計算化学統合プラットフォーム SCIGRESS V2 FUJITSU Technical Computing Solution SCIGRESS SCIGRESS(サイグレス)は、容易な分子モデリング機能、多様な計算機能、強力な解析機能を、操作性の高いGUI環境か ら操作できる計算化学の統合プラットフォームです。 あらゆる材料研究において、原子・分子レベルの知見に基づく戦略的なアプローチが求められています。SCIGRESSは「統 合・拡張」「高精度」「高性能」「使いやすさ」をコンセプトとし、最先端の材料研究を支援します。 低分子から高分子、結晶、界面、分子集合体など幅広い系に適用でき、計算化学の専門家だけでなく実験研究者の方にも ご利用いただけます。 統合・拡張 統合プラットフォーム モデリング、計算実行、計算結果の解析を、共通のGUIから操作できます。 多くの計算手法(分子力学法、古典/第一原理分子動力学法、分子軌道法、密度 汎関数法)や解析機能を包含し、幅広い研究課題に対応します。 「ADF」、「PHASE」、「Gaussian」、「GAMESS」、「LAMMPS」といった、富士通 製以外のアプリケーションとも、共通のGUIを介した円滑な連携が可能です。 富士通製アプリ SCIGRESS基本コンポーネント 各種モデラ (分子、結晶、ポリマー等) 研究分野例 共用コンポーネント (ジョブ管理等) 金属・セラミックス - 結晶化過程(成膜) - 格子欠陥 - 結晶・空孔中の拡散挙動 - 粒界形成・粒壁移動 - 温度・圧力印加時の相転移 - 疲労・破断解析 触媒 - 触媒反応の経路探索 - 表面吸着シミュレーション - 異性体生成割合と収率の改善 半導体・薄膜 - 結晶成長 - 界面反応機構解析 - 膜構造・相挙動 高分子・液晶 - 結晶成長 - コンフォメーション解析 - 溶解の圧力依存性 - ガラス転移点 - 温度・圧力誘起相転移 - 界面反応機構 - イオン伝導・拡散 - 各種物性熱力学物性予測 - 熱劣化やUV耐性の予測 - 赤外・紫外可視吸収スペクトル 溶媒との振動解析 電池 - アカデミック発アプリ 分子設計 - 電解質の分子間相互作用 他社ベンダ製アプリ 構造最適化 QSAR/QSPR 反応および合成経路探索 - 静電相互作用計算 - 分子軌道計算(HOMO/LUMO) - 遷移状態探索 広範な適用範囲(モデル・元素・相互作用) モデリング機能 - 分子 - アモルファス・無限鎖 - 結晶 - 液晶 - ポリマー・デンドリマー - カーボンナノチューブ - ランダム配置 - 界面 - 原子・分子発生 半経験的分子軌道法のパラメータPM6法では、HからBiまでの 元素が使用可能です。 分子動力学計算用に、代表的なポテンシャル関数として、 85種類のポテンシャルパラメータライブラリを搭載しています。 左より、ポリマー、デンドリマー、アモルファスビルダ 高精度 計算エンジン 「MO-G」はMOPAC2002を基に富士通が独自に改良を加えた半経験的分 子軌道法プログラムです。HからBiまでのパラメータを備えた最新パラメータ セットであるPM6や、典型元素および一部の遷移元素を扱えるAM1、PM3、 PM5などが利用できます。さらにPDDG/MNDO、PDDG/PM3、RM1により、 生成熱計算精度が、PDDG/PM3法ではPM3に比べて25%、RM1ではAM1 に比べて48%向上しています。 長年にわたる利用実績を誇る古典分子動力学プログラムMaterials Explorer のエンジンを「MD-ME」として継承しました。 密度汎関数法プログラム「DGauss」を標準装備しました。 アライアンス製品である密度汎関数ソフトウェア「ADF」や第一原理計算プロ グラム「PHASE」との連携が可能です。同様に、量子化学計算プログラムの 「Gaussian」、「GAMESS」、分子動力学計算プログラムの「LAMMPS」との 連携も可能です。 PHASEにより算出したSi2の 状態密度図 Si2のバンド構造 反応解析ツール 反応中における分子中の原子や結合の特性(部分電荷、結合次数、結合のひ ずみ等)など、化学反応のダイナミクスを可視化できます。 分子中の原子や結合の特性、例えば部分電荷や結合次数などを分子に 重ね て表示することにより反応活性部位を容易に見出せます。 量子力学に基づいて求められる電子特性(分子軌道、電子密度、静電ポテンシ ャル、求電子・求ラジカル攻撃の受けやすさなど)を色分けして表示できます。 これにより分子内の反応抑制(もしくは促進)部位を視覚的に捉えられます。 ポテンシャルエネルギー曲面から、反応の鞍点(遷移状態)を求めることで、反 応経路を追跡することができます。 分子動力学計算・二次解析 分子動力学計算では、以下の二次解析が可能です。 - 平均二乗変位 - 二体相関関数 - ボロノイ多面体 - 分子内座標 - 干渉関数 - 粘性係数 - 弾性定数 - 速度自己相関関数 - 回転相関関数 分子動力学法による、Liイオンバッテリー用電解質のシミュレーション 高性能 計算エンジンの高速化 半経験的分子軌道法エンジン「MO-G」「MO-S」では、構造最適化手法GDIIS (Geometry optimization using Direct Inversion of the Iterative Subspace)法を実装 し、構造最適化速度と収束性が、従来比で最大6倍向上しました。 