(建替)工事 に係る配慮書案 平成27年2月 医療法人社団 行陵会

京都大原記念病院移設(建替)工事
に係る配慮書案
平成27年2月
医療法人社団
行陵会
-目 次-
1. 事業計画の特性 ......................................................... 1
1.1 事業者の氏名及び住所 .......................................................... 1
1.2 事業の名称及び種類 ............................................................ 1
1.3 計画策定の背景 ................................................................ 1
1.4 事業計画の目的 ................................................................ 2
1.5 事業実施想定区域 .............................................................. 3
1.6 計画地周辺の現状 .............................................................. 5
1.7 事業計画の概要(予定) ........................................................ 6
1.8 事業計画期間等(予定) ........................................................ 7
1.9 事業の段階別の整備状況(予定) ................................................ 8
2. 地域特性 ............................................................... 9
2.1 自然的状況に関する事項 ........................................................ 9
2.1.1 地象 ...................................................................... 9
2.1.2 水象 ...................................................................... 9
2.1.3 気象 ...................................................................... 9
2.1.4 生態系 ................................................................... 10
2.2 社会的状況に関する事項 ....................................................... 11
2.2.1 人口 ..................................................................... 11
2.2.2 産業 ..................................................................... 12
2.2.3 土地利用 ................................................................. 13
2.2.4 水域利用 ................................................................. 13
2.2.5 交通 ..................................................................... 14
2.2.6 施設状況 ................................................................. 16
2.2.7 文化財 ................................................................... 17
2.2.8 景観 ..................................................................... 18
2.2.9 環境の概要 ............................................................... 19
2.3 関係法令等 ................................................................... 24
2.3.1 法令で定められている必要事項 ............................................. 24
2.3.2 地球温暖化 ............................................................... 29
2.3.3 大気質 ................................................................... 29
2.3.4 騒音 ..................................................................... 29
2.3.5 振動 ..................................................................... 30
2.3.6 土壌汚染 ................................................................. 31
2.3.7 自然環境の保全に係るもの ................................................. 31
3. 複数案の検討・評価 .................................................... 32
3.1 複数案の選定 ................................................................. 32
3.2 複数案の概要 ................................................................. 33
3.3 環境影響要因及び環境要素関連表 ............................................... 34
3.4 環境影響要素選定理由 ......................................................... 35
3.5 現状と予測 ................................................................... 36
3.6 評価結果のとりまとめ ......................................................... 42
3.7 総合評価 ..................................................................... 42
3.8 計画段階環境配慮の検討結果 ................................................... 43
巻末資料
1. 事業計画の特性
1.1 事業者の氏名及び住所
事業者の名称
:医療法人社団 行陵会
代表者の氏名
:理事長 児玉 博行
主たる事務所の所在地 :京都市左京区大原井出町164番地
1.2 事業の名称及び種類
