別記様式第1号 別添 浜の活力再生プ ラ ン 1 地域水産業再生委員会 組織名 太地町地域水産業再生委員会 代表者名 脊 古 輝 人 再生委員会の 構成員 太地町漁業協同組合、太地町、太地町開発公社、太地町鯨の博物館代表者 (※具体的構成員名は、別添太地町地域水産業再生委員会名簿参照) オブザーバー 和歌山県東牟婁振興局地域振興部企画産業課産業・水産グループ、(浜の応援団) 富田宏・横川倫子 ・森浦湾を中心とした太地町沿岸域(陸域含む) ・鯨類追込網漁業を中心に、定置網漁業他小型漁船漁業 【対象漁業者】鯨類追込網漁業 24人、定置網漁業、15人刺 対象となる地域の範囲及び漁業の種類 網漁業 28人、その他(ひき縄釣り漁業 22人、一本釣り漁業 24人、採貝藻 57人、沿岸 小型捕鯨業 5人、たこ籠漁業 6人、 棒受網漁業 8人、なまこ漁11人、いるか突棒漁業 4人)、計 204名 2 地域の現状 (1)関連する水産業を取り巻く現状等 紀伊半島突端に位置する太地町は、平成23年現在人口、世帯数、3,411人、1,656世帯の町である。基幹 産業は、わが国有数の鯨類追込網漁業などの沿岸捕鯨をはじめ定置網漁業等沿岸漁業と豊かな自然とくじ らを資源とした観光であるが、近年、シーシェパード等の妨害活動など歴史的にくじらと共に生きてきた 地域の生き方自体を否定され兼ねない環境下に置かれている。太地地域水産業再生委員会は、くじらと共 に生きる太地漁業を多面的に再構築し、ひいては全漁業、漁家の所得向上に結び付けることにより、太地 漁業の伝統を守り、太地の活性化に資するための活動を行う。 なお、太地町では、平成18年に「太地町くじらと自然公園のまちづくり構想」を策定し、これを下敷き に森浦湾くじらの海構想を議論してきた。平成23年度には水産庁事業を活用し、町民参加の協議会での議 論と合意形成を得たところである。本構想は、くじらと親しくふれあい、癒される空間を提供することを 通じて、太地町の良さを外の人に知ってもらい交流人口を増やし、地域水産物の消費を増加させ、ひいて は雇用と地域経済の拡大につなげようとするものである。具体的には、現状の観光客数(24.7万人/最近3 年平均)をくじらとの交流、漁業体験、水産物青空市といった取り組みを通じた漁村の魅力向上をはかる とともに、体験型観光客を増加させ、また町内消費を拡大する計画である。 当計画により、自然環境とくじらを最大限に活かした①くじらの学術研究の拠点②くじらと人々のふれ あいの場③独自性の高い地域振興の場の創出を目指しており、25年度には森浦湾奥部にて小型鯨類生簀を 設置、博物館との協働体制により、小型鯨類の飼育に成功している。 (2)その他関連する現状等 衛生管理型の鯨類解体処理場の建設(H19年)、鯨と出会える海水浴場イベントの開催(H20~)、森浦湾く じらの海構想検討委員会及び関連調査の実施(H22~)、水産庁産地水産業強化支援事業によるくじらの海 構想の地域活性化システム構築の実践(H24~)、総務省地域経済循環創造事業交付金事業による鯨肉加工場 の整備・稼働(H26~)など、くじらと共に生きるための周辺整備に取り組んできたが、これらの取り組み が発展し、くじらの海計画に近接する道の駅計画(国交省事業)が平成27年度からの事業化をめざして動き 始めている。このような動きを今後、広く太地地域の漁業の発展と漁家経営に反映させていく時期に来て いる。 3 活性化の取り組み方針 (1)基本方針 これまで町、住民、鯨の博物館、太地町開発公社(国土開発、人口問題や各種体育、余暇、観光を踏ま えた総合開発を行うために和歌山県が主務官庁となる特例財団法人)などと協力して進めてきた太地町独 自で最大の地域資源である“くじら”を前面に押し出した6次産業振興を通じて、太地地域のブランド化 を図り、限られた資源と低迷する魚価に歯止めをかける。 