AI紹介

平成26年度大学院
Webインテリジェンス論
やまぐち たかひら
山口 高平
居室:慶應義塾大学矢上キャンパス 14-506
内線:42673
電話:045-566-1614
FAX; 045-566-1617
メール:[email protected]
Web: www.yamaguti.comp.ae.keio.ac.jp
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授業内容と授業計画,講義資料,成績評価
授業内容
人工知能(AI)に関する基礎を学んだ後、AIとインターネットを融合した「セマンティックWebとオント
ロジー、リンクドデータ」について学ぶ。また、ゲストスピーカを招いて、AIの研究開発とビジネスに
ついて学ぶ。
授業計画
①4/08 ガイダンス,人工知能の歴史
②4/15 エキスパートシステム
③4/22 知識獲得
4/29祝日、5/6振替休日、5/13休講(学会出張)
④5/13 BRMS(レポート1)
⑤5/20 知識モデリングとオントロジー
⑥5/27 セマンティックWeb概論
⑦5/28 RDF/RDFS/OWL
⑧6/03 オントロジー開発プロセス
⑨6/10 オントロジーエディター Protégé
⑩6/17 オントロジー開発演習(レポート2)
⑪6/24 LOD
⑫7/01 LOD演習 (レポート3)
⑬7/08 ゲストスピーカ1 (Google)
⑭7/15 ゲストスピーカ2 (AGI)
講義資料:pdf(or ppt)資料をWebに掲載 www.yamaguti.comp.ae.keio.ac.jp
成績:レポート3回程度で評価
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AIの歴史
1956年夏 ダートマス会議(チェス、定理証明)
探索、推論
1960年~ 第一次AIブーム(単なる期待、Toy Problem)
1970年~ 冬の時代(機械翻訳無理!基礎研究は継続)
1980年~ 第2次AIブーム(知識の時代、
国プロ、産業化、AIベンチャー)
1995年~ 再び冬の時代へ(基礎研究は継続):
インターネット、クラウドサービスの時代へ
2010年~ 第3次AIブーム(確かな期待へ?、
IT企業(IBM, Google, Appleなど)がAIに注力)
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AIの現状
①コンピュータの高速化
②記憶装置の大容量化
③ネットワーク広帯域化
④ソフトウェアのオープン(無料)化
に支えられ,
AI要素技術(探索,推論,学習,知識)は進歩
2010年~ 第3次AIブーム?
AI要素技術の進化と統合(周辺関連技術含む)
による 特化された,でも強力なAI の登場
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ナレッジナビゲータ
(アップル社の唯一のコンセプトビデオ.1987年)
英語
http://www.youtube.com/watch?v=dyFpu0P4Wek
英語(日本語字幕) http://pantani.cocolognifty.com/wannabe/2008/08/iphone_6_knowle_9799
.html
日本語吹替 http://www.youtube.com/
watch?v=yc8omdv-tBU&feature=related
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Weak AI vs. Strong AI
• Weak AI:特定問題解決のみ人に迫り超えるAI
• AGI(Artificial General Intelligence, 汎用人工知能)
• Strong AI:意識が宿り、人類の全知全能を超えるAI
シンギュラリティ(未来科学者レイ・カーツワイル氏
は2045年頃までに実現可能と予想)
• ジョニー・デップ主演 SF映画「トランセンデンス」
http://transcendence.jp/
探索型AI・計測型AI・知識型AI
2014/4/8
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① 探索型AI
人とAIが競争し、共創に至る
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AIがプロに迫る&超える
10
120
1997 AIチェス
Deep Blue
10 220
2012.1 第1回電王戦
故米長元名人vs.
ボンクラーズ
10
360
2012.2
AI囲碁 Zen
囲碁はまだまだ!
※巨大数の例
観測可能な宇宙(800億の銀河)の水素原子数 約1080
RSA公開暗号鍵サイズ 1024bit 21000= (210)100=10300
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2012年1月
第1回電王戦 一手目
故米長元名人
vs.
ボンクラーズ
故米長名人
ボンクラーズは50000棋譜以上から
機械学習で強くなった 。
だから、知らない手が有効なはず
9
第1回電王戦 中盤
午後:故米長元名人が
一つのミス
ボンクラーズ
攻撃開始!
