系統アクセスに関するQ&A 平成26年1月 一般社団法人 電力系統利用協議会 <<< 目次 >>> 1.接続検討申込について Q1-1:発電設備の容量によって、連系できる系統が限定されるの ・・・3 ですか。 Q1-2:風力発電の系統連系受付量に制約を設けている一般電気 ・・・4 事業者がありますが、なぜですか? Q1-3:接続供給申込・振替供給申込等の各種手続きについて、 ・・・7 一般電気事業者により必要書類が異なるのはどうしてですか。 Q1-4:太陽光設備を低圧の系統に連系する際に特に注意する点は ・・・7 ありますか。 Q1-5:発電事業者が託送供給に関わる接続検討申込みや契約申込み ・・・7 をすることはできないのですか。 2.接続検討内容について Q2-1:電圧安定化対策として、風力発電機の無効電力制御機能を ・・・8 活用することは可能ですか? 3.接続検討期間について Q3-1:接続検討申込みから契約の締結に至るまで、一般電気事業者 ・・・9 による接続検討が2回ありますが、接続検討を2回行う理由は 何ですか。また接続検討期間は最大6ヶ月(最大3ヶ月×2回) になる可能性があるのですか。 Q3-2: 「接続検討の申込み」とは、具体的にいつの時点になるの ・・11 ですか。 Q3-3:接続検討の所要期間が、一般電気事業者により異なる理由は 何ですか。 -1- ・・11 4.工事費負担金について Q4-1:系統利用する際の工事費負担について、その費用内容および ・・12 配分および最終的な負担者まで転嫁される経路と金額はどのよ うになっているのですか。 5.系統利用の考え方について Q5-1:系統を利用する権利の優先順位について、その考え方について ・・14 のルールまたは法的根拠はありますか。 6.送配電部門の中立性について Q6-1:一般電気事業者の送配電部門の中立性はどのように確保されて ・・18 いるのですか。 7.配電用変圧器のバンク逆潮流について Q7-1:配電用変圧器のバンク逆潮流の対応のためにどのような対策を ・・19 行うのですか。 Q7-2:どのような場合に配電用変圧器のバンク逆潮流が許容されない ・・23 のですか。 8.系統アクセスに関する相談・苦情の窓口について Q8-1:系統アクセスに関して相談や苦情がある場合は、どこに問い 合わせたらよいのですか。 -2- ・・25 1.接続検討申込について Q1-1:発電設備の容量によって、連系できる系統が限定されるのですか。 A1-1:連系の区分については、電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン(資源 エネルギー庁)において規定され、系統連系規程(JEAC9701)において下表のとお り整理されています。ここで、発電設備の一設置者当たりの電力容量とは、発電設 備設置者における契約電力又は系統に連系する発電設備の出力容量のうち、いずれ か大きい方をいいます。 表1-1-1 連系の区分について 連系の区分 低圧配電線 高圧配電線 スポットネットワーク 配電線 ※1 特別高圧電線路 ※2 発電設備の種類 逆変換装置を用いた 発電設備 交流発電設備 逆変換装置を用いた 発電設備,又は交流 発電設備 逆変換装置を用いた 発電設備,又は交流 発電設備 逆変換装置を用いた 発電設備,又は交流 発電設備 一設置者当たりの電力容量 原則として 50kW 未満 逆潮流 ※3有 無 有り・無し 無し ※4 原則として 2,000kW 未満 有り・無し 原則として 10,000kW 未満 無し ※5 原則として 2,000kW 以上 有り・無し (注)※1:スポットネットワーク受電方式で連系する場合。 ※2:35kV 以下の配電線扱いの電線路と連系する場合については,高圧配電線への連系技術要 件に準拠可能(ただし,一設置者当たりの電力容量は原則として 10,000kW 未満とする。)。 ※3:発電設備の系統連系においては、発電設備設置者から系統側へ電力の流出が有る状態(逆 潮流有り)の連系と電力の流出が無い状態(逆潮流無し)の連系がある。逆潮流有りの連系と 逆潮流無しの連系では、供給信頼度、電力品質、保安確保などの各面で系統に及ぼす影響 が異なるため、逆潮流有無により技術要件が区分されている。 ※4:交流発電設備で逆潮流有りの場合は、低圧配電線には連系できないため、高圧配電線への 連系となる。 ※5:スポットネットワーク配電線が適用されている地域においては、逆潮流有りの発電設備を連系し ようとすると、スポットネットワーク配電線には連系できないため、高圧配電線や特別高圧電線 路への連系などが必要となるため、注意が必要。 【出所(一部追記)】系統連系規程(JEAC9701-2010) 低圧配電系統、高圧配電系統及びスポットネットワーク配電系統では、各電圧階級に 応じた契約電力上限値未満の需要家に供給することを前提として標準的設備形成が行 なわれていることから、これに連系する発電設備についても1設置者当たりの電力容量 は、原則として表1-1-1に示す電力容量とする必要があります。ただし、原則を超え る電力容量であっても系統状況、設備実態、需要動向などを考慮した上で、供給信頼度、 電力品質、保安確保などの面で問題が無いと判断される場合には、個別協議により連系 することができます。 -3- Q1-2:風力発電の系統連系受付量に制約を設けている一般電気事業者がありますが、なぜ ですか? A1-2:風力発電については、一般電気事業者が“連系可能量”の目安を算出している場合 があります。