事業の名称:京都大原記念病院移設(建替)工事
事業の種類:都市計画法第四条第12号に規定する開発行為を伴う事業
(開発面積:約 55,000 m2)
1.3 計画策定の背景
京都大原記念病院(以降「当病院」と呼ぶ。)は、無医村であった大原地域に医療機関を
設立してほしいとの地元住民と行政の強い要望を受け、昭和56年に大原地域で初の病院とし
て開設された。開設後には高齢化・長寿命化といった社会の変化に応じて施設・機能の拡充
のため3度にわたり増築を行ってきた。
しかし、当初の開設からすでに築33年が経過しているため、施設としての老朽化や現在の
法制上の基準への対応等が急務であること等から、早急に病院施設の建替の計画をすること
となった。
病院施設の建替の具体的な理由は、次のとおりである。
・ 病院施設の老朽化
当病院は前述のとおり昭和56年に開設され、その後病床数や設備面での増強のため昭
和58年、昭和62年及び平成21年の3度にわたり増築を行っているが、開設からすでに築
33年が経過し、施設としては一部でかなりの物理的な老朽化が進んでいる。
また、その間、医療分野における建築・設備及び機能面での目覚ましい刷新が図られ
てきており、その意味においても当病院は老朽化が進んだ施設になっている。
・ 現在の施設基準等との乖離
当病院は前述のとおり昭和56年に開設されたものであり、その後、平成13年3月の第
四次医療法改正によって、施設基準が大幅に改定※されている。そのため当病院の建替
において、現在の施設基準(面積基準)に適合するためには、同用途・同病床数とした
場合でも現在よりも施設規模を大きくする必要がある。
※ 第四次医療法改正(平成13年3月)による現行の施設基準と改正前の基準については巻末資料
- 1 -
・ 耐震性
当病院は昭和56年5月に建築確認を受け建設されたものであるため、現行の耐震基準
に適合した構造とはなっていない。災害時に避難場所及び医療拠点となる病院として機
能するために、早急に現行の耐震基準に適合した病院建物とすることが必要である。
・ 病院移設(建替)の必要性
上で示した問題に対応するためには、施設の改修もしくは移設(建替)を行うことが
必要である。
そのための手法として改修を選択した場合には、施設全体に手を加えるため、病院機
能の継続性を保つことができず、また入院患者の療養環境の確保の点でも重大な支障が
発生することが予想されることから、改修ではなく移設(建替)を行うことが必要であ
る。
1.4 事業計画の目的
急務である当病院施設の老朽化及び現在の法制上の基準への対応等のために、病院施設の
建替を行うことを目的とする。
当病院は大原地域における唯一の医療機関としてなくてはならない存在であるだけでは
なく、医療面以外においても地域団体等への人材の派遣及び施設の提供と言った地域への積
極的な協力・交流を行っており、大原地域で重要な役割を果たしている。
また、現在、一体的に接続した施設(介護老人保健施設・博寿苑、特別養護老人ホーム・
大原ホーム)と設備面・人員面において融通を図っており、これらの融通を維持するために
は、それら施設との接続可能な位置での建替が最も効率的であり、施設が分断する場合に比
べ環境負荷の軽減にもつながると考えられる。
今回の病院建替に伴い、これまでの地域への協力・交流はそのままに、最新の医療を提供
できるよう、また災害時の緊急避難場所及び医療活動の拠点として有効に機能するように計
画を行っている。
- 2 -
1.5 事業実施想定区域
京都府
京都市
滋賀県
大津市
図 1-1 計画位置図(広域図①)
凡 例
:事業計画地
0km
1km
2km
S = 1 / 75,000
- 3 -
5km
京都府
京都市
滋賀県
大津市
図 1-2 計画位置図(広域図②)
凡 例
:事業計画地
0km
0.5km
1km
S = 1 / 25,000
- 4 -
2km
1.6 計画地周辺の現状
⑤高野川西側(北西方向)
①計画地北側より(南東方向)
①
⑥高野川西側(西方向)
②病院施設西側(南側方向)
⑧
高
野
川
博寿苑
大原ホーム
国道 367 号
②
③
現況の
病院施設
⑤
⑥
⑦高野川西側(北方向)
③病院施設西側の和風庭園(西方向)
④
⑦
⑧国道 367 号より(西南西方向)
④病院へのアクセス道路から
現病院施設方向
凡
例
:事業計画地
- 5 -
1.7 事業計画の概要(予定)
事業計画位置:京都市左京区大原戸寺町308-1他(図 1-2参照)
開発面積:約 55,000 m2(図 1-3参照)
土地の形状の変更を行う面積:約 17,300 m2(図 1-3参照)
延床面積(建替後施設)
:約 10,900 m2(地上2階建)※
駐車場台数:約 340 台
※ 現在計画中であるため、延床面積については現施設と同じ病床数で最低限必要となる面積として表示
している。
博寿苑
大原ホーム
現病院施設
凡
例
:開発区域(事業計画地)
:土地の形状の変更を行う範囲
0m
100m
図 1-3 開発区域と土地の形状の変更を行う区域
- 6 -
200m
1.8 事業計画期間等(予定)
開発工事:平成27年8月~
約3ヶ月
建築工事:平成27年12月~
約13ヶ月 (予定)※
供用開始:平成29年2月~
(予定)
(予定)※
解体工事:平成29年2月~
約4.5ヶ月 (予定)
全体供用:平成30年1月~
(予定)
※なお、建築工事期間及び供用開始時期については、建築される病院施設のみの建築工事
期間と供用開始時期を示している。(現在の病院施設の撤去及び跡地の整備に係る期間は含
んでいない。
)
表 1-1 事業計画工程表(予定)
年月 平成
27年
内容
1
28年
4
7
10
1
29年
4
7
10
1
30年
4
7
10
1
4
計画段階環境
配慮手続き
開発工事
建築工事
外構工事
解体工事
旧施設の解体
供用開始
病院施設供用開
- 7 -
全体供用
7
10
1.9 事業の段階別の整備状況(予定)
病院施設の移設(建替)を計画するに当たり、想定される段階別の整備状況は図 1-4に示
すとおりである。
現況
建築工事(新病院施設)
博寿苑
大原ホーム
博寿苑
大原ホーム
病院
施設
病院
施設
解体工事(旧病院施設)
将来(全体供用)
博寿苑
大原ホーム
博寿苑
大原ホーム
旧病院
施設の
解体
新病院
施設の
建築
新病院
施設の
仮使用
新病院
施設
凡 例
:事業計画地
図 1-4 想定整備イメージ
- 8 -
2. 地域特性
2.1 自然的状況に関する事項
2.1.1 地象
「土地分類基本調査図
地形分類図
京都東北部・京都東南部」(昭和59年、京都府・滋
賀県)によると、事業計画地の地形は東西両岸の山麓に段丘地形がみられる谷底盆地となっ
ている。
「土地分類基本調査図
表層地質図
京都東北部・京都東南部」(昭和59年、京都府・滋
賀県)によると、事業計画地の表層地質は未固結堆積物の礫がち堆積物が分布している。東
西の山麓は、東側は固結堆積物(硬岩)の泥岩を主としチャート・砂岩のレンズ状岩体を含
む層、西側は固結堆積物(硬岩)のチャート層が分布している。
2.1.2 水象
事業計画地の東側には、鴨川の支流である高野川が流れている。
高野川は、京都市左京区と滋賀県大津市の境に位置する途中峠の南部に発し、以降は国道
367号と並行して南進し、鴨川に合流する流路延長約19kmの淀川水系の一級河川である。
また、高野川では「平成23年度特別天然記念物オオサンショウウオ緊急調査」において3
個体のオオサンショウウオ(在来種・交雑種含む)が捕獲されている。
表 2-1 高野川の概況
河川等級
流路延長
(km)
区間
一級河川
18.94
左京区大原小出石町から
一級河川鴨川合流点まで
注)市内主要河川延長及び区域
出典:
「平成 25 年版 京都市統計書」
(平成 26 年、京都市)
2.1.3 気象
京都市の平成25年度の年間降水量は1450.5mm、年平均気温は16.2℃、年平均風速は2.1m/s、
年間最多風向は北東となっている。
- 9 -
2.1.4 生態系
(1) 動物
「京都府レッドデータブック 上巻 野生生物編」によると、京都府では哺乳類49 種(海洋性哺乳類
寂光院の