「MO-G」ではFON(Fractional Occupation Number)法、pFON法、DMS(Density Matrix Search)法により、SCF計算の速度と収束性が向上しました。 大規模・並列計算対応 MOエンジン、MDエンジンは並列計算に対応しています。高性能Linuxサーバ上での 並列計算により、大規模なモデルの計算をより高速に行います。 動作環境 1. Windows版 • • • • • OS: Windows Vista, Windows 7, Windows 8 CPU: Pentium 4: 3GHz以上 メモリ: 2GB以上 HDD空き容量: 2GB以上 モニタ: 1,024×768 ピクセル、32,768 色以上 2. Linux版(計算エンジンオプション。クライアント製 品が別途必要です) • OS: RedHat Enterprise Linux 5~6, CentOS 5~6 • CPU: Pentium 4: 3GHz以上 • メモリ: 2GB以上 • HDD空き容量: 2GB以上 使いやすさ 統合GUI プロジェクトエクスプローラにより、研究プロジェクトごとのファイル管理ができます。 モデルエクスプローラやプロパティ一覧表示機能により、対象化合物の各種パラメ ータを容易に参照・編集できます。 化合物情報の 表示・編集 プロジェクト管理 ChemDraw連携により、入力した2D構造式を3D分子モデルに変換できます。 2D構造 計算プロシージャによる効率化 プロシージャブラウザにより、計算目的にマッチしたプロシージャ(計算方法)が容 易に選択できます。計算対象→物性→手法の順に選択すると、プロシージャブラウ ザが自動的に適切な計算方法を選択します。 必要に応じて、各計算条件を変更できます。 計算プロシージャをカスタマイズできます。例えば、分子軌道法での構造最適化後 に、より詳細な密度汎関数法計算を実行するなど、マルチステップ計算を簡単に編 集できます。 計算ジョブ管理 研究プロジェクト志向の統合GUI画面 計算対象 物性 計算手法 バッチ・統計処理 Spreadsheetでは、計算結果を一覧にして管理できます。 求めたいプロパティをあらかじめ指定することにより、複数化合物に対し、一括して 自動計算を実行できます。 データのソートやグラフ化、直線回帰が簡単に行えます。データを論文投稿に適し たフォーマットで出力できます。 各種エネルギー、logP、双極子モーメント、結合トポロジーなどの物性値を計算し、 QSAR/QSPRモデルの作成に利用できます。 Bicerano法により、Tg、凝集エネルギー、溶解度パラメータなどを計算できます。 プロシージャブラウザにより簡単に計算設定を行うことができます。 日本語GUI V2よりGUIが日本語化されました。 多彩なフォーマットへの対応 MDL MOL/SD、SYBYL、Cambridge Crystallographic、PDB (Protein Data Bank)などのフォーマットを直接読み込むことが可能です。 CIFファイルに加え、XMol XYZ, Gaussian Checkpoint ファイル (fchk) など、多 くのフォーマットに対応しています。 製品構成・ライセンス 機能単位での導入が可能です。最初は必要な機能のみを購入し、後日、必要 に応じて別の機能を追加購入することも可能です。 ネットワークライセンスにより、インストール数は無制限。同時実行数のみの管 理により、場所を意識することなく計算を実行できます。 Spreadsheet上で求めたいプロパティーを事前に指定することにより、一括 計算を実行できます。 インポート可能なファイルフォーマット • • • • • • • • • • • • • MDL Mol SDF PDB Materials Explorer (bdl, inp, sim) MO-G output MOPAC output SCIGRESS Crystal Structure (xsf) CIF XMol XYZ (xyz) Gaussian Checkpoint (fchk) CambridgeSoft (cdx, cdxmk, c3xml) Tripos Mol2 ShelX GUI インタフェース ・Workspace ・MO I/F 分子の作成、原子価、混成や構造の自動整形、キラル反転、コンフォメーションのア ニメーション、電荷や結合次数の表示、エネルギーマップの作成、UVやIRスペクト ルの表示、分子の重ね合わせなどができます。 SCIGRESS MO-G/MO-S用のインタフェースです。分子軌道やIR、UV-visスペクト ルの表示などが行なえます。 ・Spreadsheet 複数化合物に対する自動バッチ処理に加えて、構造や測定可能な物理化学的物性 との相関関係を事前に見出すことにより、統計的手法を用いて未知化合物の活性 や物性を予測できます(QSAR・QSPR機能)。 計算エンジン ・Molecular Mechanics & Dynamics 全元素対応の拡張MM2、MM3ポテンシャルに対応しています。エネルギーマップ の作成、構造最適化および分子動力学計算を行えます。 ・Extended Hückel 全元素対応で、パラメータのカスタマイズも可能です。