平成24年7月までは、 “平成16年7月の新エネルギー部会・風力発 電系統連系対策小委員会の報告”に基づき、エリアを管轄する一般電気事業者が風 力発電の連系可能量を算出していました。表Ⅰ-1は平成24年7月時点の連系可能 量を当協議会が取りまとめ、風力発電連系可能量確認ワーキンググループのなかで 確認したものであり、全国7つのエリアにおいて、当該エリアを管轄する一般電気 事業者が連系可能量の目安を算出しています。 【参考】 留意点:上記連系可能量については平成24年7月以前の指標に基づき算定したも のなので、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別 措置法の施行を踏まえ、見直されている可能性があります 【出所】風力発電連系可能量確認WGとりまとめ報告書(平成24年10月、ESCJ) -4- もっとも、上記の連系可能量の目安は、平成18~20年度にかけて当時の知見及び データを基に一般電気事業者が算出したものであること、及び平成24年7月に施行さ れた電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に基づく 認定発電設備の出力の抑制を考慮する前のものであることからすれば、表Ⅰ-1を 超えて連系できる可能性もあります。 従って、表Ⅰ-1の連系可能量を超える場合が、直ちに“電気事業者による再生 可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則”において電気事業者が接 続を拒否することができる「電気事業者が受け入れることが可能な電気の量を超え た電気の供給を受けることとなることが合理的に見込まれる」場合に該当すること にはならないことに留意が必要です。 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則(平成二十 四年経済産業省令第四十六号)で認めている認定発電設備の出力の抑制について(第六条 三 イ) 第六条 法第五条第一項第三号の経済産業省令で定める正当な理由は、次のとおりとする。 (略) 三 当該特定供給者が当該認定発電設備の出力の抑制に関し次に掲げる事項を当該接続に 係る契約の内容とすることに同意しないこと。 イ 接続請求電気事業者が、次の(1)及び(2)に掲げる措置(以下「回避措置」という。)を講 じたとしてもなお当該接続請求電気事業者の電気の供給量がその需要量を上回ることが 見込まれる場合において、当該特定供給者(太陽光発電設備又は風力発電設備であっ てその出力が五百キロワット以上のものを用いる者に限る。イにおいて同じ。)は、当該接 続請求電気事業者の指示に従い当該認定発電設備の出力の抑制を行うこと(原則として 当該指示が出力の抑制を行う前日までに行われ、かつ、自ら用いる太陽光発電設備及 び風力発電設備の出力も当該特定供給者の認定発電設備の出力と同様に抑制の対象 としている場合に行われるものである場合に限る。)、当該抑制により生じた損害(年間三 十日を超えない範囲内で行われる当該抑制により生じた損害に限る。)の補償を求めな いこと(当該接続請求電気事業者が当該特定供給者に書面により、当該指示を行う前に 当該回避措置を講じたこと、当該回避措置を講じてもなお当該接続請求電気事業者の 電気の供給量がその需要量を上回ると見込んだ合理的な理由及び当該指示が合理的 なものであったことを、当該指示をした後遅滞なく示した場合に限る。)及び当該抑制を 行うために必要な体制の整備を行うこと。 (1)当該接続請求電気事業者が所有する発電設備(太陽光発電設備、風力発電設備、 原子力発電 設備、水力発電設備(揚水式発電設備を除く。)及び地熱発電設備を 除く。以下この(1)において同じ。)及び接続請求電気事業者が調達している電気の 発電設備の出力の抑制(安定供給上支障があると判断される限度まで行われる出力 の抑制をいう。)、並びに水力発電設備(揚水式発電設備に限る。)の揚水運転 (2)当該接続請求電気事業者の電気の供給量がその需要量を上回ることが見込まれ る場合における当該上回ることが見込まれる量の電気の取引の申込み 上記新たな知見やデータ、及び省令を踏まえ、当協議会は一般電気事業者が調達し た風力および太陽光発電(自然変動電源)の出力抑制について事後検証を行ないます。 -5- 風力発電連系可能量確認ワーキンググループについて 経済産業省資源エネルギー庁「次世代送配電システム制度検討会第1ワーキンググループ (WG1)」の報告書(平成23年2月)においては、以下の報告がなされている。 系統連系可能容量の確認(WG1報告書抜粋) 一般電気事業者は、平成16年7月の新エネルギー部会・風力発電系統連系対策小委 員会の報告に基づき風力発電の連系可能容量を算出し、公表することに加えて、実績デ ータ等の分析により連系可能容量の拡大を行ってきたところである。今後は、一般電気事 業者が設定している風力発電の連系可能容量に係る技術的根拠等について専門的な中 立機関において説明責任を果たし、より透明性を高めていくことが重要である。 したがって、専門的な中立機関であるESCJに風力発電の学識経験者や風力発電事業 者なども含めた専門のWGを新たに設置し、一般電気事業者が説明する風力発電の連系 可能容量の制約要因及び設定根拠について合理性を確認し、WG参加者の理解及び納 得性を深めていくことが適当である。