モミ群落、スギ群落
を除く)、鳥類321 種、爬虫類16 種、両生類22 種、淡水魚類112 種、昆虫類約6,500 種等が確認され
宝泉院のゴヨウマツ
ている。
事業計画地の周辺においては、以下の動物が確認されている。
実光院の
モミ群落、スギ群落
表 2-2 事業計画地周辺での確認動物
事業計画地周辺での確認動物
出典
キツネ、ニホンジカ、タヌキ、アナグマ、 第 6 回自然環境保全基礎調査 哺乳類分布
イノシシ、ニホンザル
調査(平成 12~16 年度)
平成 25 年 12 月現在、環境省生物多様性情
報システムホームページ
アジメドジョウ
京都府レッドデータブック 下巻 地形・地
質・自然生態系編
平成 14 年 4 月、京都府
備考
高野川水系の
アジメドジョウ
平成 12 年に高野川水
系での現地調査によ
り確認
※ なお、既存資料を基にとりまとめた生息状況であって、資料が作成された時期から相当の年月が経過していることから、現在
の生息状況と必ずしも一致するものではない。
(2) 植物
「自然環境保全基礎調査 植生調査情報提供」
(環境省ホームページ)の現存植生図によると、事業計
画地は水田・雑草群落、アベマキ・コナラ群衆、モチツツジ-アカマツ群衆及びスギ・ヒノキ・サワラ
植林となっており、周辺地域も同様な植生状況である。
また、事業計画地近傍の河川(高野川)にはヤナギ高木群落がみられる。
表 2-3 事業計画地周辺での確認植物
事業計画地周辺での確認植物
実光院(京都市左京区大原勝林院町)のモミ群落
実光院(京都市左京区大原勝林院町)のスギ群落
寂光寺(京都井左京区大原草生町)のモミ群落、スギ群落
宝泉院のゴヨウマツ(京都市左京区大原勝林院町)
出典
京都府レッドデータブッ
ク 下巻
地形・地質・自然生態系編
平成 14 年 4 月、京都府
備考
「要保全対策」に指定
京都府
京都市
滋賀県
大津市
「管理維持」に指定
「京都市指定天然記
念物」に指定
図 2-1 計画地周辺の主な動植物分布
凡
例
:事業計画地
- 10 -
0km
0.5km
1km
S = 1 / 25,000
2km
2.2 社会的状況に関する事項
2.2.1 人口
(1) 人口及び世帯数
京都市の人口及び世帯数の推移を図 2-2に示す。京都市周辺の市町の人口及び世帯数
は表 2-4のとおりである。
平成25年10月1日現在の人口は1,470,742人であり、近年、世帯数は増加しているが、
人口は横ばいで推移している。
図 2-2 京都市の人口の推移(国勢調査結果、推計人口)
出典:「平成25年版 京都市統計書」
(平成26年、京都市)
表 2-4 京都市左京区周辺の市町の人口・世帯数(平成 22 年)
平成25年4月1日現在
市
人口
世帯数
単位:人・世帯
京都府
京都市
南丹市
1,474,015
35,214
681,581
12,721
出典:「平成23年京都府統計書」(平成25年、京都府)
- 11 -
2.2.2 産業
(1) 農業
京都市の農家数の推移は表 2-5のとおりであり、総農家数は減少傾向である。
表 2-5 京都市の農家数の推移
区
分
平成2年
平成7年
平成12年
平成17年
平成22年
総農家数(戸)
5,183
4,583
4,040
3,657
4,299
自給的農家(戸)
1,780
1,515
1,359
1,336
1,774
779
574
536
637
741
2,624
2,494
2,145
1,684
1,784
専業農家(戸)
兼業農家(戸)
出典:「平成25年度版
京都市統計書」
(平成26年、京都市)
(2) 工業
京都市の製造品出荷額等及び事業所数・従業員数の推移は表 2-6のとおりである。平
成24年の製造品出荷額は225,350,377万円、事業所数は2,501事業所、従業員数は62,201
人となっている。平成20年から平成24年における変化をみると、製造品出荷額、事業所
数、従業員数いずれも減少傾向にある。
表 2-6 京都市の製造品出荷額等及び事業所数・従業員数の推移
区
分
平成20年
製造品出荷額等(万円) 244,883,086
平成21年
平成22年
210,571,224
219,260,523
平成23年
平成24年
237,604,242 225,350,377
事業所数(事業所)
3,194
2,890
2,689
2,922
2,501
従業員数(人)
72,034
66,554
65,261
64,813
62,201
注)従業員4人以上の事業所の集計値
出典:「平成24年工業統計調査統計表」
(経済産業省)
(3) 商業
京都市の年間商品販売額及び事業所数・従業員数の推移は表 2-7の通りである。平成
24年の年間商品販売額は5,346,608百万円、商業事務所数は19,981事務所、従業員数は
162,763人となっている。近年は年間商品販売額、事業所数、従業員数いずれも減少傾
向にある。
表 2-7 京都市の年間販売額及び商業事務所数・従業員数の推移
区
分
平成11年
平成14年
平成16年
6,873,724
5,569,791
5,645,045
事業所数(事業所)
27,634
24,699
24,156
22,560
19,981
従業員数(人)
190,143
172,990
171,539
167,979
162,763
年間商品販売額(百万円)
出典:「平成25年度版
京都市統計書」
(平成26年、京都市)
- 12 -
平成19年
5,569,026
平成24年
5,346,608
2.2.3 土地利用
事業計画地は、都市計画法上の「市街化調整区域」となっている。
表 2-8 京都市の都市計画・用途地域の指定状況
区 分
都
市
計
画
用
途
地
域
面積(ha)
82,790
市域面積
平成 25 年 6 月現在
構成比(%)
100.0
都市計画区域
市街化調整区域
48,051
33,064
58.0
68.8
市街化区域
第一種低層住居専用地域
14,987
3,550
31.2
23.7
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
21
2,358
0.1
15.7
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
713
1,786
4.7
11.9
第二種住居地域
準住居地域
1,272
97
8.5
0.6
939
998
6.3
6.7
1,879
1,306
12.5
8.8
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域
68
0.5
注 1)市街化調整区域及び市街化区域の構成比は,都市計画区域に対する割合である。
注 2)用途地域の構成比は,市街化区域に対する割合である。
出典:「平成 25 年版 京都市統計書」
(平成 26 年、京都市)
2.2.4 水域利用
(1) 上水・農業用水
京都市の水道水は琵琶湖疏水、宇治川から取水しており、表 2-9のとおり、市内3 箇
所の浄水場では1 日771,000m3の浄水処理能力を有している。また、事業計画地近傍の高
野川は、大原地域の上水道の水源、農業用水として利用されている。
表 2-9 京都市水道事業の現状
項目
数値
給水人口
1,455,904 人
普及率(全市人口比)
99.1%
普及率(給水区域内人口比)
99.9%
給水件数
750,822 件
施設能力
771,000m3/日
配水管延長
3,890km
年間給水量
196,834 千 m3
587,840m3
1 日最大給水量
1 日平均給水量
539,272m3
出典:「京都市水道施設の現状」(平成 25 年 3 月 31 日現在、京都市ホームページ)
- 13 -
(2) 漁業権の設定状況
京都府では、県内の5つの河川(及びその支流)において合計15の第5 種共同漁業権
漁場が設定されている。事業計画地周辺においては、表 2-10のとおり、高野川を含む
鴨川本支流区域に漁業権が設定されている。
表 2-10 事業計画地周辺における第 5 種共同漁業権の概要
漁協名
賀茂川
漁業権魚種
あゆ
こい
ふな
うなぎ
はえ
○
○
○
○
○
漁業権区域
