技術レポート NoT1321. 2014.2.26 [技術紹介] 技術紹介] ゼオライト ‐ 固体 29Si NMR による構造解析 による構造解析 概要 固体核磁気共鳴法(固体 NMR)は、固体試料を非破壊でそのまま測定でき、材料の化学構造や分子の運 動性を解析することが可能です。ここでは、固体 29Si NMR によるゼオライト構造の解析事例を紹介します。 分析事例の紹介 ゼオライトは、骨格中に細孔を有する結晶性アルミノケイ酸塩であり、吸着材や各種触媒として幅広く利用 されています。TO4(T=Si または Al)を基本単位とした四面体構造で、その機能を解析する際には、骨格の Si/Al 比が重要となります。 骨格の Si/Al 比を解析できるのは、固体 29Si NMR だけです。 図 1 に X 型ゼオライトの固体 29Si NMR スペクトル及び波形分離スペクトルを示します。NMR は局所構造の 違いを反映するため、Si と隣接する Al の個数 n(n = 0~4)によってピーク位置がシフトします。 H Si 3 ≡Al O H3Si ≡Al O Si O O H3Si H Si 3 ≡Al O SiH 3 Si≡ H3Si ≡Al ≡Al O H3Si ≡Si O Si O SiH 3 Si≡ O H3Si ≡Al O Si O O H Si 3 ≡Al O SiH 3 Al≡ H3Si ≡Al H3Si ≡Al O H3Si ≡Si Si O SiH 3 Si≡ O H3Si ≡Si H Si 3 ≡Si O ピーク面積強度比より 骨格 Si/Al 比を算出可能 H3Si ≡Si O Si O O SiH 3 Si≡ H3Si ≡Si -60 -70 -80 -90 -100 -110 -120 ppm 【図 1】 X 型ゼオライトの 29Si MAS NMR スペクトル(黒)と波形分離スペクトル(赤) (MAS:マジック角回転) 骨格 Si/Al 比(ゼオライト骨格へ導入されている Si 量)と ICP-AES 等の組成分析値の比較より、骨格の脱 アルミニウム、及びシラノール(SiOH)基の状態を評価することも可能です。 適用分野:ゼオライト、その他無機製品 材料キーワード:ゼオライト、アルミノケイ酸塩 株式会社 東ソー分析センター 南陽事業部 TEL 0834-63-9819 FAX 0834-63-9940 1/1
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