又、“太地町くじらと自然公園のまちづくり(森浦湾くじらの海計画)”(平成18年、町の構想策定及び 長期総合計画に位置付ける)の核となるくじらの飼育、学術研究においては鯨の博物館と、鯨の学術研究を 目的とした成体流通(主に水族館)においては太地町開発公社との連携により、更なる交流観光需要喚起に よる地場流通や漁業、くじらの海体験等による漁村体験による新たな兼業所得機会を創出し、漁家所得の 安定化と後継者の確保を推進する。 一方、漁業コスト削減の取り組みとして、小型鯨類捕殺施設の整備による反捕鯨団体監視関連コスト削 減するとともに、船底清掃や漁船航行速度の適正化などの実施による燃油使用料の削減を図る。また、小 型鯨類、定置漁獲物の一部の地場流通拡大により流通経費の削減を図る。 (2)漁獲努力量の削減・維持及びその効果に関する担保措置 漁協内での資源保護に関する取組として、定置網漁(大型定置)は年間2ヶ月の休漁(網を入れない。) 追込網漁(小型鯨類)は、1日の捕獲(水揚げ)頭数を300頭までとし、若齢個体や親子はリリースする。 刺網漁(伊勢海老)については、漁具(網)の種類、大きさ、数を規制し、操業日数は年間上限90日と している。また、120g/尾以下はリリースし、メス海老も一定量リリースしている。 採貝漁については年間の操業日数を45日に制限すると共に、アワビについては殻長10㎝以下、トコブシ では殻長4.5㎝以下はリリースしている。一方、ナマコ漁では、100g/個体以下を採取せず、潜水漁は禁 止している。 加えて、刺網、採貝、ナマコ漁を通じて、禁漁区域を設定するなどの規制を実施している。 (3)具体的な取り組み内容(毎年ごとに数値目標とともに記載) 取組内容は、取組の進捗状況や得られた成果等を踏まえ、必要に応じ見直すこととする。 1年目(平成26年度) 漁業収入向 上のための ○小型鯨類の生体出荷による単価向上 取組 鯨類追込漁業者は、太地町、漁協及び太地町開発公社と連携し、新たに3基の小型鯨類蓄 養生簀を森浦湾に設置する。 この取組により、小型鯨類について、畜養生簀で餌付けを行い観光(漁協が実施するシー カヤック等のイルカふれあい体験)に活用するほか、飼育訓練等を経て国内外の水族館など に生きたままの出荷を行う。これらの取組によって、観光事業による漁業外収入を確保する とともに、精肉出荷時よりも単価の高い生体出荷を行うことによって単価の向上を目指す。 これらのための小型鯨類への餌付けの方法や訓練方法等についての検討を行う。 ○小型鯨類の新たな加工品の開発等 鯨類追込漁業者は、既存加工場を活用した新たな鯨類加工品(干物、大和煮、調味燻製品 等)を開発し、太地町を訪れた観光客を対象として直売所等にて販売する。このことによっ て、消費拡大を図るとともに、くじらの味を知って貰うことにより域内外のくじら需要を喚 起する。 ○定置漁獲物等の販路拡大による収益の向上 定置網漁業者は、平成27年度に設置が完了する畜養生簀により増加する小型鯨類の餌料と して、定置網漁の漁獲物のうち市場単価の雑魚を、平成28年度から漁協に対して販売・提供 し収益の向上を図るため、どのような魚種をどのような形で(鮮魚・冷凍等)販売するか等 について、漁協との協議検討を開始する。 また、観光客を対象として、定置漁獲物の中で出荷することはできないが、郷土食として 愛好されているクロシビカマス(深海魚)や、カメノテ(節足動物)、ヒロメ(海藻)について、 域内加工場等を活用した干物などの加工品等を試験的に開発し、販売方法や販売先等の検討 を行う。 (クロシビカマス及びヒロメは干物等、カメノテは味付け煮等の真空パックを予定) ○「道の駅」及び関連地域振興施設(直販施設やレストラン等)の整備に向けた検討 全漁業者は、「道の駅」(平成29年度開業予定)内に設置される直販施設やレストラン等 に、漁獲した魚をどのように納め、販売すれば利用者に喜ばれるのかなどについて、その運 営面についても参画し、基本計画、運営体制等を協議検討する。 太地町は、施設整備に向け、基本設計を行う。 ※なお、事業全体スケジュールは、平成26-27年度基本計画・設計、平成27年度実施設計、平 漁業コスト 削減のため の取組 ○省燃油対策への取組による燃油使用料の削減 全漁業者は、漁船の船底清掃実施回数をこれまでの2回/年から3回/年に増やすことに より、燃費を向上させ燃油コストを削減する。 ○漁業作業軽労化施設の整備による漁労コスト削減 鯨類追込網漁業者は、太地町及び漁協と連携し、漁業作業の軽労化と図ることで労働時間 の短縮及び労働環境の改善を行うため、追い込んだ小型鯨類が湾の岩礁に座礁するのを防ぐ 座礁防止施設を整備する。 以上の取り組みにより漁業コストを基準年に対して0%削減させる。 活用する支 援措置等 産地水産業強化支援事業(水産庁) 道の駅整備事業(国交省) 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金(農林水産省) 2年目(平成27年度) 漁業収入向 上のための ○小型鯨類の単価向上 取組 鯨類追込漁業者は、太地町、漁協及び太地町開発公社と連携し、新たに4基の小型鯨類蓄 養生簀を森浦湾に設置する。 この取組により、小型鯨類について、畜養生簀で餌付けを行い観光(漁協が実施するシー カヤック等のイルカふれあい体験)に活用するほか、飼育訓練等を経て国内外の水族館など に生きたままの出荷を行うことにより、観光事業による漁業外収入を確保するとともに、精 肉出荷時よりも単価の高い生体出荷を行い単価の向上を目指すため、小型鯨類への餌付けの 方法や訓練方法等についての検討を引き続き行う。 ○小型鯨類の新たな加工品の開発等 鯨類追込漁業者は、既存加工場を活用した新たな鯨類加工品開発として、干物、大和煮、 調味燻製品等を開発し、太地町を訪れた観光客を対象として直売所等にて販売し、消費拡大 を図るとともに、くじらの味を知って貰うことにより域内外のくじら需要を再喚起する。 また、漁協、太地町開発公社や太地町鯨の博物館と連携し、加工品等の太地産品のPR等 を県内外のイベント等に出店し、認知度を高め販売力向上につなげる。 ○定置漁獲物等の販路拡大による収益の向上 定置網漁業者は漁協と連携し、平成27年度に設置が完了する畜養生簀により増加する小型 鯨類の餌料として、平成28年度から定置網漁の漁獲物のうち市場単価の雑魚を漁協に対して 販売・提供し収益の向上を図るため、昨年度の協議検討を踏まえ試験的に小型鯨類へ給餌す る。 また、観光客を対象として、定置漁獲物の中で出荷することはできないが、郷土食として 愛好されているクロシビカマス(深海魚)や、カメノテ(節足動物)、ヒロメ(海藻)について、 域内加工場等を活用した干物やレトルト加工品等を試験的に開発し、販売方法や販売先等の 検討を引き続き行う。 ○「道の駅」及び関連地域振興施設(直販施設やレストラン等)の整備検討 全漁業者は、「道の駅」(平成29年度開業予定)内に設置される直販施設やレストラン等 に漁獲した魚をどのように納め、販売すれば利用者に喜ばれるのかなどについて、その運営 面についても参画し、基本設計、運営体制等を協議検討を継続する。 太地町は、施設整備に向け、実施設計を行う。 以上の取り組みにより漁業収入を基準年に対して3%の向上を目指す。 