ます類 よしのぼり
○
○
京都市南区小枝橋から上流の鴨川本支流。
ただし、支流の白川及び高瀬川を除く。
出典:「京都府内の第 5 種共同漁業権の概要」
(平成 26 年 1 月 28 日現在、京都府内水面漁業協同組合連合会)
2.2.5 交通
(1) 鉄道
事業計画地に最も近い叡山電鉄の八瀬比叡山口駅は南南西約4.5kmに位置している。
八瀬比叡山口駅の乗車人員は表 2-11のとおりである。
表 2-11 叡山電鉄の乗車人数
鉄道会社
叡山電鉄
駅
乗車人員
八瀬比叡山口
123 千人
出典:「平成24年京都府統計書」(平成26年、京都府)
- 14 -
(2) 道路
事業計画地及びその周辺の道路網と交通量調査結果は図 2-3、表 2-12のとおりであ
る。事業計画地周辺の主な道路として、事業計画地の東側に一般国道367号がある。
国道 367 号
区間番号:10570
(平 日 )【12h】10,008 台
【24h】11,696 台
( 休 日 )【12h】13,418 台
【24h】15,373 台
凡 例
:事業計画地
図 2-3 計画地周辺の交通状況図
表 2-12 交通量調査結果
昼間 12 時間
24 時間自動車類交通量
自動車類交通量
区間
(台)
(台)
路線名
地点名
番号
上下合計
上下合計
小型車 大型車
合計
小型車 大型車
合計
平日
8,933
1,075
10,008 10,524
1,172
11,696
一般国道
左京区
10570
367 号
八瀬花尻町
休日
12,929
489
13,418 14,798
575
15,373
注)昼間 12 時間とは、午前 7 時~午後 7 時の 12 時間である。
出典:「平成 22 年度道路交通センサス 一般交通量調査」
(平成 23 年度、国土交通省)
休日
・
平日
- 15 -
昼間 12
時間大
型車混
入率(%)
10.7
3.6
2.2.6 施設状況
(1) 保育園・幼稚園・学校等
事業計画地周辺における保育所、学校等の位置は、表 2-13のとおりである。
事業計画地に近い施設として、北北東約2kmに倉橋昼間里親、京都市立 大原小学校、大原中学校
が位置している。
②
③①
表 2-13 事業計画地周辺の学校等
分類
番号
名称
保育所
①
倉橋昼間里親
小学校
②
京都市立 大原小学校(大原学院)
中学校
③
京都市立 大原中学校(大原学院)
出典:「京都市情報館」
(京都市ホームページ)
⑨⑦
⑩
(2) 病院、福祉施設
事業計画地周辺の病院、福祉施設の分布状況は表 2-14のとおりである。
事業計画地内に当病院(京都大原記念病院)、高齢者介護施設「大原ホーム」、「博寿苑」、「グル
ープホーム やすらぎの家」がある。また、事業計画地の北側約800mに高齢者介護施設「おおはら
⑧
雅の郷」
、高齢者住宅施設「ケアハウス やまびこ」が位置している。
⑥⑤
④
表 2-14 事業計画地周辺の病院、福祉施設
分類
番号
病院
④
京都大原記念病院(当病院)
⑤
大原ホーム
⑥
博寿苑
⑦
おおはら雅の郷
⑧
グループホーム やすらぎの家
⑨
ケアハウスやまびこ
高齢者介護施設
高齢者住宅施設
名称
京都府
京都市
滋賀県
大津市
出典:「会員一覧」
(京都私立病院協会ホームページ)
「京都市情報館」
(京都市ホームページ)
「サービス施設一覧」
(京都大原記念病院グループホームページ)
(3) 文化施設
事業計画地周辺の文化施設の分布状況は表 2-15のとおりである。
事業計画地周辺には美術館として、北北西約800m に小松均美術館が位置している。
図 2-4 施設状況図
表 2-15 事業計画地周辺の文化施設
分類
番号
美術館
⑩
名称
凡
例
小松均美術館
:事業計画地
出典:「京都市情報館」
(京都市ホームページ)
- 16 -
0km
0.5km
1km
S = 1 / 25,000
2km
(4) 上下水道の整備の状況
京都市における上水道の普及状況は表 2-16、下水道の整備状況は表 2-17のとおりで
ある。
平成24年度末における京都市の上水道普及率は99.8%であり、京都府の99.6%を上回
っている。また、京都市の下水道普及率は99%である。事業計画地についても上水道、
下水道が整備されている。
表 2-16 京都市の上水道普及状況
管内人口(人)
給水人口(人)
普及率(%)
京都府
2,621,887
2,612,551
99.6
京都市
1,468,649
1,465,932
99.8
出典:「平成24年度版
京都府統計書」
(平成26年、京都府)
表 2-17 京都市の下水道整備状況
計画人口
処理人口
水洗便所
(千人)
(千人)
取付戸数(戸)
京都府
2,405.7
2,387.8
901,856
92
京都市
1,379.2
1,411.8
542,896
99
注)普及率=処理人口/行政人口
出典:「平成24年度版 京都府統計書」
(平成26年、京都府)
2.2.7 文化財
事業計画地には埋蔵文化財はない。
- 17 -
普及率(%)
2.2.8 景観
京都市では、良好な景観の形成のため、表 2-18のとおり、市域の約54%を景観計画区域
に指定している。このうち、事業計画地は、風致地区の「大原特別修景地域」に指定されて
いる。施設計画においては、
「建築物等のデザイン基準」
(美観地区 美観形成地区 建造物修
景地区)
(平成23年4月 京都市都市計画局)に配慮し景観検討を進める必要がある。
表 2-18 景観計画区域
区域の名称
面積(ha)
風致地区
自
然
・
歴
史
的
景
観
市
街
地
景
観
約17,938
歴史的風土保存区域
約8,513
歴史的風土特別保存地区
約2,861
自然風景保全地区
約25,780
特別緑地保全地区(近郊緑地特別保全地区を含む。
)
約238
近郊緑地保全区域
約3,333
景観地区(美観地区及び美観形成地区)
約3,431
建造物修景地区
約8,581
伝統的建造物群保存地区
約15
眺望景観保全地域
約41,851
注)場所によっては、複数の区域、地区が重複して指定されている場合がある。
出典:「京都市景観計画」
(平成23年4月、京都市)
- 18 -
2.2.9 環境の概要
(1) 温室効果ガス
京都市の平成22 年度における温室効果ガス総排出量は、661万トン-CO2 となり、基準
年度(1990(平成2)年度)の総排出量779万トン-CO2 から118万トン-CO2、15.1%減少し
ている。2011(平成23)年度は、東日本大震災の影響による原子力発電依存の低下によ
り、757万トン-CO2 となり、基準年度から22 万トン-CO2、2.8%の減少に留まっている。
図 2-5 温室効果ガスの種類別排出状況
出典:「2011(平成23)年度の温室効果ガス排出量について」
(平成25年7月、京都市広報資料)
(2) 大気質
京都府内の大気汚染の常時監視について、事業計画地周辺では、左京(一般環境大気
測定局)で測定を行っている。測定局の測定状況は表 2-19のとおりである。
表 2-19 測定局の測定状況
平成26年3月5日現在
測定項目
測定区分
測定局名
一般環境大気測定局
左京
所在地
左京区総合庁舎 2 階
浮
遊
粒
子
状
物
質
窒
素
酸
化
物
光
化
学
オ
キ
シ
ダ
ン
ト
〇
〇
〇
(左京区松ヶ崎堂ノ上町 7 の 2)
注)表中の「〇」は、その測定局の測定対象項目であることを表す。
出典:「京都府内の大気汚染常時監視測定局の所在地及び主な測定項目一覧」(京都府大気常時
監視のホームページ)
- 19 -
a) 浮遊粒子状物質
事業計画地周辺においては、左京で浮遊粒子状物質の測定を行っている。浮遊粒子状
物質の測定結果は表 2-20のとおりである。
表 2-20 浮遊粒子状物質(SPM)測定結果(25 年度)
環境基準の
長期的評価
有効
測定
による
測定
時間
日平均値が
測定局
日数
0.10mg/m3を
超えた日数
日
時間
mg/m3
時間
%
日
%
mg/m3
mg/m3
有×無○
日
左京
364
8694
0.016
0
0.0
0
0.0
0.105
0.049
○
0
3
