竹久夢二と乙女のハイカラらいふ展

ハイカラらいふ 展
竹久夢二美術館
✦Point2 元祖ワーキング・ウーマン 職業婦人
展覧会の見どころ
乙女に向けた夢二デザインと華やかな女性文化
✦Point1 ごきげんよう!女学生らいふ
大正期における「女学生」は高等女学校に学ぶ、12~17 歳くらい
の少女たちでした。尋常小学校を卒業後、高等女学校に進学できるのは、
優秀で経済的にも恵まれた良家の子女に限られていたため、袴に短靴や
ブーツを履いた女学生スタイルは、乙女の憧れでした。長い髪をすっき
りと結い上げた“束髪”や、三つ編みに大きなリボンをつけたヘアスタ
イルも流行し、
「ごきげんよう」
「~遊ばせ」などの“女学生ことば”を
使いこなして、颯爽と歩く女学生たちは世間からも注目されました。
『
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③
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大
正
12
年
女性が登場します。職業婦人とは、教師や医者、事務員、店員、女給、芸能関
係などの職について働く女性のことで、この中には工場で働く女工などは含
まれませんでした。職業婦人に偏見を持つ人々も多くいましたが、制服や洋
装に身を包んで働く女性の姿に乙女たちは憧れました。女学校を卒業後、結
婚するまでの期間に職業婦人として働いても、家事の妨げにならない程度の
労働かつ低賃金で、結婚後は退職して家庭に入ることが一般的でした。
大
正
後
期
⑧
大
正
・
15
年
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夢二の恋人・お葉は、東京美術学校
で評判のモデルで、プロのモデル
として活躍していた。人前で裸に
なることもあったため、当時は偏
見の強い職業だった。
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着物に白エプロン姿が人気だった、
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大正期には“職業婦人”と呼ばれる、職について社会的な活動に従事する
⑦
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カフェーの女給が描かれている。
⑨
劇
場
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案
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明
治
末
~
大
正
初
期
中央に描かれている黒い着物に白エ
プロンを身に付けた女性が案内係。
✦Point3 洋装、断髪、都会の象徴 モダンガール
断髪に洋装で銀座を闊歩する姿で注目される“モダンガール”は、
✦ハイカラらいふ
港屋絵草紙店でお買い物
✦ハイカラらいふ
夢二柄絵封筒で手紙をしたためる
⑤
絵
封
筒
④
千
代
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「
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」
大
正
3
~
4
年
大
正
期
夢二デザインの小間物が並ぶ「港
屋絵草紙店」は、女学生がこぞっ
て訪れる東京名所だった。
✦ハイカラらいふ
手紙が主な通信手段だった頃、おしゃれ
に敏感な乙女たちは、夢二デザインの絵
封筒で大切な人に手紙を送った。
略して“モガ”とも呼ばれ、大正後期に登場し、都市風俗の象徴的な
存在となりました。女の命とも言われた長い黒髪をばっさりと切り、
ワンピースやスカートを着こなす彼女たちは、好奇の目で見られる
ことも頻繁にありました。描き眉毛やつけボクロ、爪にはマニキュア
を施すなどのメイクも取り入れ、まさに流行の最先端を行きました。
流行歌を愉しむ
大
正
7
年
(
6
版
)
⑥
セ
ノ
オ
新
小
唄
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“命短し恋せよ乙女”の歌詞で
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有名な「ゴンドラの唄」は、女
を
てをま
学生の間で大流行した。
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着物スタイリスト・大野らふ氏(アンティーク着物店「poniapon」店主)による、大正~昭和初期の女学生スタイルをイメ
ージしたアンティーク着物(2種類)を特別展示致します。当時
のコーディネートが見どころです!