また、WGで確認した内容については、報告書としてと りまとめ、ESCJのホームページ等を通じて公表するとともに、ESCJが説明会を開催する等、 広く社会に周知していくことが重要である。 WGの終了後も、風力発電の連系可能容量の再評価等に向け、実績データ等に基づき 定期的(年1回など)にフォローアップを行っていくことが適当である。フォローアップでは、 一般電気事業者は連系可能容量算定に用いたデータについて継続的に収集・分析し、そ の結果を、ESCJで確認、公表することが重要である。あわせて、一般電気事業者において は、実績の分析や実証等を通じた連系可能容量の拡大可能性を検討することが必要であ る。 これを受け、当協議会は、風力発電の連系可能量の根拠についてより透明性を高めるため、 連系可能量を設定している一般電気事業者が、風力発電の連系可能量の考え方や設定根拠に ついて詳細に説明し、風力発電事業者などに対する理解を促進する場として、平成23年11月 から平成24年9月にかけて風力発電連系可能量確認のためのワーキンググループ(風力WG) を設置し、報告書をとりまとめました。なお、当該WGにて確認した連系可能量は、平成18~20 年度にかけて一般電気事業者が設定したものであり、その後、風力発電の連系が一定程度進み 新たなデータも蓄積されております。一般電気事業者は、これまでの蓄積されたデータを踏まえ、 今後連系可能量を見直す場合には風力発電出力変動の季節性を考慮することや、地域偏在リ スクを考慮しないこと等を当該風力WGで表明しております。また、表明した事項に加えて、連系 する風力発電が拡大することによるエリア全体の風力発電変動率の平滑化効果等を適切に考慮 することは、連系可能量をより正確に算出することに対し有効であると考えられます。 今後、当協議会においては、風力発電の連系量拡大による電力品質や連系線への影響を適 切に捉え評価するとともに、風力WGのフォローとして、風力発電の連系可能量の再評価等に向 け、実績データに基づくフォローアップを実施することを検討していきます。具体的には、連系可 能量算定に用いたデータについて継続的に収集分析し、その結果について公表することによっ て、一般電気事業者の主体的な連系可能量の見直しにつなげていきます。 -6- Q1-3:接続供給申込・振替供給申込等の各種手続きについて、一般電気事業者により必要 書類が異なるのはどうしてですか。 A1-3:必要書類については、系統利用者の利便性向上に向け、現在統一化に向けた検討が 進められています。なお、必要書類として要求される事項については、基本的には ESCJルールで規定されておりますが、エリア毎の特殊事情により、異なる場合 もあります。この特殊事情については、系統利用者にご理解いただけるよう、一般 電気事業者は説明することになっております。 Q1-4:太陽光設備を低圧の系統に連系する際に特に注意する点はありますか。 A1-4:連系する系統の電気方式や接地方式については、太陽光設備以外の周辺の電気設備 全体を考慮して決められています。従って、系統連系に際して、申込者側の設備を その系統の電気方式(接地方式を含む)に合わせる必要があります。 特に連系しようとするパワーコンディショナが三相の場合、タイプによっては、 申込者側で絶縁トランスを設置する必要もあるため、パワーコンディショナの選定 には十分留意するとともに、事前に連系する電力会社と十分協議する必要がありま す。 Q1-5:発電事業者が託送供給に関わる接続検討申込みや契約申込みをすることはできない のですか。 A1-5:託送の契約は、新電力(PPS)などの小売事業者と一般電気事業者(送配電部門) が締結するので、接続検討申込みや契約申込みについては、原則小売事業者から一 般電気事業者に申し込みをしていただくことになります。なお、将来の計画はある もののどの小売事業者へ販売するか確定に至らない時期において、発電事業者が連 系工程の都合上手続きを進めたい等の事情がある場合などについては、当該一般電 気事業者の託送サービスセンターと対応について個別にご相談いただくことになり ます( “電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法”で定 める認定発電設備に関する対応についても、当該一般電気事業者の託送サービスセ ンターに個別にご相談いただくことになります) 。 -7- 2.接続検討内容について Q2-1:電圧安定化対策として、風力発電機の無効電力制御機能を活用することは可能です か? A2-1:従来型風力発電機は無効電力制御機能が無かったため、電圧安定化対策を検討する 際に風力発電機が無効電力供給を担うことを考慮しないのが一般的でした。一方、 可変速型などの風力発電機については無効電力制御機能を有しているため、当該機 能を考慮したうえで電圧安定化対策を検討することが合理的であると考えられます。 よって、接続検討の際には、選定した風車の制御機能および制御範囲などを明確に したうえで、十分協議する必要があります。 -8- 3.接続検討期間について Q3-1:接続検討申込みから契約の締結に至るまで、一般電気事業者による接続検討が2回 あります(下図参照)が、接続検討を2回行う理由は何ですか。