部分電荷、ダイポールモーメ ント、結合次数や分子軌道を求められます。 ・ZINDO 紫外-可視吸収スペクトルを計算することができます。 ・MO (MO-G & MO-S) MO-G: MOPAC®2002を基に、富士通が独自に改良を加えた半経験的分子軌道 計算プログラムです。ダイポールモーメント、部分電荷、結合次数、ポテンシャルエ ネルギー曲面、構造最適化、励起状態、開殻系を取り扱えます。 典型元素および一部の遷移金属を扱えるMNDO、AM1、PM3、PM5に加え、Hから Biまで計算可能な最新パラメータPM6、高精度な新規パラメータPDDG/MNDO、 PDDG/PM3、RM1も搭載されています。 溶媒効果を考慮したCOSMO法、およそ2万原子まで扱うことのできるMOZYME法 も利用できます。 pKaの予測、IR、生成熱等の算出、遷移状態の構造予測、IRCお よびDRC計算ができます。計算には、MO I/Fが必要です。 ・MD I/F SCIGRESS MD用のインタフェースです。アモルファスモデルの構築や、平均二乗 変位など各種解析が行えます。 ・Gaussian I/F Gaussian社のGaussian用のインターフェースです。SCIGRESS Basicに同梱され ています。Gaussian計算エンジン本体は、別途購入が必要です。 ・GAMESS I/F アイオワ州立大学のGordonらによって無償で提供されている非経験的分子軌道及 び密度汎関数計算プログラムであるGAMESS(US)用のインターフェースです。 SCIGRESS Basicに同梱されています。GAMESS計算エンジン本体は、別途入手 が必要です。 ・ADF I/F SCM社の密度汎関数法プログラムADFのインタフェースにより、均一系・不均一系 触媒から無機化学、重元素化学、生化学、各種分光学まで幅広い分野の研究に利 用できます。ADF/ADF BAND 計算エンジン本体は、別途購入が必要です。 ・PHASE I/F 文部科学省「革新的シミュレーションソフトウェアの開発」プロジェクトにより開発され た擬ポテンシャル密度汎関数法プログラム「PHASE」により、結晶の状態密度図や バンド構造などの計算を行えます。PHASE計算エンジン本体は、別途入手が必要 です。 ・CONFLEX7 I/F コンフレックス社のCONFLEX ver.7用のインタフェースです。CONFLEX ver.7計算 エンジン本体は、別途購入が必要です。 ・MOPAC2009 I/F MO-S: 電子の励起を計算する為の半経験的分子軌道計算プログラムです。 INDO/S、CNDO/S、CNDO/S2、CNDO/S3、CNDO/2、AM1、PM3、PM5、 PDDG/MNDO、PDDG/PM3、RM1が指定できます。計算には、MO I/Fが必要です。 Stewart Computational Chemistry社のMOPAC2009用インタフェースです。 SCIGRESS MO I/Fに同梱されています。MOPAC2009計算エンジン本体は、別途 入手/購入が必要です。 ・MD-ME ・LAMMPS I/F 富士通独自開発の本格的な分子動力学プログラムです。気体・溶体・固体など、さ まざまな系の反応のダイナミクスを計算でき、また拡散定数、速度自己相関関数な ど、さまざまな二次解析機能に対応しています。計算には、MD I/Fが必要です。 米国のSANDIA国立研究所が中心になって開発を進めるオープンソースの分子動 力学計算プログラムLAMMPS用インターフェースです。 SCIGRESS MD I/Fに同梱 されています。LAMMPS計算エンジン本体は、別途入手が必要です。 * Windows®は、Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標です。Pentium®は、 Intel Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。 * Gaussian®はGaussian社の登録商標です。 * MOPAC®は、Stewart Computational Chemistry (SCC) 社の登録商標です。 * CONFLEX®はコンフレックス社の登録商標です。 * SCIGRESS PHASE I/Fは、東京大学生産技術研究所計算科学技術連携研究センターが実施した、文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発「革新的シミュレーションソフトウェアの研究開発」プロジェクトの成果を富士通株 式会社が商用ライセンスの許諾を受けて、独自に商用化したものです。 富士通株式会社 テクニカルコンピューティング・ソリューション事業本部 HPCアプリケーション統括部 〒261-8588 千葉市美浜区中瀬1-9-3 幕張システムラボラトリ TEL: 043-299-3680, FAX: 043-299-3011 MAIL: [email protected] インターネットで製品情報がご覧になれます。 URL: http://jp.fujitsu.com/solutions/hpc/app/scigress/ Copyright 2014FUJITSU LIMITED 2014年4月
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