スイスにおける ファミリーオフィスビジネスと PBの動向について 2014年10月10日(金) 一般社団法人 金融財政事情研究会 NACRE代表取締役社長 鈴木 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 桂 1 目次 1. 日本の資産家と海外の資産家の違い 「週刊金融財事情」2014年8月4日寄稿(添付) 2. 最近の活動の紹介 3. NACRE 社の概要と活動実績(添付・会社概要) 4. ファミリーオフィスとPBとの違い 5. 最近のスイスのPB、ファミリーオフィスの取り巻く環境 6. 日本ではなぜPBやファミリーオフイスビジネスが 成功しないのか。 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 2 1. 日本の資産家と海外の資産家の違い 「週刊金融財事情」2014年8月4日寄稿(添付) ~国家権力と資産家 ~ファミリーオフィスとは何か ~資産承継サービスの変化 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 3 2. 最近の自分自身の活動 日本では、ファミリーオフィスの啓蒙 ~講演、イベント、金融教育、執筆(寄稿・出版) ~Forum for Family Office (www.ffo-global.com) ‘Enjoy life’, ‘Children are our future’ ~次世代支援 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 4 2. 最近の自分自身の活動 スイスでは、 1)日本のパートナー達との仕事(スイス及び主に欧州の受け皿) 2)ファミリーオフィス関連業者との仕事 PB, 資産運用会社、ファンド会社、会計事務所、税理士事務所、 弁護士事務所、金融商品提供者、不動産業者、教育機関、関係 各庁当局、他のファミリーオフィス、PE提供者など ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 5 3)お客様へのアドバイス ~上場企業オーナー次世代の資産継承の為のファミリーオフィス 設立 ~ファミリーオフィス教育の一環として世界各地のファミリーオフィ ス関連の出張業務・活動・勉強に同行 4)ファミリーオフィスについての勉強、執筆 ~ファミリーオフィスフォーラム、イベント、講座などへの参加 ~アンチマネーロンダリング法の業者用資格取得 ~スイス及び世界各地のファミリーオフィスのファミリー、アドバイ ザー達とのお付き合い 5)ボランティア活動 ~Care Team Japan (www.careteamjapan.com) ~若者支援 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 6 3. NACRE 社の概要と活動実績 ~会社概要に詳細(添付) ~主に日本における上場・非上場企業のオーナー・ファミリーの資 産保全 (現在、上場会社・非上場会社、約2000億円を管理させていただい ております。) ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 7 4. ファミリーオフィスとPBとの違い ~ファミリーオフィスとは一体、何か? 「家族の財産を管理し、保護する正式な組織」 ファミリーオフィスは、複雑な資産、特に巨大な富裕層ファミ リーの資産が、永久的に監視され管理されるよう確実に取り 計らう。 ~ファミリーオフィスの大切なサービス 資産運用 会計 相続対策と税務 ファミリーの問題の処理 次世代教育 社会貢献 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 8 スイスのファミリーオフィス (Finews.Ch 2014年2月26日の記事) ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 9 概論 リスク・マネジメント 不動産 法律相談 税金 芸術作品収集 ファミリーオフィス ファミリー ヘルスケア 投資&資産運用 事務管理 会計 資産管理者 ファミリーオフィス設立 資料 :University of Zurich, Swiss Banking Institute, Prof. Dr. T. Cocca HSBC Guyerzeller ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 10 4. ファミリーオフィスとPBとの違い(1) ~独立性、中立性 ~コンプライアンスのレベル(詳細は、P17-19で説明) ~ファミリーオフィスが頭角を現している時代 (多角化、国際化、主人公化、組織化、ネットワーク化、提携、M &A、ソフト分野(ファミリーのゴール・管理・コンフリクト)の盛んな 研究、継承した世代の活発な新しいビジネス、新しい社会企業の 成長、様々なFOのビジネスモデルの発展) ~金庫(銀行の本来の機能・銀行免許を持ち、活動する為の制 限やコスト)をPBに外注すれば、PBより自由な活動ができるの がFO ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 11 4. ファミリーオフィスとPBとの違い(2) ~PBは本来、インフラとRMの2つの要素がキー。 インフラは外注可能、クライアント個人に合うRMがキー。インフラ をうまく外注または効率化できる規模で、良いRMを抱えているP Bは成功している。 ~また多くの独立AMと機関投資家として付き合っているPBも成 功している。 ~老舗のPBの形では、PBはもはや存在できない。(→P14) (PBの金庫番化、形骸化、投資銀行化、超富裕層のみへのサー ビス化、超巨大化-もはやPrivateではない!) ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 12 5、最近のスイスのPB、ファミリーオフィスの取り巻く環境 5.1. PB受難時代の背景と再編の行方は? 背景: ~規制強化による、コンプライアンスの費用が嵩む ~銀行秘密から透明化 ~今までのビジネスモデルから新しいサービスを模索中 再編: ~今までのやり方のPBは受難時代、AMに変わりつつある、AM と一緒のFOが盛ん ~PBからAMへ、売却、清算 ~FOが新しいPBへ ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 13 5、最近のスイスのPB、ファミリーオフィスの取り巻く環境 5.1. PB受難時代の背景と再編の行方は? これから成功するPBは、独立AMをフル活用した ~カストディアンサービスのプラットフォーム ~動きの速いペーパーワーク ~財政的に強固なバックグラウンド ~効率的な費用をオファー RMの居る所は、RMの質 AMの質 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 14 5、最近のスイスのPB、ファミリーオフィスの取り巻く環境 5.2.