注)「環境基準の長期的評価による日平均値が0.10mg/m を超えた日数」とは、日平均値の高い方から2%の範囲の
日平均値を除外した後の日平均値のうち0.10mg/m3を超えた日数。ただし、日平均値が0.10mg/m3を超えた日が2
日以上連続した延べ日数のうち2%除外該当日に入っている日数分については除外しない。
出典:「平成25年度大気汚染の長期的評価による環境基準達成状況等」
(京都府ホームページ)
1 時間値が
年
0.20mg/m3を
平均値 超えた時間数
とその割合
日平均値が
日平均値が
日平均 0.10mg/m3を
3
0.10mg/m を 1 時間値
値の2% 超えた日が2
超えた日数 の最高値
除外値 日以上連続し
とその割合
たことの有無
b) 窒素酸化物
事業計画地周辺において、左京で窒素酸化物の測定を行っている。二酸化窒素、窒素
酸化物の測定結果は表 2-21、表 2-22のとおりである。
表 2-21 二酸化窒素(NO2)測定結果(25 年度)
1 時間値が 1 時間値が
日平均値が
98%値評価
日平均値が
1時間値 0.2ppmを 0.1ppm以上
0.04ppm以上 日平均値
による
測定 年平
0.06ppmを
の
超えた時間 0.2ppm以下
0.06ppm以下
の
日平均値が
時間 均値
超えた日数と
最高値 数とその の時間数と
の日数と
98%値
0.06ppmを
その割合
割合
その割合
その割合
超えた日数
日
時間 ppm
ppm
時間
% 時間
%
日
%
日
%
ppm
日
左京 363 8647 0.009 0.048
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0
0.0
0.021
0
注)「98%値評価による日平均値が0.06ppm を超えた日数」とは、1年間の日平均値のうち低い方から98%の範囲
にあって、かつ、0.06ppmを超えた日数。
出典:「平成25年度大気汚染の長期的評価による環境基準達成状況等」
(京都府ホームページ)
有効
測定
測定局
日数
表 2-22 窒素酸化物(NOx)測定結果(25 年度)
1時間値の
日平均値の
NO2 / (NO+NO2)
最高値
年間98%
の比率
ppm
ppm
ppm
%
左京
0.011
0.146
0.029
86.1
出典:「平成25年度大気汚染の長期的評価による環境基準達成状況等」
(京都府ホームページ)
測定局
年平均値
- 20 -
c) 光化学オキシダント
事業計画地周辺において、左京で光化学オキシダントの測定を行っている。光化学オ
キシダントの測定結果は表2-23 のとおりである。
表 2-23 光化学オキシダント測定結果(25 年度)
昼間
測定
日数
昼間
測定
時間
昼間の
1時間値の
年平均値
昼間の1時間値が
昼間の1時間値が
昼間の 昼間の日最高
0.06ppmを超えた
0.12ppm以上の
1 時間値
1時間値の
日数と時間数
日数と時間数
の最高値
年平均値
測定局
時間数と
日数と
その割合
その割合
日
時間
ppm
日
時間
ppm
ppm
時間
%
日
%
左京
365
5405
0.035
93
461
8.5
0
0.0
0
0.109
0.050
注)昼間とは5時から20時までの時間帯。昼間の1時間値は6時から20時までの測定値。
出典:「平成25年度大気汚染の長期的評価による環境基準達成状況等」
(京都府ホームページ)
- 21 -
(3) 水質
事業計画地の傍を流れる高野川において、最も近い水質測定地点である「三宅橋」の
公共用水域水質測定結果については、表 2-24のとおりである
表 2-24 平成 24 年度公共用水域及び地下水の水質測定結果(三宅橋)
出典:「平成24年度 公共用水域及び地下水の水質測定結果」
(京都市ホームページ)
- 22 -
(4) 騒音・振動
自動車騒音に関しては、京都市内の国道,府道及び市道の主要道路40地点で騒音調査
を実施し,その調査結果に基づき81評価区間について環境基準の達成状況の把握を行っ
ている。
平成24年度は,評価区間内の住居等の戸数52,747戸のうち,47,441戸(89.9%)で昼
間(午前6時から午後10時)及び夜間(午後10時から翌日の午前6時)とも環境基準を達
成しており,2,105戸(4.0%)で昼夜間とも環境基準を超過している。
また、道路交通振動に関しては、自動車騒音調査の測定地点と同地点で道路交通振動
の調査を実施しており、平成24年度は全ての調査地点で要請限度以下であり,超過率0%
を維持している。
出典:「京都市情報館」
(京都市ホームページ)
(5) 土壌環境
京都市内における土壌中のダイオキシン類の調査結果は表 2-25のとおりである。
表 2-25 土壌中のダイオキシン類調査結果(平成 20 年度 京都市)
項目(単位)
地点数
ダイオキシン類濃度
平均値
濃度範囲
環境基準
土壌
14
2.2
0.21 ~ 6.2
1,000
(pg-TEQ/g)
出典:「京都市におけるダイオキシン類調査結果(平成20年)について」
(平成21年7月、京都市)
- 23 -
2.3 関係法令等
2.3.1 法令で定められている必要事項
(1) 都市計画に係るもの
事業計画地は、都市計画法に基づく市街化調整区域内にあたる。
京都市風致地区条例に基づく特別修景地域(大原特別修景地域)を含む風致地区(風
致1種、風致2種)に指定されてる。
風致特別【大原】
図 2-6 景観保全地区(京都市ホームページより)
(2) 建築等に係るもの
a) 建ぺい率、容積率
表 2-26 適応される建ぺい率及び容積率の限度
法令
建ぺい率
容積率
建築基準法
60%
100%
京都市
20%~30%
-
風致地区条例
(約27%)
注)京都市風致地区条例に基づく建ぺい率(約27%)は、事業計画地全体から求め
た値(風致1種:20%以下、風致2種:30%以下)
。
b) 建物高さ
建物高さ:10m(風致1種区域、風致2種区域)
c) その他
防火規制(建築基準法第22条の規定に基づく区域)
、宅地造成工事規制区域
- 24 -
(3) 景観等に係るもの
a) 京都市景観計画
大原特別修景地域での建築物は、原則として日本瓦ぶき真壁意匠とし、屋根形状や壁
の色彩等にきめ細やかな配慮を行い、道路側には生垣、植栽帯等を設けることとしてい
る。
b) 眺望景観の保全
京都市では、京都市眺望景観創生条例に基づき38 箇所の優れた眺望景観や借景を眺
望景観保全地域を指定し、またその眺めの特性に応じて8 つの類型に分類し、標高規制
による建物等の高さ規制、形態・意匠・色彩等について基準を定め、京都の良好な眺望
景観の保全を図っている。
事業計画地
図 2-7 眺望景観保全地域指定概要図(京都市ホームページより)
- 25 -
表 2-27 「京都の景観」より
また、眺望景観保全地域は、それぞれの規制の内容に応じて、さらに3 つの区域に分類さ
れている。事業計画地においては、「遠景デザイン保全区域」に該当し、「円通寺 庭園から
の眺め」の対象となっている。
表 2-28 「京都の景観」より
区域名
眺望空間保全区域
近景デザイン保全区域
遠景デザイン保全区域
概要
視点場から視対象への眺望を遮らないよう、たてもの等が越えてはならない標高を
定める区域
視点場から視認される建物等が、優れた眺望景観を阻害しないよう、形態・意匠・
色彩についての基準を定める区域
視点場から視認される建物等が、優れた眺望景観を阻害しないよう、外壁、屋根等
の色彩について基準を定める区域(近景デザイン保全区域除く。
)
図 2-8 「京都の景観」より
- 26 -
事業計画地は、
「大原特別修景地域」の指定を受けており、
「屋外広告物規制地域」となっ
ている。※京都市内で屋外広告物の規制がない区域はない。
■屋外広告物規制地域
計画地内は以下の分類が該当する。
・ 一般地域 第1種地域
・ 屋外広告物禁止地域(計画地内の河川,水路が該当する。)
図 2-9 屋外広告物規制地域図(京都市ホームページより)
- 27 -
(4) 京都市地球温暖化対策条例
a) 条例で定める特定建築物(延べ面積 2000m2 以上)の新築等を行う場合
・ 建築物排出量削減指針に基づき「建築物排出量削減計画書(CASBEE 京都-新築)」の
