「CAN-DOプロジェクト」分科会 生徒が主役の授業づくり ~CAN-DOリストの活用をとおして~ テーマ (分科会参加人数50人) 1 概要説明 県立教育センター指導主事 阿部 雅也 (1)なぜCAN-DOなのか (2)中学校・高等学校での取組 (3)3つの提言 2 ① 授業にパフォーマンスを ② ルーブリックを用いた適切な評価を ③ 定期考査にパラレルなタスクを 実践発表 (1)中学校発表 「CAN-DOリストを活用した話す力を育成する授業」 新潟市立白新中学校 町屋 緑 先生 CAN-DOリスト Speaking レベル8「日本特有の物や生活用品について、何も見ずに、 50語程度の英語で、即興的に説明することができる」の目標の達成を目指した授業実践を 発表した。目標を達成するためには「学習タスク」「練習タスク」「評価タスク」の3つのス テップを設け、段階的に生徒の表現力を育成することの大切さが紹介された。Warm-up と 「日本特有の物」を説明する模擬授業が行われ、参加者は中学生になったつもりで意欲的に活 動に取り組んでいた。白新中学校のCAN-DOリストは4改訂目であるが、今後の課題とし て、①生徒の実態に応じてCAN-DOリストを改訂する必要があること、 「聞く」 「読む」 「書 く」活動に関するパフォーマンス評価の際のルーブリックの充実が挙げられた。 (2)高等学校発表「CAN-DOリストの形での到達目標設定に基づく授業」 県立新発田高等高校 根立 望 先生 教科書の内容理解を経て、「どこへ行って何を調査したいか」というテーマでグループ内で の発表を行い、その後、グループの代表が発表する授業の様子が紹介された。発表者は間違い を恐れず堂々と発表し、聞き手も発表者をしっかり見てうなずく様子が紹介された。そこへた どり着くまでには普段から生徒が英語を話す場面を多くつくること、生徒の間違いを受け入れ ること、間違いを受け入れる集団をつくること、などのポイントが紹介された。 また、CAN-DOリストを用いて教師間で目標や指導法を共有することの大切さが紹介さ れた。今後の課題として①授業のグランドルールを確立すること、②生徒の発話を繋ぐこと、 ③教師の英語力を高めることが挙げられた。 3 グループ協議 テーマ「CAN-DOリストを活用した授業づくり」 小中、高等学校に別れ1グループ4~5名でグループ協議を行った。各グループから次のよ うな話題があった。 【前向きな話題】 ・CAN-DOリストについて理解できた。評価についても知りたい。 ・CAN-DOリスト同様、教師の指導力が大切である。 ・集団・人間性を育てたい。 ・来年度に向けて作成する。 ・ゴールを決めて授業をしたい。 ・教師の共通理解を図りたい。 ・バックワードデザインで授業を考えたい。 ・生徒が英語を話す場面を多くつくりたい。 ・ルーブリックの共通理解で評価にブレが生じない。 【悩み、課題等】 ・CAN-DOリストはあるが、自校化されていない。 ・CAN-DOが教師間で意識されていない。 ・パフォーマンステストのメリットは何か。 ・中学校と高等学校の連携が課題である。 ・評価にパフォーマンスをどの程度入れるか。 ・パフォーマンスを授業にうまく取り入れられない。 ・大学入試との関連に悩んでいる。 4 まとめ ・町屋先生はオーディエンスの心に火を付けるのがうまい。 「Level Max !」で全員がもえた。 ・CAN-DOノートがポートフォリオになっているので学びの足跡が自信につながる。 ・根立先生の授業の主役は生徒で生徒発表のオリジナリティーが光った。聞き手も育っている。 ・根立先生は褒め上手。"Wow, young scientists!"と言う言葉に生徒がしびれた。 ・生徒が自律するために必要なこと。how(練習方法)、where(現在地)、what(モデル) 5 参加者からの感想 ・先生方の熱い思いに心が動かされました。ありがとうございました。 ・CAN-DOリストの具体が示され参考になった。自校でも具体化したい。 ・日頃のもやもやが解消でき、非常にすっきりした。授業のヒントを得た。 ・明日から使えるものがたくさんあり、元気になった。 ・講演の内容と分科会につながりがあった。良い集団の中から良い学びが生まれた。 ・内容が精選されていて有意義な時間だった。「なるほど」と思える内容だった。 ・同じ課題、悩みをもつ先生方と話す機会がもてて今後に向けての意欲が高まった。 ・これまですっきりしなかったところの意見交換ができて大きなヒントを得た。 6 考察 今回の分科会はテーマを1つに絞り、センターからの提言、2人の実践発表、グループ協議に 一貫性があり、参加者にとって有意義なものであった。特に2人の実践は実際にCAN-DOリ ストを活用した授業であったため、説得力があり、参加者に活力を与えていた。アンケートでは 42名中41名から「4」の評価を得ることができた。今後、今回の参加者だけでなく、県内全 ての学校へ「CAN-DOリストを活用した授業」を広めていく必要がある。
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