また接続検討期間 は最大6ヶ月(最大3ヶ月×2回)になる可能性があるのですか。 接続検討から託送供給開始までの標準的な業務フロー 1回目 2回目 【出所(一部追記)】ESCJルール 別紙3-1、別紙6-1 A3-1:発電者側の接続工事は、一般的に工事規模が大きいため工事費も高額になることが 多く、また契約の締結にあたり一般電気事業者の送配電部門は専門の会社への測 量・設計業務の発注など実費の支出が伴うため、接続検討申込者の接続工事実施に ついてはある程度の確実性が求められます。 1回目の接続検討は、この確実性を判断いただくために実施するもので、接続検 討申込みから契約の締結までを一連の業務と見ると、検討を2回行うというよりは、 一連の検討の中の途中段階で系統連系希望者が工事実施の判断をする機会を設けて いるということになります。なお、接続検討期間については、1回目の接続検討に 対してESCJルールに下記のとおり記載されています。 -9- 【ESCJルール第3章第4節】 第3章 系統アクセスルール(特別高圧) 第4節 発電者側の接続検討期間 一般電気事業者の送配電部門は、接続検討の申込みを受けた場合は、発電者側の接続 検討結果について以下により回答する。 接続検討の申込みを受けてから検討終了次第すみやかにかつ3ヶ月以内に接続検討結 果(「第6節 接続検討の回答内容」に定める内容)を回答する。 ただし、3ヶ月を超える場合は、理由、進捗状況および今後の見込みを申込者に説明す る。 【ESCJルール第6章第4節】 第6章 系統アクセスルール(高圧) 第4節 発電者側の接続検討期間 一般電気事業者の送配電部門は、接続検討の申込みを受けた場合は、発電者側の接続 検討結果について以下により回答する。 接続検討の申込みを受けてから検討終了次第すみやかにかつ3ヶ月以内に接続検討結 果(「第6節 接続検討の回答内容」に定める内容)を回答する。 ただし、3ヶ月を超える場合は、理由、進捗状況および今後の見込みを申込者に説明す る。 なお、逆変換装置を用いている太陽光発電、風力発電および小水力発電のうち発電出力 が500kW未満の発電者側の接続検討については2ヶ月以内に接続検討結果(「第6節 接 続検討の回答内容」に定める内容)を回答する。 ただし、2ヶ月を超える場合は、理由、進捗状況および今後の見込みを申込者に説明す る。 2回目の接続検討の期間については、1回目の接続検討に引き続いて契約申込み が行われれば、系統状況が変化していないと考えられるので、契約の締結までの期 間は比較的短期間で済む可能性があり、1回目の回答の際に期間の見込みをご確認 できますが、1回目の接続検討から2回目の接続検討まで時間があくと、系統状況 が変化する可能性もあるため、1回目の接続検討と同様の業務を再度実施する必要 がある場合には、契約の締結まで更に長期間になることがあります。 - 10 - Q3-2: 「接続検討の申込み」とは、具体的にいつの時点になるのですか。 A3-2:接続検討の申込み時点とは、接続検討に必要な書類が揃い、かつ接続検討料が必要 な場合についてはそれが支払われた時点をいいます。 一般電気事業者は、接続検討に係る申込書の提出を受けた後、直ちに請求書・振 込用紙を系統連系希望者に送付するとともに、7営業日(提出日は含まない。)以内 に必要な書類の確認を行なったうえで追加の必要書類の有無を回答することになり ます。なお、郵送等による場合で、系統連系希望者が当該申込書の受領日を確認す るためには、配達日が確認できる配達方法(簡易書留等)を利用することになりま す。 Q3-3:接続検討の所要期間が、一般電気事業者により異なる理由は何ですか。 A3-3:一般電気事業者により接続検討の所要期間が異なるわけではありません。ただし、 接続系統の特性(電圧階級、既設設備の状況)によって異なることがあります。E SCJでは、一般電気事業者により差異があるような印象をもたれないよう、業務 品質の維持にも取り組んでおります。 また、一般的に大量の接続検討が集中するような場合に、通常よりも検討期間が 長くなることなども考えられます。 - 11 - 4.工事費負担金について Q4-1:系統利用する際の工事費負担について、その費用内容および配分および最終的な負 担者まで転嫁される経路と金額はどのようになっているのですか。 A4-1:工事費の負担方法については、ESCJルール第3章第13節および第6章第13 節に基本的な考え方を記載しております。 【ESCJルール第3章第13節、第6章第13節】 第13節 工事費負担の基本的な考え方 一般電気事業者は、以下の基本的考え方に従って、系統に連系する事業者が支払う工 事費負担について、その考え方を示していくことが必要である。 工事費負担方法は、一般電気事業者が定め公表する。具体的には、電気事業法第24 条の3第1項の規定に基づく託送供給約款に定めるところによるものとするが、基本的な考 え方は以下のとおりである。 需要家線における一般供給設備については、負担の公平性の観点等から、送電サービ ス契約電力を新たに設定もしくは増加することに伴い新たな供給設備を施設する場合、一 般電気事業者の負担限度(託送料金で回収可能な平均的な設備コスト)を超えるものにつ いて、当該契約者が負担するという「原因者負担」を原則とする。 一方、電源線については、特定の事業者が便益を受けること等を踏まえ、工事費の全額 を原因者が負担することを原則とする。