提出(第36条)
・ 地域産木材の利用及び届出(第40条)
・ 特定建築物又はその敷地に再生可能エネルギー利用設備の設置及び設置届の提出(第
41条)
・ 特定建築物の新築等の工事期間中、建築物環境配慮性能の表示(第46条)および届出
(第47 条)
b) 緑化重点地区内の敷地面積 1000m2 以上の建築物の新築等を行う場合
・ 緑化計画書の提出(第50条)
(5) エネルギーの使用の合理化に関する法律に基づく義務規定
・ 床面積の合計が2,000m2以上の建築物の新築(第一種特定建築物)の場合に定期報告を
届出後3年毎に行う
(6) 京都市駐車場条例に係るもの
事業計画地は駐車場整備地区に該当しないが、京都市駐車場条例により、一定規模以
上の建築物を新築、増築又は用途変更等をする場合に該当するため、その建築物内又は
建築敷地内に決められた台数以上の駐車施設を設置基準に従って付置することが義務
付けられている。
- 28 -
2.3.2 地球温暖化
「京都市地球温暖化対策条例」
(平成22年10月12日公布)では、市域からの温室効果ガス
排出量を平成2(1990)年度比で、平成42年度(2030)までに40%削減、平成32年度(2020)
までに25%削減するという目標が掲げられている。
2.3.3 大気質
(1) 環境基準及び京都市環境保全基準
大気質の環境基準及び京都市環境保全基準(平成24年3月30日、京都市告示第459号)
は表 2-29のとおりである。
表 2-29 環境基準及び京都市環境保全基準
二酸化窒素
(NO2)
1時間値の1 日平
1時間値の1 日平
均値が0.04ppmか
均値が0.04ppm以
ら0.06ppmまでの
環境基準 下であり、かつ、
ゾーン内、または
1時間値が0.1ppm
それ以下である
以下であること。
こと。
1 時間値の1日平
京都市 1時間値の1 日平 均値が0.02ppm以
環境保全 均値が0.02ppm以 下、当分の間の基
基準
下であること。
準は0.04ppm以下
であること。
項目
二酸化硫黄
(SO2)
浮遊粒子状物質
(SPM)
1 時間値の1 日平
均値が0.10μg/m3
以下であり、か
つ、1時間値が
0.2μg/m3以下であ
ること。
一酸化炭素
光化学オキシダント
(CO)
(Ox)
1時間値の1日平
均値が10ppm 以
下であり、かつ、 1時間値が0.06ppm 以
1時間値の8 時間 下であること。
平均値が20ppm
以下であること。
環境基準と同じ
1時間値の1 日平
均値が5ppm 以下 環境基準と同じ
であること。
2.3.4 騒音
(1) 環境基準
京都市環境保全基準において、騒音の環境基準は表 2-30のとおりである。
事業計画地は,市街化調整区域であり基準は適用されない。
表 2-30 京都市騒音環境保全基準
地域の類型
時間の区分
昼間(6時から22時)
夜間(22時から6時)
A及びB
55dB以下
45dB以下
C
60dB以下
50dB以下
注)地域の類型は,次のとおりとし,その該当地域は,騒音に係る環境基準の類型指定(平成21
年3月30日付け京都市告示第519号)によるものとする。
A :専ら住居の用に供される地域(第1種低層住居専用地域,第2種低層住居専用地域,第
1種中高層住居専用地域及び第2種中高層住居専用地域)
B :主として住居の用に供される地域(第1種住居地域,第2種住居地域及び準住居地域)
C :相当数の住居と併せて商業,工業等の用に供される地域(近隣商業地域,商業地域,準
工業地域,工業地域)
- 29 -
(2) 規制基準
a) 工場、事業場の規制基準(騒音規制法)
騒音規制法において、騒音の規制基準値は表 2-31のとおりである。
事業計画地は,市街化調整区域であり基準は適用されない。
表 2-31 工場、事業場の騒音の規制基準
昼間
地域の区分
第1種区域
第2種区域
第3種区域
第4種区域
(8:00 ~ 18:00)
45
50(45)
65(60)
70(65)
朝・夕
( 6:00 ~ 8:00
18:00 ~ 22:00)
40
45(40)
55(50)
60(55)
夜間
(22:00 ~
6:00)
40
40
50(45)
55(50)
1 学校、保育所、病院、図書館、養護老人ホーム等の敷地の周囲50mの区域内においては、( )内の数
値です。
2 区域の区分は次のとおりです。
第1種区域:第1種低層住居専用地域,第2種低層住居専用地域
第2種区域:第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域,第2種住居
地域及び準住居地域
第3種区域:近隣商業地域,商業地域,準工業地域
第4種区域:工業地域
3 基準値は、工場・事業場の敷地境界線の値です。なお、騒音規制法及び京都府環境を守り育てる条例
(騒音)とも同じ基準値です。
b) 特定建設作業騒音(騒音規制法)
計画地は市街化調整区域であり,騒音規制法の特定建設作業騒音の規制地域に該当し
ない。
2.3.5 振動
(1) 規制基準
a) 工場、事業場の規制基準(振動規制法)
京都市において、振動の規制基準値は表 2-32のとおりである。
事業計画地は,市街化調整区域であり基準は適用されない。
表 2-32 工場、事業所の振動の規制基準
地域の区分
第1種区域
第2種区域
昼間
(8:00 ~ 19:00)
60(55)
65(60)
夜間
(19:00 ~ 8:00)
55
60(55)
1 学校、保育所、病院、図書館、養護老人ホーム等の敷地の周囲50mの区域内においては、( )内の数
値です。
2 区域の区分は次のとおりです。
第1種区域:第1種低層住居専用地域,第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2
種中高層住居専用地域、第1種住居地域,第2種住居地域及び準住居地域
第2種区域:近隣商業地域,商業地域,準工業地域、工業地域
3 基準値は、工場・事業場の敷地境界線の値です。なお、振動規制法及び京都府環境を守り育てる条例
(振動)とも同じ基準値です。
- 30 -
b) 特定建設作業振動(振動規制法)
計画地は市街化調整区域であり,振動規制法の特定建設作業振動の規制地域に該当し
ない。
2.3.6 土壌汚染
計画地内において、土地の形質の変更を行う面積が3,000m2以上となる予定であることから、
「土壌汚染対策法」
(平成14 年 法律第53 号)に基づく届出を行う必要がある。
2.3.7 自然環境の保全に係るもの
京都市環境保全基準(平成26年3月20日、京都市告示第546号)において、市街地に係るも
のについて「緑被率を37%にすること」とある。それ以外の地域については「豊かな緑を保
全すること」とある。
- 31 -
3. 複数案の検討・評価
3.1 複数案の選定
複数案の選定についての経緯については、図 3-1のフロー図に示すとおりである。
選定した複数案については、現在の病院施設の隣地に建替を行う場合の2案(A案・B案)
とし、検討を行った。
目的:病院棟の建替
理由:施設老朽化(築 33 年)、機能更新、現在の病院施設基準との乖離、耐震改修
の必要性
除外したその他の建替案
・現病院施設隣地での建替
・他地区への移転
(除外した理由)
入院・通院患者の移動及び転院の負担
他施設(博寿苑、大原ホーム)との連携不可
大原地域唯一の医療機関の損失
地域コミュニティへの協力体制の減少
・現病院施設位置での建替
(除外した理由)
病院機能の一時停止
入院・通院患者の一時移動及び転院の負担
建築条件(風致地区)
建蔽率
:約 27%(事業計画地内の上限)
高さ制限
:10m(2 階建)
デザイン
:勾配屋根
その他
:①最大建築面積 約 15,000m2
(=敷地面積 約 55,000m2×約 27%)
②残存建物の建築面積 約 6,300m2
③最大許容建築面積
約 8,700m2(=①-②)
建築場所
現在の病院施設の隣地
建物形状
現在と同じ2階建、勾配屋根のデザイン
病床数
203床(現在の病院施設と同じ病床数)
選定する複数案
A案
施設規模
B案
必要最低限の規模
許容最大規模(建蔽率の上限)
