名古屋大学における起業支援 - 学術研究・産学官連携推進本部

平成27年度 文部科学省
事業化支援制度説明会
名古屋大学における起業支援
平成26年11月18日
名古屋大学 学術研究・産学官連携推進本部
知財・技術移転グループ
グループリーダー 後藤 吉正
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1. 名古屋大学の体制:学術研究・産学官連携推進本部
研究支援部門と産学連携部門を統合し、
基礎研究から産学連携までを一貫した体制で推進
知財・技術移転グループ
・知的財産の創出支援・権利取得
・技術移転 :知財権のライセンス・譲渡
・大学発ベンチャー起業支援
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名古屋大学での起業支援
2つの取り組み
1.起業支援
ベンチャーの起業・事業化により、本学シーズの社会還元を促進
2.起業活動の活性化
各種イベント、ワークショップにより、起業家を育成・創出
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2.起業支援
前提:ベンチャーキャピタル(VC)との協働が必要
起業支援に必要な機能は多岐にわたる。
技術育成、知財戦略の立案、事業計画の策定、資金調達など
↓
「大学」と「VC」が補完的に機能することで支援が実現
ベンチャー起業までの流れと我々の役割
我々の役割1:協働の実現
我々の役割2:協働の加速
VCの評価
技術
創出
知財
事業プラン
育成
戦略立案
権利確保
立案・検討
大学フェーズ
提案
・技術評価
・市場性評価
・思いの共有
など
起業化の協働
・知財ライセンス
・利益相反マネジメント
・ビジネスプラン
・チームビルディングなど
起業
・資本政策
・資金調達
大学・VC 協働フェーズ
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2.1.留意すべきポイント
大学フェーズ
大学・VC 協働フェーズ
VCの評価
技術
創出
知財
事業プラン
育成
戦略立案
権利確保
立案・検討
提案
①
・技術評価
・市場性評価
・思いの共有
など
②
起業化の協働
・知財ライセンス
・利益相反マネジメント
③
・ビジネスプラン
・チームビルディングなど
・資本政策
・資金調達
ポイント①:大学フェーズから協働フェーズへの移行
ポイント②:VC選び、信頼関係の構築
ポイント③:利益相反マネジメント
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2.2.ポイント①の課題と具体的支援
ポイント①:大学フェーズから協働フェーズへの移行
大学フェーズ
大学・VC 協働フェーズ
VCの評価
創出
技術
知財
事業プラン
育成
戦略立案
技術
知財
事業プラン
権利確保
提案
①
・技術評価
・市場性評価
・思いの共有
など
・知財ライセンス
・利益相反マネジメント
・ビジネスプラン
・チームビルディングなど
立案・検討
課題:
ギャップ
起業化の協働
・資本政策
・資金調達
大学シーズレベルとVCの要求のギャップ
望ましいレベル
支援内容
○コンセプトを検証済み(例:試作品開発等)
○競争的資金の獲得支援による研究推進
○コア・周辺技術の特許がある
○他者知財との関係をクリア
○知財戦略の立案
○特許出願、権利確保
○成立可能性調査、侵害調査
○VCの視点に沿ったプラン
・「5年程度で株式上場、M&Aを目指す」
・「ターゲット市場は100億以上」
・「3年で数十億の売上」など
(注:VCで見解は異なる)
○市場調査
○ビジネスプランの立案
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2.2.ポイント②の課題と具体的支援
ポイント②:VCえらびと、信頼関係の構築
大学フェーズ
大学・VC 協働フェーズ
VCの評価
技術
創出
知財
育成
戦略立案
事業プラン
権利確保
立案・検討
・技術評価
・市場性評価
・思いの共有
など
提案
起業化の協働
・知財ライセンス
・利益相反マネジメント
・ビジネスプラン
・チームビルディングなど
・資本政策
・資金調達
②
課題:研究者には不案内な領域、単独での遂行は困難
課題の具体例
支援内容
○VCとのコネクションがない
○ネットワークを活用したVCとの引合せ
○選ぶ基準がわからない
○必要な能力を研究者と検討の上、VCとの引合せ
VCにより特色があり、適切なVCと組むことが肝要。
例:バイオに強い、アーリなシーズから支援する
○不安がある
「信頼がおける相手なのか?」
「将来、不利益が起こるのでは?」
○大学発ベンチャー育成に実績ある、信頼できるVCとの引合せ
○常に研究者と伴走、信用や金銭的な不利益が起こらないよう
にモニタリング
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2.2.ポイント③の課題と具体的支援
ポイント③:利益相反マネジメント
大学フェーズ
大学・VC 協働フェーズ
VCの評価
技術
創出
知財
事業プラン
育成
戦略立案
権利確保
提案
・技術評価
・市場性評価
・思いの共有
など
起業化の協働
・知財ライセンス
・利益相反マネジメント
③
・ビジネスプラン
・チームビルディングなど
立案・検討
・資本政策
・資金調達
課題:大学の公共性を維持しつつビジネスに携わる、適切な関わり方をする必要性
-利益相反ゼロを目指すものではない。
・目的・役割が異なる大学とベンチャーの両方に関わるため、