漁業コスト 削減のため の取組 ○省燃油対策への取組による燃油使用料の削減 全漁業者は、引き続き、漁船の船底清掃実施回数を3回/年行い、燃費を向上させ燃油コ ストを削減する。 更に、全漁業者の漁船の最適燃費速度(低速)航行を実施し、燃油コストを削減する。 ○漁業作業軽労化施設の整備による漁労コスト削減 鯨類追込網漁業者は、前年度に整備した小型鯨類の座礁防止施設を活用し、追い込んだ小 型鯨類が湾の岩礁に座礁するのを防ぐことで、漁労作業時間を短縮させ漁労コストを削減す る。 以上の取り組みにより漁業コストを基準年に対して2%の削減を目指す。 活用する支 援措置等 産地水産業強化支援事業(水産庁) 道の駅整備事業(国交省) 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金(農林水産省) 3年目(平成28年度) 漁業収入向 上のための ○小型鯨類の単価向上 取組 鯨類追込網漁業者は、太地町、漁協及び太地町開発公社と連携し、平成26年度および27年 度に設置した小型鯨類蓄養生簀を活用し、小型鯨類について、畜養生簀で餌付けを行い観光 (漁協が実施するシーカヤック等のイルカふれあい体験)に活用し、前年度までの検討結果 を踏まえた飼育訓練等を経て国内外の水族館などに生きたままの出荷を行うことにより、観 光事業による漁業外収入を確保するとともに、精肉出荷時よりも単価の高い生体出荷を行 う。 ○小型鯨類の新たな加工品の開発等 鯨類追込漁業者は、既存加工場を活用した新たな鯨類加工品開発として、干物、大和煮、 調味燻製品等を開発し、太地町を訪れた観光客を対象として直売所等にて販売し、消費拡大 を図るとともに、くじらの味を知って貰うことにより域内外のくじら需要を再喚起する。 また、漁協、太地町開発公社や太地町鯨の博物館と連携し、加工品等の太地産品のPR等 を県内外のイベント等に出店し、認知度を高め販売力向上につなげる。 ○定置漁獲物等の販路拡大による収益の向上 定置網漁業者は漁協と連携し、前年度までに設置が完了した畜養生簀により増加する小型 鯨類の餌料として、定置網漁の漁獲物のうち市場単価の雑魚を漁協に対して販売・提供し収 益の向上を図る。 また、観光客を対象として定置漁獲物の中で出荷することはできないが、郷土食として愛 好されているクロシビカマス(深海魚)や、カメノテ(節足動物)、ヒロメ(海藻)について、こ れまでの干物やレトルト商品の試験的開発結果を踏まえ、直売所等にて試験的に販売を行う とともに、試験販売の結果を踏まえ引き続き検討を行う。 ○「道の駅」及び関連地域振興施設(直販施設やレストラン等)の整備 全漁業者は、「道の駅」内に設置される直販施設やレストラン等に漁獲した魚をどのよう に納め、販売すれば利用者に喜ばれるのかなどについて、その運営面についても参画し、運 営体制等について協議検討を継続する。 太地町は、施設整備の実施主体として施設整備を行う。 以上の取り組みにより漁業収入を基準年に対して3%の向上を目指す。 漁業コスト 削減のため の取組 ○省燃油対策への取組による燃油使用料の削減 全漁業者は、引き続き、漁船の船底清掃実施回数を3回/年行うとともに全漁業者の漁船 の最適燃費速度(低速)航行を実施し、燃費を向上させ燃油コストを削減する。 ○漁業作業軽労化施設の整備による漁労コスト削減 鯨類追込網漁業者は、前年度に整備した小型鯨類の座礁防止施設を活用し、追い込んだ小 型鯨類が湾の岩礁に座礁するのを防ぐことで、漁労作業時間を短縮させ漁労コストを削減す る。 以上の取り組みにより漁業コストを基準年に対して2%の削減を目指す。 