想定建築面積:約 6,400m2
想定建築面積:約 8,700m2
※療養環境の向上、リハビリ施設の充実を
目的とした規模増加
図 3-1 複数案選定の経緯
- 32 -
3.2 複数案の概要
A案
B案
【A案の概要・規模制限型】
【B案の概要・規模増加型】
1.病床数・施設用途・従業員数・駐車台数は現状のままとし、現行の基準※を満たす新病院施設
1.病床数・施設用途・従業員数・駐車台数は現状のままとし、現行の基準※を満たす新病院施設
として建替を行う。施設については、必要最低限にとどめた大きさとする。
として建替を行う。施設については、療養環境の向上及びリハビリ施設の充実を目的とした、
2.新病院施設の規模を制限したものとすることで、景観に配慮する。
建蔽率の許容限度まで規模を増加させた大きさとする。
3.新病院施設の建物の大きさを制限することで、新病院施設の供用後に撤去される現病院施設の
2.病室を含む各室内空間を大きくとれる施設となるため、動線を含む作業効率が良好となる。
跡地部分の緑化面積を確保する。
3.新病院施設の供用後に撤去される現病院施設の跡地部分は、可能な限り緑化する。
4.新病院施設を建設後に現病院施設から病院機能の移設及び入院・通院患者の受入を行う。
4.新病院施設の建設は、現病院施設に重ならない部分を建設し、現病院施設を撤去した後に現病
院施設に重なる部分を建設する。なお、新病院施設の建設状況に合わせ、病院機能の維持及び
※ 現行の「第四次医療法改正(平成13年3月)
」に基づく施設基準は巻末資料
入院・通院患者への影響に配慮しながら、新病院施設への切り替えを進める。
※ 現行の「第四次医療法改正(平成13年3月)
」に基づく施設基準は巻末資料
B案
A案
駐車場
駐車場
博寿苑
大原ホーム
緑化
エリア
博寿苑
大原ホーム
高
野
川
新病院
施設
高
野
川
新病院
施設
緑化
エリア
凡例
凡例
:計画予定地
0m
100m
:計画予定地
200m
0m
100m
<新病院施設> 想定建築面積:約8,700m2
建物形状
:2階建、勾配屋根のデザイン
病床数
:203床
<既存施設>
既存建築面積:約6,300m2(博寿苑、大原ホーム)
建物形状
:2階建
<新病院施設> 想定建築面積:約6,400m2
建物形状
:2階建、勾配屋根のデザイン
病床数
:203床
<既存施設>
既存建築面積:約6,300m2(博寿苑、大原ホーム)
建物形状
:2階建
- 33 -
200m
3.3 環境影響要因及び環境要素関連表
計画において、環境に影響を及ぼすと思われる環境要素を下表のとおり選定し、選定理由
は備考に記載した。
表 3-1 環境影響要因及び環境要素関連表
影響要因
環境要素
工事中
大気質
●
騒音・低周波音
●
振動
●
存在
供用
工事中の建設機械の稼働及び運搬に伴う窒素酸化物
等の発生が考えられる
建設機械の稼働及び運搬に伴う騒音の発生が考えら
れる
大気環境
建設機械の稼働及び運搬に伴う振動の発生が考えら
れる
悪臭を発生するような行為はない
悪臭
汚水は雑排水と共に公共用下水道に放流するため、
水質
水環境
公共用水域の水質を汚濁する恐れはない
水底の底質に影響を与えるおそれはない
水底の底質
地下水の水質及び
水位
掘削工事に伴う水替排水により、水位に影響を与え
●
る可能性がある
地形・地質に変化を及ぼすような行為はない
地形及び地質
土壌環境
自然環境
地盤
●
土壌
●
掘削・盛土により地盤の変形が考えられる
基礎工事による掘削・盛土に伴い、土壌の搬出入の
可能性がある
動物
動物相に影響を及ぼすような行為はない
植物
植物相に影響を及ぼすような行為はない
生態系
○
景観
○
人と自然との触れ
快適環境
敷地内の緑化、植栽計画により、生物多様性の観点
から生態系の保全に寄与する。
建物建築により景観が変化する
人と自然との触れ合いの活動の場の創出による良い
○
合いの活動の場
影響が考えられる
周知の埋蔵文化財包蔵地に影響を与えるおそれはな
文化財
い(埋蔵文化財保全区域内に建物計画はない)
廃棄物
廃棄物等
○
地球環境
温室効果ガス等
●
都市環境
備考
建築物の構築に伴う廃棄物及び残土等の発生が考え
られる
○
工事時及び供用後に各種エネルギーの使用により
CO2 が発生する
風害
風害・電波障害・日照阻害に影響を及ぼすような行
電波障害
為はない
日照阻害
○:重大な影響を受けるおそれがある環境要素で、比較・評価対象とするもの
●:影響を受けるおそれがあるものの、いずれの案であっても差がない環境要素
- 34 -
3.4 環境影響要素選定理由
■「生態系」の選定理由
事業の実施により,生態系の価値向上につながることが想定されるため。
■「景観」の選定理由
計画建物は病院施設であって、大規模な建物となることから、景観へ配慮する必要が
あるため。
■「人と自然との触れ合いの活動の場」の選定理由
病院施設周囲の緑化部分において、人と自然との触れ合いの活動の場が創出されるこ
とが期待されるため。
■「廃棄物等」の選定理由
建設工事における廃棄物及び残土等の発生が考えられるため。
■「温室効果ガス等」の選定理由
計画建物は病院施設であって、京都市地球温暖化対策条例の要件に該当する大規模な
建物となることから、温室効果ガス等へ配慮する必要があるため。
- 35 -
3.5 現状と予測
【生態系】
現状
予測
・計画地には病院施設(建物、駐車場)
、裸地、田畑及び山林部が含まれている。
・新病院施設建設後に、現在の病院施設を撤去し、跡地を緑地整備する。植樹については、地域性
・現在、建替建物を含む改変予定箇所の用途については、駐車場、裸地及び田畑となっており、山林部
種苗を積極的に検討することで周辺の生態系との調和に配慮することができると考える。
は含まれていない。
A案:新病院施設の規模を制限することにより、緑地面積を大きく設けることができる。
B案:新病院施設の規模を増加させることにより、緑地面積が小さくなる。
改変予定エリア
A案イメージ
②
駐車場
①
新病院
施設
現病院施設
緑地整備エリア
凡例
:計画予定地
0m
100m
200m
B案イメージ
凡例
:計画予定地
①東側より
0m
100m
200m
駐車場
②北西より
新病院
施設
緑地整備エリア
凡例
:計画予定地
- 36 -
0m
100m
200m
【景観 1/2】
景観地点
現状(地点①の眺望)
近隣の道路を利用する人が事業計画地の建物を見渡せる地点として、以下の2地点を景観の代表地点に
事業計画地に接する道路からの景観であ
選定した
り、現在の病院施設建物が周囲の植樹と
・地点①:事業計画地に接する道路であり、病院施設の利用者や近辺を散策する人が通行する道路上か
現状(地点①)
共に正面奥に見える景観である。
らの景観となる。
・地点②:地域の主要幹線道路(国道367号)であり、地域の生活、観光等に係る自動車及び歩行者の利
用が多い道路上からの景観となる。
予測(地点①の眺望)
・地点①からは、現在の病院施設の跡地が緑地として整備される計画であることから、景観に配慮
地点②
したものになると考えられる。
A案:
地点①では、目前に病院施設が見えるよ
現病院施設
A案イメージ(地点①)
うになり、正面奥の現在の病院施設建物
の跡地は緑地となる。
地点①
国道 367 号
B案:
地点①では、A案と同様に現在よりも目
凡例
:計画予定地
0m
100m
前に病院施設が見えるようになり、正面
200m
奥の現在の病院施設建物の跡地は緑地と
なるが、緑地面積はA案よりも小さくな
る。
- 37 -
B案イメージ(地点①)
【景観 2/2】
予測(地点②の眺望)
現状(地点②の眺望)
・地点②からは、現在の病院施設建物よりも手前側に新病院施設の屋根が見えるようになるが、景
主要幹線道路(国道367号)からの景観であり、現在の病院施設の建物の屋根が樹木の間から部分的に見下
観としては現在とほとんど変わらないと考えられる。
ろされる景観である。
A案:
地点②では、現在
現状(地点②)
A案イメージ(地点②)
とほとんど変 化
はない。
B案:
地点②では、現在
とほとんど変 化
はない。
- 38 -
B案イメージ(地点②)
【人と自然との触れ合いの活動の場】