米当局の規制強化への対応 ※米国からプレッシャーを受けたPBがどのような活動をしているか。 ~アメリカとのビジネスを一切しない ~アメリカのPBのスイス支店が活動 ~アメリカ人のみ対象の銀行部門、専門会社が活動 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 15 5.最近のスイスのPB、ファミリーオフィスの取り巻く環境 5.3.欧州のPBの現状 5.4.欧州のPBの今後の見通しと可能性 1)コンプライアンスのチャレンジ 国際的なマネーロンダリング規制への対応など 2)サービスのチャレンジ ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 16 5.最近のスイスのPB、ファミリーオフィスの取り巻く環境 5.3.欧州のPBの現状 ~ここ数年の欧州のプライベートバンキングの大きな変化 ~今までのプライベートバンクの焦点 ~資産が形成された国における税務申告責任 ~新規制 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 17 5. 最近のスイスのPB、ファミリーオフィスの取り巻く環境 5.3.欧州のPBの現状 ~現在の銀行の責任範囲 1)税務上 2)資産が形成された国の規制 ~OECD情報交換制度 ~PBのゴール ~適切なツール ~銀行からの税務申告書 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 18 5.最近のスイスのPB、ファミリーオフィスの取り巻く環境 5.4.欧州のPBの今後の見通しと可能性 1)コンプライアンスのチャレンジ 国際的なバンキングがより透明度を増すのを確実にする為 の新コンプライアンスルール 欧州 アジア 銀行内の越境規定 ○ ○ White Money ○ △ KYC ○ ○ AML ◎ ◎ ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 19 5.最近のスイスのPB、ファミリーオフィスの取り巻く環境 5.4.欧州のPBの今後の見通しと可能性 1)コンプライアンスのチャレンジ ~OECD諸国の情報交換義務 日本について 将来は? ~米国のプレッシャー スイスの状況 次のターゲット国は? ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 20 5.最近のスイスのPB、ファミリーオフィスの取り巻く環境 5.4.欧州のPBの今後の見通しと可能性 2)サービスのチャレンジ ~リスク分散 ~PBとFO ~寄宿学校 ~移住関係 ~M&A ~ネットワーキング ~イベント ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 21 6. 日本ではなぜPBやファミリーオフイスビジネスが成功しないの か。 ~Privateなサービス、ファミリーに役立つオフィスは、ノーブレス オブリージュの為のサービス。(財産を)持つものが社会に貢献す る為に労力や時間を使う為、任せられる作業は、その人の為、そ のファミリーの為に行われ、それに対する報酬というのが基本的な ビジネスモデル。 ~第2次大戦後、GHQの間接占領政策の結果、日本は全て平等 の意識、持つものは後ろめたさを感じる教育がなされた結果、持 つものは、隠す、という構図になった。 よって、社会に尽くす人たちを支える(間接的な社会貢献という位 置づけの)尊敬されるビジネスという認識が存在しない。 ~日本では金融教育がタブーとなった。 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 22 6. 日本ではなぜPBやファミリーオフイスビジネスが成功しないの か。 ~そのような平等教育をされた人々が、超過密な人口の中で秩序 良く働く為の効率的な仕組みは、巨大な組織の中の年功序列や 肩書きインフレーション、それがサービスの細分化となった。 ~サービスはシステムとして細分化されており、ユニバーサルバン キング制度でないこと ~銀行、保険業などが大蔵省の指導の下に行われた結果、本来 の主人公がクライアント個人ではない世界が出来上がったこと ~本来のサービスはクライアントがしたいことを提供するのが基本 だが、サービスがシステム化され大量の人々に提供するため、PB やファミリーオフィスビジネスのような観念が発展しなかった。 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 23 6. 日本ではなぜPBやファミリーオフイスビジネスが成功しないの か。 ~サービスは無料、トランザクションの手数料が支払の根拠という 商習慣 ~証券会社、生命保険など、商品の会社側の都合によるビジネス の商習慣 ~相続税が高すぎる為に、資産保全は、相続税対策というのが日 本の資産継承と同意義になってしまっている ~財閥解体、相続税制度にもよるが日本に本当のお金持ちが少 ない事実 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 24 日本のPB: ~クライアントとの利益相反 ~銀行のローテーション制度(銀行の担当者は、あくまでも まず銀行員であり、番頭ではない) ~投資顧問のFee体系(資産の%)が一般的ではないので Feeの源泉を金融商品を売る体系 ~相続税対策 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 25 日本のファミリーオフィス: ハードなサービス(金融業務の垣根や税法の為、限界があ る) 資産運用 会計 相続対策と税務 ソフトなサービス(日本にシステムとしてはまだ存在しない) ファミリーの問題の処理 次世代教育 社会貢献 ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 26 Q&A ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 27 有難うございました! 更なるご質問または連絡先は下記までお問い合わせください。 NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG Beethovenstrasse 47, 8002 Zurich, Switzerland 株式会社日本APセンター 東京都千代田区飯田橋1-5-5 IWOビル5階 鈴木 桂 Email: [email protected] Tel: +41 78 739 3917 (Switzerland) Tel: +81 90 5549 6679 (Japan) www.nacre-gap.com ©NACRE Global Asset Protection (Switzerland) AG 28
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