乳房撮影における乳腺割合と入射表面線量の検討

乳腺2‐4‐2
乳房撮影における乳腺割合と入射表面線量の検討
首都大学東京
東京都立墨東病院
群馬県立県民健康科学大学
埼玉県済生会川口総合病院
【目的】
○中川
小林
根岸
土田
里穂/安部
剛
徹
拓治
真治/小!
満季/山本
莉奈
【結果・考察】
乳房撮影において、乳房の厚さや形態により患者の被ば
Semi Auto 管電圧 28kV、ファントム厚4㎝において、
く線量が異なることが知られている。今回、乳腺と脂肪の
入射表面線量は、各ファントムにより3.
9
4∼6.
0
1mGy 程
割合が既知のファントムを使用し、乳腺割合と入射表面線
度となり、乳腺割合の多いものほど増加した。5
0/5
0に比
量との関係について検討した。
較し、3
0/7
0で2
0.
8%、BR-1
2
(4
7/5
3)で1
1.
6
3%程度減少
し、
7
0/3
0で2
0.
8%程度増加し、乳腺脂肪割合3
0/7
0、5
0/5
0、
【使用機器】
7
0/3
0間では各々2
0%程度の線量差と考えられる。管電圧
乳房用 X 線装置(MGU-1
0
0B:東芝)
、管電圧・管電流
およびファントム厚変化によって、入射表面線量は、管電
計(AB-2
0
1
5D:トーレック)
、乳腺脂肪割合の異なるファ
圧が低く、被写体厚が厚くなるほど増加の傾向を示した。
ントム(Model 01
4(BR3
0/7
0、BR5
0/5
0、BR7
0/3
0、BR-
また、乳腺割合やファントム厚により1.
1∼1
6.
4倍程度の
1
2:CIRS)
、電離箱形線量計(9
0
1
5、1
0×5-6M:Radcal)
入射表面線量の差がみられた。Full Auto では、各ファン
トム間の入射表面線量は、3㎝で1.
5
6∼2.
1
7mGy、6㎝
【方法】
で8.
6
2∼1
3.
4
8mGy 程度であり、ファントム厚の厚いほど
乳房用 X 線装置に管電圧管電流計を接続し、乳腺脂肪割
乳腺割合による線量差が大きい傾向を示した。乳腺割合や
合の異なるファントム、電離箱形線量計により入射表面線
ファントム厚により1.
1∼8.
6倍程度の入射表面線量であり、
量を求めた。測定条件は、自動露出制御(AEC)を用い、
Semi Auto に比較し、差が小さくなった。これは、被写
Semi Auto にて、ターゲット/フィルタ Mo/Mo、管電圧
体厚により管電圧が高くなり、5㎝以上で Mo/Rh になっ
2
4∼3
2kV、ファントム厚3∼6㎝とし、入射表面線量の
たためと考える。これらの関係より、乳腺割合と患者被ば
比較検討を行った。また、Full Auto では Mo/Mo および
く線量の把握が可能と思われる。
Mo/Rh、ファントム厚3∼6㎝の入射表面線量の検討を
行った。
図1 Semi Auto における線量比較
1
2
6
62 日本放射線技術学会東京部会雑誌 No.
図2 Full Auto における線量比較