現状
予測
・計画地の傍を流れる高野川の西側沿いの道は、
「大原の里・春の花マップ」に「桜並木の道」として紹
・新病院施設が桜並木側に建設されるが、既存の北側の施設(博寿苑、大原ホーム)と類似した連
介されており、春の季節の観光スポットになっている。
続性のあるデザインで圧迫感を軽減することで、周辺の景観に配慮することができると考える。
・また、計画地西側には、
「古民家」
、
「水車」等がある和風庭園のエリアが存在し、風光明媚な眺めであ
・現病院施設の跡地を緑地整備することで、隣接する和風庭園との連続性をもった調和のとれた人
る。
と自然との触れ合いの活動の場となると考える。
A案:新病院施設の規模を制限することにより、緑地面積が大きくなり、隣接する和風庭園を
含めた広がりのある人と自然との触れ合いの活動の場が創出されると考える。
桜並木の道
B案:新病院施設の規模を増加させることにより、緑地面積が小さくなることから、隣接する
和風庭園を含めた空間が小さくなる。
A案イメージ
桜並木の道
②
和風庭園
駐車場
博寿苑
大原ホーム
①
和風庭園
現病院施設
新病院
施設
緑地整備エリア
凡例
:計画予定地
0m
100m
200m
凡例
:計画予定地
0m
100m
B案イメージ
200m
桜並木の道
①南側より
②北東側より
駐車場
博寿園
大原ホーム
和風庭園
新病院
施設
緑地整備エリア
凡例
:計画予定地
- 39 -
0m
100m
200m
【廃棄物等】
現状
予測
・現在の病院施設から定常的に発生する廃棄物は、事務室、病室から排出される紙くず、繊維くずなど
・新病院施設建設においては、建物建築による廃棄物及び残土等が極力排出されないように計画し、
の事業系一般廃棄物、医療活動に伴って生ずる廃棄物である。
排出された廃棄物についても適切に分別し、リサイクル資材として有効活用するよう配慮する。
・現病院施設の解体においては、分別解体を実施し、リサイクル資材として有効活用するように配
慮する。現病院施設の解体による廃棄物は、A案及びB案に差はない。
A案:新病院施設の規模を制限することにより、建設時に発生する廃棄物及び残土も抑えられ
ると考えられる。
B案:新病院施設の規模を増加させることにより、建設時に発生する廃棄物及び残土がA案よ
りも増加すると考えられる。
A案イメージ
博寿苑
大原ホーム
高
野
川
駐車場
博寿苑
大原ホーム
現病院施設
高
野
川
新病院
施設
掘削面積
約 6,400m2
凡例
:計画予定地
0m
100m
200m
B案イメージ
凡例
:計画予定地
0m
100m
200m
駐車場
博寿苑
大原ホーム
高
野
川
新病院
施設
掘削面積
約 8,700m2
凡例
:計画予定地
- 40 -
0m
100m
200m
【温室効果ガス等】
現状
予測
・現在の病院施設においては、医療設備、空調設備及び照明設備等の使用に電気を用いている。
・新病院施設においては、現在の病院施設よりも建物が大きくなるものの、現行の建築基準にも適
合した建物となり、断熱性・密閉性が向上し、さらに照明等への省電力の設備や積極的なパッシ
ブデザインの導入を検討することから、温室効果ガス等について配慮することができると考える。
A案:新病院施設の規模を制限することにより、電力等を要する空間が最小限となることから、
温室効果ガス等の排出抑制に寄与できると考えられる。
B案:新病院施設の規模を増加させることにより、電力等を要する空間がA案よりも大きくな
ることから、温室効果ガス等の排出量がA案より多くなると考えられる。
A案イメージ
博寿苑
大原ホーム
高
野
川
駐車場
博寿苑
大原ホーム
現病院施設
高
野
川
新病院
施設
凡例
:計画予定地
0m
100m
200m
100m
200m
B案イメージ
凡例
:計画予定地
0m
100m
200m
駐車場
博寿苑
大原ホーム
高
野
川
新病院
施設
凡例
:計画予定地
- 41 -
0m
3.6 評価結果のとりまとめ
評価
A案
B案
(規模制限型) (規模増加型)
生態系
(存在)
○
△
景観
(存在)
△
△
人と自然との
触れ合いの
活動の場
(存在)
○
△
廃棄物等
(工事)
○
△
温室効果
ガス等
(供用)
○
△
評価理由
A・B案いずれの案においても新たな緑地の創出につ
ながる。
A案:緑地面積を大きく設けることができ生物多様性
の観点から生態系の保全に寄与できると考えられる。
B案:緑地面積が小さくなるため、A案よりも生態系
の保全への寄与が小さいと考えられる。
A・B案いずれの案においても各予測地点からの景観
はほとんど変わらないと考えられる。
A・B案いずれの案においても、新たな病院施設が建
設されるが、一方で現病院施設の跡地に設ける緑地に
よる新たな触れ合いの活動の場の創出が期待できる。
A案:緑地面積を大きく設けることができ、周囲の触
れ合いの活動の場を含めた広がりのある場が創出さ
れると考えられる。
B案:緑地面積が小さくなり、周囲の触れ合いの活動
の場を含めた広がりも小さくなると考えられる。
A・B案いずれの案においても、工事による廃棄物が
発生するが、極力排出されないように計画し、排出さ
れた廃棄物についても適切に分類し、リサイクル資材
として有効活用することで環境に配慮する。
A案:建設時に発生する廃棄物及び残土も抑えられ、
環境負荷の低減につながると考えられる。
B案:建設時に発生する廃棄物及び残土がA案よりも
増加すると考えられる。
解体時に発生する廃棄物については、A案・B案に差
はない。
A・B案いずれの案においても、現在よりも建物が大
きくなるものの、断熱性・密閉性が向上し、さらに照
明においても省電力の設備の導入を行うことから、温
室効果ガス等に配慮したものになると考えられる。
A案:電力等を要する空間が最小限となることから、
温室効果ガス等の排出抑制に寄与できると考えられ
る
B案:電力等を要する空間がA案よりも大きくなるこ
とから、温室効果ガス等の排出量がA案より多くなる
と考えられる。
3.7 総合評価
景観を除き、生態系、人と自然との触れ合いの活動の場、廃棄物等、温室効果ガス等の全
てにおいてA案が優れている結果となった。
よって、A案に基づき事業計画を進めることとする。
- 42 -
3.8 計画段階環境配慮の検討結果
本計画にかかわる環境配慮方針及び内容は、以下に示すとおりである。
(1) 建設工事面での配慮
・ 環境に配慮し、排ガス対策型建設機械や低騒音型建設機器を積極的に使用する。
・ 工事車両はアイドリングストップ、エコドライブに努める。
・ 残土の敷地内埋戻し等の実施や建設廃棄物の分別の徹底、再資源化の促進等を実施す
る。
・ 仮囲いは、景観に配慮した色彩とする。
(2) 省エネルギー等環境への配慮
・ 太陽光発電等、自然エネルギーの有効利用を積極的に検討し環境負荷の低減に努める。
・ 廃棄物については、分別・減量に努め、処理業者への委託処分により適切に処理を行
い、環境保全に努める。
・ 地域産木材やリサイクル建材など環境負荷の少ない材料の採用を検討する。
・ 建物の断熱性の向上及び自然採光の利用等により、エネルギー効率の向上に努める。
・ 積極的な緑化に努め、生物多様性に配慮する。
・ 植樹は、地域性種苗の採用を積極的に検討し周辺の生態系との調和に配慮する。
(3) 景観への配慮
・ 建物の外観等の配慮により、景観の保全に努める。
・ 圧迫感を軽減するため、外壁が一面とならないような措置を検討する。
・ 事業計画地内の建物の周囲には、生物多様性や景観に配慮し、地域性種苗や既存樹木
との統一感を考慮した緑化に努める。
- 43 -
巻末資料
第四次医療法改正(2001(平成13)年3月)による施設基準の改定
改正前
病室定員
一般
病床
療養
病床
1室5人以上可
1室5人以上可
4.3m /床以上
6.4m2/床以上
片側居室1.2m以上
片側居室1.8m以上
両側居室1.6m以上
両側居室2.1m以上
病室定員
1室5人以上可
1室4人以下
病室面積
4.3m2/床以上
6.4m2/床以上
片側居室1.2m以上
片側居室1.8m以上
両側居室1.6m以上
両側居室2.7m以上
病室面積
廊下幅
廊下幅
2
改正後