午前:ボンクラーズは困惑 ?
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第1回電王戦 終局
敗者
記者
会見
勝者
ボンクラーズは、
常に、私のミスを待っていた。
ミスをした途端、攻めてきて、
大変なプレッシャーを感じた。
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2013年3~4月
第2回電王戦
チーム戦(プロ 1勝3敗1分 コンピュータ)
2014年3~4月
第3回電王戦
チーム戦(プロ 1勝3敗 コンピュータ)
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(2) 計測型AI
AIと製造業
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掃除(計画)
無人運転(パターン認識)
2012年 ネバダ州免許
2013年 カリフォルニア州免許
NHK クローズアップ現代(2013.11)
グーグルと自動運転(アスキークラウド)
http://ascii.jp/elem/000/000/855/855663/
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SHRDLU (Winograd ‘70)
• 代名詞や名詞群の意味を会話の文脈によって決定で
きる
• ELIZAは特定の単語を記憶しているにすぎないのに対し、
SHRDLUは文章全体を保存
• 積み木という非常に限られた世界において,
対話と動作の融合を実現
– 照応解析,過去の行動に関する情報,仮想的な世界
における動作へ展開
• Pick up a big red block
• Find a block which is taller
than the one you are holding
and put it into the box
• What does the box contain?
• How many blocks are not in the box?
SHRDLUの積み木の世界
インテリジェンス・ダイナミクス
• 作りこまない知能
– ロボットが環境とのインタラクションを通して自己を発達さ
せる
• 認知・発達機能をロボットで実現することで,人間の知能を
解明しようとする【認知発達ロボティクス】と共通したアプローチ
– 動作を作りこむのではなく,発達することによって人間を
惹きつける
• 人型ロボットQRIOによる実験
• RNNPB (Recurrent Neural Network with Parametric Bias)
– 人間が教示したベルとボールの取り扱いを学習
– 実世界のノイズや不安定性にも関わらず,安定してベル
を鳴らしたり,ボールを動かせるようになる
– 明に示した動作だけでなく,中間的な動作の発現
知能ロボット
アシモ
Bigdog -> Cheetah
(移動型ロボット:運動能力)
アイボ
パロ
(ペット型ロボット:癒し)
http://paro.jp/?page_id=247
http://www.youtube.com/watch?v=W1czBcnX1Ww
パペロ
石黒教授
ジェミニ
(アンドロイドロボット:見た目)
ifbot
ワカマル
NAO
コミュニケーションロボット
http://www.youtube.com/watch?v=QMEXBWJDUMk
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オントロジーロボット
日本語
ウィキペディア
オントロジー
ロボット
動作
オントロジー
ロボット
キネマティクス
オントロジー
言葉と動作の連係
マルチロボット連携
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オントロジー人型ロボットNAO
と子供達・シニア
QA
体操教示
動画1分
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慶応ロボットカフェ
(異機能ロボット連携)
動画4分
対話して(注文)、作って、
運んで、 また対話して、また運ぶ。
(QA)
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(3) 知識型AI
AIと情報サービス
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1966年 ELIZA
• 入力された文章にあるパターンが含まれているか調べ反応
• 会話を理解しているように見せかける,はぐらかす
– ELIZAとの対話における「意味」は,人間から与えられるか用意された
限られた数の反応のどちらか
• 事前に用意された定型的な表現の中から応答
• 俺にはみんなが俺を笑っていることはわかっていたんだ
→ 特に誰のことを考えていますか?
• キーワードが見つからない場合 → なぜそう思うのですか?
• これらの対話は非常に限定された局面でしか通用しない
– 精神病の治療面接
• 対話において、話し手の一方が、実際の世界について
殆ど何も知らないというポーズをとっても構わない数少ない例の1つ
http://www.simsimi.com/talk.htm
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1980年代 AIブーム(知識工学)
HPP:Heuristics Programming Project
完全ではないがたいていの場合うまくいく知識や方法
※MYCINプロジェクト(1973~1976)
MYCIN,TEIRESIAS,GUIDN,EMYCIN
◎知識表現、知識利用、知識獲得→知識工学
There is power in the knowledge ! (1977)
by Prof. E. Feigenbaum
1980年代→知識の時代へ
エキスパートシステム,自然言語・画像・音声理解
システム,知的教育支援システム,...