活用する支 援措置等 産地水産業強化支援事業(水産庁) 道の駅整備事業(国交省) 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金(農林水産省) 4年目(平成29年度) 漁業収入向 上のための ○小型鯨類の単価向上 取組 鯨類追込網漁業者は、太地町、漁協及び太地町開発公社と連携し、平成26年度および27年 度に設置した小型鯨類蓄養生簀を活用し、小型鯨類について、畜養生簀で餌付けを行い観光 (漁協が実施するシーカヤック等のイルカふれあい体験)に活用し、これまでの検討結果を 踏まえた飼育訓練等を経て国内外の水族館などに生きたままの出荷を行うことにより、観光 事業による漁業外収入を確保するとともに、精肉出荷時よりも単価の高い生体出荷を引き続 き行う。 ○小型鯨類の新たな加工品の開発等 鯨類追込漁業者は、既存加工場を活用した新たな鯨類加工品開発として、干物、大和煮、 調味燻製品等を開発し、太地町を訪れた観光客を対象として直売所等にて販売し、消費拡大 を図るとともに、くじらの味を知って貰うことにより域内外のくじら需要を再喚起する。 また、漁協、太地町開発公社や太地町鯨の博物館と連携し、加工品等の太地産品のPR等 を県内外のイベント等に出店し、認知度を高め販売力向上につなげる。 ○定置漁獲物等の販路拡大による収益の向上 定置網漁業者は漁協と連携し、設置が完了した畜養生簀により増加する小型鯨類の餌料と して、定置網漁の漁獲物のうち市場単価の雑魚を漁協に対して販売・提供し収益の向上を図 る。 また、観光客を対象として定置漁獲物の中で出荷することはできないが、郷土食として愛 好されているクロシビカマス(深海魚)や、カメノテ(節足動物)、ヒロメ(海藻)について、こ れまでの試験販売等の結果を踏まえ、直売所や道の駅等において本格的に販売する。 ○「道の駅」及び関連地域振興施設(直販施設やレストラン等)の実践 全漁業者は、平成28年度末(平成29年3月)に完成竣工した「道の駅」の直販施設に おいて、自らが漁獲した鮮魚や加工品等の供給者となり、収益を向上させる。 また、運営を通じて出された課題について関係者と協議し今後の運営に反映させ経営安定 化を図ることで、販売量増加等につなげ収益を向上させる。 漁業コスト 削減のため の取組 ○省燃油対策への取組による燃油使用料の削減 全漁業者は、引き続き、漁船の船底清掃実施回数を3回/年行うとともに全漁業者の漁船 の最適燃費速度(低速)航行を実施し、燃費を向上させ燃油コストを削減する。 ○漁業作業軽労化施設の整備による漁労コスト削減 鯨類追込網漁業者は、前年度に整備した小型鯨類の座礁防止施設を活用し、追い込んだ小 型鯨類が湾の岩礁に座礁するのを防ぐことで、漁労作業時間を短縮させ漁労コストを削減す る。 以上の取り組みにより漁業コストを基準年に対して2%の削減を目指す。 活用する支 援措置等 産地水産業強化支援事業(水産庁) 道の駅整備事業(国交省) 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金(農林水産省) 5年目(平成30年度) 取組の最終年度であり、以下の取組を引き続き行うが、目標達成を確実なものとするようプラン の取組の成果を検証し、必要な見直しを行う。 漁業収入向 上のための ○小型鯨類の単価向上 取組 鯨類追込網漁業者は、太地町、漁協及び太地町開発公社と連携し、平成26年度および27年 度に設置した小型鯨類蓄養生簀を活用し、小型鯨類について、畜養生簀で餌付けを行い観光 (漁協が実施するシーカヤック等のイルカふれあい体験)に活用し、これまでの検討結果を 踏まえた飼育訓練等を経て国内外の水族館などに生きたままの出荷を行うことにより、観光 事業による漁業外収入を確保するとともに、精肉出荷時よりも単価の高い生体出荷を引き続 き行う。 ○小型鯨類の新たな加工品の開発等 鯨類追込漁業者は、既存加工場を活用した新たな鯨類加工品開発として、干物、大和煮、 調味燻製品等を開発し、太地町を訪れた観光客を対象として直売所等にて販売し、消費拡大 を図るとともに、くじらの味を知って貰うことにより域内外のくじら需要を再喚起する。 また、漁協、太地町開発公社や太地町鯨の博物館と連携し、加工品等の太地産品のPR等 を県内外のイベント等に出店し、認知度を高め販売力向上につなげる。 ○定置漁獲物等の販路拡大による収益の向上 定置網漁業者は漁協と連携し、設置が完了した畜養生簀により増加する小型鯨類の餌料と して、定置網漁の漁獲物のうち市場単価の雑魚を漁協に対して販売・提供し収益の向上を図 る。 また、観光客を対象として定置漁獲物の中で出荷することはできないが、郷土食として愛 好されているクロシビカマス(深海魚)や、カメノテ(節足動物)、ヒロメ(海藻)について、前 年度の販売結果を踏まえこれを検証し、直売所や道の駅等において継続して販売する。 ○「道の駅」及び関連地域振興施設(直販施設やレストラン等)の実践 全漁業者は、平成28年度末(平成29年3月)に完成竣工した「道の駅」の直販施設に おいて、自らが漁獲した鮮魚や加工品等の供給者となり、収益を向上させる。 また、運営を通じて出された課題について関係者と協議し今後の運営に反映させ経営安定 化を図ることで、販売量増加等につなげ収益を向上させる。 漁業コスト 削減のため の取組 以上の取り組みにより漁業収入を基準年に対して8%の向上を目指す。 ○省燃油対策への取組による燃油使用料の削減 全漁業者は、引き続き、漁船の船底清掃実施回数を3回/年行うとともに全漁業者の漁船 の最適燃費速度(低速)航行を実施し、燃費を向上させ燃油コストを削減する。 ○漁業作業軽労化施設の整備による漁労コスト削減 鯨類追込網漁業者は、前年度に整備した小型鯨類の座礁防止施設を活用し、追い込んだ小 型鯨類が湾の岩礁に座礁するのを防ぐことで、漁労作業時間を短縮させ漁労コストを削減す る。 以上の取り組みにより漁業コストを基準年に対して2%の削減を目指す。 活用する支 援措置等 産地水産業強化支援事業(水産庁) 道の駅整備事業(国交省) 農山漁村活性化プロジェクト支援交付金(農林水産省) (4)関係機関との連携 取組の効果が十分に発現されるよう、主管行政機関(和歌山県、太地町)及び観光商工・水産流 通関係で密接な関係を有する那智勝浦町等周辺南紀市町村、観光商工会、農協、海保、和歌山県 警、系統団体(和歌山県漁業協同組合連合会、和歌山県漁業共済組合等)との連携を強固にする とともに、「くじら」を縁にこれまで培ってきた日本鯨類研究所はじめ官民研究機関や全国の近 海捕鯨基地地域、観光エージェント、流通・販売業者、飲食店等についても更に新たな連携の輪 を広げていくこととする。 4 目標 (1)数値目標 漁業所得の向上 %以上 基準年 目標年 平成 年度 : 漁業所得 千円 平成 年度 : 漁業所得 千円 (2)上記の算出方法及びその妥当性 5 関連施策 活用を予定している関連施策名とその内容及びプランとの関係性 事業名 想定される事業内容 鯨類追込網漁業における小型鯨類座礁防止施設を整備し、漁業作業の 産地水産業強化支援事業 軽労化を図ることで漁業コストの削減を行う。 道の駅整備事業 農山漁村活性化プロジェク ト支援交付金 「道の駅」及び関連地域振興施設(直販施設やレストラン等)の整備 を行い、当該施設において鮮魚や加工品等の販売を行うことで漁業収 入を向上させる。また、観光客の誘致や都市と漁村の交流活性化を行 い地域全体の活性化を図る。
© Copyright 2024 ExpyDoc