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正
14
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2
年
1
月
号
夢二はセノオ楽譜の表紙絵を多数
手掛けており、夢二の表紙絵が目
的で収集する少女もいたほどだっ
た。
出品作品
⑪
占
『
婦
人
グ
ラ
フ
』
口
絵
夢二は洋服を着慣れない日
本の女性に向けて、多様なコ
ーディネートを提案した。
約 230 点
⑫瀟洒たる散歩着姿 巴里好みのパルト
『婦人グラフ』大正 15 年 7 月号
“瀟洒(しょうしゃ)”とは、すっきりとあ
か抜けしているさま、俗っぽくなくてしゃ
れているさまのこと。“パルト”とは、フラ
ンス語でゆったりとしたオーバーやマント
を指すが、特に 19 世紀に婦人が着用した身
体にピッタリ合う上着のこと。
展覧会開催にあたって
竹久夢二(1884-1934)の活躍した大正~昭和初期は、女性文
化が花開いた時代です。夢二は雑誌表紙や口絵だけでなく、少
女や女性に向けた詩や読み物から身の周りのデザインまで幅
広く手掛け、当時の乙女たちに趣味のよい暮らしを提案しまし
た。大正 3 年(1914)に夢二が開店した「港屋絵草紙店」は、夢
二デザインの小物を取り揃えられ、おしゃれな女性たちがこぞ
って訪れる東京名所として大変な人気を集めました。
また大正時代は女性たちが社会進出を果たした時代でもあ
ります。夢二の描いた女性像には、束髪に添えた大きなリボン
と袴姿が注目を集めた“女学生”や、着物に白いエプロンを身
に付けたカフェーの女給などの“職業婦人”が登場します。夢
二の恋人・お葉はプロのモデルとして活躍しており、働く女性
のさきがけといえるでしょう。
夢二は大正期、女学生や職業婦人、さらに断髪・洋装スタイル
のモダンガール等、時代を彩った女性たちの姿を幅広く描き、
女性の憧れを誘いました。本展では夢二が残した雑誌口絵、デ
ザイン、書籍装幀、文芸作品等を展観しながら、当時を生きた
女性の暮らしぶりもご紹介します。
た け ひ さ ゆ め
じ
竹久夢二
1884-1934
(明治 17 年昭和 9 年)
9 月 16 日、岡山県生。
も じろう
本名・茂次郎。
早稲田実業学校在学中より雑誌へ投稿
し、明治 38 年末にデビュー。以後コマ
絵や挿絵を数多く発表、またセンチメン
タルな画風の〈夢二式美人画〉を確立し
た。
画壇に属さず、日本の郷愁と西欧のモダ
ニズムを自在に表現した作風で、日本
画・水彩画・油彩画・木版画制作などを
行った。
◆ 開催要項 ◆
◆展覧会名称
みなさま、ごきげんよう!
竹久夢二と乙女のハイカラらいふ展
―女学生、職業婦人、淑女たちの憧れ―
◆主
◆会
◆住
◆T
◆会
◆休
◆開
◆交
◆入
催
場
所
竹久夢二美術館
竹久夢二美術館
〒113-0032
東京都文京区弥生2-4-2
e l 03-5689-0462
期 2015 年 1 月 3 日(土)~3 月 29 日(日)
館 日 月曜日
※ただし 1/12(月・祝)開館、翌 1/13(火)休館
館 時 間 午前 10 時~午後 5 時(入館は 4 時 30 分まで)
通 東京メトロ千代田線〈根津駅〉及び
南北線〈東大前駅〉よりいずれも徒歩7分
JR上野駅 公園口より徒歩20分
館 料 一 般 900円/大・高生 800円/中・小生 400円
※弥生美術館と二館併せてご覧頂けます。
※20 名様以上 100 円割引になります。
◆ホームページ
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp
◆出展作品
日本画・水彩画・版画・スケッチ・書籍など 約230点
学芸員による
ギャラリートーク
1 月 11 日、2 月 8 日、3 月 8 日
(すべて日曜日)
午後 3 時~
☎ 展覧会についてのお問い合わせは・・・
竹久夢二美術館 学芸員 外舘惠子(とだてけいこ)までお願い致します。
Tel
03-5689-0462
Fax03-3812-0699
FAX
竹久夢二美術館
03-3812―0699
と だて
外舘 行
みなさま、ごきげんよう!
竹久夢二と乙女のハイカラらいふ 展
~女学生・職業婦人・淑女たちの憧れ~
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同封のプレスリリースに掲載の図版について、メールに添付して画像データをお送りいたします。
ご希望の場合は、この申し込み用紙に必要事項をご記入の上、FAX 03-3812-0699 までお申し込みください。
また図版の紙焼き及び美術館写真(外観/展示室)や竹久夢二肖像等を必要とされる場合はご一報ください。
読者プレゼント用招待券のご提供について
読者プレゼント用にご招待券(5 組 10 名分)を用意いたします。この用紙にてお申し込みください。
掲載紙(誌)ご送付のお願い
本展に関する記事をご掲載いただきました際には、お手数ですが掲載誌(紙)をお送りくださいますよう
お願い申し上げます。
〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-2 竹久夢二美術館
と だて
担当 外舘