国家プロジェクト,AIハード・ソフトベンダー
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エキスパートシステム
説明
機能
知識
ベース
推論
エンジン
知識
獲得
作業
領域
ユーザ
対話
I/F
(専門家)
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1990年代:知識獲得ボトルネック
知識(ルール)
→ESが専門家代行という過大な期待.
知識ベース開発のための知識獲得は大変だ!
通産省:第5世代コンピュータ(1982-1994)の失敗?
→推論マシンに特化しすぎ.知識が余りにも不十分.
1990年代: 大規模知識ベース,大規模辞書プロジェクト
CYC, EDR, WordNet(フリーなので現在も広く使われる)
でも,あまり変化しない静的知識だけ.現実には動的知識が
多い.使えないなぁ.AIブームは完全にさめて下火へ
ES→①オントロジー基盤AI統合へ
②業務SWとしては、BRMSとして復活
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2011年 QA Challenge ! IBM Watson
・IBM Deep Question Answering Project
(ジョパディで,ワトソンがチャンピオンに挑戦して勝利)
Open-Domain Question Answering
PIQUANTから時代が進み,技術が成熟、マシンパワーが拡大
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IBM Watsonの概要
★大規模知識の獲得(100万冊,2億ページ)
百科事典、辞書、シソーラス、ニュース記事、著作物などを情報源。
自動的にコーパスを拡大。
★徹底した質問文解析:LAT(Lexical Answer Type)と重要語抽出
★突出した一つのAI技術ではなく,言語理解,情報検索,不確実性推論,仮説生成,
仮説統合とランキング、機械学習,知識表現(オントロジー),構造化データなど,
100以上の従来AI技術(20年前の技術もある)の集大成
★精度、確信度、速度を考慮したAIインテグレーション
★計算力:並列計算による計算パワー
★汎用性:Jeopardy Challengeに特化していない。TREC QAにも適用して成功。
★展開性: 医療、金融、行政、マーケティングにも適用可能
NHKサイエンスZERO
①プロジェクト開始: 3.5分 4:02-7:40
②ワトソン誕生:3.5分 7:40-11:15
②ワトソン思考回路:3分 11:15-14:15
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東大ロボットプロジェクト
2021年東大入試合格を目指して
http://21robot.org/
2014/4/8
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東ロボくん 全国センター模試成績表(抜粋)
受験番号
126-5001D
科目
満点
全国
氏名
平均点
東ロボくん
本人得点
本人
偏差値
英語
200
88.3
52
41
国語(現文+古文)
150
72.2
62
45.9
国語(現代文)
100
51.5
42
44.7
数学Ⅰ・数学A
100
52
57
51.9
数学Ⅱ・数学B
100
47.6
41
47.2
世界史B
100
46.6
58
55.2
日本史B
100
45.6
56
56.1
物理Ⅰ
100
42
39
48.3
総合7科目コース
900
459.5
387
45
文系3教科偏差値
47.7
理系3教科偏差値
46.2
※「総合7科目」においては、現代文の特典を倍にして「国語」の得点とした。
東ロボくんが合格できる大学はあるか
東ロボくんの「全国センター模試」成績による合格判定結果
大学数
全大学・学部数
合格可能性
国立大学
165大学
566学部
1大学
私立大学
579大学 1670学部
403大学 814学部
合計
744大学 2236学部
404大学 816学部
80%以上の大学
2学部
合格可能性80%以上の私立大学の内訳
センター利用入試
353大学
715学部
一般入試
324大学
602学部
合計
403大学
814学部
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人工知能+インターネット
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Big Picture for Semantic Web (2001)
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http://www.semanticweb.org/about.html#bigpicture
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RDFモデルによるLinked Open Data(LOD)
• LOD規模:5億トリプル(2007)
⇒2011年9月時点で310億トリプルに増加
メディア
DBpedia
Wikipediaから構造化されたデー
タを抽出、RDF形式で提供
行政
地理
・データ自体がリンクしている
・情報の公開、共有が容易になる
出版
生命科学
・第三者によるサービス開発の促進に繋がる
情報流通基盤として期待が集まる
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