なお、複数の事業者が同一の電源線を使用する場 合は、基本的に利用比率により按分することを原則とする。 上記内容の具体的事項、および上記以外の内容については、託送供給約款に定めると ころによる。 なお、一般電気事業者の電源線に係わる費用の範囲については、「電源線に係る費用 に関する省令」に定めるところによる。 託送に係わる工事費の内容については、各一般電気事業者の託送供給約款「工事費 の負担」に記載があります。工事費は、契約者が標準設計をこえる設計によることを希望す る場合を除き、「標準設計工事費」となります。「標準設計工事費」は材料費、工費および諸 掛り費の合計になります。材料費は、払出時の単価(電気事業会計規則に定められた方法 によって算出した貯蔵品の払出単価等)によって算定されます。諸掛費は、測量監督費、 諸経費、補償費、建設分担関連費およびその他の費用で構成されます。 一方、再生可能エネルギー電気を供給しようとする者(特定供給者)の接続に必要な費 用については、“電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法 施行規則”において、下記の通り定められております。 - 12 - 【電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則】 (接続に必要な費用) 第五条 法第五条第一項第一号の経済産業省令で定める接続に必要な費用は、次のと おりとする。 一 当該接続に係る電源線(電源線に係る費用に関する省令(平成十六年経済産業省 令第百十九号)第一条第二項に規定する電源線(同条第三項第二号から第七号ま でに掲げるものを除く。)をいう。)の設置又は変更に係る費用 二 当該特定供給者の認定発電設備と被接続先電気工作物(当該特定供給者が自ら の認定発電設備と電気的に接続を行い、又は行おうとしている接続請求電気事業者 の事業の用に供する変電用、送電用又は配電用の電気工作物をいう。以下同じ。)と の間に設置される電圧の調整装置の設置、改造又は取替えに係る費用(前号に掲 げる費用を除く。) 三 当該特定供給者が供給する再生可能エネルギー電気の量を計量するために必要 な電力量計の設置又は取替えに係る費用 四 当該特定供給者の認定発電設備と被接続先電気工作物との間に設置される設備 であって、接続請求電気事業者が当該認定発電設備を監視、保護若しくは制御する ために必要なもの又は当該特定供給者が当該接続請求電気事業者と通信するため に必要なものの設置、改造又は取替えに係る費用 2 接続請求電気事業者は、特定供給者から法第五条第一項の規定による接続の請求が あった場合には、当該特定供給者に書面により前項各号に掲げる費用の内容及び積 算の基礎が合理的なものであること並びに当該費用が必要であることの合理的な根拠 を示さなければならない。 一般電気事業者は上記工事費負担金(接続に必要な費用)を系統に連系する事業者に 請求します。もし系統に連系する事業者が最終的な負担者でない場合は、基本的に系統 に連系する事業者と最終的な負担者との間で協議いただくことになりますが、特別な事情 がある場合には一般電気事業者にご相談ください。 - 13 - 5.系統利用の考え方について Q5-1:系統を利用する権利の優先順位について、その考え方についてのルールまたは法的 根拠はありますか。 A5-1:地域間連系線等の利用については、ESCJルール第4章第10節に考え方の記載 があるとおり、公平性、透明性の観点から「先着優先」 「空おさえの禁止」を原則と しています。 【ESCJルール第4章第10節】 1.連系線等の利用に係わる考え方 連系線等の利用にあたっては、公平性・透明性確保の観点から、以下を原則とする。 ・先着優先(first-come-first-served) ・空おさえの禁止(use-it-or-lose-it) また、連系線等の利用順位についても、ESCJルール第4章第10節に記載し ております。 【ESCJルール第4章第10節】 2.連系線等の利用順位の考え方 2-1連系線等の利用順位 連系線等の利用順位は、連系線等の利用に係わる申し込みに対して、関連一般電気 事業者および給電連絡所が送電可能と判定したもののうち、給電連絡所による登録時 刻が先であるものを上位とする。 一方、地域内送電線においては、ESCJの設備形成ルールに基づき設備形成さ れているとともに、系統アクセスルールに基づき系統連系されているので、一般的 に系統を利用する権利の優先順位について問題になることはありませんが、当該エ リアの一般電気事業者に個別に確認する必要があります。なお、系統アクセスの際 に何の制約(運用制約など)もなく連系しようとすると高額の工事費が必要になる ため、工事費を抑えるために一部運用制約を設けたうえで契約する場合が例外的に 考えられますが、その場合においても先着優先の考え方により、既契約分に制約が 生じないように新たな契約者の運用制約が検討されることが基本になると考えられ ます。 - 14 - また、契約書や運用申し合わせ書の締結時には想定していない系統状況となり、 日常的に送電制約が発生するようになった送電線はESCJルール上の「指定送電 線」になります。指定送電線は、地域間連系線と同様に、ESCJによって利用状 況が管理され、系統情報公開システムに空容量などの情報が開示されることになり ます。