利益相反がゼロになることはあり得ない。
・大学:教育、研究、公共性
・ベンチャー:ビジネス、収益
-利益相反をきちんとマネジメントするという考え方
・教員・大学の社会的信頼を毀損しない
支援内容:
各ケースにおける問題点の洗い出し、
適切なマネージメントを可能にするコンサルティング
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3.起業支援の事例
支援対象:工学研究科
グリーンモビリティ連携研究センター
シーズ:無機過電流保護素子
大学フェーズ
小橋眞 教授
石田順彦 教授
大学・VC 協働フェーズ
START申請支援・獲得
VCの評価
技術
創出
知財
事業プラン
育成
戦略立案
権利確保
提案
立案・検討
・先行特許調査
・目標権利の設定等
・特許出願
・権利化対応
・技術評価
・市場性評価
・思いの共有
など
起業化の協働
・知財ライセンス
・利益相反マネジメント
・ビジネスプラン
・チームビルディングなど
・資本政策
・資金調達
・ビジネスプランの精錬
・起業家候補の探索 等
事業化に向け、つくばテクノロジーシード、
中部テクノロジーシードと協働
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3.起業支援の事例
支援対象:工学研究科
シーズ:水浄化技術
教授
大学フェーズ
JST A-STEP起業挑戦タイプ
申請支援・獲得
技術
創出
知財
事業プラン
育成
戦略立案
権利確保
協働フェーズへの移行を目指す。
立案・検討
・散逸知財の集約
・成立性調査
・特許出願
・権利化対応
・市場調査、ターゲット市場の検討
・事業化スケジュールの検討
・企業パートナーシップの最適化
など
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本学の起業支援の実績
名古屋大学発ベンチャー企業
1999年度
(株)J-TEC
2000年度
(株)スナップショット
(株)アイチ・マイクロ・インテリジェント
(株)エミットジャパン
2001年度
(有)バイオコントロール研究所
(株)プロテウスサイエンス株式会社
2003年度
(株)M-easy
(株)NUエコ・エンジニアリング
(株)クロモリサーチ
(株)ストレックス
(有)バイオステーション
(有)ユビグラフ
2004年度
(株)名古屋先進量子医療研究所
(株)エヌ工房
(株)メジェップ
(有)スタジオ・インフィニティ
(株)エムバイオテック
2005年度
(有)ファイン・バイオメディカル
(株)Cyber Surg&Medical
(株)Oncomics
(株)NUシステム株式会社
2006年度
NPO法人 東海ネット医療フォーラム
(株)セラノスティック研究所
(株)ジェイアーム
(株)ドクターアクア
2007年度
(株)アイ・エヌ・アイ
2008年度
(株)最新レーザ技術研究センター
(株)ヘルスケアシステムズ
2009年度
一般社団法人
2010年度
株式会社
株式会社
SKM
H
2011年度
株式会社
S
2012年度
M
GEOASIA
有限責任事業組合
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4.起業活動の活性化
各種セミナー、ワークショップ等を企画・開催
-起業マインドの醸成、
-起業・事業化についての知識・スキルを習得する機会を提供
具体例1.大学発ベンチャースタートアップ研修会
-概要:国内外の起業家、VC、公認会計士などによるレクチャー
不定期開催
-対象:学内外の学生、研究者、社会人
-テーマ例:ビジネスプランの作成法
知的財産
ベンチャーのファイナンス戦略
マーケティング
プレゼンテーション
-実績:のべ200人以上が参加
参加者が起業するケースも
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超高速 仮説検証で事業立上げ
ビジネスモデル構築プログラム
参加者募集中
研究成果の事業化に関心がある研究者、技術移転担当者にお勧め
今注目の事業立上げ理論
「顧客開発モデル」と「リーンスタートアップ」を実践的に学びます
-目的:顧客不在のリスクを低減し、成功確率を上げる
・ビジネスプランのほとんどは思い込み、「よい研究成果、製品なので売れる」は誤解
-アプローチ:最初の顧客(アーリーアダプター)へ、安く・早くたどり着く
・迅速に仮説検証できるリーンスタートアップ手法を活用
-実績:民間企業、政府機関等でも活用
・シリコンバレーを中心に全米で定番化。米 国立科学財団の研究成果の事業化プログラムにも採用。
・スタンフォード大学、UCバークレーでは起業家教育として活用。
全4回のカリキュラム
第1回
第2回
第3回
第4回
1月17日(土)
9時-18時 @IMYホール
2月14日(土)
9時-18時 @名古屋大学 理農館
3月 1日(日) 13時-18時 同上
3月14日(土) 13時-18時 同上
募集人数:24名程度
詳細・参加申し込みは下記URL
http://www.aip.nagoya-u.ac.jp/extramural/event/detail/0001796.html
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名古屋大学
学術研究・産学官連携推進本部
知財・技術移転グループ
Phone: 052-788-6003
e-mail: [email protected]
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