事業者決定後に調整する。
6-2 納品条件
納品物件及び納入方法、部数は以下のとおりとする。また、ドキュメントについては、システムに
精通していない者でも管理・サポートが実施できるように、わかりやすく記載すること。
NO
納入物
納入形式
数量等
1
プロジェクト計画書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
2
要件定義書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
3
基本設計書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
4
詳細設計書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
5
セキュリティ設計書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
6
ネットワーク設計書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
7
端末設計書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
8
切替・移行計画書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
9
テスト計画書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
10
テスト結果報告書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
11
運用・保守設計書
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
12
利用マニュアル(ユーザ用)
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
運用マニュアル
Office および PDF
13
(システム管理者用)
紙、電子媒体で各 1 部
14
研修用配布資料
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
15
その他必要な書類すべて
Office および PDF
紙、電子媒体で各 1 部
16
作業完了届
書面
紙で 1 部
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6-3 検査
検査については、納品時に実施する。
6-4 支払条件
「作業完了届」、「納品書」、「請求書」を大田区が受領した後、30 日以内に受託事業者指定口座に支払
手続を行うものとする。
6-5 機密保持
機密保持のため、大田区から提供した資料・情報や作業の中で知り得た情報は、「【別紙 14】個人情
報及び機密情報の取扱いに関する付帯条項」に基づき、機密情報および個人情報の取扱いに関する条
項を遵守すること。また、本件委託期間中において数回、個人情報の取り扱いに係る管理状況につい
て、所定の様式により報告すること。
6-6 著作権等
(1)知的財産権の帰属先
本件により新規に作成したプログラム・モジュール・サブルーチン、コンポーネント、サービス並び
にそれらを組み合わせたもの及びそれらの関連資料等の著作権については、大田区及び受託者双方に
帰属するものとする。
(2)所有権・二次的著作物の利用権
完成したシステムの所有権・二次的著作物の利用権は、対価の支払時点で大田区に帰属または移転さ
れることを原則とする。
6-7 その他
(1)承認
本件受託後、プロジェクト計画書を大田区に提出し、承認を受けた上で業務を行うこと。
(2)体制
各工程の実施前に、当該工程における受託事業者の体制を区に報告すること。体制においては、
指揮命令系統、連絡系統を明確にすること。
(3)会議体
進捗報告、問題・課題報告のための会議体を定期的に実施すること。会議体における議事録を作
成し、大田区の承認を受けること。
(4)リスク負担
導入作業の遅れや品質不適合等によるリスクについては、受託事業者のリスク負担とする。
(5)再委託
受託事業者は、本件業務の全部又は主要な部分を第三者に委託することはできない。ただし、大
田区の文書による事前の承認を得た場合はこの限りではない。
(6)目的外利用の禁止
本提案依頼書に記載のいかなる情報も、大田区への提案書作成以外の目的で使用することを固く
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禁止する。
(7)疑義
契約締結時の仕様書に定めのない事項及び仕様書に定める内容について疑義が生じたときは、大
田区及び受託事業者間の協議により定めるものとする。ただし、明示のない事項であっても、機能
上および社会通念上当然必要と思われるものについては本件委託の範囲に含まれるものとする。
(8)検証環境
本システムを構築にするにあたって必要な検証環境について、大田区は提供しないものとする。
(9)仕様調整
本提案書に記載された端末台数、部材、ライセンス数等の数量については、契約締結時に変動す
る場合がある。これらの数量は、大田区と選定事業者間の協議の上決定するものとするが、平成 27
年度に契約する範囲においては、仕様調整によっても単価等に変動がない提案見積価格とすること。
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