空容量の利用にあたっては、利用計画を提出いただき、先着優先、空おさえ 禁止を原則として利用の優先順位が決められます。 【ESCJルール第4章第7節】 1.連系線等 1-2 指定送電線 指定送電線とは、各一般電気事業者の管轄制御エリアの基幹系統のうち、過去1年間 において合計24時間以上の送電サービスの拒否あるいは停止があった流通設備をいい、 当協議会が指定する。 ただし、以下に起因して送電サービスの拒否あるいは停止した場合の時間は上記24 時間の算定には含めない。 a.作業停止(年間・月間計画作業停止、計画外作業停止) b.雷、風雪等の自然状況による流通設備の停止あるいは運用容量の減少(予防的 処置を含む。) c.公衆災害、設備故障等による突発的異常事象に起因する流通設備の停止あるい は運用容量の減少(予防的処置を含む。) 送電サービスの拒否および停止は以下のとおりとする。 ・送電サービスの拒否とは、系統アクセスで認められた容量の範囲内での事前の送電 可否判定の申込みあるいは託送契約等の申込みにおいて、送電不可と判定した場 合 ・送電サービスの停止とは、容量確保後、系統利用者の送電に制約が生じた場合 - 15 - なお、ESCJルール第11章第1節に送配電部門の情報の公開および保護の考 え方が、また別紙11-2-2には「送配電部門が個々の要請に応じて提示する情 報および公表の手段、対象者、時期」を記載しています。当該系統情報公表につい ては、一般電気事業者にお問い合わせください。 【ESCJルール第11章第1節】 6.送配電部門の情報の公表および保護 (1)送配電部門は、本節と整合を図り送配電部門の電力系統の利用に係わる情報公表ル ール(以下、「送配電部門の情報公表ルール」という。)を定め、このルールを公開しなけ ればならない。 (2)送配電部門の情報公表ルールには、次に示す項目が規定されていなければならない。 a.公表する情報項目の例示、その公表の手段、対象者および公表時期。 b.保護すべき情報の考え方および例示。 (3)送配電部門は、「1.基本方針」の趣旨を考慮し、別表11-2-1、別表11-2-2に示 す情報を含め、送配電部門の公平性・透明性を確保するための情報については原則公 表する。 (4)送配電部門は、別表11-2-2の系統アクセス情報等について、系統接続を検討して いる事業者から系統利用検討の目的のために情報公表の要請があった場合、保有して いる情報を、当該要請者に提示する。ただし、提示にあたっては、次の措置を行うことが できる。なお、措置の詳細については、(2)bに基づき、送配電部門の情報公表ルール で定める。 ・閲覧者の事前登録 ・閲覧目的の明確化 ・秘密保持契約の締結 ・その他必要な措置 (5)ただし、送配電部門は、「別紙11 保護すべき情報」で定める情報について原則公表し ない。 (6)送配電部門は、情報の提示を求める個々の要請について、提示できない場合、その理 由を説明する。 - 16 - 【ESCJルール別表11-2-2】 別表11-2-2 送配電部門が個々の要請に応じて提示する情報および公表の手段、 対象者、時期 - 17 - 6.送配電部門の中立性について Q6-1:一般電気事業者の送配電部門の中立性はどのように確保されているのですか。 A6-1:一般電気事業者の送配電部門の中立性確保のため、電気事業法において一般電気事 業者における区分経理および行為規制が規定されております。 【電気事業法第24条】 (一般電気事業者の託送供給等の業務に関する会計整理等) 第二十四条の五 一般電気事業者は、経済産業省令で定めるところにより、託送供給の業務 その他の変電、送電及び配電に係る業務に関する会計を整理しなければならない。 2 一般電気事業者は、経済産業省令で定めるところにより、前項の整理の結果を公表しなけ ればならない。 (一般電気事業者の託送供給に伴う禁止行為等) 第二十四条の六 一般電気事業者は、次に掲げる行為をしてはならない。 一 託送供給の業務に関して知り得た他の電気を供給する事業を営む者(以下「電気供給 事業者」という。)及び電気の使用者に関する情報を当該業務の用に供する目的以外の 目的のために利用し、又は提供すること。 二 その託送供給の業務について、特定の電気供給事業者に対し、不当に優先的な取扱 いをし、若しくは利益を与え、又は不当に不利な取扱いをし、若しくは不利益を与えるこ と。 2 経済産業大臣は、前項の規定に違反する行為があると認めるときは、一般電気事業者に対 し、当該行為の停止又は変更を命ずることができる。 また、公正取引委員会および経済産業省により「適正な電力取引についての指針 (平成23年9月5日) 」が定められております。なお、上記の区分経理ならびに行 為規制については、毎年経済産業省による監査を受けております。 - 18 - 7.配電用変圧器のバンク逆潮流について Q7-1:配電用変圧器のバンク逆潮流の対応のためにどのような対策を行うのですか。 A7-1:配電用変圧器のバンク逆潮流に対応するためには、電圧管理や保護協調のために、 例えば、以下のような設備対策を行うことが必要となります。 (バンク逆潮流の対策工事例) ○ 配電系統の電圧管理対策 配電系統の電圧を定められた範囲以内に維持するため、逆潮流に対応した電圧調 整が可能な自動電圧調整装置へ改修します。(下図参照) 【電圧管理面での対策例】 F1 F2 F3 LDC G G 適正範囲 電圧 配変の電圧調整器 (LDC)を逆潮流でも適 正に動作するよう取替 逆潮流に応じ た電圧調整 - 19 - ○ 保護協調面での対策 電気設備の技術基準の解釈に定められた時限内に事故除去するため、配電用変電 所の特別高圧側に接地形計器用変圧器(EVT)および事故検出リレー(OVGR 等)を設置し、特高側事故時に配電用変電所のCBを遮断することができるような 対策を実施します。 (下図参照) 【保護協調面での対策例】 【出所】産業構造審議会 保安分科会 電力安全小委員会 第2回(平成25年3月19日) 資料8 現行設備形成の違いにより、対象となる変電所ごとに、実施するバンク逆潮流対 策の具体的な工事内容が異なります。従いまして、必要な工期については一概には 言えませんが、概ね1年前後が目安になります。実際の工期については、接続検討 等のお申し込み後、個別に検討のうえ、一般電気事業者からお知らせしております。 - 20 - なお、再生可能エネルギー発電によるバンク逆潮流に係わる工事費負担金単価に ついては、経済産業大臣から各一般電気事業者が承認を受け、各一般電気事業者の HP でも公開されています。 バンク逆潮流対策の工事費負担金単価 一般電気事業者 税込単価(円/kW) 北海道 3,255 東北 3,675 東京 1,995 中部 3,675 北陸 2,730 関西 2,835 中国 3,675 四国 3,465 九州 1,260 沖縄 3,465 (平成25年8月末現在) (注)この工事費負担金単価は、再生可能エネルギー発電設備の接続に際し、各一般電気事業者が配電用変 電所バンク逆潮流対策を実施する場合、また、対策実施後3年以内に当該バンクに再生可能エネルギ ー発電設備が接続する場合に適用されます。 また、その算定根拠について一般電気事業者に確認した結果は、以下の通りです。 ○ 工事費負担金単価の算定根拠は各一般電気事業者の電気所あたりの3年間の想定連系容 量で電気所あたりの想定対策工事費を割ったものです。(下表参照) バンク逆潮流対策の工事費負担金単価の算出根拠 一般電気事 (電気所あたり想定の対策工事費) 業者名 (3年間で想定される電気所あたりの連系容量) 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 27.3(百万円/電気所)/0.88(万 kW/電気所) =3.1(千円/kW)(税込 3,255 円/kW) 28.0(百万円/電気所)/0.8(万 kW/電気所) =3.5(千円/kW)(税込 3,675 円/kW) 24.7(百万円/電気所)/1.3(万 kW/電気所) =1.9(千円/kW)(税込 1,995 円/kW) 35.3(百万円/電気所)/1.0(万 kW/電気所) =3.5(千円/kW)(税込 3,675 円/kW) 32.4(百万円/電気所)/1.26(万 kW/電気所) =2.6(千円/kW)(税込 2,730 円/kW) 16.7(百万円/電気所)/0.626(万 kW/電気所) =2.7(千円/kW)(税込 2,835 円/kW) - 21 - (円/kW) 想定 電気 所数 32 45 115 63 6 153 中国 四国 九州 沖縄 36.0(百万円/電気所)/1.02(万 kW/電気所) =3.5(千円/kW)(税込 3,675 円/kW) 37.0(百万円/電気所)/1.12(万 kW/電気所) =3.3(千円/kW)(税込 3,465 円/kW) 19.3(百万円/電気所)/1.6 万(万 kW/電気所) =1.2(千円/kW)(税込 1,260 円/kW) 42.3(百万円/電気所)/1.27(万 kW/電気所) =3.3(千円/kW) (税込 3,465 円/kW) 79 9 207 10 (平成25年8月末現在) ○ 各社の工事費負担金単価に差がある理由は、以下の通りです。 ・ 各社の工事費負担金単価の差は、現行設備形成の違いにより、必要となるバンク逆潮流対策の 工事内容が異なること、および、今後3年間に連系申し込みが見込まれる容量が異なることによるも のです。 【分子:電気所あたりの対策工事費】 ・ 各社は、電気設備の技術基準等の関係法令に基づく施設の保安確保を前提に、変電所等の標 準的な設備構成や設備増強の基準をルール化していますが、供給地域の分布・需要密度、塩害・ 雪害等の特殊な条件および用地事情等の地域性に差があること等から、現行設備の形成に違いが 生じています。 ・ バンク逆潮流対策工事は、各一般電気事業者の現行設備形成の違いにより、 1電気所あたりの 平均対策工事費に差が生じます。この差は、主に、逆潮流に伴うEVT(接地形計器用変圧器)の設 置工事が新たに必要となる電気所が、どれだけあるかによります。既にEVT設置済みの電気所が 多い一般電気事業者は、1電気所あたりの対策工事費が安価となる傾向にあります。 (参考 バンク逆潮流対策工事の具体例) 送電線事故の除去ができるよう、配電用変電所1次側母線にEVTおよび事故検出リレーを 設置。 配電系統の電圧を定められた範囲以内に維持できるよう、配電用変圧器の自動電圧調整装 置を逆潮流に対応した電圧調整を行えるものに取替または改修。 制御所においてバンク逆潮流が生じていることを監視し、適切な運用ができるよう、配電用変 電所のバンク逆潮流を計測するテレメータを設置。 【分母:3年間で想定される電気所あたりの連系容量】 ・ 今後3年間に連系申し込みが見込まれる容量は、現時点の連系に先立つ技術検討の容量をもと に想定しております。現時点の申し込み容量の地域差については、連系をお申し込みになる発電 事業者様において、太陽光発電における日射量や風力発電における風況等の地理的条件、用地 確保の容易さ等の立地条件等を勘案し、適する地域を選定された結果であると考えております。 - 22 - このような一般電気事業者の想定連系容量の地域差については、資源エネルギー庁にて公開し ております再生可能エネルギー固定価格買取制度における太陽光と風力発電設備累計認定状況 (下図)と同様な傾向を示しています。 【参考】再生可能エネルギー固定価格買取制度 発電設備累計認定状況 (太陽光発電設備・風力発電設備:平成25年6月末現在、運転開始前設備を含む) および電気所毎想定連系容量と想定電気所数の積 (kW) 6,000,000 風力認定出力 5,000,000 太陽光認定出力 電気所毎想定連系容量× 想定電気所数 4,000,000 3,000,000 2,000,000 1,000,000 0 北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄 エリア(注1),(注2) (注1)電気所毎想定連系容量×想定電気所数については、各一般電気事業者のエリアで記載 しております。 (注2)風力および太陽光認定出力のエリアについては、静岡県・三重県、岐阜県は中部エリア、 福井県は北陸エリア、兵庫県は関西エリア、香川県、愛媛県は四国電力エリアでカウントし ており各一般電気事業者の供給エリアとは一部異なっております。 【出所】 資源エネルギー庁ウェブサイト 再エネ設備認定状況(件数、出力)および一般電気 事業者提供データから作成 - 23 - Q7-2:どのような場合に配電用変圧器のバンク逆潮流が許容されないのですか。 A7-2:当協議会ルールでは「逆潮流のある発電設備によって当該発電設備を連系する配電 用変電所においてバンク逆潮流が生じる場合であっても、系統側の電圧管理や保護 協調面で問題が生じないよう対策を行うことができる場合はこの限りではない」と しておりますが、当面、実質的に問題となるケースは例外と考えられます。 【ESCJルール第6章第9節】 11.バンク逆潮流 配電用変電所のバンク単位で高圧から特別高圧へ向けての潮流(以下この章において 「バンク逆潮流」という。)が発生すると、一般電気事業者において配電系統の電圧管理や 保護協調面で問題が生じる可能性があることから、原則としてバンク逆潮流を発生させない ことが必要である。 ただし、逆潮流のある発電設備によって、当該発電設備を連系する配電用変電所におい てバンク逆潮流が生じる場合であっても、系統側の電圧管理や保護協調面で問題が生じな いよう対策を行うことができる場合はこの限りではない。 配電用変圧器のバンク逆潮流に対応するための設備対策のうち、電圧管理のため の設備対策が困難で、対応できないことは当面想定されませんが、保護協調の対策 では、例外的に、変電所のスペース不足等の理由により、物理的に設備対策を行う ことができずバンク逆潮流に対応できない場合が考えられます。 (下図参照) 【保護協調面での設備対策が困難な場合の例】 一次変電所 配電用変電所 EVT 設置 送電線事故 の検出装置 (OVGR 等 ) 配電用変電所の特別高圧母線に新たに接地形計器用変圧器(EVT)および事故検 出リレー(OVGR等)を設置する必要があるが、地下変電所など狭隘で設置スペースが ない等の理由により対策工事が困難な場合があります。 - 24 - 8.系統アクセスに関する相談・苦情の窓口について Q8-1:系統アクセスに関して相談や苦情がある場合は、どこに問い合わせたらよいのです か。 A8-1:当協議会を含めて下記の窓口で対応しております。 ■一般社団法人 電力系統利用協議会 系統利用相談室 電話:03-6683-2277 FAX:03-3512-2225 E-mail:[email protected] http://www.escj.or.jp 特記:あっせん・調停業務について、法務大臣より『裁判外紛争解決手続』認証(AD R認証)を受けております(平成24年7月19日:認証番号117号) 。なお、 ADR業務におきましては、原則として500kW以上の発電設備に関する紛争 を扱うこととしております。 ■一般社団法人 太陽光発電協会 太陽光発電消費者相談センター 電話:03-6206-1187 FAX:03-6268-8566 E-mail:[email protected] http://www.jpea.gr.jp/07cus.html ■経済産業省 再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関するお問い合わせ窓口 電話:0570-057-333 ※PHS、IP 電話からは、06-7636-2168におかけください。 E-mail:[email protected] http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/contact.html - 25 - “系統アクセスに関するQ&A”お問合せ先: 一般社団法人 電力系統利用協議会 企画部/系統利用相談室 電話:03-3512-2215 - 26 -
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